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審判番号(事件番号) データベース 権利
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取消200630137 審決 商標
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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 128
管理番号 1064662 
審判番号 取消2000-30687 
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-06-14 
確定日 2002-08-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第1875220号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第1875220号商標の指定商品中「洋酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1875220号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和59年3月2日に登録出願、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、同61年7月30日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求める、と主張し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)商標法による商標の保護は、商標の永年の使用によって蓄積された使用者の業務上の信用に対して与えられるのが本来の姿である。しかして、一定期間登録商標の使用をしない場合には.保護に値する顧客吸引力も、財産価値としての信用も消滅して、保護すべき対象がなくなり、法的保護を与える必要性も存在しないことになる。
ところが、本件商標は、その指定商品のうち「酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。
(2)請求人は、商標「四万十ワイン」を商品区分第33類で「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成8年8月21日付けで商標登録出願した(甲第1号証)。
ところが、この出願に対して平成10年4月10日(発送日)で拒絶理由通知書が送付され、この拒絶理由通知書には「この商標登録出願に係る商標は、登録第1875220号(商公昭60-81050号)商標と同一又は類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」とあった。
しかして、請求人が本件商標の使用事実を調査したところ、指定商品のうち「洋酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」については、審判の請求の登録前3年以内に日本国内いずれの地においても使用されていないのであり、本件商標の原簿謄本写(甲第2号証)には、専用使用権者や通常使用権者の設定登録がなされておらず、専用使用権者そして通常使用権者のいずれも本件商標を指定商品中「洋酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」に使用されていない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)請求人は、本件の指定商品中「洋酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」について取り消しを請求している。
しかし、旧商標法の商品区分第28類の商品には、「酒類(薬用酒を除く。)」との記載があって、その下位商品として「日本酒,洋酒,ビール,果実酒,中国酒,薬味酒」と明記されているものである。したがって、「その他左記商品に類似する商品」は、「日本酒,中国酒薬味酒」を意味するものと解せられる。なぜならば、商品の類似の判断において、原則として特許庁商標課編「商標審査基準」によるものとされ、その基準に「販売部門の一致」、「需要者の一致」があり、後述する乙第1号のように現在においては「洋酒,ビール,果実酒,日本酒,中国酒,薬味酒」は、その販売部門や需要者が一致し、同一または類似の商標が使用されれば需要者はその出所が同一と誤認してしまうからである。
(2)そこで、被請求人は、乙第1号証のようにお酒のスーパー「リカーワールド」を介して「日本酒」の商品について「四万十」の商標を使用して販売しており、上記した理由から請求人の指定する「その他左記の商品に類似する商品」中の「日本酒」について本件商標と同一の商標を使用しているもので、本件商標の取消審判請求は却下されるべきものである。
なお、乙第1号の「リカーワールド」の販売用広告は、8月15日(日)の日付と曜日の記載のように平成11年の夏用のもので、また本日より27日(火)の表示は平成11年7月のもので、本件請求の登録前3年以内に使用しているものある。
また、「リカーワールド」の会社は、乙第2号証に記載しているように本件被請求人の関連同族会社及び店舗の一員で、清酒、ビール等について暗黙の通常使用権の許諾の下に販売させているもので、通常使用許諾による使用に該当するものである。
(3)また、請求人は、甲第1号証のように「第33類 指定商品 日本酒,洋酒,清酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品に記載し、業務欄に「清酒製造業,果実酒製造業,飲料用アルコール製造業,薬用酒製造業」と記載しているが、被請求人の知り得るところでは請求人は清酒等の製造許可免許は取得していないものと思料する。
したがって、請求人の商標登録願は、自己の業務に係る商品について使用する商標でなく、その商標登録願は拒絶されるべきものと考える。
(4)さらに、請求人は、甲第1号証のように「第33類 指定商品 日本酒,洋酒,清酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品に記載し、商標として「四万十ワイン」と表示して出願している。このように商標は、「ワイン」に関するものであり、「ワイン」とは周知の通り「ぶどう酒」のことである。(このことは、乙第3号証からも明らかである。)にもかかわらず、指定商品として「日本酒,洋酒,清酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定しているので、明らかに品質誤認を招来し、商標法第4条第1項第16号に該当する。また、指定商品として「果実酒」と記載しており、「果実酒」には「ぶどう酒」の他に「いちご酒 なし酒 りんご酒」などが含まれ商標法第4条第1項第16号に該当する。
したがって、甲第1号証の請求人の商標登録願は商標法第4条第1項第16号の規定により拒絶されるべきものである。
(5)以上のように、本件商標について、本件商標権者の通常使用許諾者が本件商標権の指定商品中の少なくとも「日本酒」について、本件登録商標を表示して広告、宣伝、販売して使用しているもので、本件審判請求は却下されるべきものである。

4 当審の判断
被請求人の提出に係る乙第1号証によれば、本件商標に係る通常使用権者である、「リカーワールド」会社が販売する商品「日本酒」に「四万十」の商標を使用していることは窺える。
ところで、商品「洋酒,ビール,果実酒」と被請求人使用に係る商品「日本酒」は、共に、酒類に属する商品であるが、「日本酒」は、日本古来の製造方法によって醸造されるものであって、両者は、その生産者、原材料等を異にする非類似の商品と認められるものであって、商品「日本酒」は本件請求に係る商品「洋酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」には含まれないものである。
してみると、被請求人が、商品「日本酒」に本件商標を使用している事実をもって、請求に係る商品についての使用とみることはできない。
なお、被請求人は、請求人出願の商標について、拒絶の理由が存在する旨主張しているが、本件取消審判の結論に影響を及ぼすものではない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「洋酒,ビール,果実酒,その他左記商品に類似する商品」について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標

審理終結日 2002-06-26 
結審通知日 2002-07-01 
審決日 2002-07-12 
出願番号 商願昭59-19978 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (128)
最終処分 成立  
前審関与審査官 尾原 静夫 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 滝沢 智夫
中嶋 容伸
登録日 1986-07-30 
登録番号 商標登録第1875220号(T1875220) 
商標の称呼 シマント 
代理人 岡田 全啓 
代理人 森本 邦章 

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