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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない(当審拒絶理由) 117 |
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管理番号 | 1033183 |
審判番号 | 審判1993-7268 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1993-04-12 |
確定日 | 2001-01-09 |
事件の表示 | 平成 3年商標登録願第 73268号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「CHARLES POLOCLUB」の欧文字と「チャールスポロクラブ」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年7年10日に登録出願されたものである。 2 当審の拒絶の理由 本願商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っていた「POLO」の文字を含んでなるものであるから、これをその指定商品について使用するときには、その商品が上記他人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する、旨の新たな拒絶理由通知を発し、期間を指定して意見を求めたものである。 3 上記2の拒絶理由通知に対して、請求人はその指定期間内に何らの意見書の提出もない。 4 当審の判断 (1)「POLO」の周知、著名性について (株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。 ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。 そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。 また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980、12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」、(株)東京企画平成7年1月発行「世界のブランド大全集’95」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」に、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。 他にこれを覆すに足りる証拠はない。 なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)第183号、平成3年7月11日判決言渡、平成11年(行ケ)第250号、平成11年(行ケ)第251号、平成11年(行ケ)第252号、平成11年(行ケ)第267号、平成11年12月16日判決言渡)がある。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても本願出願前までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されて周知、著名な商標に至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。 (2)出所の混同のおそれ 本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、これは「CHARLES」「チャールス」、「POLO」「ポロ」、「CLUB」「クラブ」の各文字よりなるものであること容易に理解され、そして、前記認定のように、本願の指定商品に係る取引者、需要者の間において、周知、著名な商標「POLO」の文字を含むものであることもまた容易に理解されるものである。 そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用する場合に、これに接する取引者、需要者は、前記事情からして、その構成中の「POLO」の文字部分に注目することも少なくないものと認められ、そのことより周知、著名な商標「POLO」を容易に想起または連想し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものと認められる。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-02-15 |
結審通知日 | 2000-02-25 |
審決日 | 2000-03-13 |
出願番号 | 商願平3-73268 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
WZ
(117)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄、佐藤 正雄 |
特許庁審判長 |
工藤 莞司 |
特許庁審判官 |
大島 護 江崎 静雄 |
商標の称呼 | チャールスポロクラブ |
代理人 | 小山 義之 |