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審決分類 審判 一部無効 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 無効としない Z29
審判 一部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効としない Z29
管理番号 1045548 
審判番号 無効2000-35328 
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-10-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-06-16 
確定日 2001-08-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第4375659号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4375659号商標(以下、「本件商標」という。)は、「スタミン」の仮名文字を標準文字とし、平成10年12月28日に登録出願、第29類「乳酸飲料,乳酸菌飲料,その他の乳製品(「バター」を除く。),食用たんぱく」を指定商品として、同12年4月14日に設定の登録がされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中の「乳酸菌飲料」についてはこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、請求人の登記簿謄本、同カタログの抜粋複写、請求人と被請求人との取引関係の経緯を示す請求人の記録大要(商標「スタミン」の使用について)、被請求人を出願人とし「指定商品 31 乳製品 商標『スタミン』」とする商標出願公告昭37-17470号及び証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号含む)(これらの各書証は「甲各号証」として読み替えた)を提出している。
1.本件商標を構成する「スタミン」なる商標は、請求人が昭和35年に使用を始め、昭和36年10月3日には第31類「乳製品」を指定商品として登録出願をなし、同37年10月25日には登録査定となり、以来現在迄継続して使用し、同業者は勿論、需要者間に周知の商標である。
2.商標「スタミン」は、請求人が昭和35年以来現在に至る迄40年間も継続して使用している商標であって、同業者に広く販売していてその名は知れている。この事実を被請求人は知りながら、登録出願をしたものであって、未登録商標である当該商標を取引関係にある同業者が無断で登録出願をするということは道義的に許される事ではなく、被請求人の為した行為は意図的な作為的出願といわざるを得ず、他人の周知商標を盗願することは悪意の出願として、その登録は取消して無効にすべきものと思料する。
3.企業者間の競争社会において、他者が長年使用している商標が周知商標である限り、当然、業者間には慣用商標として認識されている以上、登録出願をすることは許容されていない事であり、被請求人は登録されると同時に先使用者である請求人に対して、商標権を取得したからといって、直ちに当該商標の使用差止をもとめることは納得できないところであり、請求人は、再三に亘る被請求人からの内容証明書発信の真意を理解できず、やむなく、商標法第3条及び同法第4条第10項第46条第51条に基づき本件商標の登録が不適正であることを理由に本審判請求に及ぶ次第である。
4.請求人は、被請求人の答弁に対する弁駁の趣旨として、本件商標は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第10号及び同法第46条第1項第5号、同法第51条に該当する出願であるので、その登録はこれを取消さるべきであると主張し、その理由を次のように述べている。
(1)請求人は、昭和36年11月13日に指定商品を第31類「乳製品」として商標「スタミン」の登録出願(商願昭36ー32956)をし、これが昭和37年6月21日付(公告37ー17970)の商標公報に掲載されている事実がある。
本件商標は、被請求人が創案した商標でなく、請求人が永年使用している商標を冒認出願したものであって、決して被請求人の独創による商標ではない。
(2)被請求人は、「らくれん、ラクレン、RAKUREN」の文字からなる商標を平成12年3月13日に登録第4122622号商標として、登録されていることは認められる。さらに、これを主体とした「スタミン」の商標を結合した「らくれんニュースタミン」の商標の使用も認められる。
(3)本件商標は、その商標登録出願前、既に請求人により永年使用されていて需要者の間に広く認識されていたから、商標法第4条第1項10号の規定に違反して登録されたものであり、既に著名になっていた本件商標を指定商品以外の商品に使用するとその商品は請求人の業務に係るものであるかの如く出所の混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4項15号にも反して登録されたものということにもなるから、結局、本件商標は商標法第46条第1項第1号の規定により無効とすべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している
1.請求人の述べるところによれば、本件商標は、商標法第3条及び第4条第10項第46条第51条の規定に基づき不適正なものであり、無効とすべきであるとのことである.
しかしながら、該審判請求書において請求人が無効理由として挙げている法条のうち、商標法第4条第10項なる条文は存在せず、また、商標法第51条は、商標権者の不正使用に基づく商標登録の取消に関する規定であり、商標登録の無効の要件を規定するものではない。
さらに、請求人は、商標法第3条のうちどの規定により登録の無効を主張しているのかを明らかにしていない。そのため、該審判請求書における請求人の主張は、登録無効事由として特定法条を明記していないものであり、失当である。
2.請求人は、該審判請求書において、商標「スタミン」は請求人の商標として同業者および需要者の間に広く知られた商標である旨主張する。
しかしながら、商標「スタミン」が、請求人の商標として、本件商標の出願時である平成10年12月28日に周知であったという事実は認められないものであり、商標「スタミン」の周知性を立証する資料として提出している証拠(甲第1号証ないし甲第10号証)は、単に請求人が「スタミン」「スタミンC」「ニュースタミンC」「らくれん New スタミン」「酪連ニュースタミンC」なる商品を製造、販売していた事実を示すものにすぎず、本件商標の出願時における周知性を立証する証拠としては不十分である。
3.請求人は、被請求人が商標「スタミン」を出願することは道義的に許されない旨主張する。
しかしながら、被請求人は、自らが製造、販売する商品の名称として商標「スタミン」を出願したのであり、現在、自社が販売を手がける「らくれん」ブランドの商品の1つとして「らくれんニュースタミン」「らくれんニュースタミン袋入り(10袋)」「らくれんニュースタミン袋入り(4袋)」を製造、販売している(乙第1号証参照)。
4.請求人は、商標「スタミン」は業者間では慣用商標として認識されている以上、登録出願することは許容されない旨主張する。
しかしながら、商標「スタミン」は、被請求人の「らくれん」ブランドの商品として長年に亘って販売されてきた商品であり、取引者、需要者もそのように認識しているものと思われ、少なくとも、請求人以外の第三者が被請求人の管理の及ばない範囲で商標「スタミン」を使用している事実が認められない以上、商標「スタミン」が慣用商標であるとはいうことはできない。 また、被請求人は、過去に請求人に「スタミン」「スタミンC」「ニュースタミンC」「らくれん New スタミン」「酪連ニュースタミンC」なる商品を製造させていたが、かかる商品は「らくれん」ブランドの商品として販売されていたものであり、かかる事実により商標「スタミン」が慣用商標化することはない。
5.以上のように、本件商標は商標法46条に規定する無効理由に該当しないものである。

第5 当審の判断
1.請求の趣旨について
請求人提出の審判請求書における請求の趣旨によれば、本件審判請求は、本件商標の指定商品中の「乳酸菌飲料」についての商標法第46条第1項による一部無効審判請求事件と解されるものである。
そして、本件審判請求の理由及び弁駁書における弁駁の趣旨を総合するに、請求人は、本件商標を商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第10号及び同法第51条(商標権者の不正使用取消の審判)に該当する旨主張しているものとみるのが相当である。
しかるところ、商標法第46条第1項に基づく無効審判の請求理由は、同条第1項第1号ないし第5号に定める条項に限定されているものであり、この条項に含まれない商標法第51条に基づく請求は、本件審判の無効理由にはなり得ないものであって、そのほか、弁駁書で主張するところの商標法第46条第1項第5号及び同法第4条第1項第15号(同法第4項15号との記載を読み替えた)は、請求内容の実質的な要旨の変更である。さらに、商標法第32条第1項及び商標法第53条第1項の規定について種々述べるところも、本件無効審判の無効理由にはなり得ないものであるから、このような主張を採用することはできない。
よって、本件審判請求の無効理由は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第10号の主張についてのものと認め、以下、その点について判断する。
2.商標法第3条第1項第6号について
本件審判請求において請求人の述べる請求の理由、弁駁の理由及び請求人提出にかかる証拠(甲各号証)等について検討したが、前記に示したとおり「スタミン」の文字により構成される本件商標は、地模様のみ、キャッチフレーズの如き標語、商習慣上の商品の数量等を表示する場合に用いられる文字等、いわゆる、自他商品の識別標識として機能を有しないとするような理由ないし事実は一切見当たらない。
してみれば、本件商標は、「需要者をして何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標」といえないものであって、自他商品識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。したがって、商標法第3条第1項第6号には該当しないものである。
なお、請求人は、請求の理由において本件商標を「慣用商標」に該当する旨主張しているところ、請求人提出の証拠(請求人のカタログの抜粋複写、請求人と被請求人との取引関係の経緯を示す請求人の記録大要、商標公報(昭37-17470)及び甲各号証)によって、請求人が「乳酸菌飲料」に商標として「スタミン」の文字を使用していること及び被請求人提出にかかる証拠(乙第1号証)によりその使用を認め得るとしても、これら証拠における使用の実情からは、直ちに、本件商標が「慣用商標」であると認め得ることはできないから、この点についての主張は採用できない。
3.商標法第4条第1項第10号について
請求人提出の証拠(請求人のカタログの抜粋複写及び甲各号証)によれば、請求人は、「乳酸菌飲料」について、「スタミン」及び「スタミン」の文字を構成中に有する各商標を使用していた事実を認め得るとしても、それが取引者・需要者の間に広く認識されていた事実を証するに十分な証拠(例えば、その宣伝・広告の具体的状況、すなわち、広告の時期(期間)、地域、手段、方法、費用等の状況を客観的に明らかにするもの、当該商品の流通市場における評価、占有率などの事情等)は提出されていないものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、その登録出願時に他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用するものということができない。したがって、商標法第4条第1項第10号には該当しないものである。
4.以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではなく、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-06-12 
結審通知日 2001-06-22 
審決日 2001-07-05 
出願番号 商願平10-111945 
審決分類 T 1 12・ 25- Y (Z29)
T 1 12・ 16- Y (Z29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山内 周二 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 涌井 幸一
高野 義三
登録日 2000-04-14 
登録番号 商標登録第4375659号(T4375659) 
商標の称呼 スタミン 
代理人 秀島 達雄 
代理人 中川 博司 
代理人 掛樋 悠路 
代理人 三枝 英二 
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