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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z09
管理番号 1041697 
審判番号 審判1999-8043 
総通号数 20 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-05-06 
確定日 2001-02-13 
事件の表示 平成9年商標登録願第140222号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおり「MR.DATA」の欧文字とその左上にいわゆるシルクハット状の図形を配した構成からなり、第9類に属する商品を指定商品として、平成9年7月17日に登録出願、その後、指定商品については、当初の指定商品を当審における平成11年5月6日付手続補正書をもって「CD-R,DVD-R,DVD-RAM(記録済みのものを除く)」とする減縮補正をなしたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2116882号商標は、「ミスターデータ」の片仮名文字を書してなり、昭和57年6月30日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成1年2月21日設定登録され、該登録に係る権利は、平成10年11月24日に存続期間更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記したとおり「MR.DATA」の欧文字とシルクハットと思しき図形とを結合してなるものであるところ、その構成中の欧文字と図形とは、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、意味上においてこれらを常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しないから、両構成部分はそれぞれが独立して商品の出所を識別する標識として機能し得るものというべきである。そして、かかる場合、本願商標に接する取引者、需要者は、より親しみ易く馴染み易い「MR.DATA」の欧文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資するとみるのが取引の経験則上相当である。
しかして、該「MR.DATA」の欧文字は、「ミスターデータ」と読まれ、「データ(情報・資料)さん」又は「データ(情報・資料)に長けた人(男性)」程度の意味合いを看取させる平易な英語と認められるから、これより生ずる「ミスターデータ」の称呼をもって取引に資されるものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、「ミスターデータ」の称呼も生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、その構成前記したとおり「ミスターデータ」の文字よりなるものであって、本願商標における場合と同様に「データ(情報・資料)さん」又は「データ(情報・資料)に長けた人(男性)」程度の意味合いを看取させるものであって、これより生ずる「ミスターデータ」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは「ミスターデータ」の称呼を同じくする点で互いに相紛らわしく、また、観念上も前記意味合いを共通にするものであるから、このほか外観の差異を考慮するとしても、これら各点を総合判断するになお、両商標は類似のものというべきである。
そして、本願商標の指定商品「CD-R,DVD-R,DVD-RAM(記録済みのものを除く)」は、音声、テキスト等のデジタルデータをを収録するための未記録の記録媒体(装置)であって、その用途、機構(構造)及び利用環境等よりして「電気通信機械器具」又は「電子応用機械器具」の概念に属する商品と認め得るものであるから、この点において本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは互いに類似の商品といわなければならない。
請求人(出願人)は、本願に係る指定商品が引用商標の出願時(昭和57年)において存在していないものであるから、両者は指定商品において類似しない旨主張しているが、引用商標の出願時において、その指定商品中の電気通信機械器具並びに電子応用機械器具の範疇には、既に、ビデオテープ、テープレコーダー用テープ、コンパクトディスク(CD)、磁気ディスク・磁気テープ等の記録媒体(装置)が包含されていたことは明らかであり、かつ、本願の指定商品は、これら記録媒体のに係る技術分野の発展過程における一製品というべきものであるから、たとえ、その規格(記録方式)が新規であって従来型の製品と異なるとしても、両商品はその用途(利用環境等)、流通経路、生産者及び販売場所等を殆ど共通にする類似の商品といわなければならない。
そうすると、新型製品である故をもって両者の指定商品が類似でないとするのは必ずしも適切でなく、この点を述べる請求人(出願人)の主張は採用の限りでない。
また、請求人(出願人)は、引用商標に係る商標権者はその製造販売に係るCD-R等の記録媒体に引用商標を付した事実がないから、請求人(出願人)に係る製品と混同したことはなく、かつ、その虞もない旨主張しているが、もとより我が国商標法は、他人の商標と類似し、かつ、商品も類似する商標の登録を認め得ないことはすでに周知のところであり、かつ、登録商標の使用・不使用に関しては別途検討されるべき事項であって、その理由をもって混同可能性を否定することはできないから、この点を述べる請求人(出願人)の主張は妥当でなく採用の限りでない。
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもつて拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 1999-11-09 
結審通知日 1999-12-07 
審決日 1999-12-17 
出願番号 商願平9-140222 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 三澤 恵美子 
特許庁審判長 原 隆
特許庁審判官 高野 義三
渡口 忠次
商標の称呼 1=ミスターデ-タ 2=エムアアルデータ 
代理人 服部 雅紀 

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