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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 登録しない Z31 |
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管理番号 | 1037742 |
審判番号 | 不服2000-5237 |
総通号数 | 18 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-04-13 |
確定日 | 2001-04-09 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第16213号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「佐瀬みかん」(標準文字)の文字を横書きしてなり、第31類「みかん」を指定商品として、平成11年2月24日に登録出願されたものである。 2 原査定の理由 原査定は、『本願商標は、ありふれた氏と認められる「佐瀬」の文字と指定商品である「みかん」の文字とを結合して「佐瀬みかん」と普通に書してなるにすぎないから、これを本願指定商品に使用しても、単にありふれた氏を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、「佐瀬みかん」の文字を横書きしてなるところ、「佐瀬」の文字部分が「ありふれた氏」であることは、「ハローページ、50音別、個人名、東京都23区全区版(中)電話帳」日本電信電話株式会社、平成12年3月発行において、これらの電話加入者の数等よりしても、これを認めることができる。 また、「みかん」の文字部分は、指定商品である「みかん」を表示したものと認められる。 してみれば、本願商標は、前記のとおりであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、ありふれた氏「佐瀬」と指定商品である「みかん」で「佐瀬みかん」を表わしたもので、これよりは、「佐瀬さんの生産したみかん」を認識させるに止まり、本願商標をその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわざるを得ない。 請求人は、本願商標の「佐瀬みかん」が周知であるとして、証明書類等を提出している。 しかして、商標法第3条第2項の適用を受け、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、使用により識別力を有するに至った商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品と同一の商品に関する場合のみであって、また、商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、例えば、次のような(a)ないし(e)の事実を総合勘案して判断するものであるところ、本願については、(a) 実際に使用している商標並びに商品、(b) 使用開始時期、(c) 使用期間、(d) 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域売上高等)、(e) 広告宣伝の方法、回数及び内容に関し、具体的な使用等に関する証拠資料の提出がない。 請求人は、佐瀬郷地区のみかん農家が生産出荷する「佐瀬みかん」の商標は、長崎地方では、取引者・需要者間で広く認識された商標になっている旨主張するが(1)昭和45年頃から永年使用している標章が不明であること、(2)長崎県の取引関係者のみの証明書のみであり、また、同証明書では、原告の製造販売に係る商品「みかん」は、『長崎県西彼杵郡多良見町佐瀬郷のみかん農家が生産出荷する「みかん」について使用している商標「佐瀬みかん」につきましては、昭和45年頃から使用を始め、平成11年2月14日の商標出願時及び現在において、需要者又は取引者間に広く知られた商標になっていることを証明願います。』などの事実評価についての取引業者の証明書であるが、その形式は、原告が上記事項を記載したものに取引業者の署名、捺印というものになっているものであって、総合的な判断を要する事実評価については客観的に記載されているものと直ちに認めることはできないものである。 そうとすると、日本国内において、取引者・需要者間で広く認識されたとは言い難く、商標法第3条第2項の要件を満たすものとは認めることができない。 したがって、商標法第3条第1項第4号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-01-23 |
結審通知日 | 2001-01-26 |
審決日 | 2001-02-14 |
出願番号 | 商願平11-16213 |
審決分類 |
T
1
8・
14-
Z
(Z31)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高山 勝治 |
特許庁審判長 |
廣田 米男 |
特許庁審判官 |
大島 護 江崎 静雄 |
商標の称呼 | サセミカン、サセ |
代理人 | 原崎 正 |