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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 021
管理番号 1055598 
異議申立番号 異議1998-92000 
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-10-21 
確定日 2002-02-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第4162503号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4162503号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4162503号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年5月10日に登録出願、「BEVERLY HILLS POLO CLUB」の欧文字を書してなり、商品の区分第21類に属する商標原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年7月3日に設定登録がなされているものである。

2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の異議理由要旨
本件商標「BEVERLY HILLS POLO CLUB」は、「ポロクラブ」の称呼を生じ、「ポロクラプ」と称呼される引用商標「POLO CLUB」と称呼上類似するものであり、またその指定商品も同一又は類似のものである。そして、「POLO CLUB」は商品「被服」のみならず各種商品に対するライセンス・ブランドとしても高く評価されている周知著名な商標である。
したがって「POLO CLUB」の文字を含む本件商標を本件指定商品に使用した場合、申立人の業務にかかる商品と出所につき混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
具体的理由(要旨)
(1)「POLO CLUB」は49年から現在まで「被服」などに継続的に使用しており、すでに25年以上の使用実績をもつ上野衣料(株)のオリジナルブランドである。例えば、有力ファッシシン雑誌「メンズクラブ」の発行にかかる「ステータスブランド、男のブランド図鑑」(昭和63年版)に「POLO CLUB」が上野衣料(株)のオリジナルブランドとして紹介されている(甲第3号証)。また「被服」を含む各種商品の「総合ライセンスブランド」としても高く評価されており、例えば、代表的な業界紙である繊研新聞の「日本の有力ライセンスビジネス一覧」(1993年3月31日発行)に「ポロ クラブ」が他の有名ブランドとともにリストアップされ、「有力ライセンス・ブランド」と認定されている(甲第4号証)。
(2)「POLO CLUB」に関する宣伝広告は、雑誌、新聞、テレビなどの媒体を通じて継続的に行なわれている。例えば、日刊新聞では「繊研新聞」「メンズデイリー」の業界新聞を始めとして「日経流通新聞」「日本経済新聞」「朝日新聞」などに広告を掲載している。

3 異議申し立て以外の当審の新たな取消理由
本件登録商標(以下、「本件商標」という。)は、「BEVERLY HILLS POLO CLUB」の欧文字を横書きしてなるものである。
ところで、アメリカ合衆国ニューヨーク州にある『ザ ポロ/ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ」は、世界的に著名なデザイナーである「ラルフ・ローレン」によって主宰されている被服、眼鏡その他のファッション関連用品の製造、販売企業である。そして、該「ラルフ・ローレン」は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974 年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及びポロ競技をしているプレーヤーの図形(以下、「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。また、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略'85」の「ポロ・バイ・ラルフ ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。さらに、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑'79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑'80版」、「男の一流品大図鑑'81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑'80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN'S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑'81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典'84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑'80版」、「ファッション・ブランド年鑑'80版」、「男の一流品大図鑑'81年版」、「世界の一流品大図鑑'81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ ローレン(アメリカ)等の商標の下に紹介されていることが認められる。なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」及びポロ競技をしているプレーヤーの図形商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡、平成11年(行ケ)第267号、平成11年12月16日判決言渡、平成11年(行ケ)第299号、平成12年2月1日判決言渡、平成11年(行ケ)第315号、平成12年3月21日判決言渡、平成12年(行ケ)第57号、平成12年7月18日判決言渡)がある。以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年頃までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。そして、本件商標は、その構成中の一部に上記ラルフ・ローレンのデザインに係る商標と同じ「POLO」の欧文字を有してなるものであるから、これをその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するにもかかわらず違反して登録されたものである。

4 当審の上記3の取消理由に対する商標権者の意見
(1)第1回目の意見
本件商標は「BEVERLY HILLS POLO CLUB」の欧文字を書してなり、商標登録原簿に記載の第21類の商品を指定商品として平成10年7月3日に商標登録されたものである。
しかるに本件商標の登録に対し取消理由通知が発せられ、その理由とするところは、要するに、ラルフ・ローレンのデザインにかかる商標と同じ「POLO」の文字を有してなるものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、ラルフ・ローレンのデザインにかかる商品を表示するものとして周知商標になっている引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものであるから、この商標登録に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する、とのことである。しかしながら、本件商標がラルフ・ローレンとの関係では、商標法第4条第1項第15号に該当しないものであるから、以下にその理由を述べる。
そもそも、「POLO」の語は、馬上球技の名称であるところ、ポロ競技者が愛用したシャツ類が「ポロシャツ」と一般的に呼ばれているように普通名称に過ぎない。現に特許庁商標課編集の「類似商品審査基準」にも「ポロシャツ」は国際分類第25類の商品の普通名称として掲載されている。かかる普通名称に独占適用性がないことは明らかである。したがって、ラルフ・ローレンが「POLO」の語につき何らかの独占権を有しているかの如き、上記拒絶理由はその前提において誤りである。また、本件商標は上記の構成よりなるところ、これよりは「ビバリーヒルズポロクラブ」の称呼及び「ビバリーヒルズのポロ愛好者クラブ」と言った観念を生ずるものである。したがって、かかる構成からすれば、本件商標が単に「ポロ」とのみ認識されることは想定できない。このことは、平成11年(行ケ)253号高裁判決(乙第1号証)の内容からも明らかである。また、本件出願人は、1985年に当時ラルフ・ローレンの商標を所有していたポロ・ファッションズ・インコーポレイテッドと同意契約書(乙第2号証)を交わしており、本件出願人による本件商標の使用及び登録は、当該同意契約書によって、ラルフ・ローレン社側が同社の「POLO」商標とは明確に区別されるものとして容認しているところである。この同意契約書は米国のみならず全世界における商標の使用及び登録を対象とする包括的なものであって、契約締結者の承継人をも拘束するものである。
したがって、本件商標の使用及び登録に関しては、ラルフ・ローレン側及びその承継人が何ら異議を唱えるようなものではなく、更に両当事者が認めている通り、本件商標は、ラルフ・ローレン側の商標と出所混同を生ずる虞があるものではない。また、上記契約書締結以降既に10余年に亘り、本件商標は我が国において各種商品につき使用されてきたが、現にラルフ・ローレン側の商標との混同による問題は生じていない。
以上より、本件商標が商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものでないことは明らかである。
(2)第2回目の意見
本件については、平成12年7月19日付意見書を既に提出済みであるが、本書にて追加資料を提出すると共に以下の通り商標権者ビーエイチピーシーマーケツティングインコーポレイテッド(以下「BHPC社」という)の主張を追加する。
BHPC社は、乙第3号証及び乙第4号証から明白なように、「BEVERLY HILLS POLO CLUB」の文字とポロプレーヤー図形の一体結合商標」及び本件商標に相応する「BEVERLY HILLS POLO CLUB」の文字商標を世界主要国に於いて広く登録し、国際的な市場でその商標に係る商品の販売・ライセンスを展開している。
一方ラルフ・ローレンは乙第5号証の商標登録を世界各国で所有しており、アメリカ合衆国をはじめ、これ等の国でその商標を使用しているものと理解される。(因みに、ラルフ・ローレンの商標登録数、その登録国はBHPC社のものよりもはるかに少ない。)
上記資料に照らせば、まず、両当事者の各商標が世界主要国において区別されて登録されていることが明らかであり、特にBHPC社による広範囲の商標登録の存在は、国際的レベルに於いて、それがラルフ・ローレンの商標との「出所の混同」等を問題にされるようなものではないと言う事実を明白に裏付ける。そもそも上記ラルフ・ローレンの商標登録中には単独に「Polo」の語のみからなるものはなく、すべてラルフ・ローレン、その他の語や図形での結合からなっている。「Polo」と云えばラルフ・ローレンの商標として著名なのであれば、その語からなる商標登録が日本を除く世界各国において全く存在しないのは何故であろうか。それはこの語のみでは商標としての顕著性が欠如しているからに他ならない。特許庁商標課編による「類似商品・役務審査基準」に「ポロシャツ」が掲載されている通り、衣服や運動具等「ポロ競技」との関連を少しでも有する商品についてはこの語は単独では商標性はないと云うべきものである。したがって、ラルフ・ローレンであれ、誰であれ、このような語のみからなる商標の独占は許されるべきでないのである。それは「ポロプレイヤー図形」商標についても同様である。抽象的に「ポロプレイヤー図形」はすべてラルフ・ローレンが独占すべきである等と言うことは許されない論理であり、それぞれの図形の描写方や表現方法が異なり図形全体としての印象が異なるものについては、商標としても区別されるべきものである。我が国に於いても、従来から「ポロ」の語を含む商標については、旧第17類(国際分類第25類)に於いて、乙第6号証に列挙されているような多数の商標登録が認められて来た。それ等の商標の多くが現在も使用され互いに併存ているはずである。しかるに特許庁は最近になって突然、「ポロ」の語を含む商標登録の拒絶をはじめた。その突然の変化は我が国の商標の最近までの登録例の存在と各国の商標状況を比較しても異様と云う他はなく、徒に業界を混乱におとしめている。BHPC社もラルフ・ローレンも共にアメリカ合衆国を母国とする企業であり、同国を主体に国際的市場で、それぞれの商標を使用して取引に従事し.何等の支障を生じていない。それが何故に我が国のみに於いて例外的にBHPC社の商標がラルフ・ローレンの商標と出所の混同を生ずることになるのか不可解と言う他はない(しかも両当事者自身がその商標の識別性を確認しているというのに!!)。我が国に於いてある特定の業者の商標がラルフ・ローレンの商標と出所の混同を生ずるような事態があったとしても、それはあくまで個別に処理すべき特定の問題である。このような特定な問題を一般的な状況にまで普遍化し、「Polo」と言えばラルフ・ローレンの商標であるがのごときに不当に広い独占範囲を認めることは商標法の基本原理に反するものと言うべきである。
よって、本件における状況を個別具体的に検討の上、公正な審理を望むものである。
なお、BHPC社による他の4件の出願が本件と同様の理由で拒絶審決を受けたが、これら4件については当該審決を不服として東京高等裁判所に出訴した。

5 当審の判断
よって判断するに、アメリカ合衆国ニューヨーク州にある「ザ ポロ/ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ」は、世界的に著名なデザイナーである「ラルフ・ローレン」によって主宰されている被服、眼鏡その他のファッション関連用品の製造、販売企業である。
そして、「ザ ポロ/ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ」及び「ラルフ・ローレン」の我が国における著名性の実情の詳細については、上記取消理由通知書で示したとおりである。また、東京高等裁判所では、取消理由通知書で提示した判決後の「平成11年(行ケ)第333号、平成12年3月29日言渡、平成11年(行ケ)第340号、平成12年7月18日言渡、平成12年(行ケ)第49号、平成12年7月18日言渡」等においても、一貫して「ザ ポロ/ローレン カンパニーリミテッド パートナーシップ」(及びその関係者)以外による「POLO」、「ポロ」及び「ポロ競技をしているプレーヤーの図形」に類似する商標についての使用は、取引者・需要者間に商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとの判決を下している。
上記実情に徴すれば、本件商標は、その構成中の一部に上記ラルフ・ローレンのデザインに係る商標と同じ「POLO」の欧文字を有してなるものであるから、商標権者がこれをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知著名な引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するにもかかわらず違反して登録されたものである。
してみれば、本件商標は商標法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-09-04 
出願番号 商願平8-49497 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (021)
最終処分 取消 
前審関与審査官 高山 勝治 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 為谷 博
滝沢 智夫
登録日 1998-07-03 
登録番号 商標登録第4162503号(T4162503) 
権利者 ビーエイチピーシー マーケッテイング インコポーレイテッド
商標の称呼 ビバリーヒルズポロクラブ、ポロクラブ 
代理人 照嶋 美智子 
代理人 山内 淳三 
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