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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効としない 011 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 011 |
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管理番号 | 1053700 |
審判番号 | 審判1999-35166 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-03-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1999-04-09 |
確定日 | 2001-12-17 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4027303号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4027303号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲(1)に示すとおり「エアコンキャッチャー」の片仮名文字を横書きした構成よりなり、第11類「ルームエアコンディショナ室外機用金属製据付架台」を指定商品として、平成7年10月20日登録出願、同9年7月11日に設定登録がされたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第109号証(枝番を含む。)を提出している。 (1)商標法第4条第1項第10号について (ア)請求人の商標「クーラーキャッチャー」(以下、「使用商標」という。)を付した空気調和機の室外機用据付台は、昭和44年から現在に至るまで、トップの市場占有率を有している。したがって、請求人は、この種の「空気調和機の室外機用据付け台」においては、少なくとも50%の市場占有率を有する企業である。 請求人は、甲第5号証ないし甲第22号証に示すように、昭和44年から現在に至るまで空気調和機の室外機用据付台のカタログを発行している。 これらのカタログは、空気調和機を設置する電気工事業者や、この種の電気工事業者に部品を納入する商社等に広く頒布されたものである。したがって、これらのカタログから、使用商標は請求人の空気調和機の室外機用据付け台を示すものとして広く認識されるようになったものである。 また、請求人は、前記カタログの頒布の他に、甲第23号証ないし甲第85号証にもあるように数多くの新聞広告を少なくとも平成元年から頻繁に行っている。 さらに、甲第90号証は、請求人の代表取締役である柴田晴弘のインタビュー記事であり、その中で「その高い信頼と実績は同社製品のブランドである『キャッチャー』が普通名称化するほどの高まりをもってもうなづけよう。」と紹介されている。 このような電波新聞等におけるこれらの記事からしても、使用商標は、少なくとも本件商標の出願日である平成7年10月20日以前には請求人の商品である空気調和機の室外機の据付け台を示す商標であることが広く需要者に認識されたものであることを立証することができる。 また、請求人の空気調和機の室外機用据付台を指し示す商標として使用商標が著名であることを、空気調和機の室外機用据付台を取り扱う業界の方々に甲第94号証ないし甲第103号証によって証明をもらったものである。 (イ)商標「クーラーキャッチャー」と本件商標「エアコンキャッチャー」とは、「クーラー」と「エアコン」とが相違している。そして、「クーラー」には冷却機の意義が、「エアコン」はエアーコンディショナーの略称として空気調和機の意義がある。 しかしながら、添付した甲第104号証の1及びの2(ランダムハウス英和大辞典)にもあるように、「クーラー」と「エアコンディショナー」及びその略称「エアコン」とは、概念が実質的に同一のものとして認識されている。特に、現在では、冷房機能のみを有する「クーラー」はほとんど販売されず、冷暖房機能を有する「エアコン」がほとんどである。しかし、需要者は、「エアコン」のことを「クーラー」と称することが多いのが事実である。 したがって、使用商標と本件商標とは、相互に観念同一の関係にある。 そうすると、本件商標の出願時において、請求人の空気調和器の室外機用据付台を示す商標として需要者の間に広く認識された「クーラーキャッチャー」があり、使用商標と同一の商品を指定商品とする本件商標は、商標法第4条第1項第10号に反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 請求人の引用する登録第1378845号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおり「クーラーキャッチャー」の片仮名文字を横書きした構成よりなり、昭和50年6月16日に平成3年政令第299号による改正前の商品区分(以下、「旧分類」という。)第7類「金属製たな板,建造物組立てセット,その他本類に属する商品」を指定商品として、登録出願し、昭和54年5月31日に設定登録され、その後、2回に亘り本商標権に係る存続期間の更新登録を受けているものである。 しかして、本件商標と前記商標「クーラーキャッチャー」とが観念同一の類似商標である点は上述した理由と同様である。 つぎに、本商標権の指定商品は旧分類であるから「その他本類に属する商品」には「建築または構築専用材料,セメント,木材,石材,ガラス」が含まれている。 ところで、「空気調和機の室外機用据付台」は、まったく新規な商品であったため、旧分類には、具体的には列挙されていなかった。しかし、この据付台は、室外機を乗せる点から、たな板と、組み立てて使用するという点から建造物組立てセットとそれぞれ同一のものであるから、第7類に含まれるべきものである。 一方、本件商標は、「エアコンキャッチャー」の文字を書してなり、その指定商品は「ルームエアコンディショナ室外機用金属製据付架台」である。 したがって、両商標は、その指定商品が類似する関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に反して登録されたものである。 (3)答弁に対する弁駁 昭和44年3月26日付けの電波新聞の記事の1つとして「工事の手間省く/取付け金具五種/日晴金属工業所で」と題した記事が掲載されている。そして、同記事中において「これから本格化する需要期にクーラー『キヤッチャー』の人気が高まるものと予想される。」とある。また、甲第109号証には「『クーラーキキャッチャー〔C-S型〕』、『クーラーキャッチャー』〔C-S型〕はセパレート型ルームクーラー室外ユニット専用の据付金具です。」との文言がある。なお、製造販売元の日晴金属工業所は、審判請求人の前身である。 これらの甲各号証からも、請求人が少なくとも昭和44年3月26日には使用商標を使用していた事実が立証される。 しかも、請求人は、家電小売業や電気設備・住宅設備工事業者等がその主たる購読者である業界紙の中で、最も部数の多い約30万部の日刊紙である電波新聞に繰り返して、それも看者の目を引く全面広告や5段広告で使用商標を掲載している。しかも、この種の商品のシーズンともいうべき1月ないし7月頃に集中的に繰り返して広告を掲載している。 したがって、これらの広告は特集記事との組み合わせによってより効果的に、使用商標の周知性の獲得に大きく寄与していたものと考えられる。 また、ルームエアコンのメーカーが峻別できても、実際にこの種据付台を購入するのは、電気設備工事業者であるから、電気設備工事業者が峻別できなければ、需要者である電気設備工事業者において出所混同は生じるのである。 (4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に反して登録されたものである。 4 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。 (1)商標法第4条第1項第10号について 請求人が昭和44年に日本で初めて空気調和機の室外機用据付台に「クーラーキャッチャー」の商標を付したかどうかは知らない。請求人は、甲第5号証のカタログは昭和44年度に配布したカタログである旨の主張をしているが、甲第5号証のカタログには年度に関する記載はなく、何年度のものか不明である。同様に、甲第6号証のカタログも何年度のものか不明である。 ところで、「阪商家電営業部」(三菱電機株式会社大阪商品営業所家電営業部)から「東商家電営業部」(三菱電機株式会社東京商品営業所家電営業部)に差し出された「ルームエアコンセパレートタイプ用凝縮器据付台業者紹介」と題する昭和46年4月24日付書面(乙第1号証)によれば、「阪商に於いて、据付の簡素化を計り且つ仕上がりのきれいな据付台として、3年間使用して来ている凝縮器据付台業者を茲に紹介致します。」と記述して「I.S.C商事」を紹介していることがわかる。「I.S.C商事」とは「有限会社アイ.エス.シー商事」のことであり、「有限会社アイ.エス.シー商事」の営業は「株式会社アイ.エス.シー商事」に移転され、「株式会社アイ.エス.シー商事」の名称は「アイ.エス.シー工業株式会社」に変更されて今日に至っている。 すなわち、少なくとも昭和43年ごろには被請求人側で据付台は製造販売されていた。 請求人は、甲第7号証のカタログにより昭和51年度には据付台について使用商標を使用していたことは理解できる。しかし、被請求人側である「有限会社ISC商事」は、昭和49年度のカタログ(乙第2号証)によれば、商標「エアコンキャッチャー」を既に使用していた。乙第2号証のカタログが昭和49年度のものであることは、三菱電機株式会社の昭和49年度のカタログ(乙第3号証)に記載の機種記号と乙第2号証のカタログに記載の適用機種の記号とが一致していることから明らかなものと思われる。 乙第3号証の三菱電機株式会社のカタログが昭和49年度のものであることは、同カタログに記載の「お届け予定時期」の欄に昭和50年3月或いは4月である旨の表示がみられることから明らかであるから、商標「エアコンキャッチャー」と商標「クーラーキャッチャー」とは、いずれの商標が先に使用されたか判然としない状態で、今日まで平穏に使用されてきている。 そもそも、ルームエアコンデイショナセパレートタイプを家電メーカーが製造し始めてから室外機に据付台が必要となったのである。すなわち、据付台メーカーの取引先は、ルームエアコンディショナ(とりわけセパレートタイプ)のメーカー(その販売会社、営業所を含む)である。かかるメーカーは商標「エアコンキャッチャー」と商標「クーラーキャッチャー」の相違を識別しており、両商標がルームエアコンディショナのメーカーの間で混同されることはない。 いずれにしても、請求人の主張する使用商標は平成7年10月20日前に周知性は獲得されていない。 よって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものでない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 指定商品「ルームエアコンデイショナ室外機用金属製据付架台」については、既述のとおり、ルームエアコンデイショナのメーカーが商標の相違を峻別できれば、出所混同は生じないのであり、引用商標と本件商標は商標に類似性がない。 そして、引用商標の指定商品は「金属製たな板、建造物組立セット、その他本類に属する商品」である。商品の区分旧第7類は、建築または構築専用材料としての金属製製品が包含される商品分類であるから、引用商標の指定商品中「金属製たな板」は「建築または構築専用材料として使用される金属製のたな板」を指し示していることは明らかである。 すなわち、引用商標の指定商品は本件商標に係る指定商品「ルームエアコンディショナ室外機用金属製据付架台」とはメーカーが異なり、前者の商品がルームエアコンディショナのメーカーを介して販売されることはなく、販売ルートも異なる商品なのである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 5 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、その構成後掲のとおり「エアコンキャッチャー」の文字を同じ書体でまとまりよく一体的に書してなるものであるところ、その構成文字は、本件商標の指定商品(ルームエアコンディショナ室外機用金属製据付架台)との関係からみれば、前半の「エアコン」の文字部分は「エアコンディショナ(空気調和装置)」の略称として、また、後半の「キャッチャー」の文字部分は「捕手、捕らえるもの」の意味を有する語を結合したものと想起させる場合があるとしても、両文字(語)を一連一体に結合した本件商標からは、全体として特定の意味合いを表現したものといえるものでなく、かかる構成にあっては、一体に表現した一種の造語よりなるものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標は、その全体の称呼も格別冗長でなく、淀みなく一連に称呼し得るものであるから、該構成文字に相応して「エアコンキャッチャー」とのみ称呼されるものというべきである。 一方、請求人が空気調和機の室外機用据付台に長年使用し著名性を有するものとして、甲各号証のカタログ及び新聞広告に示された使用商標の構成態様は別掲の如く書してなるものであるところ、前半の「クーラー」の文字部分は「冷房装置」等の意味を有するものとして、一般によく知られる文字(語)といえるものであり、後半の「キャッチャー」の文字とを結合したものである。 してみれば、使用商標は、該構成文字に相応して「クーラーキャッチャー」と一連の称呼が生ずるものであり、両文字(語)を結合した一種の造語として看取させるものである。 そうとすれば、請求人の提出にかかる甲各号証をみると使用商標が、請求人の業務にかかる商品である「空気調和機の室外機用据付台」について使用され、需要者、取引者の間に広く認識されていることは認め得るものであるとしても、両商標は、前述したとおり、共に造語よりなるものと認識されるものであるから、観念においては比較することができない。また、本件商標から生じる「エアコンキャッチャー」の称呼と使用商標から生じる「クーラーキャッチャー」の称呼とは、その音構成に顕著な差異を有するものであるから、明瞭に聞き分けられること明らかである。さらに、両商標の構成文字の差異により両者は外観において区別し得るものである。 したがつて、前述のとおり本件商標と使用商標とは明らかに区別できる差異を有する非類似の商標であって、請求人の業務にかかる商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならないから、本件商標を商標法第4条第1項第10号に該当するものとすることはできない。。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、上述のとおり、その外観、観念及び称呼のいずれにおいても相紛れることのない非類似の商標である。そして、引用商標の指定商品に含まれる「建造物組立てセット」とは、特定の使用目的を有する簡易な組立式建造物の専用部材であって、一式のセットとして取引に供されるもの(例えば、物置組立セット)であり、一方、本件商標の指定商品は「ルームエアコンディショナ室外機」専用の附属品として、それぞれ解され取り扱われているものであるから、両者の指定商品の表示からは互いに類似するものということができない。 したがって、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとすることはできない。 (3)請求人は、ルームエアコンのメーカーが峻別できても、実際にこの種据付台を購入するのは、電気設備工事業者であるから、電気設備工事業者が峻別できなければ、需要者である電気設備工事業者において出所混同は生じる旨主張し、平成12年1月19日付上申書を提出しているが、上申の内容及びこれに添付された陳述書によっては、その出所について混同を生じたと断定することができないから、この請求人の主張は採用できない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(1)本件商標![]() (2)引用商標 ![]() |
審理終結日 | 2000-08-21 |
結審通知日 | 2000-09-01 |
審決日 | 2000-09-12 |
出願番号 | 商願平7-108735 |
審決分類 |
T
1
11・
25-
Y
(011)
T 1 11・ 26- Y (011) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 佐藤 久美枝、三澤 惠美子 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
高野 義三 芦葉 松美 |
登録日 | 1997-07-11 |
登録番号 | 商標登録第4027303号(T4027303) |
商標の称呼 | エアコンキャッチャー |
代理人 | 角田 嘉宏 |
代理人 | 大西 正夫 |
代理人 | 大西 孝治 |