• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z293032
管理番号 1045675 
異議申立番号 異議2000-90979 
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-09-11 
確定日 2001-07-27 
異議申立件数
事件の表示 登録第4391224号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4391224号商標の商標登録を取り消す。
理由 1.本件商標
本件登録第4391224号商標(以下、「本件商標」という。)は、標準文字により「有機ファーム」の文字を横書してなり、第29類「有機飼料で育てられた牛肉・鶏肉・豚肉、有機飼料で養殖したはまち(生きているものを除く。)、有機飼料で育てられた牛肉を使用した肉製品、有機飼料で養殖した魚介類を原材料とする加工水産物、有機栽培された豆、有機栽培された原材料を使用した加工野菜・加工果実、有機栽培された原材料を用いた冷凍果実、有機栽培された原料を用いた冷凍果実、有機飼料で育てられた鶏肉の卵、有機飼料で育てられた鶏肉を使用した加工卵、有機飼料で育てられた牛、山羊・羊の乳を原材料とする乳製品、有機栽培の植物を用いた植物性油脂、有機最大された原料を用いたカレー・シチュー又はスープのもと、有機栽培された下な材料を用いたきんざんじみそ、有機栽培された原材料を用いたふりかけ、有機栽培された大豆を原材料とする油揚げ・豆乳・豆腐・納豆、有機栽培されただいずを原材料とする大豆ふんぱく」、第30類「有機栽培されたコーヒー豆又はこれらを原材料とするコーヒー、有機栽培された原材料を用いた茶、有機沿い倍された原料を用いた調味料、有機差異ばてされた原材料を用いた香辛料、有機栽培された原料を用いた食品香料(精油のものを除く。)、有機栽培された米・麦、有機栽培された原材料を用いた穀物の加工品、有機栽培された原材料を用いたぎょうざ・サンドイッチ・ハンバーガー・ピザ、有機栽培された原材料を用いた菓子・パン、有機栽培された小麦を用いた食用グルテン、有機栽培された小麦を用いたベーキングパウダー、有機栽培された米・麦を原料とするこうじ、」及び第32類「有機栽培の大麦を原材料とするビール、有機栽培果実を加味してなる清涼飲料、有機栽培果実を原材料とする果実飲料、容器栽培野菜を原材料とする飲料用野菜ジュース、有機飼料で育てられた牛の乳を原材料とする乳清飲料、有機栽培ホップからなるビール製造用ホップエキス」を指定商品とし、平成11年1月5日登録出願、平成12年6月9日に設定登録されたものである。

2.登録異議申立人の取消理由
登録異議申立人は、本件商標は、「有機ファーム」の標準文字からなり、これを指定商品に使用しても、商品の品質、生産(栽培)若しくは加工方法を表示するにすぎず自他商品の識別標識として機能しない。また、該商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について、誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号第4条第1第16号に該当するものであるから、本件商標は第34条の2第2第1号の規定により取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証乃至同第15号を提出している。
3.本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申し立てがあった結果、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第16号に該当するとして、通知した取消理由は、次のとおりである。
<取消理由>
本件商標は、「有機ファーム」の文字(標準文字による)を書してなり、平成11年1月5日に登録出願され、第29類、第30類、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月9日に設定登録されたものである。
登録異議申立人の提出にかかる甲号各証によれば、有機肥料を使い、土壌中の生態系を活用して地力を培い、安全な食糧生産をめざす農法を有機農業といい、そのような農業を行う農場をオーガニック農場、オーガニックファームと称しており、また、有機農業から有機農産物及びそれらを原料として生産された有機農産物及びそれらを原料として生産された食品を有機食品(オーガニク食品)と称している事実を認めることができる。そして、近年、健康志向の高まりを背景に、有機食品(オーガニック食品)の市場は、米、野菜類、果物類等の農産物ばかりでなく、有機肥料で飼育された家畜の食肉類、有機肥料で養殖した魚介類から、それらを原料にした加工食品、調味料、飲料、ビール等極めて多岐にわたる分野に至るまで急速に広まってきている事実が認められる。
しかして、「有機ファーム」の語は、特定の意味合いを表す成語(熟語)ではないとしても、「有機」の語も「ファーム」の語も、日常一般に親しまれている語であるから、この両語を結合してなる本件商標からは、容易に「有機農場(オーガニックファーム)」の意味合いを認識し得るものである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の「有機農場から生産された有機農産物及びそれらを原料として生産された商品」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、有機農場に由来する商品であることを認識させるにとどまるものであるから、単に商品の品質、生産方法を表したにすぎないものであり、また、上記以外の指定商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4.当審の判断
商標権者は、上記3.の取消理由に対して指定期間内に何ら意見を述べていない。
本件商標は、上記3.の取消理由に示すとおり、その指定商品に使用するときには、該商品が有機農場に由来する商品であることを認識させるにとどまり、単に商品の品質、生産方法を表したにすぎないものであるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2001-06-08 
出願番号 商願平11-41 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (Z293032)
最終処分 取消  
前審関与審査官 瀧本 佐代子 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 江崎 静雄
宮下 行雄
登録日 2000-06-09 
登録番号 商標登録第4391224号(T4391224) 
権利者 高梨乳業株式会社
商標の称呼 ユーキファーム、ファーム 
代理人 小野 信夫 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ