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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 122 |
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管理番号 | 1029606 |
審判番号 | 審判1995-3593 |
総通号数 | 16 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1995-02-22 |
確定日 | 2000-07-17 |
事件の表示 | 平成2年商標登録願第51576号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標は、「POLOTEAM」の文字を横書きしてなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く。)かさ つえ これらの部品および附属品」を指定商品として平成2年5月10日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定は、登録異議の申立てがあった結果、「『Polo』(ポロ)の標章は、アメリカのトップデザイナーであるラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ、ポロシャツ、トレーナー等の被服類及び眼鏡を表示するものとして本願商標の出願前より我が国の取引者、需要者間に広く認識された商標と認められる。しかして、本願商標は『POLOTEAM』の文字よりなるところ、構成中の『TEAM』の文字部分はごくありふれた日常語であり、かつ、スポーツシャツ、ソックス等の被服類と本願の指定商品とする靴類(運動靴を含む)とが販売場所、需要者層を共通にする場合があることよりすれば、需要者は前記『POLO』の文字部分に着目し、前記デザイナーの取扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を起こすおそれがあるとみるのが相当である。よって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」として本願を拒絶したものである 3 請求人の主張 請求人は、要旨次のように主張している。 「ポロ/POLO」は1チーム4名の2チームが対戦して得点を競う競技で、チームスポーツであり、サッカーチーム、野球チーム、バレーボールチームなどのようにポロチーム、POLOTEAMと一連に称呼されて親しまれているスポーツであって、決してポロ競技のチームのことをポロクラブ、PoloClubなどと称呼しない。よって、「Club」は広く同好の士の集団を意味するごくありふれた日常語にすぎないとしても、「TEAM」なる語はスポーツ競技における一方の競技者集団を意味するものであり、POLOTEAMと一連に称呼されてポロ競技の一方の対戦相手である球技者集団を意味する。その結果、「Polo」商標が著名であろうとも、「POLOTEAM」商標は全く別異の概念であり、引用標章の「Polo」を連想することはなく、引用標章「Polo」の付された商品群の愛用者集団を意味するとの観念は全く生じないと考えるのが相当である。 大手デパートの西武が池袋店を始め多くの支店で「ジャケット、スラックス、シャツ、ネクタイ」を同じ場所で販売しているが、本願の指定商品「靴類(運動靴を含む)」は同じ場所で販売しておらず、商品の出所の混同は生じない。 4 当審の判断 (1) 引用商標の周知性について (株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド辞典’84ザ・ブランド」の記載によれば、次の事実が認められる。 アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年ネクタイのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、巾広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、ポロ・ファッションズ社(以下、「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。 そして、(株)洋品界昭和55年4月15日発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月25日発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述並びに昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、例えば、前記「男の一流品大図鑑」をはじめ、昭和53年2月16日付け日本経済新聞(夕刊)の広告、(株)講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月25日発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月20日発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月20日発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月25日発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、前記「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。 他に、これを覆すに足りる証拠はない。 なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は、本願商標の出願時はもとより、現在においても継続しているというのが相当である。 (2) 本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものであるかどうかについて 本願商標は、上記構成からなるものであるところ、 「POLO」及び「TEAM」の文字はそれぞれ既成の意味を有する語であるから、これら2つの語を結合してなるものであることは明らかであり、常に一連不可分の1語としてのみ認識されるというべきではない。 この点に関し、請求人は、本願商標はPOLOTEAMと一連に称呼されてポロ球技の一方の対戦相手である球技者集団を意味する旨主張している。 しかしながら、本願商標からはサッカーチーム、野球チームのようにポロ球技のチームの意味合いが生ずることを必ずしも否定するものではないが、その故をもって、本願商標が「POLO」と「TEAM」の2語からなるものではなくこの2語とは別の1単語からなるものであるとすべき理由はないし、請求人もその証左を示すところがない。 そうすると、本願商標は、「ポロ」(競技)の観念及び「ポロ」の称呼を生ずる「POLO」の語を含むものというのが相当である。 他方、上記のとおり、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されている引用商標は、「ポロ」(競技)の観念及び「ポロ」の称呼を生ずるものといえる。 そして、本願商標の指定商品と引用商標が使用されている被服類及び眼鏡類とは、共にファッションに関連する商品であり、統一ブランドの下にトータル的にファッションをまとめようとする昨今にあっては少なからぬ関連性を有するものであるというべきである。 このような事情の下において、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者はその構成中の「POLO」の文字から上記引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるというのが相当であるから、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわなければならない。 この点に関し、請求人は、ジャケット、スラックス、シャツ、ネクタイを同じ場所で販売しているが、本願の指定商品「靴類(運動靴を含む)」は同じ場所で販売しておらず商品の出所の混同は生じない旨主張しているが、ラルフ・ローレンは紳士靴も手掛けていることが認められるし、上記のように、被服類・眼鏡類と靴類とは少なからぬ関連性があること、本願商標から引用商標が連想、想起されることからして、上記のように判断するのを相当とするので、請求人のこの主張は採用することができない。 (3)むすび 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-06-21 |
結審通知日 | 1999-07-09 |
審決日 | 1999-07-23 |
出願番号 | 商願平2-51576 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(122)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 原 隆、三澤 惠美子、小川 宗一 |
特許庁審判長 |
金子 茂 |
特許庁審判官 |
大橋 良三 石田 清 |
商標の称呼 | 1=ポロチーム |
代理人 | 鴇田 将 |