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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z09
審判 全部申立て  登録を維持 Z09
審判 全部申立て  登録を維持 Z09
管理番号 1054058 
異議申立番号 異議2001-90261 
総通号数 27 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-04-06 
確定日 2002-01-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第4455006号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4455006号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4455006号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年10月12日に登録出願され、「ぼくは航空管制官」の文字を書してなり、商品の区分第9類に属する商標原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年2月23日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の異議理由
1.概要
本件商標「ぼくは航空管制官」は、本来、申立人「株式会社テクノブレイン」が、その創始にかかるオリジナル商品として開発し著作権を確立し、平成10(1998)年8月に、登録商標「リヒタフェルデ」(商標登録番号第4317503号)、内容商品名「ぼくは航空管制官」を付して公表発売したものである。この発売により、例えば、日本一の電気街である、秋葉原(有名店例;ラオックス)を中心として、全国的に、急激に人気が上昇し、ラオックスのパソコンソフトの売上げは第1位となった(甲第1号証)。
以後約3年の間に、約10万台と爆発的に売上げが伸び、全国的に著名となり、海外にまで輸出され益々有名になった(甲第2号証)。
そこで、被申立人「株式会社シスコンエンタテイメント」は、この著名性に目をつけ、平成11(1999)年6月9日に到り、先ず、発売元甲(申立人)と著作権許諾契約(甲第3号証)を締結し、同一商品を販売し始めた。
もとより、発売元の申立人による既成の著名性によって、販売好調のため、更に、被申立人は、この著名性を横取りして、不正の利を得る目的で、平成12(2000)年10月12日に到り、同一指定商品について、発売元の申立人に無断で、既成の未登録周知著名商標「ぼくは航空管制官」を、特許庁に商標登録出願し、更に、発売元の申立人が他に該著作権の使用を許諾した株式会社タムの合法的使用を、経過事実を知らない特許庁に対しては、違法のものとして、欺瞞説明することにより、早期審査を請求して(甲第4号証)平成13(2001)年2月23日に不法に商標登録(甲第5号証の1及び2)を受けた。
この特許庁に対する欺瞞行為は、商標法第79条にも該当する。
従って、前記、商標登録は商標法の第3、4条、更に、同法第43条の2、同法第43条の3により、当然に取り消されるべきであるので、ここに、本件商標登録に対し異議を申し立てる。
以下、本件登録について異議申立の理由を詳細に論述する。
2.詳細な理由
(1)本件商標登録は商標法第3条違反である。
(イ)先ず、第一に同条第1項第3号違反である。即ち、一般には「ぼくは航空管制官」なる商標は、法にいう、その商品;テレビゲームおもちゃの内容、態様をそのまま、文字のみ、普通に用いられる方法で表示した標章のみからなる商標である。また、本件出願人は、次節の要件も関係がないので、同条第1項第3号違反である。
(ロ)次に本件商標登録は、同法第3条第2項の要件も満たしていない。
即ち、同条第2項は、いわゆる、使用による特別顕著性の発生による登録の規定である。しかしながら、被申立人は、その出願に際し、該契約後、多数量の販売による特別顕著性の発生を主張したとしても、それは、その特別顕著性を発生させた主体が、事実上異なるものである。実際は、申立人と被申立人との販売契約以前に、既に、発売元の申立人及び申立人が許諾した該著作権使用契約者とによる多数量販売の実績によるものであって、被申立人の販売によったものではないことが証明され得る。
従って、被申立人の特別顕著性の主張は、その内容が事実に反しているから、本件商標は、同法第3条第2項にも違反していることが、明らかである。
(2)本件商標は、前記違反の上に、同法第4条第1項違反である。
(イ)具体的には、まず、同条同項第10号違反である。
第1に、申立人は上記の通り、被申立人の本件商標登録出願日より約3年以前において、該出願と同内容の航空管制官について、家庭用テレビゲームおもちゃのソフトを創始開発した。そして、該商品に、登録商標「リヒタフェルデ」と共に「ぼくは航空管制官」なる未登録商標も付して、発売したところ、その直後より爆発的人気上昇となり、被申立人から契約を申し込まれる以前に、秋葉原電気街を中心に、パソコンソフト人気度第1位として、約10万台以上を売り上げ、既に、広く全国的に、需要者に、発売元が認識されるに到っていた(甲第1号証の1)。
更に、平成10(1998)年11月頃には、全国版のテレビゲーム機雑誌に連続掲載され(甲第1号証の2〜7)、(以下「甲1」という。)特に甲1の2には、(株)テクノブレインの「ぼくは航空管制官」ゲーム機は「人気爆発ソフト」として紹介され、全国的に著名となっていた。
第2に、本件元売り商品の売上げ数量から見た著名度を証明する。
即ち、申立人が被申立人に使用許諾契約を与えるまでに、既に、大量売上げの数量の実績が出ており、それが甲第6号証の1〜4によって立証されている。最高で売上げ第1位であり、更に、売上げ量の表によれば、大体10位以内に、申立人の商品シリーズが2種類入っている。即ち、会社毎とすれば、実質第1位を確保していることが証明されている。
更に、発売元の申立人は「ぼくは航空管制官」シリーズの多種のソフトを発売していた(甲第7号証)が、被申立人に使用許諾したのは、そのうち僅か1種に過ぎない。また、それらの多種のソフトをIBM社、その他、多くの有名会社にライセンス許諾を、既に行なっていた(甲第8号証)。
従って、被申立人が平成12(2000)年10月12日に出願した日の以前において、(株)テクノブレインの「ぼくは航空管制官」商標は、該商品を表示するものとして、既に全国に周知著名となっていた事実は明らかである。従って、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたことは明白であるから、速やかに取り消されるべきである。
第3に、当該商標が(株)テクノブレインの該商品を表示するものとして、周知著名であることを認め、その証明を予約した公共機関、一般有名会社も多いので、その一覧表を甲第9号証により証明する。この具体的内容、証明書は本件異議申立の理由補充書に添付提出する。
(ロ)更に、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも違反している。即ち、同法第4条第1項第19号は「他人の業務に係る商品を表示する周知商標であって、不正の目的をもって使用をするもの」の登録禁止をする規定である。本件商標出願者である被申立人は、その出願商標と商品が同一であり、標題商標も同一で「ぼくは航空管制官」なる「家庭用テレビゲームおもちゃ」について、既に全国的に、また海外にも、著名となっていた甲の著作権、及びそのソフトその他技術内容について、甲から使用権の許諾を受けた者であるが、乙は甲に無断で、上記「ぼくは航空管制官」について、商標登録出願をし、策を弄して、審査官がよくわからないうちに早期に登録を受けたものである。従って、この商標登録を受けた行為は、上記許諾契約に含まれる、信義、誠実の原則の項にも違反し、許諾契約者甲並びにその他の同様の許諾を受けた者或いはこれから許諾を受けようとしている他人に損害を加え、それによって、また、乙が不正の利益を得る目的(商標法第4条第1項第19号の括弧書き)を有するものであるから、これだけでも充分に登録取り消しの理由となるものである。これに加えて、上記の甲から乙に対する許諾契約には期限があるので、甲は上記乙の不正の目的を理由とし、その許諾契約を更新しないことを決定しているから、具体的には、本年6月以降、乙は上記の著作権に関する商品を、製作販売する業務の権利を失う。
従って、仮に、乙が該商標権を有し続けたとしても、商標法第3条第1項の登録要件としての「自己の業務」は消失することが、既に明らかになっている。従って、このように商標法上要件を具備しない商標登録は、法の目的に反すから、直ちにその登録は取り消されるべきである。
次に、また、本件商標出願の審査を担当した審査官にも面接し、各種証拠を示して、説明したところ、「その商標登録出願等は、アンフェアであった疑いがある」旨述べていた。
以上、被申立人による本件商標は、少なくも、商標法第3条第4条に違反してされたことが、明らかであるから、即、取り消されるべきである。更に、本件は、追加して、理由補充書も、早期審理請求書と共に提出する。
しかしながら、商標登録の取り消しは、論理上は、1つでも、充分かつ合理的理由があれば、直ちに取り消されるべきであるから、2ケ月の異議申立可能期間を待つまでもなく、また第三者からの同様な異議申立も待つ必要は、法理論上ない筈でるから速やかに取消されるべきである。
本件商標不法登録に関連して、既に、登録異議申立書を、4月6日に特許庁に提出しているが、尚最近、被申立人は、正当使用者に対し、仮差押え、損害賠償請求等の不当行為に取りかかっている。
従って、正当使用者に、取り返しのつかない損害が発生するおそれが多分にあるので、裁判所との関係において、上記、商標登録異議申立事件については早期審理を願いたい。
3.詳細な理由
(1)被申立人の最近の社名変更;第1の理由
被申立人は、平成11年12月27日に社名を変更しているが、(甲第10号証)、これは、不正の手段を用いて不正の利を素早く得ようとするこの会社の最近の不正の手口からすると、社名を変えて特許庁、裁判所等に誤認を起こさせようとする一つの手段である。従って、このような手段により、不正を働くことを未然に防止することが必要であるので、株式会社日本シスコンと株式会社シスコンエンタテイメントは、同一会社であることを立証する。
(2)早期審理を必要とする第2の理由
訴訟等との関係
(イ)被申立人(株)シスコンエンタテイメントは、申立人が本件内容と同一の著作権を許諾(範囲は異なる)した(株)タムに対し平成13年4月5日付で、東京地方裁判所に訴状を提出し、本件該当商標権を根拠として、「ぼくは航空管制官」商標に係るソフトの発売停止と損害賠償を請求した(甲第11号証)。そこで、(株)タムは東京地方裁判所から、平成13年5月2日までに、この訴訟についての答弁書の提出を求められている。
しかしながら、この(株)シスコンエンタテイメントの訴状内容は、既提出並びに本日提出の多数の証拠により、直ちに証明される通り、多くの点で事実に反することが、明らかであるから、訴訟詐欺にも該当している(刑法第246条)。従って、このような不法な訴えに対しては、工業所有権関係法では、特許法第168条を準用する商標法第56条により「裁判所は、その訴訟手続を中止することができる」旨規定している。従って、当事者として、仮り差し押さえ等の訴訟手続の中止を求めることが出来るわけであるが、このような場合に、申立人の異議事件が長びくことは、商標の不正登録者の利益を不当に保護することとなり、法の根本趣旨に反することになるので、先ず本件の商標登録異議申立事件の早期審理が絶対に必要である。
(3)上記、この重要点について、特許庁編、工業所有権法逐条解説において、商標法第56条に準用する、特許法第168条第1項には、審判と訴訟との関係について、「登録異議の申立」が含まれ、第2項の解説中には、特許権を商標権と読み替えると、『商標権者が第三者に対し商標権侵害を理由とする損害賠償の訴えの提起又は仮差押え等の申立があった場合、特許庁に該商標権についての、登録異議申立、ないしは登録無効の審判が係属しているときには、それが(この場合は、シスコン社;被申立人)正当な商標権者かどうかは、わからないのであるから該登録異議申立、ないしは登録無効の審判の審決等が確定した後に、前記疑問視される商標権者からの訴えの審理を進める方が訴訟経済に合致することになり、裁判所にとって便宜である』旨を解説している。換言すれば、もし仮に、該損害賠償訴訟の方を先に進め、無効理由等を有する登録商標の商標権者の言い分のみを取り上げて、損害賠償を認める判決を出したとしても、その後において、該不正商標登録の無効が確定すれば、裁判所は再度その損害賠償訴訟をやり直さなければならないことになり、国家の機関として、大きな無駄を生じてしまうことになるから、該登録異議申立等を先にするべきで、無効理由等を有する商標登録の商標権者からの訴訟手続を中止することができる(むしろ、一旦中止すべきである)旨を解説してある。しかも、本件においては、被申立人のシスコン社の商標登録には、前回、平成13年4月6日異議申立人提出の申立書中にも、更に今回提出の該登録異議申立書の早期審理に関する上申書にも、かつそれに添付する各種証拠方法中にも、非常に多数の該登録を取消すべき客観的、第三者による証拠が存在し、登録取り消しの可能性が極めて高いものである。よって、当該裁判所におかれては、むしろ当然に該損害賠償訴訟の手続は中止し、また特許庁が、長く裁判所に関連事件の審理を待たせることは不当である。
3.早期審理を必要とする第3の理由
商品の出所混同の防止
(株)シスコンエンタテイメントの訴状内容は、具体的に多くの点で、事実に反する上に、また、論理的にも甚だしく法律にも違反しているものである。
(1)既提出の甲第3号証の申立人が被申立人に許諾した著作権の契約書によれば、許諾したその範囲は、ソニープレイステーション向けゲームソフトに限定することが、該契約書第1頁本文上から4行に明記されている。従って、被申立人に許諾された範囲は「ぼくは航空管制官」商標を付したソフトの限定された1機種向けのソフトだけであり、全部の範囲ではない。具体的にこれを図示説明すると、甲第12号証に示す灰色の機器である。
一方、(株)タムが、申立人から許諾を受けたのは、ゲームボーイアドバンス版であり、具体的に図示すると甲第13号証のように小型の携帯型機器であり、被申立人が許諾を受けた範囲とは全く異なる範囲のものである。従って、被申立人には、該著作権の一部の使用権しか許諾はされていなかったのであるから、全部の範囲について、発売元に無断で、商標登録出願をしたこと自体が、該契約書中に記載されている、信義誠実の原則契約条項に違反したことにより(甲第3号証、第13条7)何等催告を要せず、被申立人は当然に、前記ゲームソフトの製造販売契約を既に解除された。よって、被申立人には、本件商標を使用する業務が最早失われたので、当該商標権は既に商標法第1、第2条に規定する、商標の使用者としての主体的要件を失い、当該商標権は、完全に違法のものとなった。
更に、上記契約解除に、被申立人より反論があるとしても、提出済みの甲第3号証の第12条には、「該契約の有効期間は、通常1年間であって、上記契約違反では、更新されないから、前記反論があっても、本平成13年6月9日以降は、完全解除となり、上記同理由により該商標の使用者としての主体的要件を失うことは、明らかである。
従って、平成13年6月9日以降は、被申立人の該商標権は完全に、その法的根拠を失うので、同日以降は、いわゆる商品の出所混同を生ずるから、一説にいわれるところの、『他の異議が出揃うのを待って、異議申立期間が過ぎてから審理にかかり、その後何ケ月もかかった』ということになると、多くの矛盾が生ずる。即ち、明らかに予見できるにもかかわらず、特許庁の審理が長びいたために、「商品の出所混同を防止することが出来なかった、同時に、商標法第1条にいう需要者の利益を保護することも出来なかった」結果となる。
(2)法理論的に上記の問題を検討すると、商標登録異議申立可能期間は、商標法第43条の2により、商標公報発行の日から2ケ月であるから、他の異議申立を待って審理を行なうほうがよい、とする意見もあるが、論理上からすると、合理的登録取り消し理由が1つでも出れば、同方向の取消し理由が出るのを待たなくても登録を取り消すのが理論的に正しいと考えらる。ましてやこのたびの異議申立は、シスコンとライセンスの親関係にあり、かつ本来の商標を付した製品の元販売者が行っているのであるから、これ以上正当な異議申立が今後現れ、異議申立が申請されるとは考えらない。また、工業所有権においては、いわゆる対世的影響が大なるものであるから、不正登録の商標権が1日でも長く存在すれば、取引き経済社会に、それだけ大きな害毒を流すことになり、正当権利者の利益が保護出来ないのみならず、特に商標においては、一般需要者、消費者の利益も害することとなり、ひいては公益を害することとなる。
4.早期審理を必要とする第4の理由
被申立人による詐欺行為の防止
本件不正の商標は、被申立人が、自己の販売努力によって「ぼくは航空管制官」なる商標を周知にしたと特許庁にいつわり、該商標は、申立人が以前より使用して、未登録ながら著名になっていたことを隠し、申立人の許諾による、(株)タムの該商標使用を理由に、特許庁を欺瞞して、早期審査を申請し、不正に商標登録を受けたものである。而もこれによって、被申立人は(株)タムに対し不正に金員を要求した。
該「ぼくは航空管制官」なる商標が、申立人が被申立人に著作権使用許諾を与える以前から、申立人の使用によって、全国的に既に著名になっていた事実の公的機関並びに著名会社の証明書は、甲第14号証ないし甲第18号証に示すとおりである。
5.理由補充の概要
(1)この商標登録異議意見書の第3頁において、(ハ)の第4行から6行に、『申立人と被申立人間の、著作権契約第11条に基づき、著作権者の承諾の基に「ぼくは航空管制官」の商標を選択し、平成12年10月12日付けで商標出願した--』と記載しているが、これは全く事実に反し虚偽の記載である。即ち、申立人は被申立人に「ぼくは航空管制官」の商標登録を許諾した事実は全くない。確認のため、上記著作権契約第11条を転記する。
第11条(責任範囲)
(a)乙(被申立人)が本商品を製作、販売するにあたって新たに生じた第三者に対する権利侵害等に関して、本著作物の著作権の在否、またはその範囲に関するものを除き、甲に責任がないものとし、乙の責任において解決するものとする。(b)本商品の企画、商品化ならびに製作、販売は全て乙の責任と危険負担において乙が実行するものとし、甲は消費者および流通業者に対し本商品の商品性、品質等において一切責任を負わない。」という内容そのものであるから、「ぼくは航空管制官」の商標の出願も登録も許諾した事実はどこにもない。
(2)また、この商標登録異議意見書の第5頁の17〜20行に、申立人が被申立人に「ぼくは航空管制官」の商標の出願登録の承諾を与えた、などと記載しているが、これも全くの捏造であり、承諾を与えた証拠は、どこにも存在していない。むしろ、その正反対の証拠として、平成13年5月2日に特許庁提出平成13年4月25日付けの申立人の代表者記述の特許庁長官宛の上申書の第1頁文章の第4行にも「弊社から一切の承諾を得ることなく同製品の名称;ぼくは航空管制官を、あたかも自社の製品であるかのように特許庁へ虚偽の申告・出願を行い、商標を取得した」と真実が記載されており、該商標の出願登録の承諾は一切なかったことが証明されている。また、前記東京地方裁判所係属の損害賠償請求事件に、被告人から提出された、株式会社テクノブレイン代表者芦達剛記載署名の陳述書(乙第18号証)によっても同様に、該商標の出願登録の承諾は一切なかったことが証明されている。同陳述書の第6頁の4の項には、本件申立人が被申立人に対し「ぼくは航空管制官」の商標権を取得することを許諾した旨の被申立人の陳述はまさに虚偽である事実を詳しく陳述し立証しているので、本件ではこれを、甲第27号証として、ここに提出し、被申立人の主張は根拠のない虚偽であることを立証する。
更に、本件申立人が京都商工会議所に周知証明を申請したのは、申立人の商品開発営業の拠点である京部の商工会議所を選んだものであり、東京商工会議所を意図的に回避したものではない。この証明資料として、申立人の京都支店の登記簿謄本(甲第28号証)を提出する。更にまた、申立人は、別途念のため、東京商工会議所にも周知証明を申請し証明書を受けているので、別紙の通り提出する(甲第29号証)。
(3)次に、この意見書では、その第4頁、下から4〜2行において、申立人が東京商工会議所からは、周知の証明を取得出来なかったと記載しているが、これも全く事実に反する。
申立人は、別紙の通り「ぼくは航空管制官」の商標が申立人の使用において、東京地方においても、被申立人に著作権許諾以前において、既に周知であった旨の東京商工会議所の周知証明を取得し提出していることは、前記の通りである。換言すれば、「ぼくは航空管制官」の商標は、以前より、申立人の使用において、既に全国的に著名であったことが立証されたことになった。従って、被申立人の意見書は、すべてよりどころを失い、悉く虚偽の陳述、記載であることが立証された。
6.結論
以上、詳細に論じ、かつ正確に立証したことにより、被申立人の該商標登録は、少なくも、商標法第4条第1項第10号に違反し、更に同法第4条第1項第19号にも違反する不正登録でもあったことが明らかである。

第4 当審の取消理由
本件商標は、平成12年10月12日に登録出願され、「ぼくは航空管制官」の文字を横書きしてなり、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成13年2月23日に設定登録されたものである。
他方、申立人「株式会社テクノブレイン」の提出に係る甲1号証ないし同第26号証によれば、「ぼくは航空管制官」の文字よりなる商標は、申立人が平成10年9月頃よりパソコンで遊ぶ航空管制官のシミュレーションゲーム用ソフトに使用してきた結果、本件登録出願時には申立人の業務に係る商品の商標として、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
ところで、申立人の提出に係る甲第3号証の「著作権許諾契約書」によれば、申立人と商標権者(旧名称「株式会社日本シスコン」)との間には、平成11年6月8日に「ソニープレイステーション向けゲームソフト」に関し、商標権者が申立人より許諾を受け「ぼくは航空管制官ーPS(仮)」の開発、製作、販売することについての契約が締結されている。しかしながら、該契約は、申立人が商標登録を受けることについて商標権者に承諾を与えているものではない。してみれば、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の取引者・需要者間に広く認識されている商標と類似する「ぼくは航空管制官」の文字よりなる本件商標を、申立人が商標登録出願をしていないことを奇貨として、商標権者が申立人の承諾なく商標登録を受けその指定商品に使用することは、不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

第5 当審の取消理由に対する商標権者の意見
(1)本件商標はひらがなと漢字で横一連に「ぼくは航空管制官」と書した商標であり、商品の区分並びに指定商品、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」として平成12年(2000年)10月12日(2000年商標登録願第111083号)に出願したところ、2001年1月号株式会社エンターブレイン発行の月刊ファミ通64十(ロクヨンプラス)平成12年(2000年)11月21日発売号16、17頁に、出願人の出願中の商標と酷似の商標を発見し、商品も出願に係る指定商品と同一の商品であるため、平成12年12月6日に早期審査に関する事情説明書を提出し、平成13年2月23日に登録第4455006号として登録されたものである。
一方、申立人は、斯かる登録された本件商標に対し、平成13年4月6日に商標登録異議申立書を、同年5月2日に早期審理に関する上申書を各々提出した。平成13年9月21日発送にて取消理由通知書を受けた。商標権者は取消通知に記載された申立人の提出に係る甲第1号乃至第26号証は何ら本商標の登録性を否定するものではないと判断し、意見書を提出して反論する。
(2) 登録異議申立の要旨
申立人の主張は、申立人(株式会社テクノブレイン)が、平成10年(1998年)8月に、登録商標「リヒタフェルデ」(商標登録第4317503号)の内容商品名として「ぼくは航空管制官」の名称でパソコンソフトを発売し、平成11年(1999年「ほくは航空管制官」のゲームの内容、グラフィック、および音声を使用し、ソニーのプレイステーション向けゲームソフト「ぼくは航空管制官一PS(仮称)」を開発し、販売することについて著作権許諾契約を締結した。著作権契約第11条に基づき、著作権者の承諾の基に、株式会社シスコンエンタテインメントは平成12年(2000年)10月12日商標登録出願をした。
平成12年11月21日株式会社タムは株式会社テクノブレインから許諾を得て2001年(平成13年)1月号に「ぼくは航空管制官」の商標と同一又は類似の商標を同一の指定商品に発売予告をした。これを見た株式会社シスコンエンタティンメントは、著作権契約第11条に基づき株式会社タムの販売を阻止し、自己の営業を守るため、緊急性を要する状況の説明をした出願中の商標の早期審査を請求した。これが特許庁に認められ平成13年2月23日に登録第4455006号として登録されたものである。
申立人は、本商標登録は商標法第3条4条の規定に該当するとして異議の申立をした。
(3)申立人の主張について反論する
(イ)商標法第3条第1項第3号の規定に違反していない。
「ぼくは航空管制官」はテレビゲームおもちゃの内容、態様をそのまま表し、文字のみを普通に用いられる方法で表した標章のみからなる商標ではない。特許庁は、「ぼくも私も一年生」(登録第1376272号)、「ぼくはBANDAI BABYどうぞよろしく」(登録第4007559号)、「ボクは指揮者」(登録第2505836)等、乙第1号証ないし乙第16号証に示す如き商標を同じ指定商品について、商標法第3条第1項第3号に違反していないとして登録している。
(ロ)商標法第3条第2項の規定に違反していない。
商標法第3条第2項の規定は前条第3号から第5号までに該当する商標であっても、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる、としているが、商標権者は商標出願に際し、商標法第3条第2項の規定の適用を申請する必要もなく登録されている。
(ハ)商標法第4条第1項第10号の規定に違反していない。
申立人の登録商標は「リヒタフェルデ」であり「ほくは航空管制官」を商標として商品を発売していない。商標権者は申立人と友好的に契約した著作権契約第11条に基づき、著作権者の承諾の基に「ぼくは航空管制官」の商標を選択し、平成12年(2000年)10月12日付けで商標出願したものである。
出願日以前の平成11年12月22日から「ぼくは航空管制官」の商標で発売し、例えば、乙第17号証ないし乙第43号証にみられるような、新聞・雑誌広告のみならず風船店頭ディスプレー(乙第45号証)、パンフレット(乙第46号証)、チラシ(乙第47号証)に多額の費用を費やしてプレイステーンョン用ゲームソフトとして広告をした結果(乙第48号証)、「ぼくは航空管制官」の文字よりなる商標は、株式会社シスコンエンターテインメントの商標として周知となるに至ったものである。
申立人は周知の証明として、甲第14号証乃至24号証を提出したが、いずれも周知の証明の基準が明らかではないので、各団体の責任ある代表者に直接確認のため通知書(乙第49号証)を送達したところ、9通の内3通しか責任者の回答がない。その1は、広島交通科学館館長柳矢ー茂氏より証明書中、第17号証は遠藤個人が発行した文書であり「当館の関わるところではなく、この件について、当館から回答する立場にございません。」と証明発行を否定する回答(乙第50号証)がきた。その2は、ソフト・バンクコマース(株)マーケッティング&ディベロップメント本部ソフトウエアマーケッテイング部ソフトウエア3課の勝又佳文氏から、「芦達様より依頼があり、また、以前より商品は取り扱っていた為。」(乙第51号証)と回答があり、その3は、京都商工会議所の会員部長から「当該製品を現認し、刊行物、広告宣伝物、取引実績資料により取引量、周知規模及び継続性を認定致しました。」「根拠としての資料については、開示できませんのでご了承下さいと。」(乙第52号証)と回答があったが、申立人の会社住所地にある東京商工会議所の周知の証明書を取得することなく、わざわざ京都商工会議所の如き、地方の商工会議所の周知の証明書を提出したのは、周知の証明には極めて厳しい基準を設けた東京商工会議所(乙第53号証の1乃至4)の周知の証明を取得できなかったからであると言わざるを得ない。その他の業界における付き合いのある担当者の証明、団体の責任ある代表者ではない担当者の証明を取得し提出したものであり、責任ある代表者からは未だに問い合わせに対し回答がなく、各団体とも周知証明の発行基準を明らかにしていない。
(ニ)商標法第4条第1項第19号の規定に違反していない。
商標権者は申立人と友好的に契約した著作権契約第11条(責任範囲)において、(a)乙が本商品を製作、販売するにあたって新たに生じた第三者に対する権利侵害等に関して、本著作物の著作権の在否、またはその範囲に関するものを除き甲に責任がないものとし、乙の責任において解決するものとする。(b)本商品の企画、商品化並びに製作、販売は全て乙の責任と危険負担において乙が実行するものとし、甲は消費者および流通業者に対し本商品の商品性、品質等において一切責任を負わない(乙第54号証)と契約している。商標権者はこの条項に従い、著作権者の承諾の基に「ぼくは航空管制官」を商標として選択し、出願したものである。
申立人は、もともと平成10年(1998年)5月21日付けで、商標「リヒタフェルデ」のみを商標と考えて出願し、平成11年(1999年)9月24日登録されたものであり、異議申立書の冒頭で申立人が主張したように、「ぼくは航空管制官」なる商標は、その商品、テレビゲームおもちゃの内容、態様をそのまま、文字のみ、普通に用いられる方法で表示した標章からのみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号の規定により登録できないものと考えていた。
申立人が商標登録出願を断念していたところ、商標権者から著作権契約第11条に従い、自己の営業を防衛するため「ぼくは航空管制官」を商標として選択し、商標登録出願についての承諾を求められたので、出願は拒絶されるであろうと考え、承諾を与えたものであることは陳述書(乙第55号証)により明らかである。
従って、本件商標は上述の如く他人の周知商標でなく、又商標権者が不正の目的をもって出願し、登録したものでもないことは上記の経緯から見て明らかである。
(ホ)商標権者の社名変更について、
商標権者は会社の業務発展に従い子会社との業務統合を行った際に変更したもので、会社履歴事項全部証明書(乙第56号証)を見ればその継続性は容易に判断でき、不正の目的と誹謗するのは、全く的外れであり、悪意のある異常な言いがかりである。
(ヘ)「その商標登録出願等は、アンフェアであった疑いがある」の記載について、申立人は異議申立書第6頁の上から10行目において(乙第57号証)、「次ぎに、また、本件商標出願の審査を担当された審査官殿にも、ご面接を頂き、各種証拠を示して、ご説明をしましたところその商標登録出願等は、アンフェアであった疑いがある”旨の、お話を承っております。」と記載している。これが事実であれば審査官は審判を前にして申立人の不正に作成した証拠に基づき、審理に予断を与える様な発言を申立人にしたことになり、その異議申立書及び異議申立事件早期審理に関する上申書の記載に基づいて為された審判官の取消理由通知書は、その予断と、不正に作成された周知の証明の証拠に基づき審判官が審理を誤った虞があり、商標権者に審理の公正を疑わせ、到底容認できるものではない。
また、申立人は周知の証明書(甲第17号証)を不正に作成して提出した。商標権者が著作権契約に基づいて著作権者の承諾の基に、営業を防衛するために商標権を取得したことに関し、会社業務の発展に合わせて社名を変更したことについてまで誹謗し、商標を不正の目的をもって取得し使用したと、直接審査官に面談して審判官の審理を誤らせ、取消理由通知書を発送させた。そして、不正に作成した周知の証明書を証拠として提出した登録異議申立書は商標法第43条の4の第2項により最早補正することができないし、商標法第43条の11により、いったん取消の理由通知があった後は、取り下げることもできない。
不正に作成した周知の証明書(甲第17号証)を証拠として異議の決定を受けたとすると、申立人こそが商標法第79条の詐欺の行為の罪により、「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」(乙第69号証)の条文に該当することとなる。
(4)従って、本件登録商標は、商標法第3条第4条の規定に該当せず、本件異議の申立は、理由が無いものである。

第6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて
本件商標は「ぼくは航空管制官」の文字よりなるものであるところ、該商標からその商品が「航空機の管制官に関するもの」であることを看取し得たとしても、その商品の品質、内容等を具体的に表示したものとは言い得ないものである。また、当審において職権をもって調査した結果、該文字が指定商品に関し商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実は発見することはできなかった。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものと言うのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
(2)本件商標と商標法第3条第2項との関係について
本件商標は、商標法第3条第2項によって登録されたものではないから、「本件商標は、商標法第3条第2項の要件を満たしていない」と言う申立人の主張には、理由がない。
(3)商標法第4条第1項第10号に該当するか否かについて
申立人の主張及び提出している甲各号証によれば、申立人が「リヒタフェルデ」の商標と共に「ぼくは航空管制官」のサブタイトルを付して販売している商品は、「パソコン用のソフト」である。
他方、商標権者が本件商標を使用して販売している商品は、「テレビゲームおもちゃ」である。
なお、本件とは関わりはないが、参考までに言及すれば、件外「株式会社タム」が「ぼくは航空管制官」の商標を使用していると認められる商品は、「おもちゃ」の範疇に属する「小型携帯式ゲーム機器(携帯用液晶画面ゲームおもちゃ)」と認められる。
そして、上記各商品は、その生産者、販売店、需要者を異にする非類似の商品と認められるものである。
また、申立人は、「ぼくは航空管制官」の文字よりなる商標を使用している証拠として、甲1号証ないし甲第9号証(枝番を含む)を提出しているが、それら提出されている証拠だけでは、申立人の業務に係る商品が本件商標の登録出願時である平成12年10月12日以前に販売されている事実を知ることができても、商品の販売地域、年間の販売量等不明であるため、申立人の業務に係る上記商標が、本件商標の商標登録出願時及び査定時に、取引者・需要者間に広く知られていたものと認めることはできない。
一方、申立人の業務に関する著名性を証明した各「証明書」は、どのような資料に基づいて証明したか不明であるから、該証明書をもって、申立人の業務に係る商標が、本件商標の登録出願時及び査定時に需要者間に広く知られていたものとは認め難い。
(4)商標法第4条第1項第19号に該当するか否かについて
申立人と商標権者との間で平成11年6月8日付で締結された著作権許諾に関する「契約書」と本件商標登録とは直接関係を有するものではないが、上記契約書の第11条によれば、甲(申立人)は、乙(商標権者)に対して、乙と第三者との間で紛争が生じた場合、乙は甲に一切迷惑をかけることなく自己責任において問題の解決にあたらなければならない趣旨の取り決めがなされているところである。
上記内容の契約及び「ぼくは航空管制官」の文字よりなる商標を使用する申立人及び商標権者の商品の生産者、販売場所、需要者等を考え併せれば、商標権者が本件商標の登録を受ける以前に、予め申立人に対しその旨を伝えておくのが最善であったと考えられるとしても、商標権者としては、予想される第三者との紛争を回避するために、自己の業務に係る商品「テレビゲームおもちゃ」に限って商標登録を受けたものと認められるから、本件商標の登録を受けることに関し、商標権者に、不正の目的・意図があったと言うことはできない。
また、商標権者の提出してる乙17号証ないし乙第48号証の新聞、雑誌広告の実績をみると、「家庭用テレビゲームおもちゃ」に関する「ぼくは航空管制官」の文字よりなる商標は、申立人の業務に係る商品の商標というよりはむしろ商標権者の業務に係る商品の商標として、取引者、需要者間に広く知られていたものと判断するのが相当である。
そして、上記各事項を総合勘案すれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(5)結論
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第3条2項、同第4条第1項第10号、同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
異議決定日 2001-12-26 
出願番号 商願2000-111083(T2000-111083) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (Z09)
T 1 651・ 222- Y (Z09)
T 1 651・ 13- Y (Z09)
最終処分 維持 
前審関与審査官 手塚 義明 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 柳原 雪身
上村 勉
登録日 2001-02-23 
登録番号 商標登録第4455006号(T4455006) 
権利者 株式会社シスコンエンタテイメント
商標の称呼 ボクワコークーカンセーカン 
代理人 田中 貞夫 
代理人 若林 拡 
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