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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 121
管理番号 1055277 
審判番号 審判1999-35012 
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-04-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-01-06 
確定日 2002-02-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第2691981号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2691981号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2691981号商標(以下、「本件商標」という。)は、「VALENTINOARDINO」と「バレンティノアルディーノ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成2年11月30日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同6年8月31日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が引用する登録第972813号商標(以下、「引用商標A」という。)は、「VALENTINO」の欧文字を横書きしてなり、昭和45年4月16日に登録出願、第21類「宝玉、その他本類に属する商品」を指定商品として、同47年7月20日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品中「かばん類、袋物」につき商標権の一部放棄がされ、平成2年6月25日、その旨の本権の登録の一部抹消登録がされたものであり、同じく登録第1793465号商標(以下、「引用商標B」という。)は、「VALENTINO GARAVANI」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年10月1日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同60年7月29日に設定登録、同じく登録第852071号商標(以下、「引用商標C」という。)は、やや図案化した「VALENTINO」の欧文字を横書きしてなり、昭和43年6月5日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同45年4月8日に設定登録、同じく登録第1415314号商標(以下、「引用商標D」という。)は、「VALENTINO GARAVANI」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年10月1日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同55年4月30日に設定登録、同じく登録第1786820号商標(以下、「引用商標E」という。)は、「VALENTINO GARAVANI」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年10月1日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和60年6月25日に設定登録、同じく登録第1402916号商標(以下、「引用商標F」という。)は、「VALENTINO GARAVANI」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年10月1日に登録出願、第27類「たばこ、喫煙用具、マッチ」を指定商品として、同54年12月27日に設定登録されたものであって、いずれも商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

3 請求の趣旨及び請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第56号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号について
請求人は、イタリアの服飾デザイナー「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)の同意を得て、同氏のデザインに係る各種の商品を製作、販売しており、「VALENTINO GARAVANI」或いは「VALENTINO」の欧文字からなるそれぞれの商標を各種商品について使用している者であるが、同氏は単に「ヴァレンティノ」(VALENTINO)と略称されており、この略称も本件商標の登録出願の日前より著名なものとなっている。
すなわち、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァニ)は、1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パりに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後、フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(FashionOscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来、同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ、国際的なトップデザイナーとして知られている。
その後も同氏の作品は無地の服を得意とし、大胆な「白」と「素材」を特徴とし、その服飾品は芸術に値すると賞賛されており、その顧客には、レオーネ・イタリア大統領婦人、グレース・モナコ王妃、エリザベス・テーラー、オードリー・ヘップバーンなどの著名人も多い。同氏のデザイン活動は、婦人用、紳士用衣服を中心にネクタイ・シャツ・ハンカチーフ・マフラー・ショール・ブラウスなどの衣料用小物、バンド・ベルト・ネックレス・ペンダントなどの装身具、バッグ・さいふ・名刺入れその他のかばん類、その他サングラス、傘、スリッパなどの小物からインテリア装飾にも及んでいる。
わが国においても、「ヴァレンティノ ガラヴァニ」の名前は、1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品はVogue誌などにより継続的に日本国内にも紹介されている。昭和49年には三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンチィノヴティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品は、我が国のファッション雑誌にもより数多く掲載されるようになり、著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。
以上の通り、「ヴァレンティノ・ガラヴァニ」は、世界のトップデザイナーとして本件商標が出願された当時には、既に我が国においても著名であった。
同氏は、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられることも多い(甲第7号証、同第8号証等)。
しかるところ、本件商標は、その構成文字中、「VALENTINO」の文字が「ヴァレンティノ」と称呼されるものであることは明らかであるから、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)の著名な略称を含む商標であり、その者の承諾を得ずに登録出願されていることは明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号の規定に違反してされたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標A及びBとを比較するに、本件商標は、前記に示すとおりであるところ、「VALENTINOARDINO」の欧文字は、その全体を称呼するときは「ヴァレンティノアルディーノ」の10音にも及ぶ冗長なものとなるばかりでなく、「ヴァレンティノ」と「アルディーノ」の間に段落を生ずるものであり、しかも、上記のデザイナー「VALENTINO GARAVANI」が「VALENTINO 」(ヴァレンティノ)と略称されて著名なものとなっていることとも相挨って、これに接する取引者・需要者は、その構成文字中、取引者・需要者に親しまれている「VALENTINO」の文字に相応する「ヴァレンティノ」の称呼をもって、取引に当る場合が決して少なくないものとみるのが自然である。
したがって、本件商標は、「ヴァレンティノ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
一方、引用商標A及びBは、何れもその指定商品に使用された結果、全世界に著名なものとなっていることは甲第9号証をはじめとして、同第56号証までの書証によっても明らかなところである。
そして、引用商標Aは、「VALENTINO」の文字を書してなるものであるから、「ヴァレンティノ」の称呼を生ずるものであることは明らかであり、また、引用商標Bは、「VALENTINO GARAVANI」の文字を書してなるものであるが、その全体を称呼するときは「ヴァレンティノガラヴァーニ」の称呼を生ずるものであって、この称呼は冗長なものであるので、上記デザイナー「VALENTINO GARAVANI」が「VALENTINO」(ヴァレンティノ)と略称されて著名なものとなっていることとも相俟って、その構成文字中、前半の「VALENTINO」の文字に相応する「ヴァレンティノ」の称呼をもって取引に資される場合も決して少なくないのが実情である。
すなわち、引用商標A及びBは、何れも「ヴァレンティノ」の称呼を生ずるものであるといわざるを得ない。
してみると、本件商標は、引用商標A及びBと「ヴァレンティノ」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品は引用商標のそれと抵触するものであることは明らかであり、結局、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について、
引用商標C及びDは、婦人服、紳士服、ネクタイ等の被服について使用され、また、引用商標Fがライターについて使用されていて、これらの引用商標が本件商標の登録出願の日前より全世界に著名なものとなっていることは甲第9号証ないし同第56号証によっても明らかである。
そして、本件商標と引用商標A及びBが称呼上類似するものであることは上述のとおりであるから、本件商標は、引用商標A及びBと同一の称呼をも生ずる引用商標CないしFと称呼上類似する商標であるといわざるをえない。また、本件商標の指定商品と各引用商標が使用されている上記の商品は、何れも服飾品の範疇に属する密接な関係にある商品である。
したがって、本件商標は、これを商標権者がその指定商品に使用した場合、その商品が恰も請求人の製造、販売等の業務に係る商品であるか、又は同人と経済的或は組織的に何等かの関係にある者、すなわち姉妹会社等の関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ぜしめるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

4 答弁の趣旨及び被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第19号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、「VALENTINOARDINO」「バレンティノアルディーノ」の文字を上下二段に、同書、同大、等間隔に一連に綴られたものであるため、いうまでもなく、一連に称呼されるべきものであり、「VALENTINO/バレンティノ」と「ARDINO/アルディーノ」とに軽重の差がないので、殊更に「VALENTINO/バレンティノ」のみを切り離して称呼、観念しなければならない格別の理由はなく、かつ、本件商標は、外国人名の一類型とみることができるものである。
これに対し請求人の使用に係る「VALENTINO GARAVANI/ヴァレンティノ ガラヴァーニ」の周知性を、仮りにわが国において、本件商標の登録出願当時に認めたとしても、あくまで「GARAVANI/ガラヴァーニ」をそのうしろに付した場合のものであって、「VALENTINO」のみでの周知性は認められない。何故なら甲第7号証の4ないし同32は自己の使用に係るものではなく、たまたま新聞紙面の都合上「GARAVANI/ガラヴァーニ」が略されているのであって、これらをもって、「VALENTINO/ヴァレンチノ」のみの周知性の根拠とはならない。また、本件商標が上述の如く、人名を表わすものと理解されるものであると同様、「VALENTINO GARAVANI」も人名である。
従って、本件商標は、「VALENTINO GARAVANI」とは、非類似といわざるを得ず、同氏の承諾を得る必要もない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、登録異議の申立てについての決定謄本(乙第1号証)で明らかな如く、審査の結果、「VALENTINO GARAVANI」には類似しないとされたものであって、このことは本件商標が「バレンティノアルディーノ」と一連に称呼、観念されるものであると認められた証左であって、かつ格別冗長ではないので、「VALENTINO」部分のみ独立して称呼、認識される必要はないものである。
従って、本件商標は、引用商標A及びBとは類似しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
請求人の主張は、誤った認識の上に立つ自己の利益擁護のみのものであって客観性を持たない。ちなみに、その構成中に「VALENTINO」の文字を有する商標は、請求人の「VALENTINO GARAVANI」のみではなく、例えば「Valentino Rudy」(乙第2号証)、「Valentino Franchini」(同第3号証)、「GIANNI VALENTINO」(同第4号証)等々が存在し、これらは全て「VALENTINO/バレンティノ」部分が重複するも併存ないしは共存している。にも拘らず請求人が「VALENTINO」のみでも自己のものの様に主張することは説得力に欠けるものである。そもそもが上述の如く本件商標と引用商標A及びBとは非類似のため、本件商標に接する取引者、需要者が引用商標A及びBを想起することはない。
従って、「VALENTINO」のみで全世界で著名とか、他人が「VALENTINO」を使用することは経済的、組織的に何等かの関係があるのかとか、姉妹会社云々は、単に請求人の憶測にすぎず、現実的ではない。
以上により、本件商標は、本件登録無効審判請求にも拘らず、登録要件を具備しているものとして登録されたものである。

5 当審の判断
(1)VALENTINO標章の著名性について
本件審判請求の理由及び甲第7号証及び同第13号証ないし同第56号証(枝番を含む。)を総合してみるに、以下の事実が認められる。
a)ヴァレンティノ ガラヴァーニ(Valentino Garavani)は、1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌などの新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来、同氏は、イタリア・ファッション界の第1人者となり、サンローランなどと並んで世界三大デザイナーとも呼ばれるようになった。
そして、請求人は、ヴァレンティノ ガラヴァーニのデザインに係る紳士服、婦人服等の商品を製造・販売していて、その商品に「VALENTINO GARAVANI」「VALENTINO」の文字よりなる標章(以下、これらを「VALENTINO標章」という。)を使用している。
b)我が国においては、昭和49年に「株式会社ヴァレンティノヴティックジャパン」が設立され、以来、ヴァレンティノ ガラヴァーニのデザインに係る紳士服、婦人服等の商品が同社により輸入・販売されている。
c)例えば、甲第7号証4ないし32は、主に昭和51年9月〜同11月にかけて発行された新聞等におけるヴァレンティノ ガラヴァーニのデザインに係る紳士服、婦人服の紹介記事を抜粋したと認められるものであるが、その紹介記事の見出しに、「鮮やか黒いファッション ヴァレンティノ秋冬ショー」(繊研新聞、昭和51年9月28日版)、「親しみやすいものばかり バレンティノ・ショー」(朝日新聞、昭和51年10月2日版)、「世界のVIP女性愛用のヴァレンティノ・コレクション発表」(日刊ゲンダイ、昭和51年10月2日版)、「伊の鬼才ヴァレンティノ これが76年秋冬の新作」(日経産業新聞、昭和51年10月6日版)との記載があり、また、「世界の一流品大図鑑’85年版」(甲第15号証)中の「VALENTINO GARAVANI(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)」の標章が記載された項における紹介記事においては、「・・・魅惑的で優美な衣裳作りを心がけているというヴァレンティノ。(婦人服)」、「シーズン毎にカジュアルシューズも発表しているヴァレンティノですが、・・・(紳士靴)」との記載、同じく「男の一流品大図鑑’85年版」(甲第16号証)においては、「・・・オフタイムこそ、ヴァレンティノで洒落てみたい。(紳士用ベルト)」との記載、さらに、「25ans 1987年10月号」(甲第22号証)においても、「・・・ヴァレンティノの服は、このスカート丈とニット素材というカジュアル要素を持ちながらも、・・・(婦人服)」等の記載があるように、VALENTINO標章が「VALENTINO(ヴァレンティノ)」の商標と呼ばれ、そのデザイナーである「Valentino Garavani」も「VALENTINO(ヴァレンティノ)」と呼ばれ、その名で知られていることを前提とした記事が多数掲載されている。
以上の事実によれば、遅くとも本件商標の登録出願時の平成2年には、VALENTINO標章は、「VALENTINO(ヴァレンティノ)」の商標として、また、デザイナーのヴァレンティノ ガラヴァーニ(Valentino Garavani)も「VALENTINO(ヴァレンティノ)」と呼ばれて、紳士服、婦人服等について、同人のデザインに係る商品に付される商標ないしは同人の略称として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものということができる。そして、該「VALENTINO(ヴァレンティノ)」の著名性は、現在も継続していると認められるものである。
(2)出所の混同について
本件商標は、前記のとおりであるところ、その構成中上段の「VALENTINOARDINO」の欧文字が15文字、下段の「バレンティノアルディーノ」の片仮名文字が12文字で表されているものであり、これより生ずる「バレンティノアルディーノ」の称呼も10音であって、その構成文字又は称呼のいずれよりみても、一つの名称のものとしては冗長というべきである。さらに、本件商標は、全体として特定の熟語や氏名を表すものとして一般の取引者、需要者によく知られているというような事情も認められない。
そして、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願時には、既に、VALENTINO標章が「VALENTINO(ヴァレンティノ)」の商標と、また、ヴァレンティノ ガラヴァーニ(Valentino Garavani)が「VALENTINO(ヴァレンティノ)」とも呼ばれて、紳士服、婦人服等について、同人のデザインに係る商品に付される商標ないしは同人の略称として著名であったこと及びVALENTINO標章が付される商品「紳士服、婦人服」等と本件商標の指定商品は、共にファッション関連の商品であって、同一又は高い関連性がある商品といい得るものであること等を併せ考慮すれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その構成中前半の「VALENTINO」「バレンティノ」の文字のみを捉え、著名なVALENTINO標章を連想、想起し、それがヴァレンティノ ガラヴァーニ又は同人と何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあったものと判断するのが相当である。
また、この混同を生ずるおそれは、本件商標の登録出願時から現在においても継続しているものと認められる。
なお、被請求人は、乙第2号証ないし同第19号証(商標公報)を提出しているが、仮に、その中に他の公告例等との関係において矛盾するもの等が存在するとしても、具体的事案の判断においては、過去の公告例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-11-27 
結審通知日 2001-11-30 
審決日 2001-12-12 
出願番号 商願平2-134232 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (121)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮川 久成小宮山 貞夫 
特許庁審判長 為谷 博
特許庁審判官 野上 サトル
大川 志道
登録日 1994-08-31 
登録番号 商標登録第2691981号(T2691981) 
商標の称呼 バレンティノアルディーノ 
代理人 杉村 興作 
代理人 杉村 暁秀 
代理人 末野 徳郎 

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