• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200235336 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 122
管理番号 1064780 
審判番号 無効2000-35003 
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-01-05 
確定日 2002-09-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第2568763号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2568763号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2568763号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成3年3月26日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同5年8月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する登録商標
請求人は、本件商標の登録無効の理由として下記の登録商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)を引用している。
(a)昭和49年5月13日に登録出願され、「PRO-KEDS(ハイフンは半文字程度である)」の文字を横書きしてなり、第22類「くつ(運動用特殊ぐつを除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、同56年7月31日に設定登録された登録第1469826号商標(その後、指定商品及び区分は指定商品の書換により、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」として登録されている。)。
(b)昭和51年7月15日に登録出願され、「プロケッズ」の文字を横書きしてなり、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同56年7月31日に設定登録された登録第1469827号商標(その後、指定商品及び区分は指定商品の書換により、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」として登録されている。)
(c)昭和47年7月22日に登録出願され、「PROKEDS」の文字を横書きしてなり、第24類「運動用特殊靴、その他本類に属する商品」を指定商品として、同53年3月1日に設定登録された登録第1325118号商標

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第23号証を提出した。
(1)商標法4条1項11号について
本件商標と引用商標を外観上比較すると、看者に最も強い印象を与える語頭部において、「PRO/プロ」の文字、語尾部においては、「EDS/ッズ」の部分を共通にしている。相違する部分は、看者に印象が最も薄い中間部における、「R/レ」と「K/ケ」の違いのみである。
両商標とも造語である点を考慮すれば、簡易迅速を尊ぶ商取引の場においては、本件商標と引用商標を外観上混同する可能性が高く、両商標は、外観上類似の商標である。このことは、甲第2号証の審決・判決例からも明らかである。
次に、両商標の称呼についてみると、本件商標は「プロレッズ」と称呼され、引用商標は「プロケッズ」と称呼されることは明らかである。
そこで、この両称呼を比較すると、聴者に最も印象の薄い中間に位置する「レ」と「ケ」の相違があるのみであり、残りの音をすべて共通にしている。「レ」と「ケ」では、共に母音「e(エ)」を伴うため、両商標を一連に称呼した場合には、語韻語調が極めて近似したものとなり、相紛れるおそれが高いものといえる。とくに、「レ」の音は曖昧音のため、その傾向は顕著なものとなることは明らかである。
請求人の使用する商標の著名性を考慮すれば、本件商標が引用商標と外観・称呼上類似することは明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標と類似し、指定商品も抵触するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は無効とされるべきである。

(2)商標法4条1項19号について
(イ)請求人の使用する商標の周知・著名性について
請求人の使用するハウスマーク「PRO-KEDS/プロケッズ」(以下、「引用使用商標」という。)は、米国商標登録原簿にあるように、米国において1949年1月1日より商品「靴」について使用が開始され(甲第3号証)、1958年より本格的に一般需要者に販売されるようになった(甲第4号証)。日本では、1974年より司葉貿易(株)により販売が開始され、その後、1980年に、「PRO-KEDS JAPAN」の頭文字をとった、P.K.J(株)が設立され、その事業を引き継ぎ日本で活発に販売活動を行っている(甲第5号証及び同第6号証)。
P.K.J(株)は、オカモト(株)の関連会社という関係にあり、引用使用商標の使用に係る商品「靴」のみを販売しており、オカモト(株)の1993年及び1994年の有価証券報告書から明らかなように、P.K.J(株)の年間売上は、1992年において144億3100万円、1993年において94億5200万円である(甲第7号証)。また、1987年から1993年までの売上の年間平均は約100億円であり、販売足数の年間平均は約500万足(甲第8号証)、宣伝広告費の年間平均は約5億である。宣伝広告は、「ポパイ(36万部)」、「ノンノ(135万部)」、「少年ジャンプ(638万部)」、「少年サンデー(150万部)」等、主に発行部数の多い雑誌を中心に継続的に行われている(甲第9号証及び同第10号証)。
このような宣伝広告の結果、引用使用商標の使用に係る靴は、1984年から1993年までの業界紙「シューズポスト」の調査をみても、販売実績、人気とも常に上位を占めている。例えば、1992年12月号の「シューズポスト」の調査結果によると、男性部門でNIKEに続き2番目の人気であり、また、女性部門でも4位から6位までを独占している(甲第11号証)。
研究社発行の辞書「リーダーズ・プラス」にも、引用使用商標が請求人の商標として紹介されている(甲第12号証)。
旧第17類の商品に関する登録異議申立事件(1983年異議決定)においても、商標「KEDS」及び「プロケッズ」の著名性が認定されいる(甲第13号証及び同第14号証)。
以上述べたところにより、引用使用商標が、本件商標出願日前から現在に至るまで、外国又は我国において著名な商標として存在していることは明らかである。
なお、本件商標と引用使用商標とが類似するものであることは、上記(1)のとおりである。
(ロ)不正の目的について
引用使用商標の著名性、引用使用商標が造語である点、被請求人が、引用使用商標と同じような態様で、靴のかかと部分に商標を長方形で囲って使用し引用使用商標の信用にただ乗りする意図が明白であることより(甲第17号証)、被請求人に不正の目的があったことは明らかである。
このような、引用使用商標の著名性、本件商標と引用使用商標との類似性、本件商標の指定商品と引用使用商標の使用に係る商品の類似性又は近似性、被請求人の不正の目的等を総合的に勘案すると、本件商標が商標法4条1項19号に該当することは明らかである。

(3)商標法4条1項10号及び同第15号について
上述したところと同様の理由により、本件商標が被請求人により使用されれば、引用使用商標との関係で、一般需要者が商品の出所について混同を生ずることは明らかである。現に本件商標は、使用されており、引用使用商標との関係で混同が生じている。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する商標である。

(4)商標法4条1項7号について
本件商標は、請求人の米国及び日本における著名商標と類似する商標であり、外国著名商標のただ乗りに該当するから、国際信義に反するものであり(甲第15号証及び甲第16号証)、商標法第4条第1項第7号に該当し登録されるべきでない。

4 被請求人の答弁
被請求人は、何ら答弁していない。

5 当審の判断
(1)請求人の提出に係る甲各号証によれば、次の事実を認めることができる。
(イ)甲第3号証(米国商標登録原簿写し)によれば、請求人の使用する引用使用商標「PRO-KEDS」は、米国において1949年1月1日より商品「靴」について使用が開始され、甲第4号証(「英和商品名辞典」株式会社研究社 1990年初版発行)によれば、Pro-Kedsというキャンバス地ハイトップのバスケットボールシューズが青少年の運動靴として圧倒的な人気があり、1958年以来のロングセラーとなっていると記載されていること。
(ロ)甲第5号証(「KEDS」及び「PRO-KEDS」の歴史の写し)、甲第6号証(商品カタログ)、甲第7号証(オカモト株式会社「有価証券報告書」一部抜粋写し)及び甲第8号証(「Shoes Post/シューズポスト」1984年12月15日号)によれば、我が国においては、「PRO-KEDS」の靴は、1974年より司葉貿易株式会社により販売が開始され、その後、1980年に、オカモト株式会社の関連会社であるP.K.J株式会社(「PRO-KEDS JAPAN」の頭文字をとったもの)が設立され、その事業を引き継ぎ、日本で販売活動を行っている。P.K.J株式会社は、引用使用商標を使用した「靴」のみを販売しており、年間売上高は、1992年において144億3100万円、1993年において94億5200万円となっていたこと。
(ハ)甲第9号証(「PRO-Keds広告出稿媒体発行部数表」Media-datea 1994年6月作成)及び甲第10号証(PRO-KEDSの広告物写し)によれば、請求人は、「PRO-KEDS」の靴の宣伝広告を「ポパイ(36万部)」、「ノンノ(135万部)」、「少年ジャンプ(638万部)」、「少年サンデー(150万部)」等、主に発行部数の多い雑誌を中心に継続的に行っていたこと。
(ニ)甲第11号証(「Shoes Post/シューズポスト」1985年12月15日号、1991年8月25日号、1992年12月15日号、1993年3月15日号、1993年6月15日号)によれば、引用使用商標を使用した靴は、販売実績、人気とも常に上位を占めており、例えば、1992年12月号の「シューズポスト」の調査結果によると、男性部門では、NIKEに続き2番目の人気であり、また、女性部門でも4位から6位までを独占しており、甲第12号証(「リーダーズ・プラス」株式会社研究社 1994年6月初版発行)においても、引用使用商標が請求人の商標として紹介されていること。

(2)上記認定の事実によれば、請求人の使用に係る「PRO-KEDS」の商標は、本件商標の登録出願がなされた平成3年3月当時には既に、請求人の業務に係る商品「靴」を表示するものとして、取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認められ、現在に至っているということができる。
なお、甲号証の中には本件商標出願後の資料もあるが、それらの記載内容は、本件商標の出願当時における「PRO-KEDS」についての事情を把握することについて、十分参考となし得るものである。

(3)しかして、本件商標は、別掲(1)に示すとおり、「PROREDS(PROとREDSとの間には半文字程度の間隔がある)」の欧文字からなるものであり、請求人の使用に係る商標は、「PRO-KEDS(PROとKEDSとの間のハイフンは半文字程度である)」の構成からなるものである。
そこで、この両商標を比較するに、両商標は、いずれも欧文字7文字よりなるものであるところ、前半の「PRO」の文字と後半の「EDS」の文字を共通にし、異なるのは中間における「R」と「K」の部分にすぎない。そして、これとても、その文字の形状は近似しており、しかも、印象の薄い中間部における差異であるため、両商標から受ける全体的な印象は極めて似たものとなり、時と処を異にして離隔的に観察されるときには、外観において相紛わしく、互いに類似する商標といわなければならない。
また、本件商標から生ずると認められる「プロレッズ」の称呼と請求人の使用に係る商標から生ずると認められる「プロケッズ」の称呼とを比較するに、両者は、いずれも促音を伴う4音構成からなり、その差は、中間における「レ」と「ケ」の音のみである。そして、「レ」と「ケ」の音にしても、共に母音(e)を共通にするものであり、かつ、聴者にとって、印象の薄い中間に位置することとも相俟って、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が近似するものであるから、称呼における紛らわしさも否定し難いところである。
してみれば、本件商標と請求人の使用に係る商標とは、外観において類似し、称呼においても彼此相紛らわしく、全体として互いに誤認混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。

(4)そして、甲第17号証(本件商標と引用使用商標の使用に係る写真)によれば、被請求人は、引用使用商標と同じような態様で、靴の外部かかと部分に「PRO-REDS(Sの文字の右上にマルRが付されている)」の商標を長方形で囲って使用しており、又、靴の内部かかと部分に「PRO-Reds(sの文字の右上にマルRが付されている)」の商標を使用している事実を認めることができる。
そうとすれば、被請求人による上記の如き商標の使用の時期が本件商標の出願前であったかどうかは定かでないとしても、被請求人は、上記のような使用を念頭において、引用使用商標と極めて紛らわしい本件商標を採択したものと推認せざるを得ない。
そして、これらの点を述べる請求人の主張に対して、被請求人は何ら答弁するところがない。

(5)してみれば、被請求人は、請求人の引用使用商標が本件商標の出願前から靴について使用され、取引者・需要者間において周知・著名であった事実を承知のうえ、請求人の引用使用商標と外観、称呼において紛らわしい類似の商標を引用使用商標が使用されている「靴」を含む商品を指定商品として出願し、権利を取得したものであり、被請求人が本件商標を採択使用する行為には、不正の利益を得る目的等の不正の目的があったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、請求人のその余の主張について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標

審理終結日 2002-07-02 
結審通知日 2002-07-05 
審決日 2002-07-23 
出願番号 商願平3-31509 
審決分類 T 1 11・ 222- Z (122)
最終処分 成立 
前審関与審査官 関口 博鈴木 新五 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高野 義三
山口 烈
登録日 1993-08-31 
登録番号 商標登録第2568763号(T2568763) 
商標の称呼 プロレッズ、ピイアアルオオレッズ 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 
代理人 足立 泉 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ