• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 021
管理番号 1068076 
審判番号 取消2000-31502 
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-12-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-12-14 
確定日 2002-07-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第3045609号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
商標登録第3045609号に係る商標(以下、「本件商標」という。)は、「天磁牌」の漢字を横書きしてなり、平成4年9月17日登録出願、第21類「食器類(貴金属製のものを除く。)」を指定商品として平成7年5月31日設定登録がされたものである。

第2 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
「商標登録第3045609号はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」旨の審決
2 請求の理由
本件商標は、審判請求の日以前に継続して3年以上日本国内において商標権者が指定商品についての登録商標の使用していないから、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 弁駁
(1)被請求人の本件商標を付した商品は、本件商標の指定商品ではないから、乙第3号証ないし同第10号証をもって使用を証明しても、本件商標を使用したことにはならない。
乙第1号証及び同第2号証に示されている商品は、商品区分第21類「携帯用アイスボックス、米びつ、食品保存用ガラス瓶、水筒、魔法瓶」の商品群に属する断熱容器であり、食器としての機能を欠き、食器という商品分類に属さない。
(2)被請求人の本件商標を付した商品は、請求人と現在取引のある天津市天磁有限公司の設備である天津市磁性材料総廠省が製造したものである。甲第3号証(「天磁杯」)は、熱い湯や茶の飲用に適する「磁化水」を作るため、永久磁石を用いた発泡剤を注入させ、断熱効果を持たせた断熱容器である。
(3)したがって、被請求人は、本件商標を継続して3年以上日本国内において使用した事実は認められない。
4 証拠方法
請求人は、審判請求書に記載のとおり甲第1号証及び同第7号証を提出した。

第3 被請求人の答弁の要点
1 答弁の趣旨
結論掲記の審決
2 答弁の理由
(1) 被請求人(商標権者)は、本件商標を下記のとおり使用している。
(ア)「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡す行為」(商標法2条3項2号)の存在
被請求人は、「天磁牌」と表示された蓋と一対で一体をなす持ち手付きの水飲み(乙第1号証並びに2及び第2号証並びに2の各「写真」、以下「本件商品」という)を「天磁牌」と記載された包装用紙箱に入れた状態で(乙第1号証3並びに4及び乙第2号証3並びに4の各「写真」)販売している。
したがって、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商品及びその包装に本件商標を付して譲渡し、引き渡している。
(イ)「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」(商標法2条3項7号)の存在
被請求人は、顧客への販売・引き渡しや別途の書類・資料等の交付・送付に際し、本件商標を本件商品の効能・特徴・飲用法を説明した広告文書(乙第3号証)を随時頒布している(乙第10号証)。
被請求人は、取扱商品の広告を兼ねて、表面下部に主力商品が列挙表示された封筒(乙第4及び第5号証)を作製し、その宣伝のため随時これを顧客や取引相手への書類、資料の交付、送付に用いてきたところ、これら列挙表示された商品の中でも、本件商標は冒頭に掲げられている。
したがって、被請求人は、商品に関する広告に本件商標を付して頒布している。
(2)本件商品は「食器類」に属する商品である。
本件商品が、(もし仮に断熱容器であるとしても同時に)「食器類」に属する商品であることに間違いはない。
すなわち、本件商品は、蓋と一対で一体をなす持ち手付きの円筒形水飲み(コップ)であるところ、本件商品内部に貯えられている水(液体)をそのまま経口摂取し易いように側面には持ち手が付加されてジョッキ状をなしているものである(乙第1ないし第3号証)。
乙第3号証(「広告文書」)にも、本件商品につきその商標を「STRONG-MAGNETIC-CUP」と英訳し、特徴及び飲用法欄でも本件商品のことを「このCUP」と記載、CUP即ちコップとして商品化している。
本件商品が蓋と一対で一体をなしている理由は、一定時間、水(液体)を本件商品内に貯え保管しておく必要があることから、ほこりや異物の混入、蒸発、こぼれを回避するためには、蓋により本件商品内部の水(液体)を外部から遮断しなければならないためである。本件商品の蓋は、内部に貯えられた水(液体)を保温・保冷する(断熱効果を上げる)目的で付けられている訳ではない。
本件商品について、専ら磁石の持つ磁力線・磁化現象による「イオン活性水」の生成を宣伝文句として謳っている(乙第3号証)が、「熱い湯や茶の飲用に適する磁化水を作るため」などと謳ったことはない。商品の構造や材料による保温・保冷(断熱)効果についても全く触れていない。
商品区分第21類に属する断熱容器は、単に水やお湯の温度を保持するための保温断熱機能を有するものであり、本件商品のように貯めた水やお湯を呑むためのカップを有するものまで含まない。
3 証拠方法
被請求人は、答弁書に記載のとおり乙第1号証ないし同第15号証(枝番号を含む。)を提出した。

第3 当審の判断
1 本件商標の使用の有無
(1)本件商標は、「天磁牌」の漢字を横書きしてなり、「食器類(貴金属製のものを除く。)」を指定商品とするものである。
(2)被請求人提出の乙第1号証の3ないし7、同第2号証の3ないし7(被請求人の販売する商品の写真)、同第3号証(広告文書)、同第7号証(売上伝票、請求書、貨物受取書、受領書等の取引書類)によれば、次の事実が認められる。
商品の包装箱に本件商標「天磁牌」とほぼ同一の漢字と認められる「天磁牌」の文字が表示されている。そして、本件商標についての本件審判請求の予告登録は、平成13年1月24日であるところ、本件商標「天磁牌」を付した商品が、被請求人名により平成10年5月18日に2個、同年6月1日に5個、同年12月16日に3個、平成11年5月7日に3個、同年5月24日に1個販売されている。また、発売元を被請求人とし、本件商標「天磁牌」とほぼ同一の漢字と認められる「天磁牌」の文字が表示され、その商品の特徴、飲用法などを説明した広告文書が作成されている。
(3)次に、本件商標「天磁牌」を付した商品(以下、「本件商品」という。)について、請求人は、第21類「携帯用アイスボックス、米びつ、食品保存用ガラス瓶、水筒、魔法瓶」の商品群に属する断熱容器であり、食器としての機能を欠き、食器という商品分類に属さない旨主張し、被請求人は、本件商標の指定商品である「食器」に属するコップであると主張するので、この点について検討する。
(ア)商標法施行令第1条に基づく商標法施行規則第6条に規定する別表第21類においては、
「三 食器類(貴金属製のものを除く。)」とし、食器類に属する商品として「(一)きゅうす コップ 杯 皿 サラダボール 重箱 茶わん ディッシュカバー デカンター 徳利 鉢 ビールジョッキ べんとう箱 水差し 湯飲み わん (二)菓子缶 たる 茶缶 つぼ パン入れ」の商品が例示されている。
他方、食器類以外の飲食物容器及び調理用具等の家庭用又は台所用の手動式の器具として「五 アイスペール 泡立て器 魚ぐし 携帯用アイスボックス こし器 こしょう入れ 砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。) 卵立て(貴金属製のものを除く。) ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。) 盆(貴金属製のものを除く。) ようじ入れ(貴金属製のものを除く。) 米びつ ざる シェーカー しゃもじ 手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき じょうご 食品保存用ガラス瓶 水筒 すりこぎ すりばち ぜん 栓抜 大根卸し タルト取り分け用へら なべ敷き はし はし箱 ひしゃく ふるい まな板 魔法瓶 麺棒 焼き網 ようじ レモン絞り器 ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)」の商品が例示されている。
上記例示の商品群を比較すると、前者の食器類は、主として飲食物を盛ったり、入れたりする器・容器である。これに対して、後者は主として、「泡立て器 魚ぐし こし器 しゃもじ すりこぎ すりばち 大根卸し まな板 麺棒 焼き網 レモン絞り器 ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)」などの調理用具の外、「こしょう入れ 砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。)」などの調味料入れ及び「携帯用アイスボックス 米びつ 食品保存用ガラス瓶 水筒 魔法瓶」などの飲食物を保存する容器、その他「盆(貴金属製のものを除く。) ぜん 栓抜 なべ敷き はし はし箱」などの食卓で用いられる用具・器具である。
そして、商標法においては、上記商品概念において「食器類(貴金属製のものを除く。)」と調理用具、飲食物を保存する容器、その他の食卓で用いられる用具・器具とに商品を分類しているものと認められる。
(イ)前出の乙第1号証ないし同第3号証及び被請求人の答弁の趣旨によれば、本件商品は、専ら磁石の持つ磁力線・磁化現象による「イオン活性水」(磁化水)が生成される容器であり、一般に飲用する液体(水・お湯・お茶・コーヒー・ジュースなど)を本件商品であるCUPに入れると磁化現象が起こり、CUP内の液体がイオン活性水に変化し、これを飲用すると、人体内の組織細胞と共振し、生理代謝を促進、酵素代謝の活性を増強して身体機能の免疫力を高めるという効果が謳われている商品であると認められる。
そして、本件商品の形状は、蓋と一対で一体をなす持ち手付きの円筒形の容器で、ジョッキ状をなしているものであり、蓋付きであることは、「イオン活性水」が出来上がるには、容器に液体を一定時間(長ければ一晩)入れておく必要があり、ほこりや異物の混入、蒸発、こぼれを回避するためのものであり、液体を保温・保冷する(断熱効果を上げる)目的ではないものと認められる。
(ウ)そこで、前記(ア)において説示した商標法上の商品概念の下に、本件商品を検討するに、本件商品は、上記(イ)における認定事実よりすると、飲み物(水・お湯・お茶・コーヒー・ジュースなど)を入れる容器ではあっても、飲用する液体を「イオン活性水」(磁化水)に生成することを目的とする点(前記の謳われている効果は必ずしも明らかではないが、その点はさて措き)において、特殊な容器(CUP)であるが、被請求人自身もこれを「杯」「CUP」と表示して販売している事実が認められる(乙第2号証及び同第3号証)。そして、本件商品について提出された証拠によっては、本件商品が飲用する液体を保温・保冷を目的とした断熱効果のある「携帯用アイスボックス 米びつ 食品保存用ガラス瓶 水筒 魔法瓶」などの飲食物を保存する容器の範ちゅうに属する商品であるとする事実を認めることはできない。
請求人は、甲第3号証(天津市天磁有限公司の証明書)を挙げて、本件商品は、断熱容器であり「食器類」ではないと主張するが、本件商品は、仮に断熱効果を有するものであったとしても、そのことから「食器類」であることを妨げる事由とはならないものというべきである。
そうすると、本件商品は、特殊な容器(CUP)ではあるが、飲み物(水・お湯・お茶・コーヒー・ジュースなど)を入れる容器であり、その形状が前記(イ)において認定したとおりの形状である点において「食器類」であることを否定することができないものといわざるを得ない。
(4)したがって、前記(2)及び(3)において認定したとおり、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録(予告登録、平成13年1月24日)前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標をその指定商品「食器類(貴金属製のものを除く。)」に属する飲み物(水・お湯・お茶・コーヒー・ジュースなど)を入れる容器ついて使用していたものである。
2 結語
以上のとおりであり、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、本件審判請求は、成り立たないものとし、審判費用の負担について商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-10-15 
結審通知日 2001-10-18 
審決日 2001-10-30 
出願番号 商願平4-195777 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (021)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 金子 茂飯塚 隆 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 小池 隆
寺島 義則
登録日 1995-05-31 
登録番号 商標登録第3045609号(T3045609) 
商標の称呼 テンジハイ、テンジ 
代理人 吉井 昭 
代理人 金本 恒二郎 
代理人 大西 正夫 
代理人 大西 孝治 
代理人 井ノ口 壽 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ