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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) 122 |
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管理番号 | 1069464 |
異議申立番号 | 異議1998-90769 |
総通号数 | 37 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2003-01-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-04-17 |
確定日 | 2002-12-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4090532号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4090532号商標の登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4090532号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Polo Club」の欧文字を書してなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および付属品」を指定商品とし、平成3年11月28日に登録出願、同9年12月12日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 本件商標は、申立人がその業務に係る被服、眼鏡等の商品に使用し、広く一般に知られている「Polo」の文字を有してなり、かつ、本件商標の指定商品と上記商品とは需要者を同じくする場合が多い商品であるところから、本件商標をその指定商品に使用した場合は商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 3 当審の判断 (1)「POLO」の周知性について検討する。 (株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。 アメリカ合衆国在のラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。 我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標、(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。 そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。 また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB I980,12 」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。 なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても本件商標の出願時には既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。 (2)本件商標が商品の出所について混同を生ずるものであるか否かについて検討する。 本件商標は、上記のとおり、「Polo」と「Club」の2語を結合してなるものであることは明らかであり、常に一体不可分にのみ看取されるべき格別の事由もなく、前記認定の如く引用商標が著名であることに照らせば、本件商標に接する需要者、取引者は、その構成中の「Polo」の文字に注目し、引用商標を連想、想起するというのが相当である。 また、本件の指定商品「はき物、かさ、つえ」等は、ファッションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファッションをまとめようとする昨今においては、上記引用商標が使用されている被服、眼鏡とは、少なからぬ関係を有するものといえる。 してみれば、本件商標をその指定商品について使用する場合に、これに接する取引者、需要者は、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。 なお、商標権者が提出したファッションブランドアンケート等の乙各号証は、「Polo Club」と「Polo」が別のブランドの商標として知られるに至っている事実を立証するにとどまるものというべきであり、「Polo Club」ブランドないしは本件商標を使用する者がラルフ・ローレン等と関係がないことを一般の需要者が知っていたことを窺わせるものでないから、たとえ、本件商標が周知であったとしても、上記混同を生ずるおそれがないということはできない。 (3)むすび したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められる。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-03-28 |
出願番号 | 商願平3-123317 |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Z
(122)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 小川 宗一 |
特許庁審判長 |
大橋 良三 |
特許庁審判官 |
大渕 敏雄 平松 和雄 |
登録日 | 1997-12-12 |
登録番号 | 商標登録第4090532号(T4090532) |
権利者 | 上野衣料株式会社 |
商標の称呼 | ポロクラブ、ポロ、クラブ |
代理人 | 曾我 道照 |
代理人 | 山内 淳三 |
代理人 | 黒岩 徹夫 |
代理人 | 岡田 稔 |