ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 取り消して登録 Z41 |
---|---|
管理番号 | 1068063 |
審判番号 | 審判1999-18764 |
総通号数 | 36 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-12-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-11-24 |
確定日 | 2002-11-27 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第56734号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「クリスタルキング」の文字を標準文字で表してなり、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,音楽の演奏,録音物及び映像物の企画制作,音楽の教授,楽器及び音響機材の貸与」を指定役務として平成10年7月3日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、音楽バンドグループ『クリスタルキング』の名称として著名なものであり、かつ、そのグループが著名性を獲得したとみられる時点での、該グループに所属していたメンバーの承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は前記のとおり「クリスタルキング」の文字を書してなるところ、該文字は、1979年に楽曲「大都会」のヒットにより一躍世間に知られる所となった音楽グループの名称「クリスタルキング」を表したものと認められる。 ところで、商標法第4条第1項第8号は、人格権保護の規定であり、氏名と同様に特定人の同一性を認識させる著名な雅号、芸名若しくは筆名についても保護をしている。ただし、著名な雅号、芸名若しくは筆名であってもその者の承諾が得られれば登録を認めている。本件の様な複数人から構成されているものとして認識されている音楽バンド・グループ等の場合、グループの同一性を確認するために構成員全員の同意が必要として運用されているものである。 しかして、これを本願商標について検討するに、著名な個人の氏名、雅号、芸名若しくは筆名であれば、常に唯一個人に帰属する人格権として、当該本人の承諾により商標登録が可能であるが、本件の場合、複数人から構成されているグループ名であり、通常、複数人数よりなるグループにおいては、その構成メンバーの変更は、しばしば行われているものである。 そうとすると、複数人から構成されているグループの場合、特定時期の構成メンバー個々人のみが該グループとしての人格権保護の享受を占有するというのは合理的ではなく、途中メンバー変更等があったとしても、該グループ名をもって業を継続的に行い、著名性を獲得した時期のグループと、グループとしての同一性が認められるのであれば、人格権保護の対象となるのは、継続性、同一性が認められた、現在、業を行っている現在のメンバーからなるグループにあると言うべきである。 そして、本願について請求人(出願人)が提出した各資料によれば、該グループ「クリスタルキング」は、楽曲「大都会」によって著名性を獲得した1979年以降、構成メンバーの変更はあったものの、現在に至るまで「クリスタルキング」として継続して業を行ってきたものと認められ、請求人(出願人)の代表者が一貫してリーダーとしてメンバーに加わっているとともに、請求人(出願人)がその活動を管理していることが認められるものである。 してみれば、本件請求人がその指定役務に使用することが直ちに該グループ「クリスタルキング」の人格権を毀損することになるものとは認められないから、本願商標を商標法第4条第1項第8号に該当するものと認定した原査定は妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-11-08 |
出願番号 | 商願平10-56734 |
審決分類 |
T
1
8・
23-
WY
(Z41)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山下 孝子 |
特許庁審判長 |
滝沢 智夫 |
特許庁審判官 |
松本 はるみ 今田 三男 |
商標の称呼 | クリスタルキング |
代理人 | 村井 隆 |