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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 132
管理番号 1029614 
審判番号 審判1997-21157 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1997-12-15 
確定日 1999-07-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第2503189号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1、本件商標
本件登録第2503189号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ばんどう太郎」の文字を横書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成2年5月22日に登録出願、同5年2月26日に設定の登録がなされたものである。
2、請求人の主張
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の商品区分「第32類」、指定商品「魚介類」について登録を取り消すとの審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
請求の理由
(1)本件商標は、指定商品中「干しのり、焼きのり、干しわかめ、干しひじき、寒天、ふりかけ、お茶づけのり」について株式会社おぐちを専用使用権者として平成5年9月6日に専用使用権が設定されている。
(2)被請求人は、指定商品中「魚介類」について、過去3年以内の間に日本国内において登録商標を使用していない可能性が高いものと思われる。
また、前記のように株式会社おぐちに対して専用使用権が設定されているものの、対象となる「干しのり、焼きのり、干しわかめ、干しひじき、寒天、ふりかけ、お茶づけのり」はいずれも加工食料品の概念に属するものであって、食用として取引される全ての水産動物の包括概念である魚介類とは、原材料、生産部門、販売部門が全く相違する非類似商品である。そしてそれ以外に専用使用権者、又は、通常使用権者の何れの登録もなく、上記商標の使用を窺がわせるような具体的事実が発見できなかった。
(3)以上の次第であり、本件商標は、本審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品について使用されておらず、従って商標法第50条第1項の規定に該当し、取り消されるべきものである。
弁駁理由
(1)被請求人の主張・立証する商標の使用は、商標の本質的機能である自他商品識別機能を発揮していない状態での使用であり、商標法上の商標の使用に該当しない。
すなわち、本件商標を使用している主体は「(株)ことぶき」と解される。ここで「(株)ことぶき」と「(株)坂東太郎」の関係について乙第1号証と乙第2号証の登記簿謄本を基に検討するに、両社は、代表取締役を筆頭に役員の大部分が兼任しているのであって、実質的に親会社と子会社、或いは支配会社と従属会社というような一体不可分の関係にある。しかも、(株)坂東太郎の各店舗は「(株)ことぶき」から一手専属で魚介類を仕入れその全てを調理して最終消費し、また、「(株)ことぶき」は「はんどう太郎」の商標を付した搬送パネル車を「(株)坂東太郎」向けの専用車として使用している、とのことであり、そのような密接な一体不可分の関係にある両社間での一般市場から隔絶された取引形態では、商標が自他商品識別機能を発揮する余地など全くない。
また、専用搬送パネル車の両側面に「ばんどう太郎」の商標を付して連日走行しているとのことであるが、専用搬送パネル車の側面に描かれた商標は、乙第4号証の写真から明らかなように、兜を被った若武者の顔と、「はんどう太郎」の文字が一緒に描かれているのみで、「魚介類」はおろか如何なる商品との関係も一切記載されていないのであって、広告的な使用にも該当しない。
(2)如上のように被請求人の主張する商標の使用は、一般市場へ流通させる主観的意図が存在せず且つ客観的事実もないのであり、商標の本質的機能である自他商品識別機能を果たす態様で使用されているとは到底認められない。よって、被請求人の主張・立証する商標の使用では、本審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用事実を証明したことにならず、且つ、不使用の正当理由についても主張がないことからすれば、本件商標の指定商品中「魚介類」については商標法第50条第1項の規定により取消を免れない。
3、被請求人の答弁
被請求人は、「結論同旨の審決を求める。」と答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第5号証を提出した。
答弁の理由
(1)本件被請求人(商標権者)は、昭和61年11月5日に、料理の販売を業とする「株式会社 すぎのや」(平成2.6.5に「株式会社 板東太郎」に改称)を設立し、代表取締役に就任(乙第1号証の登記簿謄本参照)。平成2年6月に当時「すぎのや」であった茨城県猿島郡境町大字長井戸267-2所在の一号店(その後297-1に移転)を「ばんどう太郎」に改称、同時に茨城県内の4店舗、栃木県の2店舗、群馬県の1店舗についても「ばんどう太郎」に改称し、その後営業拡張に伴い、板東太郎グループの系列として、食肉、魚介を素材とする、かつ、フライ料理(持帰り品あり)を提供する「かつ太郎」を、茨城県に5店舗、千葉、埼玉、新潟、群馬の各県に1店舗、さらに平成8年12月に魚介類の料理店「海のさむらい」を茨城県猿島郡境町長井戸267-2に開店して現在に至っている。
(2)そしてその間、被請求人個人として、平成2年5月22日に旧第32類の加工食料品を含む指定商品について「ばんどう太郎」を商標登録出願、本件商標の登録が認められ、又平成4年7月10日に第42類の日本料理を主とする飲食物の提供について図形を含む「ばんどう太郎」について商標登録出願、登録第3081501号商標として登録が認められ、上記「株式会社板東太郎」に、又魚介類を扱う茨城県猿島郡総和町高野540-3「株式会社 ことぶき」(乙第2号証)に、夫々使用許諾している。
(3)上記「ばんどう太郎」の各店舗及び「海のさむらい」の店舗においては、その扱う魚料理の素材(魚介類)について前掲「株式会社ことふき」から一手専属で仕入れており、その搬入ルートは、別紙乙第3号証の写真の通りである。
即ち、「株式会社ことぶき」は、その所有する「株式会社板東太郎」向けの専用搬送パネル車の両側面に、「ばんどう太郎」の商標を付して、連日に同社冷凍庫を発進基地として、魚介類について、荷積み、走行、上記各店舗において荷下し作業を繰返し、その際特に崩れやすいエビやイカなどには、「ばんどう太郎」の商標を付した固いプラスチック容器を使用しているものである。
(4)そして、この搬送パネル車の運転・作業に従事している者が、乙第4号証証明人である茨城県結城市在住の「鈴木 誠」である。
同号証に示されるように、同氏は平成9年2月より今日に至るまで、上記乙第3号証の態様における作業に従事しているものである。
(5)取引の仕切関係書類の一部を示すと乙第5号証のとおりである。
即ち同号証は、「株式会社ことぷき」より「株式会社板東太郎つくば店」に対する請求書(平成9年11月1日乃至平成9年11月30)のコピーである。扱い品目は「まぐろ」、「イカ」、「エビ」、「帆立て開き」、「ムキ甘えび」、「イカそうめん」、「あんこ」などである。
(6)このように被請求人は、「魚介類」について、本件審判請求前3年以内において、本件登録商標を使用しており、その使用は今日も継続しているのであるから、本件登録商標について不使用を指摘される由はない。許諾による使用も又使用と認められることは商標法第50条に規定されているところである。
請求人は、本件商標登録原簿に、「魚介類」について、専用使用権通常使用権のいずれも登録されていないことを挙げているけれども、商標法50条はそれら登録の有無までも要求しているものではないから、許諾を受けた者の使用の事実があれば、使用であることは論を俟たないところである。
以上の考察並びに事実の裏付けにより、本件審判請求における請求人の主張はいずれも理由がなく、斥けられるべきものと確信する。
弁駁に対する答弁
(1)請求人は、被請求人側の本件商標の使用の事実を認めている(請求人は乙各号証について否認していない)。
(2)商標法第50条第1項及び第2項、同法第2条第1項及び第3項第1号の解釈を誤り、さらには取引形態に関する重大な誤認に基づくものとして退けられるべきである。
まず、登録商標の不使用を問えるのは、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれも不使用の場合であって、親会社と子会社に関係なく、いずれかが使用していれば、まさに使用であり(商標法第50条第2項)、一般の流通業界においても親会社が商標権者で、子会社に使用許諾をしている例は枚挙にいとまがないところである。
(3)次に、商品について親会社、子会社間の一手専属であるから「一般市場から隔絶された取引形態」であるとするのは、取引の実情を理解しない暴論である。まして本件商標を付した搬送パネル車は、一般公道(街中)を走っているのであって専用の私道を走っているのではない。自他商品識別機能はもとより広告機能を充分果たしているのである。「ばんどう太郎」が付された包装容器の積み下ろしも、乙第3号証の写真で明白なように一般公道に面して行なわれている。請求人の主張のように隔絶された形態では決してない。もし隔絶された環境内の取引というのであれば、そもそも商標自体を描く必要すらなくなるはずである。
(4)専用搬送パネル車の側面に描かれた商標には、商品との関係が一切記載されていないから、広告的な使用にも該当しないという主張は誤りである。
商標法第2条第1項には商標を定義して「商品について使用するもの」とし、同条第3項1号にその「使用」とは、商品又は商品の包装に標章を付する行為」と定義している。
ここに「包装」が、容器類を含むことは通説であり、搬送パネル車も所謂ボックス車として、ここにいう容器類に含まれることは論を俟たない。
なお乙第3号証の写真において、公道に面して積み下ろししているものもプラスチック容器であることに留意されたい。請求人の主張のように常に商品の記載が要求されるとする解釈は誤りである。
(5)以上要するに、請求人のこの度の弁駁には、いずれも根拠がなく、被請求人側が自他商品識別機能を果たさせるため、また品質機能、広告機能を狙って、本件商標を使用していることは明白である。
4、当審の判断
被請求人の提出した乙第2号証によれば「株式会社ことぶき」の代表者と本件商標権者は同一人物であり、両者間には密接な関係があるものと認められる。
そして、「株式会社ことぶき」は、本件審判請求の登録前3年以内である平成9年11月1日〜11月30日の間に、取り消し請求に係る指定商品中の「まぐろ、エビ、ホタテの開き、ムキ甘エビ」等を「株式会社 板東太郎つくば」に納入し、その搬送のための搬送パネル車に「ばんどう太郎」の文字を表示したり、また、「エビ」等を包装した商品を搬送するための「プラスチックケース」に「ばんどう太郎」の文字を付して、「エビ」等を取り引きしていたことを乙第3号証及び同第4号証によって窺い知ることができる。そうとすれば、本件商標は本質的に通常使用権を有する者と認められる「株式会社ことぶき」によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取り消し請求に係る指定商品中の「まぐろ、エビ、ホタテの開き、ムキ甘エビ」等に使用していたものと認められるものである。
なお、上記通常使用権者が取り消し請求に係る指定商品に係る商品を搬送するために、搬送車の側面に「ばんどう太郎」の表示をすることは広告の一種であると捉えることができ、また、「魚介類」という商品の性質上、商品を一匹づつ包装したり又は一山毎に包装しその容器に商標を付す行為は、商標法第2条に規定する商標の使用というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「魚介類」についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1998-12-08 
結審通知日 1998-12-15 
審決日 1999-01-07 
出願番号 商願平2-57354 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (132)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 小池 隆小林 薫 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 滝沢 智夫
宮下 行雄
登録日 1993-02-26 
登録番号 商標登録第2503189号(T2503189) 
商標の称呼 1=バンドウタロ- 
代理人 福田 尚夫 
代理人 武蔵 武 
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