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審判番号(事件番号) データベース 権利
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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 104
管理番号 1047492 
審判番号 審判1999-30327 
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-11-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1999-03-17 
確定日 2001-07-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第0644077号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第0644077号商標の登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第644077号商標(以下「本件商標」という。)は、「Magic」の文字を横書きしてなり、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和37年12月26日登録出願、同39年6月3日設定登録、その後、三回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
2.請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
請求の理由
本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。
弁駁の理由
(1)被請求人は、答弁書の理由において、本件商標「Magic」は本件審判請求の登録前より継続的に現在においても使用しているものであると述べ、かかる使用の事実を立証するため乙第5号証乃至乙第22号証を提出している。
しかしながら、かかる証拠に見られる被請求人の使用商標は、後述のように、商標法第50条にいう社会通念上の同一の商標とは言えない。
以下、被請求人の提出した乙第5号証乃至乙第22号証について検討する。
(2)乙第5号証乃至乙第8号証(「LIP MAGIC」「リップマジック」)について
(A)乙第5号証
被請求人は、乙第5号証として「LIP MAGIC」の英文字及び「リップマジック」のカタカナ文字が表示された「商品およびパッケージ」の写真を提出し、「LIP」「リップ」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあると主張し、明らかに本件商標と同一性を有するものであると主張する。
しかしながら、被請求人の上記主張は、商標の類似性と商標法第50条にいう商標の社会通念上の同一性を同一視した主張であり、妥当ではない。
そもそも商標法第50条にいう登録商標の使用とは、(a)書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標(b)平仮名、片仮名及びローマの字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標(c)外観において同視される図形からなる商標(d)その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をいうものであり、「LIP」「リップ」のように識別力の弱い文字を結合させ、商標全体の態様を著しく変更した形での商標の使用は、類似商標と言える場合はあっても、上記にいう社会通念上同一と認められる商標とは言えない。すなわち、被請求人が使用している商標「LIP MAGIC」「リップマジック」は、本件商標と同一の文字からなる商標でもなく、同一の称呼及び観念を生ずる商標でもないから、社会通念上の同一性に欠ける使用であり、本件商標「Magic」の使用と言えるものではない。被請求人の使用商標は、「LlP」「リップ」の文字と組み合わされることによって、外観・称呼・観念すべてにおいて本件商標「Magic」とは異なることとなり、本件商標「Magic」そのものの独立性は完全に失われているものであると言える。従って、被請求人の使用商標「LIP MAGIC」「リップマジック」のように登録商標をその一部に含む商標であっても、他の部分と合体して登録商標そのものの独立性が失われているような場合においては、社会通念上登録商標の使用があったとはいえないから、登録商標の態様がそのまま含まれていても不使用取消の対象とすべきである。
また、仮に被請求人が主張するように、識別力の弱い文字を結合させての使用が社会通念上同一と判断されるならば、「EYE」「アイ」等の指定商品との関係で識別力の弱い文字を結合させた、例えば「EYE MAGIC」「アイマジック」のような類似商標を「MAGlC」「マジック」の商標を1つ持っているだけで社会通念上同一の商標としていくらでも使用することができることとなり、妥当ではない。さらに被請求人は、「LIP」「リップ」の文字が付記的な部分にすぎないものであるからということを主張するのみで、他に指定商品の属する分野において、これらの文字を付けることが社会通念上同一性を有するものと認識され通用していると認めるべき証拠が何ら示されていない。従って、「LlP」「リップ」のように識別力の弱い文字を結合させた商標は、類似商標と言える場合はあるかもしれないが、商標法第50条にいう社会通念上同一の商標と言えるものではなく、「LlP MAGIC」「リップマジック」のような単に類似するにすぎない商標を使用していても、不使用による取消しを免れない。
以上のように、被請求人の上記主張は、商標の類似性と商標法第50条にいう商標の社会通念上の同一性を同一視した主張であり、妥当ではなく、乙第5号証における「LIP MAGlC」「リップマジック」のような社会通念上同一とは言えない形での使用をもってしては、本件商標「Magic」の使用とは言えない。
また、被請求人は乙第5号証の写真について、平成11年6月11日に撮影したと説明するが、この日付は本件審判が予告登録された平成11年4月7日よりも後であり、これをもってしては本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。また、当該写真の撮影者の氏名及び住所を明らかにされたい。
(B)乙第6号証乃至乙第8号証
乙第6号証「化粧品製造製品届書」及び乙第7号証「納品書」及び乙第8号証「納入証明書」には、「リップマジック」との記載があるが、上述したように、そもそも社会通念上同一とは言えない「リップマジック」の使用をもってして本件商標「Magic」の使用であるということはできない。また、被請求人は、乙第6号証として「化粧品製造製品届書」を提出するが、単に「化粧品製造製品届書」をもってしては、本件商標「Magic」の使用を何ら示すものではない。
次に、乙第7号証「納品書」及び乙第8号証「納入証明書」は、いずれも「株式会社ジュテーム」に対するものであるが、「株式会社ジュテーム」の代表取締役である「八木常治」は、被請求人が乙第4号証で提出した「株式会社ピカソ美化学研究所の登記簿謄本」から明らかなように、「株式会社ピカソ美化学研究所」の取締役でもあり、「株式会社ジュテーム」と「株式会社ピカソ美化学研究所」は実質的な関連会社と言えるものである。従って、かかる関連会社による「証明書」は、客観性に欠けるものであり、本件商標「Magic」の使用を示す証拠としては不十分である。
(3)乙第9号証及び乙第12号証(MAGIC COLOR」「マジックカラー」)について
(A)乙第9号証及び乙第10号証
被請求人は、乙第9号証として「MAGIC COLOR」の英文字及び「マジックカラー」のカタカナ文字が表示された「商品およびパッケージ」の写真及び乙第10号証として「パンフレット」を提出し、「COLOR」「カラー」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあると主張し、明らかに本件商標「Magic」と同一性を有するものであると主張する。しかしながら、被請求人のかかる主張は、(2)で請求人が主張した理由と同様の理由により、商標の類似性と商標法第50条にいう商標の社会通念上の同一性を同一視した主張であると言えるから妥当ではなく、乙第9号証及び乙第10号証における「MAGIC COLOR」「マジックカラー」のような社会通念上同一とは言えない形での使用をもってしては、本件商標「Magic」の使用とは言えない。
また、被請求人は乙第9号証の写真について、平成11年6月11日に撮影したと説明するが、この日付は本件審判が予告登録された平成11年4月7日よりも後であり、これをもってしては本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。また、当該写真の撮影者の氏名及び住所を明らかにされたい。
さらに、乙第10号証の「パンフレット」は「’94秋メイクフェア」とあり、かかる日付は5年も前の日付であり、これをもってして本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
(B)乙第11号証及び乙第12号証
乙第11号証「化粧品製造製品届書」及び乙第12号証「納品書」には、「マジック カラー」との記載があるが、上述したように、そもそも「マジックカラー」をもってして本件商標「Magic」の使用であるということはできないだけでなく、単に「化粧品製造製品届書」をもってしては、本件商標「Magic」の使用を何ら示すものでもない。さらに、乙第12号証「納品書」に記載されている日付は、「94.08.17」とあり、被請求人も答弁書の中で「1994年8月17日付の仕入台帳」と認めている。かかる日付は5年も前の日付であり、これをもってして本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
また、そもそも実際に使用しているのであれば、5年も前の仕入伝票を証拠として提出する必要は全くなく、3年以内の使用を示す証拠を積極的に示すべきである。さらに、被請求人は乙第12号証「納品書」について、「株式会社ピカソ美化学研究所」より「株式会社ジュテーム」に販売した事実を示すものであると主張するが、上述のように両会社は実質的な関連会社と言えるものであり、本件商標「Magic」の示す証拠としては客観性に欠けるものである。
(4) 乙第13号証及び乙第16号証(「COVER MAGIC」「カバーマジック」)について
(A) 乙第13号証及び乙第14号証
被請求人は、乙第13号証として「COVER MAGIC」の英文字及び「カバーマジック」のカタカナ文字が表示された「商品およびパッケージ」の写真及び乙第14号証として「パンフレット」を提出し、「COVER」「カバー」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあると主張し、明らかに本件商標と同一性を有するものであると主張する。しかしながら、被請求人のかかる主張は、(2)で請求人が主張した理由と同様の理由により、商標の類似性と商標法第50条にいう商標の社会通念上の同一性を同一視した主張であると言えるから妥当ではなく、乙第13号証及び乙第14号証における「COVER MAGlC」「カバーマジック」のような社会通念上同一とは言えない形での使用をもってしては、本件商標「Magic」の使用とは言えない。また、被請求人は乙第13号証の写真について、平成11年6月11日に撮影したと説明するが、この日付は本件審判が予告登録された平成11年4月7日よりも後であり、これをもってしては本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。また、当該写真の撮影者の氏名及び住所を明らかにされたい。
(B) 乙第15号証及び乙第16号証
乙第15号証「化粧品製造製品届書」及び乙第16号証「納品書」には、「カバーマジック」との記載があるが、上述したように、そもそも「カバーマジック」をもってしては本件商標「Magic」の使用であるということはできないだけでなく、単に「化粧品製造製品届書」をもってしては、本件商標「Magic」の使用を何ら示すものでもない。さらに、被請求人は乙第16号証「納品書」について、「株式会社ピカソ美化学研究所」より「株式会社ジュテーム」に販売した事実を示すものであると主張するが、上述のように両会社は実質的な関連会社と言えるものであり、本件商標「Magic」の示す証拠としては客観性に欠けるものである。
(5) 乙第17号証及び乙第22号証(「ALOE MAGIC」「アロエマジック」)について
(A) 乙第17号証及び乙第18号証
被請求人は、乙第17号証として「ALOE MAGIC」の英文字及び「アロエマジック」のカタカナ文字が表示された「商品の正面及び背面」の写真及び乙第18号証として「パンフレット」を提出し、「ALOE」「アロエ」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから、自他商品の識別機能は「MAGIC」「マジック」の文字にあると主張し、明らかに本件商標「Magic」と同一性を有するものであると主張する。しかしながら、被請求人のかかる主張は、(2)で請求人が主張した理由と同様の理由により、商標の類似性と商標法第50条にいう商標の社会通念上の同一性を同一視した主張であると言えるから妥当ではなく、乙第17号証及び乙第18号証における「ALOE MAGIC」「アロエマジック」のような社会通念上同一とは言えない形での使用をもってしては、本件商標「Magic」の使用とは言えない。
また、被請求人は乙第17号証の写真について、平成11年6月11日に撮影したと説明するが、この日付は本件審判が予告登録された平成11年4月7日よりも後であり、これをもってしては本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。また、当該写真の撮影者の氏名及び住所を明らかにされたい。さらに、乙第18号証の「パンフレット」は一切日付が示されておらず、そもそもこれをもってしては本件商標「Magic」が本件審判が予告登録された平成11年4月7日前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
(B)乙第19号証乃至乙第22号証
乙第19号証「化粧品製造製品届書」及び乙第20号証及び乙第21号証「納品書」、乙第22号証「証明書」には、「マジック アロクリーム」及び「アロエ マジック クリーム」の記載があるが、上述したように、かかる使用態様での使用をもってして本件商標「Magic」と社会通念上同一の使用であるということはできないだけでなく、単に「化粧品製造製品届書」をもってしては、本件商標「Magic」の使用を何ら示すものでもない。
(6)以上述べた通り、被請求人が本件商標の使用の事実を立証するために提出した乙第5号証乃至乙第22号証に見られる商標の使用態様は、社会通念上同一の商標の使用といえるものでないから、係る証拠に基づく被請求人の証明によっては、本件商標の取消を免れることはできないものである。
3.被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。」と主張し、その理由を下記の通り述べ、証拠方法として、乙第1号証乃至乙第8号証を提出している。
答弁の理由
(1)請求人は、本件商標は継続して3年以上日本国内において不使用であり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである旨、主張している。
しかしながら、かかる請求人の主張は以下の理由により失当であり、本件商標が取り消されるべき理由は全くないものである。
(2)請求人は、本件商標は不使用である旨、主張している。しかしながら、本件商標は、本件審判請求の登録前より継続的に現在においても適法に使用しているものである。即ち、本件商標の商標権者である「八木弦三郎」は、添付の登記簿膳本(乙第1号証)から明らかな通り、自から代表取締役を務める「株式会社ピカソ美化学研究所(本店;兵庫県西宮市池田町9番20号、支店;兵庫県西宮市西宮浜3丁目9番1号」)」に対し、本件商標にかかる商標権について「通常使用権」を許諾しているものである。かかる事実を証明するため、株式会社ピカソ美化学研究所の証明書を乙第2号証として提出する。なお付言すれば、商標権者たる八木弦三郎は、上記株式会社ピカソ美化学研究所のみならず、例えば、乙第3号証の1・2からも明らかな如く、他の保有の商標権についても第三者に通常使用権を許諾しているものであり、かかる事実からも前記通常使用権許諾の事実を十分首肯しうるものである。そして、「通常使用権者」である「株式会社ピカソ美化学研究所」は、前記乙第1号証、及び定款(乙第4号証)からも明らかな通り、「化粧品の製造販売等」を業とするもので、本件商標を現に適法に使用しているものである。かかる事実を立証するため、乙第5号証〜同第22号証を提出する。
(A)乙第5号証〜同第8号証
乙第5号証は「商品およびパッケージ」の写真(平成11年6月11日撮影)を示すもので、「パッケージ」には「LlP MAGIC」の英文字が明確に表示され、「LIP」の文字が付記的な部分にすぎないのであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」の文字にあり、明らかに本件商標と同一性を有するものであって、しかも、使用商品は「口唇化粧品」であってみれば、本件商標の適法な使用事実を明確に示すものである。さらに、本件商標は、本件審判の請求の登録前より継続的に現在にも使用中であり、かかる事実を立証するため乙第6号証〜乙第8号証を提出する。
イ.乙第6号証
乙第6号証は、本件使用商品の製造事実を示す「化粧品製造製品届書(内容の変更により再届)」。
ロ.乙第7号証の1〜8
乙第7号証の1〜8は、通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所より株式会社ジュテーム(大阪市西区西本町1丁目10番10号)に販売した事実を示す1998年2月3日〜同年9月7日付の納品書控(直送分及び引取り分)。
ハ.乙第8号証
乙第8号証は、通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所より株式会社ジュテーム(大阪市西区西本町1丁目10番10号)に販売した事実を示す納入証明書。かかる乙第6号証〜同第8号証からも明らかな如く本件商標の継続的な使用事実を明確に示すものである
(B)乙第9号証〜同第12号証
乙第9号証は「商品およびパッケージ」の写真(平成11年6月11日撮影)、乙第10号証は「パンフレット」を示すもので、乙第10号証「パッケージ」には、「MAGIC COLOR」の英文字が明確に表示され、「COLOR」の文字が付記的な部分に過ぎないものであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」の文字にあり、明らかに本件商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「アイシャドウ」であってみれば、本件商標の適法な使用事実を明確に示すものである。なお、乙第10号証に係る「パンフレット」には「MAGIC」の文字が表示されていないものであるが、本件商品の使用事実を示す傍証となり得るものである。
さらに、本件商標は、本件審判の請求の登録前より継続的に現在も使用中であり、係る事実を立証するため乙第11号証〜乙第12号証を提出する。
イ.乙第11号証
乙第11号証は、本件使用商品の適法な製造事実を示す「化粧品製造製品届書(内容の変更により再届)」。
ロ.乙第12号証
乙第12号証は、通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所より株式会社ジュテーム(大阪市西区西本町1丁目10番10号)に販売した事実を示す1994年8月17日付の仕入台帳である。
かかる乙第10号証〜同第12号証及び乙第8号証からも明らかな如く本件商標の継続的な使用事実を明確に示すものである。
(C)乙第13号証〜同第16号証
イ.乙第13号証は、「商品およびパッケージ」の写真(平成11年6月1日撮影)、
ロ.乙第14号証は「パンフレット」を示すもので、乙第13号証の「パッケージ」には、「COVER MAGIC」の英文字が明確に表示され、「COVER」の文字が付記的な部分に過ぎないものであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」の文字にあり、明らかに本件商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「メークアップ化粧品」であってみれば、本件商標の適法な使用事実を明確に示すものである。なお、乙第14号証に係る「パンフレット」は「カバーマジック」の文字、及び「ジュテーム化粧品」の販売者が表示されているにすぎないものであるが、本件商標の使用事実を示す傍証となり得るものである。
さらに、本件商標は、本件審判の請求の登録前より継続的に現在も使用中であり、かかる事実を立証するため乙第15号証〜乙第16号証を提出する。
ハ.乙第15号証
乙第15号証は本件使用商品の適法な製造事実を示す「化粧品製造製品届書(内容の変更により再届)」。
ニ.乙第16号証の1〜3
乙第16号証は、通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所より株式会社ジュテーム(大阪市西区西本町1丁目10番10号)に販売した事実を示す1999年2月3日、及び同年2月19日付の納品書控である。
かかる乙第15号証〜同第16号証、及び前記乙第8号証に示す株式会社ジュテームの納入証明書からも明らかな如く本件商標の継続的な使用事実を明確に示すものである。
(D) 乙第17号証〜乙第22号証
イ.乙第17号証は、「商品の正面および背面」の写真(平成11年6月11日撮影)を示すもので、「ALOE MAGIC」「ALOE」「MAGlC」の英文字が明確に表示され、「ALOE」の文字が付記的な部分にすぎないものであるから自他商品の識別機能は「MAGIC」の文字にあり、明らかに本件商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「スキンケアクリーム」であってみれば、本件商標の適法な使用事実を明確に示すものである。
ロ. 乙第18号証は、「使用商品」のパンフレットを示すもので、商品は「MAGIC」の文字が明確に表示され、明らかに本件商標と同一性を有するのみならず、使用商品は「スキンケアクリーム」であって、本件商標の適法な使用事実を示すものである。
さらに、本件商標は、本件審判の請求の登録前より継続的に現在も使用中であり、かかる事実を立証するため乙第19号証〜乙第22号証を各々提出する。
ハ.第19号証
乙第19号証は、本件使用商品の適法な製造事実を示す「化粧品製造製品届書」である。
ニ.乙第20号証の1〜5
乙第20号証の1〜3は、本件使用商品に係る「容器」につき、石堂硝子株式会社(大阪市東成区大今里西1丁目9番12号)より1998年10月9日、同年10月13日、1999年1月20日付けで通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所に納品された事実を示す納品書である。また、乙第20号証の4〜5は、本件使用商品に係る「チラシ」および「アロエマジック比較表(布亀説明会用資料)」につき、株式会社サカモト美術印刷(大阪市都島区都島中通3丁目19-13)より平成10年11月12日、同年11月13日付で通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所に納品された事実を示す納品書である。
ホ.乙第21号証の1〜7
乙第21号証の1〜2は、本件使用商品につき、通常使用権者たる株式会社ピカソ美化学研究所より平成9年4月3日、同年6月30日付で「布亀通商株式会社」に納品した事実を示す「納品書」、乙第21号証の3〜5は平成10年6月29日、1998年11月30日、1999年6月4日付で「株式会社エイチビー(西宮市今津二葉町3-6)に納品した事実を示す納品書、乙第21号証の6は、1998年10月2日付で「株式会社コスモプラス(福岡市博多区博多駅前2-6-10)」に納品した事実を示す納品書、乙第21号証の7は、1999年4月30日付で「株式会社ヤマノ(東京都渋谷区代々木1-34-15)に納品した事実を示す納品書である。
へ.乙第22号証
乙第22号証は、「通常使用権者である株式会社ピカソ美化学研究所より本件使用商品を平成2年より現在に至るまで納入している」事実を示す前記販売業者たる「株式会社エイチビー」の証明書である。
してみれば、本件使用商品は、係る乙第17号証〜乙第22号証より明らかな通り、本件審判の請求の登録日以前より通常使用権者である株式会社ピカソ美化学研究所より本件商標を継続的に使用している事実を明確に立証しうるものである。
なお、乙第6号証外に係る「株式会社ピカソ美化学研究所」の住所が「兵庫県西宮市西宮浜3丁目9番1号」になっているが、これは「株式会社ピカソ美化学研究所」の支店住所を表示したものである。
よって、上記乙第1号証〜乙第22号証から明らかな通り、本件商標権者「八木弦三郎」より「株式会社ピカソ美化学研究所」に対して通常使用権が適法に許諾され、かかる通常使用権者により本件商標が本件審判請求の登録の日以前より継続的に現在も有効に使用しているものである。
従って、本件商標は不使用である、旨の請求人の主張は明らかに失当である。
(3)以上述べた通り、請求人の主張は明らかに失当であり、本件商標が取り消されるべき理由は全くないものである。
4.当審の判断
被請求人は、本件商標を使用している証拠として乙第5号証から同第22号証を提出しているものである。そのうち、乙第5号証〜同第7号証は「JE T’AIME」、「LIP MAGIC」及び「ジューテーム リップマジック」の文字よりなる商標(以下、「使用A商標」という。)を口紅に使用している写真、化粧品製造製品届書及び納品書控(株式会社 ジュテーム)であり、乙第9号証〜同第12号証は「JE T’AIME」、「MAGIC COLOR」び「ジューテーム マジックカラー」の文字よりなる商標(以下、「使用B商標」という。)を、また、乙第13号証から16号証までは「JE T’AIME COVER MAGIC」び「ジューテーム カバーマジック」の文字よりなる商標(以下、「使用C商標」という。)をいずれもメイクアップ化粧品に使用している写真、化粧品製造製品届書及び納品書控(株式会社 ジュテーム)である。そして、乙第8号証は、通常使用権者である株式会社ピカソ美化研究所が商品「リップマジック」、「カバーマジック」、「マジックカラー」を「株式会社 ジュテーム」に納品した証明書であり、同第22号証は、通常使用権者である株式会社 ピカソ美化研究所が商品「アロエマジック」(販売名「マジックアロクリーム」)を「株式会社 エイチビー」に納品した証明書である。さらに、乙第17号証〜同第21号証は「アロエマジック」「ALOE MAGIC」若しくは「マジックアロ」の文字よりなる商標(以下、「使用D商標」という。)をクリーム・乳液に使用している写真、化粧品製造製品届書、チラシ及び納品書控(「石堂硝子株式会社」、「サカモト美術印刷」、「株式会社エイチビー」、「株式会社 ヤマノ」宛てのもの)である。
そして、これらの使用A、B、C、D商標中「LlP MAGIC」「リップマジック」、「MAGIC COLOR」「マジックカラー」、「COVER MAGIC」「カバーマジック」、「アロエマジック」「ALOE MAGlC」の各文字部分は、全体が同じ書体でまとまりよく一体的に構成されてなるものであるから、その文字中の「LlP」「リップ」、「COLOR」「カラー」及び「ALOE」「アロエ」がそれぞれ「唇」、「色」、「アロエ」等の意味合いを有する語であるとしても、係る構成においてはその文字部分が用途、品質等を表示するものとはいえず、全体で一つの造語を表した商標とみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標と本件商標の通常使用権者が使用しているという使用A、B、C、D商標とは、社会通念上同一性を有する商標とはいい得ないものであるから、上記使用A、B、C、D商標をもって、本件商標を使用していたものということはできない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、その指定商品について商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用されていなかったものと認めざるを得ず、かつ使用していなかったことについて正当な理由があるものとは認められない。
したがって、本件商標は商標法第50条の規定によりその登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-08-10 
結審通知日 2000-08-22 
審決日 2000-09-04 
出願番号 商願昭37-43287 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (104)
最終処分 成立  
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 滝沢 智夫
江崎 静雄
登録日 1964-06-03 
登録番号 商標登録第644077号(T644077) 
商標の称呼 1=マジック 
代理人 田中 克郎 
代理人 中島 正 
代理人 稲葉 良幸 

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