• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) Z29
管理番号 1058460 
審判番号 無効2000-35240 
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-06-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-05-01 
確定日 2002-04-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4249319号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4249319号商標の指定商品中「カレー・シチュー又はスープのもと」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第4249319号商標(以下「本件商標」という。)は、「ブレンダーズフーズ」の片仮名文字を横書きした構成よりなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成9年6月16日に登録出願、同11年3月12日に設定登録されたものである。

2.引用商標
請求人が本件商標の登録の無効理由に引用した登録第3257833号商標(以下「引用商標」という。)は、「ブレンダー」の片仮名文字と「BLENDER」の欧文字とを二段に横書きした構成よりなり、第29類「調理済みの肉・魚・野菜入りの即席カレー,シチュー又はスープのもと」を指定商品として、平成6年1月24日に登録出願、同9年2月24日に設定登録されたものである。

3.請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、証拠方法として、甲第1号証ないし同第2号証を提出し、その理由を要旨次のように述べている。
本件商標の構成中「フーズ」の文字は、「食物」及び「食品」の意味を有する英語「FOOD」を片仮名文字であらわしてなることは近時我が国の英語知識の向上よりすれば容易に理解し得るところである。しかして、該文字はその指定商品との関係よりして商品の品質をあらわすものとしてこの種業界においてよく使用されていることは、証拠の提出を待つまでもなく明らかな事実である。そうとすれば、本件商標の重要部分は「ブレンダーズ」の部分にあり、これよりは、一応「ブレンダーズフーズ」の称呼と共に「フーズ」を略して単に「ブレンダー」の称呼をも生ずる。そこで両商標より生ずる「ブレンダーズ」と「ブレンダー」とを比較するに、両称呼は、英語の複数をあらわす「S」、即ち「ズ」の有無の微差にすぎないから、本件商標と引用商標とは称呼、観念上類似の商標である。
以上により本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標法第46条第1項により、その登録を無効とすべきである。

4.被請求人の主張
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べている。
被請求人は、本件商標の指定商品中「カレー・シチュー又はスープのもと」を放棄した。よって、本件商標と引用商標の商品が抵触する部分はなくなり、審判請求の無効事由は解消した。

5.当審の判断
(1)無効事由の存否について
商標権の放棄はその登録により効力を生じるものである(商標法35条、特許法98条1項)。したがって、本件商標に係る商標権について、その指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」の登録を放棄したとしても、これより、直ちに本件商標の登録についての無効理由がはじめから存在しなくなったということはできないから、この点についての被請求人が述べる主張は、採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり「ブレンダーズフーズ」の文字を書してなるところ、指定商品との関係において、構成中後半の「フーズ」の文字は、「FOODS」の読みを片仮名表記したものと容易に認識されるものであり、これらの「フーズ」ないし「FOODS」の文字は「食品」の意味合いをもって、共に食料品を取り扱うこの種の業界において商品の品質等を表示するための語として普通に使用されているとみて差し支えないものである。
してみると、本件商標に接する取引者、需要者は、構成中前半の「ブレンダーズ」の文字部分を自他商品の識別標識として捉え、これをもって取引にあたる場合が少なくないものといわざるを得ない。
そうとすれば、本願商標からは「ブレンダーズフーズ」の一連の称呼が生ずるほか、単に「ブレンダーズ」の文字部分に相応する「ブレンダーズ」の称呼をも生ずるというを相当とする。
これに対し、引用商標は、上記のとおり「ブレンダー」と「BLENDER」の文字によりなるものであるから、これら文字に相応して「ブレンダー」の称呼を生じる。
そこで、本願商標から生ずる「ブレンダーズ」の称呼と引用商標から生ずる「ブレンダー」の称呼とを比較するに、両者の異なるところは語尾における「ズ」の音の有無に差異あるも他の音を共通にしており、一般的に語尾に位置する音は弱く発音され、明確に聴取され難いものである。したがって、両者は称呼上彼此相紛らわしく、互いに類似の商標であるといわざるを得ない。
また、本件商標と引用商標の指定商品は、前記のとおりであって、本件商標の指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」については、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
そうすると、本件商標は、その指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものといわざるを得ない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」については、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項により無効とすべきものとする。
しかしながら、本件商標の指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」を除く残余の商品と、引用商標の指定商品とは、互いに抵触のない非類似の商品と認められるのであるから、これとの関係においては、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものといい得ず、この限りにおいて無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-01-30 
結審通知日 2002-02-04 
審決日 2002-02-20 
出願番号 商願平9-127883 
審決分類 T 1 11・ 26- ZC (Z29)
最終処分 一部成立  
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 大川 志道
高野 義三
登録日 1999-03-12 
登録番号 商標登録第4249319号(T4249319) 
商標の称呼 ブレンダーズフーズ、ブレンダーズ 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ