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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 009
管理番号 1060213 
異議申立番号 異議1998-92131 
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-11-13 
確定日 2000-04-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第4176206号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4176206号商標の登録を取消す。
理由 1 本件商標
登録第4176206号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年9月3日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」を指定商品として平成10年8月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、異議申立の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第25号証を提出した。
(1)本件商標権者は、本件商標の指定商品に関する業務を行っている事実を発見できなかった。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものである。
(2)本件商標は、申立人が商品「ゴーグル、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ」に永年使用し、本件商標出願前より周知・著名になっていた「BURTON」「バートン」(以下、「引用商標」という。)と商標において類似し、かつ、本件商標の指定商品「眼鏡」は、「ゴーグル」を含むものであり、「スノーボード」は「ゴーグル」と共に販売、使用されるものであるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は抵触又は近似するものである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
(3)申立人の名称は、「THE BURTON CORPORATION」であり、新聞や雑誌でも「BURTON」と略称されて著名となっている。
よって、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標といえるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(4)本件商標は、申立人の使用する著名商標「BURTON」「バートン」のただ乗りに該当するから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第4条第1項第15号に該当するものとして、商標権者に対して通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
<取消理由>
申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人(ザ・バートン・コーポレーション)は、米国で1977年に設立された、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ等の製造販売を中心とした会社であり、会社設立以来、全商品にハウスマーク「BURTON」を約20年に亘り使用しており、現在、申立人の米国におけるスノーボードのシェアーは、30%を占めていて、年間売上高は、約225億円に達していることが認められる。
日本でも、これらの商品は1981年より販売が開始され、現在では、パートン・スノーボード・ジャパン(申立人の日本支社)から、販売代理店を通じて全国600の小売店で販売されていることが認められる。そして、申立人の商標が使用されたスノーボードの日本におけるシェアーは、日本で第一位の20%以上となっていることが認められる。
そうとすれば、商標「BURTON」は、申立人の業務に係る商品「スノーボード」を表示する商標として、少なくとも本件商標の出願時には、需要者の間に広く知られるに至ったと認められるものである。
しかして、本件商標は、「BURTON HORN」の文字と鳥の図形とからなるものであところ、その構成文字中に、申立人の使用に係る商標「BURTON」の文字を含むものであり、また、申立人は、「スノーボード」のほか、本件商標の指定商品「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」に包含されるといえる「ゴーグル」も取り扱っているものと認められるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、これより直ちに申立人の「BURTON」商標を想起するものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、申立人の業務に係る商品、若しくは、申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわなければならない。
4 商標権者の意見
上記3の取消理由通知に対して、商標権者は、要旨次のように意見を述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同2号証(枝番を含む)を提出した。(なお、商標権者は、前記証拠の表示を甲号証としているが、乙号証として取り扱う。)
(1)「BURTON」商標は、商標権者が昭和57年から、日本国内で展開してきたブランドである。当時はアメリカのプレッピー・ファッションの全盛期であり、そのプレッピー・ブランドで有名なニューヨークのブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982年(昭和57年)1月25日にライセンス契約を締結し、現在まで継続して商品展開を行っている。「BURTON」で有名なのは、米国の上記ブティックのほか、キャディーバッグ、ゴルフバッグの「バートン・マニファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド社」、英国のメンズショップ「BURTON MENSWEAR」ストアー等であり、申立人のみではない。
(2)商標権者が「BURTON」ブランドを展開した当初、「スノーボード」の「運動具」は日本に登場しておらず、申立人の存在は誰も知り得なかった。
(3)申立人の主張するとおり「BURTON」のスノーボードが現在日本で著名であるとしても、商標権者が展開している「BURTON」の商品は純粋なファッション商品であり、申立人の展開する「スポーツ関連商品」とは売場も全く異なる。販売店も一般の百貨店や小売店であり、スポーツ専門店を中心とする申立人の商品とは関連がない。
5 当審の判断
本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの理由により、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由は妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。
(1)「BURTON」商標は、商標権者がプレッピー・ブランドで有名なニューヨークのブティック「BURTON Ltd.」社と契約をし、現在まで継続して商品展開を行っている。「BURTON」で有名なのは、米国ニューヨークのブティック「BURTON Ltd.」社、キャディーバッグ、ゴルフバッグの「バートン・マニファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド」社、英国のメンズショップ「BURTON MENSWEAR」ストアー等であり、「BURTON」といえば申立人であると考えるのは誤りである旨主張する。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠によれば、先の取消理由において認定したように、「バートン・コーポレーション」は、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグに商標「BURTON」「バートン」を使用しており、現在、申立人の米国におけるスノーボードのシェアーは、30%を占めていて、年間売上高は、約225億円に達しており、我が国においては、スノーボードの売れ筋動向の調査結果によると、第一位となっていることが認められるものであり、申立人の使用する商標「BURTON」「バートン」は、「スノーボード及びスノーボード関連商品」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、取引者・需要者の間に広く知られ著名となっていたということができる。
そして、商標権者の提出した乙各号証によっては、「BURTON Ltd.」社の使用に係る商標「BURTON」が米国においてある程度知られている事実、商標「BURTON」が米国においてキャディーバッグ、ゴルフバッグに、また、英国においてメンズウエアに使用されている事実、及び、商標「BURTON」が我が国において使用されている事実を認め得るとしても、これらの事実をもって、本件取消理由を解消し得るとは認め難いというべきである。
(2)また、本件商標の指定商品である「眼鏡,眼鏡の部品及び付属品」と引用商標の使用商品の一つである「スノーボード用のゴーグル」とは、その商品の生産者・販売場所・需要者の範囲等において多くの共通点を有するものとみるのが相当である。
(3)してみれば、本件商標は、その商標中に他人の著名な商標を含むものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品とは、その商品の生産者・販売場所・需要者の範囲等において関連を有する商品といえるものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人の使用に係る商標を連想、想起し、同人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

異議決定日 1999-11-22 
出願番号 商願平8-98204 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (009)
最終処分 取消  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 宮川 久成
高野 義三
登録日 1998-08-14 
登録番号 商標登録第4176206号(T4176206) 
権利者 ジャス・インターナショナル株式会社
商標の称呼 1=バ-トンホ-ン 2=バ-トンホルン 
代理人 足立 泉 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 

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