ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 031 |
---|---|
管理番号 | 1058616 |
審判番号 | 不服2000-14381 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-08-04 |
確定日 | 2002-04-18 |
事件の表示 | 平成9年商標登録願第26818号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「富津甘藷」の漢字を横書きしてなり、第31類「さつまいも」を指定商品として、平成7年商標登録願第52404号(平成7年5月26日登録出願)に係る平成8年12月11日付け手続補正書に基づく新出願(願書面には「商標法第17条の2第1項において準用する意匠法第17条の2第1項の規定による商標登録出願」とあるが、「商標法第17条の2第1項において準用する意匠法第17条の3第1項の規定による商標登録出願」の誤記と認められる。)であり、平成9年3月12日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、その指定商品である『さつまいも』との関係上、『千葉県富津市』及び『さつまいも』を認識、かつ、把握させることも決して少なくない『富津甘藷』の文字を普通に用いられる方法により表示してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の産地、販売地及び品質を表示してなるものにすぎず、自他商品の識別力を有しないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張の要点 請求人は、富津は第2次大戦後の昭和21年に36戸の開拓民が入植して開墾し、富津集落を形成したものであり、昭和30年に芦原町の一部となり、現在は芦原町北潟という地名で呼ばれている(甲第2号証)。その集落の名前「富津」を商標出願したもので、行政区画としての字(あざ)(「大字(おおあざ)」「小字(こあざ)」)にも存在しないものである。したがって、本願商標「富津甘藷」の「富津」の文字部分をもって福井県所在の地名とした原審査の認定は誤りである。そして、その誤った認定を前提として、本願商標「富津甘藷」を産地表示、販売地表示との結論に至った判断も誤りである。また、「富津」なる文字が甘藷の品質を表示するとの認定も誤りである。 なお、出願人は、新井晧義氏(住所:福井県坂井郡芦原町北潟276ー126)と個人名義となっているが、実質上は「富津甘藷生産組合」の出願であり、同組合が法人格を有しないため、出願時(平成7年)世話役であった同氏の名義において商標登録出願をしたものである、旨主張している。 4 当審の判断 (1)本願商標は、「富津甘藷」の文字を横書きしてなるところ、指定商品との関係では、「千葉県富津市において生産又は販売されたさつまいも(甘藷)」の意味合いを容易に認識させるものである。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「富津(市)産のさつまいも」或いは「富津(市)で販売されたさつまいも」の意味合いを理解、認識させるもので、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。 そして、そのことは、インターネットの検索エンジン「Google」の中で、富津市の「さつまいも」に関し、例えば、次のような記述がある。(2002年2月4日検索) 1.「天羽ふるさと館(富津市)」の表題のもとに、「... JA富津市)「天羽ふるさと館」は回転と同時に買い物客であふれます。】地場のおいしい農産物がいっぱい。しいたけ・ししとう・にがうり・小松菜・オクラ・にら・大根・さつまいも(www.ja-chiba.or.jp/ja/mijika-ja/mijika_9911/gozonji-9911.htm) 2.「親子の遊び場情報ーパパつれてって【千葉編】」の表題のもとに「.. マザー牧場 >>[屋外][自然][動物] [住所]千葉県富津市田倉940-3 [TEL] 0439-37 ... 12/30?1/4 千葉県佐倉市にある、草笛の丘という ... 5月中旬〜6月中旬の土曜第2・4及び日曜・祝日. さつまいも堀り,・・・9月上旬〜11月上旬の土曜第2・4」(homepage2.nifty.com/takefamily/as04.htm) の掲載があることからも十分に裏付けられるところである。 (2)請求人は、「富津」は、戦後、僅か36戸の開拓者が結成した集合名であって、行政区画としての「字」にも該当しないものであり、本願商標「富津甘藷」の「富津」の文字部分をもって福井県所在の「地名」とした原審査の認定は誤りである旨主張する。 しかしながら、千葉県富津市において前記のとおり、さつまいもが生産、販売され、また、「さつまいも掘り」が企画されている場所がある。 なお、請求人は、「出願人は、新井晧義氏(住所:福井県坂井郡芦原町北潟276ー126)と個人名義となっているが、実質上は『富津甘藷生産組合』の出願である。」旨述べているが、本願商標が、組合を代表して出願されたものであるという証左はなく、本願商標は千葉県富津市との関係からして商品の産地表示と理解され、自他商品の識別力を有しないこと前記のとおりである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、原査定は、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-02-21 |
結審通知日 | 2002-02-22 |
審決日 | 2002-03-08 |
出願番号 | 商願平9-26818 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(031)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 米重 洋和 |
特許庁審判長 |
茂木 静代 |
特許庁審判官 |
佐藤久美枝 小林 和男 |
商標の称呼 | フッツカンショ |
代理人 | 戸川 公二 |