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審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 025
管理番号 1047362 
審判番号 審判1999-35590 
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-11-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-10-22 
確定日 2001-09-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第3275279号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3275279号商標(以下、「本件商標」という。)は、「アウトロー」の片仮名文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成6年7月12日に登録出願、同9年4月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人の引用する登録第2456742号商標(以下、「引用商標」という。)は、「SURF OUTLAW」の欧文字を横書きしてなり、第17類「シヤツ,半ずぼん,その他のずぼん,その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年4月26日に登録出願、同4年9月30日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標とは称呼上類似する
本件商標は、「アウトロー」と称呼される。これに対して、引用商標は一連に称呼されるときは「サーフ アウトロー」と称呼されるが、前者の「サーフ」は「打ち寄せる波,寄せ波,サーフィン」の意味を有するのに対して、後者の「アウトロー」は、「無法者」の意味を有し、必ずしも一体不可分のものとすべき特段の必然性を見出し得ない。
よって、引用商標からも「アウトロー」の称呼が生じるのが自然である。又、両者の指定商品は同一又は類似の関係にある。
(2)本件商標と引用商標とは外観において類似する
本件商標の片仮名文字「アウトロー」は、我が国における英語の普及度からすると、英語の「無法者」の意味を有する英文字「OUTLAW」を類推し、想起することは容易であり、自然である。外観類似の判断においては、商標全体に対する考察をすべきであるところ、引用商標は「OUTLAW」が独立して自他商品識別機能を有する程顕著である。
従って、該商品の取引者や需要者が両商標に接したとき、明らかに誤認混同を生じる。
(3)本件商標と引用商標とは観念において類似する
観念においても、商標の全体を観察した上で、一見して世人に与えられる観念に従って判断すべきであるところ、両商標とも「無法者」の観念が生じる。
よって、両商標は観念上も誤認混同を生じ、両商標は類似する。

4 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として参考資料1ないし46を提出した。
(1)本件商標と引用商標について
本件商標は、「アウトロー」の文字より「アウトロー」の称呼を生ずる。
一方、引用商標は、「SURF OUTLAW」文字より、「サーフアウトロー」の称呼を生ずる。「サーフアウトロー」の称呼は実質6音よりなり特に冗長ではないため、一連の称呼「サーフアウトロー」のみを生ずる。
本件商標より生ずる称呼「アウトロー」と引用商標より生ずる称呼「サーフアウトロー」とは語頭に実質2音の相違があるから、両商標は非類似である。
更に、請求人の主張するように、本件商標「OUTLAW」は「無法者」等の意味を観念させるが、引用商標「SURF OUTLAW」からは特定の観念を即座に生じさせるものではなく、辞書・辞典を参照することによってはじめてその文字(単語)構成から「波乗り遊び(サーフィン)をする無法者」等を理解させる語であり、観念の上でも両商標が取引者又は需要者に誤認・混同を生じさせることはない。
(2)引用商標「SURF OUTLAW」について
請求人は、引用商標「SURF OUTLAW」の「SURF」部分について一体不可分のものとすべき特段の理由はない旨を主張している。
しかしながら、引用商標の「SURF」部分が、「寄せ波、波乗りをする」等を意味する英語であるとしても、特定の商品又は商品の品質等を表示するものでもなく、英文字表記では単語(文字)間にわずかな間隔(スペース)を取るのが通常であり、各文字部分は軽重の差なく左右にバランスよく配置されていることから、一体的に表示したものと判断するのが妥当である。
なお、「SURF/サーフ」の文字とその他の文字からなる商標が一体不可分であると判断された登録例及び商標とその商標を含む別の商標とが互いに非類似であると判断された審決例は複数存在する。

5 当審の判断
(1)請求人は、請求の理由において、前記3のとおり主張しているが、適用条文を明らかにしていない。
しかしながら、請求人の主張を総合勘案すれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである、とする無効理由と認め得るから、この点について判断する。
(2)本件商標は、「アウトロー」の片仮名文字に相応し「アウトロー」(無法者)の称呼、観念を生ずるものである。
一方、引用商標は、「SURF OUTLAW」の欧文字よりなるところ、「SURF」の語が「打ち寄せる波、波乗りをする」等の意味を有し、「OUTLAW」の語が前記した意味を有するものとしても、両語は一連一体に書され「OUTLAW」の文字部分を、殊更、分離観察してみなければならない特段の理由はないから、本件商標は、全体の文字に相応し「サーフアウトロー」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。
しかして、本件商標より生ずる称呼「アウトロー」と引用商標より生ず称呼「サーフアウトロー」の称呼とは、前半部において「サーフ」の音の有無の差異を有するものであるから、互いに聴別し得るものである。
次に、観念についてみるに、本件商標は、前記したとおり「無法者」の観念を生ずるのに対し、引用商標は特定の観念を生じさせるものとは言い難く、一連の造語よりなるものと認識、理解されるというのが相当であるから、観念においても相紛れるおそれのないものである。
更に、外観についてみるに、本件商標は、片仮名文字よりなるのに対し、引用商標は、欧文字よりなるものであるから、明らかに外観上区別し得るものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念、外観のいづれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-04-11 
結審通知日 2001-04-24 
審決日 2001-05-09 
出願番号 商願平6-69642 
審決分類 T 1 11・ 26- Y (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 高野 義三
大川 志道
登録日 1997-04-04 
登録番号 商標登録第3275279号(T3275279) 
商標の称呼 アウトロー 
代理人 竹沢 荘一 
代理人 中馬 典嗣 
代理人 倉持 裕 
代理人 倉持 裕 
代理人 中馬 典嗣 
代理人 安原 正義 
代理人 安原 正之 
代理人 竹沢 荘一 

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