• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 018
管理番号 1029275 
審判番号 無効2000-35068 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-01-31 
確定日 2000-11-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第4118725号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4118725号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4118725号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第18類「原革、原革、なめし皮、毛皮、革ひも、かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金、傘、ステッキ、つえ、つえ金具、つえの柄、乗馬用具、愛玩動物用被服類」を指定商品として平成7年11月2日登録出願、平成10年2月27日設定登録されたものである。

第2 請求人の引用登録商標
請求人が引用する登録第1229927号商標(以下「引用登録商標」という。)は、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具、但し化粧用具を除く、但し、宝玉及びその模造品を除く、但し、造花を除く」を指定商品として、昭和48年1月12日に登録出願、同51年11月1日に設定登録され、その後同62年1月22日及び平成8年4月9日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第28号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、商標法(以下、「法」という)第3条第1項柱書の要件を具備せず、法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第8号及び同第7号に該当し、法第46条第1項第1号の規定に基づいて無効とされるべきものである。
(1)本件審判請求人の調査した範囲においては、本件商標権者は、日本国内でのライセンス契約の斡旋、商標権の登録、管理等を主業務とするものであり、本件商標権者が、本願商標の指定商品に係る業務(製造、販売)を行っている事実は発見できなかった。よって、本件商標は、法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品について使用する商標」の要件を具備しないものと認められるからその登録は取り消されるべきである。
(2)本件商標は、前記引用登録第1229927号商標と類似し、指定商品も抵触する(甲第1号証)。
商標:BURTON
指定商品:第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」
登録番号:第1229927号
登録日:1989年2月21日
本件商標は、「BUTON」及び「CLUB」からなり、引用登録商標「BURTON」の構成文字のほとんどを包含するものであり、外観上類似する商標といえる。本件商標からは、「バトンクラブ」の他に、「バトン」の称呼が生ずることは明らかである。よって、称呼上も両商標は類似しているといえる。
叙上の通り、本件商標は、引用登録商標と外観・称呼上類似する商標であり、指定商品も抵触するから、法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。
(3)本件商標は、本件審判請求人が、商品「スノーボード、スノーボード用手袋・被服,バッグ」に使用している著名商標「BURTON/バートン」及び図形商標(以下、「引用商標」という)と類似の商標であり、商品も抵触する。
本件審判請求人は、米国で1977年に設立された、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ、被服等の製造販売を中心とした会社であり、会社設立以来、全商品に、ハウスマーク「BURTON/バートン」を約20年の長きに亘り使用している(甲第2号証及び第6号証)。
現在の本件審判請求人の米国におけるスノーボードのシェアーは、30%を占めており、年間売上高は、約225億円に達している(甲2号証)。
日本では、これらの商品は1981年より、東京都中央区日本橋室町3-4-4に住所を有する小倉貿易株式会社を通じて販売が開始され、現在では、埼玉県浦和市常盤9-21-14に住所を有するバートン・スノーボード・ジャパン(請求人の日本支社)から、(株)ウイッシュボーン(札幌市)、(株)せいる(仙台市)、(株)ニューポートコーポレーション(茅ヶ崎市)、(株)アール・エス・エス(名古屋市)、(株)ザイアック(大阪市)、山陽アタックス(株)(岡山市)の全国6つの販売代理店を通じて、全国600の小売店で販売されている(甲第2号証、甲第7号証、甲第8号証)。引用商標の使用されたスノーボードの日本におけるシェアーは、日本で第1位であり、20%以上のシェアーをもつ。矢野経済研究所の資料によっても、引用商標の使用に係るスノーボードの販売台数は、1994年-1995年が38,000台、1995年-1996年が68,000台である(甲第9号証)。シェアーばかりでなく、人気の方も雑誌及び日本貿易振興会海外経済情報センターの調査によると、日本第1位となっている(甲第10号証ないし甲第12号証)。
また、日経流通新聞の調査でも、スノーボードブランド人気ランキングで1位に選ばれている(甲第21号証)。
最近の雑誌にも、「支持率No.1」、「王者バートンのすべて」、「名作列伝」と紹介されている(甲第19号証)。
また、1996年のスノーボードに関するランキングでも、以下の部門で第1位にランキングされている(甲第19号証)。
スノーボード/アルペン部門。スノーボード/フリースタイル部門。ソフトブーツ部門。 バインディング部門。 スノーボードウエア部門。
カタログの発行数も、1995年が21万8,700部、1996年が29万2,200部に達している(甲第15号証)。
引用商標の使用に係る商品の広告も、日本、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オーストリア、ドイツ、スイス、英国、フィンランド、スペイン、フランス、ノルウェー、スエーデン、ベルギー、ギリシャ、イタリア等世界各国の雑誌を通じて行われており(甲第13号証)、国内新聞記事にも、引用商標がトップブランドとして紹介されている(甲第14号証)。
また、引用商標は、オーストラリア、オーストリア、ベネルクス 、ブラジル、カナダ、クロアチア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、日本、韓国、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウエー、ポルトガル、スペイン、スイス、台湾、トルコ、米国、中国において登録されている(甲第16号証)。
また、以下の会社により、引用商標が著名である旨の証明書が作成されている(甲17号証):小倉貿易株式会社、カメイ・スポーツ株式会社、株式会社せいる、株式会社ニューポートコーポレーション、株式会社ウイッシュボーン、山陽アタックス株式会社、株式会社ザイアック、日本スノーボード産業振興会、株式会社アール・エス・エス。
以上より、本件審判請求人の引用商標「BURTON/バートン」が、本願商標の出願日前より、我が国において、商品「スノーボード、スノーボード用手袋・被服・バッグ」の商標として著名になっていたことは明らかである。
本願商標と本件審判請求人の引用商標が外観・称呼上類似することは、(3)で述べたように明らかである。
また、引用商標の使用商品も、本件商標の指定商品と抵触又は近似するものである。
よって、本件商標が、法第4条第1項第10号及び同第15号に該当することは明らかである。
特許庁も、本件登録権利者が出願した「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」を法第4条第1項第15号に該当するとの理由により多数拒絶している(甲第23号証及び甲第28号証)。
(4)本件請求人の社名は、「THE BURTON CORPORATION」であり、新聞や雑誌でも、「BURTON」と略称されて著名となっている(甲第2号証ないし甲第17号証)。よって、本件商標は、本件審判請求人の名称の著名な略称を含む商標といえるから、法第4条第1項8号に該当することは明らかである。
(5)本件商標は、本件審判請求人の使用する著名商標「BURTON/バートン」のただ乗りに該当するから、商標法第4条第1項7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当することは明らかである。
商標のただ乗り行為が、商標法第4条第1項第7号に該当することは、通説・学説の認めるところである(甲第18号証)。
(6)叙上の通り、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず、同法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第8号及び同第7号に該当する商標であるから、法第46条の規定に基づきその登録は無効とされるべきである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第2号証(枝番号を含む。)を提出した。(なお、被請求人は、前記証拠の表示を甲号証としているが、乙号証として取り扱う。)
(1)被請求人等の「BURTON」の文字を含む登録商標について、過去に請求人より「異議申立」を受けたが、特許庁で以下の「結論」が出ており、最近はそれが特許庁の統一した見解となっていると信じている。
(イ)最近の「異議申立」を受けた登録商標に、特許庁から「取消理由通知書」が発行された後、結論として「申立の理由なし」として退けられた例。(3件)
商標 (分類) 登録番号
「鳩のマーク/BURTON HOUSE」(第25類)登録第4003906号
「BURTON HOUSE」(第25類)登録第4002033号
「BURTON CLUB」(第25類)登録第4002032号
(ロ)それ以前の「異議申立」が退けられた例(9件)
商標 (分類) 登録番号
「BURTON LAND」(第25類)登録第4236474号
「BURTON COUNTRY」(第25類)登録第4136475号
「BURTON COUNTRY」(第18類)登録第4136475号
「鳩のマーク/BURTON HORN」(第18類)登録第4008669号
「B/BUTON CLUB」(第18類)登録第4118725号
「BURTONCLUB」(第9類)商願平6-059402号
「BURTON CLUB」(第9類)登録第3370371号
「BURTON/鳩のマーク/CLUB」(第25類)登録第3369956号
以上を見るまでもなく、「BURTON」が米国のスノーボード会社の関連であるという主張はあり得ないという事になっていると思われる。
(2)BURTON商標に関する、他の「拒絶理由」では、「出願人の出願時には、取引者、需要者間に広く認識されていたと認められる。」との見解であるが、被請求人が提出した意見書をみるまでもなく、「BURTON」商標の旧第17類は、平成7年10年22日まで「メルボ紳士服(株)」(登録第664522号)が、旧第21類は平成8年4月21日まで、「三共生興(株)」(登録第1229927号)が、旧第22類は現在まで「東洋ゴム工業(株)」(登録第1042684号)が、旧第23類は現在まで被請求人(登録第2098143号)が、旧第24類はアメリカのゴルフ用品会社「BURTON Ltd.」(登録第2435550号)が、それら全てを請求人以外の他人が所有しており、請求人が「スノーボード」以外の商品で「BURTON」を有名にしたと主張されているが、もしそうであれば、請求人は「商標権侵害」等の「不法行為」を行った事になる。
(3)被請求人は「BURTON」ブランドの商品化事業を日本国内で問題なく行うために昭和57年6月1日より下記の「商標使用権許諾契約」を行っていた。
(旧第17類)「バルトン BURTON」商標登録第664522号;契約先:メルボ紳士服株式会社;期間:昭和57年6月1日〜平成5年5月31日までの11年間
(旧第21類)「BURTON」商標登録第1229927号;契約先:三共生興株式会社;期間:昭和60年10月1日〜平成6年9月30日までの9年間
しかし、請求人は平成6年12月5日に「メルボ紳士服(株)」 の旧第17類商標に対して「取消審判」を請求して強引に譲渡を受けたり、旧第21類商標を「三共生興(株)」より買収したにすぎない。
その証拠として、上記「メルボ紳士服」の登録商標(登録番号第664522号)に対する請求人の「取消審判」が記録されている原簿を提出する。
仮に請求人の主張する通り「BURTON」のスノーボードが現在日本で著名であるとしても、被請求人が展開している「BURTON」の商品は純粋なファッション商品であり、請求人の展開する「スポーツ関連商品」とは売場も全く異なる。販売店も一般の百貨店や小売店であり、スポーツ専門店を中心とする請求人の商品とは全く関連がない。
(イ)請求人は、「BURTON」の商標名は自分達によって日本で有名になったと主張しているが、上記国内商標の実施権を被請求人が旧第17類については11年間、旧第21類(新18類該当)については平成6年9月30日までの9年間使用していた事を考えると請求人の主張は正しいとは思えない。ちなみに請求人が旧第21類の商標権の譲渡を受けたのは、平成7年12月18日である。
(ロ)「BURTON」商標は被請求人が昭和57年から日本国内で展開していたブランドである。当時はアメリカのプレッピー・ファッションの全盛期であり、その流行の「バイブル」とも言われた「プレッピーハンドブック」で、「J.Press」「Brooks Brothers」「Paul Stuart」と同格に扱われていたニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982(昭和57)年1月25日に被請求人はライセンス契約を締結し、現在まで継続して他の商標分類を含めた多数の商品展開を行っている。(1)同「プレッピーハンドブック」の編集では多くのページが「BURTON」社の協力によって発行された。(2)ニューヨークの「BURTON Ltd.」の社長よりライセンスの許可を示す委任状を提出する。(3)上記のサブライセンス企業より、被請求人へ提出された売上報告書を提出する。これらをみても被請求人が昭和61年から12年に亘り「BURTON」等商標を国内で使用した事が明らかである。(4)ニューヨークの「BURTON Ltd.」社の資料及び店内風景の写真を提出する。
また、被請求人が「BURTON」ブランドを展開した当初、「スノーボード」の「運動用具」は日本に登場しておらず、請求人の存在は知り得なかった。
請求人の申立によれば、「BURTON」商標は、あたかも本請求人が世界的に有名にした名前であるかのような見解であるが、もともと「BURTON」は、米国人やアングロサクソン系ヨーロッパ人の一般的な名前であり、さしたる特徴もない名前である。
しかるに請求人は、その後強引に自己が商標所得したにもかかわらず「スノーボード商品」の販売をやめずに、被請求人関連のファッション商品にも不法に進出し、被請求人の市場を荒らし、被請求人は困窮し、結果仕方なく「BURTON CLUB」等の商標出願をしたものである。
その後、被請求人は、上記国内商標権者に対し「不使用取消審判」等を繰り返し、強引に商標権を奪取したもので、被請求人は彼等から多くの不満を聞かされている。
そもそも「BURTON」はスノーボードで有名であると主張をしているが、「スノーボード」は日本のスキー場で受け入れられたのは、ここ数年のことであり、それまではコースが荒れる、他のスキーヤーに危険だとの理由で、各スキー場から締め出されていた筈である。
被請求人は1982年頃から「BURTON」商品を展開し、それに続き「BURTON CLUB」「BURTON HOUSE」を展開した事に引き換え、請求人の商品の市場での登場期間は短く、請求人の主張の根拠は希薄である。
「BURTON」が「スノーボード」の商品名で有名であるとの見解は、請求人の主張を鵜呑みにしたものであり、その商標の商品は一般のデパートやスーパー等で全く売られておらず、ただ単にスキー専門店、スポーツ専門店で販売されているにすぎない。
「BURTON」といえば、「ザ・バートン・コーポレーション」(請求人)であると考えるのは全くの誤りであり、被請求人の国内ライセンス展開以外に、日本及び世界で、下記の会社が有名である。:(1)「BURTON」は、「プレッピー・ファッション」を代表するニューヨークの「ファッション・ブティック」名である。;「BURTON」といえば、70年代ニューヨークに始まり、日本でも大流行した「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドで、そのオーナー「BURTON HORN」氏は、日本の雑誌でもよく紹介されている。ファッション・バイブル「プレッピー・ハンドブック」にも掲載され、「プルックス・ブラザーズ」「Jプレス」「ポール・スチュアート」と並び称されるニューヨークのブティックであり、アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレーテッド社」(フロリダ州)の「ゴルフ・バック」が有名であり、日本のゴルフファンの間でも有名である。また商品製造にとどまらず、ストアーが全米10ヶ所に展開している。この「BURTON」が日本でも「キャディーバック」「ゴルフバック」として有名であることは、その輸入代理店が、大手企業「ダイワ精工(株)」であることからも推測できる。そのことは「ユニバーサルゴルフ社」の「ゴルフ用品総合カタログ・内外有名ブランド総掲載」1988年版、1998版に「BURTON」の「ゴルフ・バック」の広告が掲載されていることからも明らかである。:(2)イギリスでは、「BURTON」といえば、ロンドンの目抜き通りのリージェント街に店をかまえる「BURTON MENSWEAR」ストアーが有名であり、イギリス人で知らない人はいない程有名な「メンズ・ショップ」で歴史があり、会社設立は1929年10月22日に遡り、既に69年経つ。欧州でも有名で、日本人観光客も多数押しかける。:(3)日本では、「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業(株)」の「靴」のブランドとして有名であり、現在は三菱商事系列の「ライフギアコーポレーション(株)」によって引き継がれ製造販売されている。
(4)請求人は、日本で自己の商品「スノーボード」の商標権を所有していない。この事からしても請求人がアメリカや全世界で唯一の「BURTON」商標の持主であるとの主張は不自然である。そして、請求人は同商標の使用権を借りて、ブランド展開をしているにすぎない。これによっても、「BURTON」商標は、日本では請求人以外が有名にしたといえるし、請求人の商品名ではないといえる。
(5)現在、「BURTON」の商標「旧第24類」を所有し、使用しているのは前記アメリカの「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレーテッド(現在のBURTON GOLF社)」である。同社が日本国内で「旧第24類」の商標登録出願を行ったのは昭和51年2月16日であり、請求人がアメリカで事業を行った以前より商標活動していた。
(6)請求人が日本で「BURTON」の名前とブランドを有名にしたとの主張は全く根拠の無いものである。被請求人の登録商標(登録第4012331号)における請求人の「異議申立書」に添付された資料をみる限り、請求人のオーナー「Jack Burton」氏がマンハッタンの銀行を脱サラしたのは1977年の23才の時であり、実際に「ザ・バートン・コーポレーション」を設立し、飛び立ち始めたのは1981年とされているが、日本に新会社「Burton Snowbords Japan」を設立したのは、1995年1月1日となっている。
(7)しかし、日本で「BURTON」の名は、次のような使用が以前よりされている。
(イ)アメリカの「ゴルフ」の「BURTON GOLF」社が日本国内で第24類の商標登録出願をしたのは1976(昭和51)年であり、その当時から同社が「BURTON」の「ゴルフ・キャディーバック」の商品を実際に日本で販売していた。
(ロ)日本の「東洋ゴム工業(株)」の「靴」の販売は1970(昭和45)年からであり、同社が旧22類の「BURTON」商標(登録第1042684号商標)を出願したのは1970(昭和45)年12月23日である。
(ハ)商標権者がニューヨークの「Burton Ltd.」と契約して日本での商品化展開を行ったのは1982(昭和57)年である。
以上を勘案すると請求人が日本に進出したのはしたのはずっと後であり、請求人が「BURTON」の名前を独占する根拠は全くあり得ないことである。
また、アメリカ本国でも「ゴルフ」の「BURTONGOLF」社と、「スノーボード」の「BURTON SNOWBOARD」社は、会社規模も拮抗しており、アメリカ本国では両社がそれぞれ知られ、認知されている。米国の弁護士の報告を添付。
(8)最近の日本での国際化の呼び声は、ともすると過剰に反応して国民全体が自虐的になりがちであるが、外国人が日本で声高らかに言う程、先進国ではそれが実施されていない。被請求人が調査した結果下記の国での『本願商標』の登録状況は下記の通りで、請求人が全世界的な商標権者と言えないし、潜在的にそのような権利があると考えられていない。(乙第2-20号証)

第5 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
甲第2号証(「Forbes(フォーブス)」(1996年2月1日号)の日本版)、甲第3号証(1995年(平成7年)10月1日主婦生活社発行「SNOWBOARD」)、甲第4号証(「Forbes」(1995年3月27日号)の英語版)、甲第5号証、甲第6号証、甲第9号証(「キャピタル・アドバイザー竹内康則氏作成に係るスノーボードメーカー出荷状況リスト写し」、甲第12号証「日本貿易振興会海外経済情報センター発行『輸入商品(消費財動向)』(1991年、1992年、1994年)(一部抜粋)写し」、甲第14号証(「1988年12月10日、1991年12月7日付けの日経流通新聞、1994年8月25日付けの日経産業新聞、1995年3月16日、1995年9月11日付けの日本経済新聞、1991年1月1日、1995年2月20日、1995年3月1日付けのスポーツ産業新報」)、甲第15証(「請求人の日本における商品カタログ発行リスト写し」)、甲第17号証(「日本スノーボード産業振興会」等の著名性立証に関する証明書)、甲第22号証(「1994年商品カタログ写し」)によれば、スノーボードは、米国においては、1980年に入って急激に人気が高まったこと、請求人は、その取り扱う商品であるスノーボード関連商品(スノーボード、スノーボード用靴、スノーボード用手袋、被服、バッグ、ゴーグル、サングラス等)に、請求人のハウスマーク「BURTON/バートン」を使用してきており、平成7年11月当時において請求人の米国におけるスノーボードの市場の占有率は約3割であり、我が国においても引用商標(引用商標甲第22号証)を使用したスノーボードの販売台数は、1994年-1995年が38,000台に達していること、1995年4月には、スキーの低迷をよそに、ウインタースポーツのあたらしい主役に躍進し、九四/九五年シーズンの国内ボード出荷台数は業界関係者によると、十七万台程度となり、米国の後を追ってスノーボードの人気は急激に高まっていたこと(日本経済新聞社1995年4月7日付け夕刊5頁)、請求人のハウスマーク「BURTON/バートン」の付されたスノーボード、若しくはスノーボード関連商品の多くは、最も人気の高いものとされていることが認められる。これによれば、請求人の「BURTON/バートン」の商標は、請求人の製造販売に係るスノーボード関連商品を表示する商標として、本件商標の登録出願前より、我が国において、若者を中心とする需要者の間に周知著名となっていたと認められる。
また、甲第22号証の商品カタログ中に掲載されているスノーボードの裏面にレタリングした「BURTON」の文字の頭に表される図形(四か所に半円状の欠落を有する楕円図形で該楕円内に「B」の文字を有するもの(別掲の該商標は画像の細部が再現されておらず内部の「B」の文字が埋没しているが原本中には明瞭に記載されている。))(以下、甲第22号証図形という。)についても、請求人の製造販売に係る商品「スノーボード」に使用されて、叙上の「BURTON」の文字からなる商標と同様、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に、周知著名となっていたと認められる。
上記認定を左右するに足る証拠はない。「BURTON/バートン」の商標の周知著名性についての被請求人の主張は、いずれも採用することができず、前記認定のとおり、引用商標(即ち、請求人の「BURTON/バートン」の商標及び甲第22号証図形)は周知著名となっていたものと認められる。
(2)出所の混同を生ずるおそれについて
本件商標は、別掲のとおり、五か所に半円状の欠落を有する楕円図形で該図形内に「B」の文字を表し(以下「本件商標図形部分」という。)、かつその外郭に「BUTONCLUB」の文字を書してなる構成からなるところ、「BUTONCLUB」の文字中の「CLUB」の文字は、広く同好の士の集団を意味するごくありふれた日常用語にすぎない。そしてこの「CLUB」以外の「BUTON」の文字が、請求人の周知著名な「BURTON」の商標との比較で、語中に「R」の文字があるかないかの差異に止まり、また本件商標中の「BUTON」の文字部分は、「バトン」と称呼され得るものであって、引用商標から生ずる「バートン」の称呼と近似しているものといえる。
またこれに加えて、甲第22号証図形は、レタリングされた「BURTON」の文字と併記して使用されてなるものであるが、これを本件商標図形部分を比較すると、その特異な構成態様において、偶然に一致したとは思えない程良く似ているものと認められる。
そして、甲第22号証図形、また、請求人の「BURTON/バートン」の文字からなる商標は、上記認定のとおり、スノーボード、スノーボード関連商品(スノーボード、スノーボード用靴、スノーボード用手袋、被服、バッグ、ゴーグル、サングラス等)に使用されて周知著名な商標であり、一方、本件商標は、「原革、原革、なめし皮、毛皮、革ひも、かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金」を指定商品とするものであって、ファッションに関係がある商品が含まれる点で共通している。そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合は、需要者はこれより請求人の周知著名な「BURTON」の文字よりなる商標、及び甲第22号商標図形を容易に想起し、本件商標が付された商品が、被請求人または同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとするのが相当である。
そして、引用商標の周知著名性に関しては、本件商標の登録出願後、登録査定時までに、事情の変更があったものと認めるに足る証拠はないから、査定時においても、商品の出所の混同のおそれは、なお継続していたものというべきである。
(3)被請求人は、「BURTON」商標は、被請求人その他の者によって、請求人が使用を始めるより前から使用され、周知又は著名になっていたのであるから、請求人が、「BURTON」商標を独占することはできない旨主張する。
しかし、本件商標は、「BUTONCLUB」の文字以外に、甲第22号証図形と良く似た本件商標図形部分を有しているため、これをその指定商品について使用するときは、請求人の周知著名な引用商標を想起し、出所について混同を生じさせるおそれがあるものであり、この点の主張は採用できない。
また、商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」について争いがあるので判断すると、当該商標をその指定商品又は指定役務に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等がその他人との間にいわゆる親会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある商標を含むものと解するのが相当であり、本件商標をその指定商品に使用するときは、その取引者及び需要者において、その商品が、被請求人と前記のような緊密な関係にある営業主の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるというべきである。したがって、前記(2)の認定判断は妥当なものである。
(4)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、商標法第46条第1項の規定によりその登録を無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標




引用登録商標(引用登録第1229927号商標)




甲第22号証図形(図形内部に『B』の文字が埋没しており識別し難い:詳細は原本を参照されたい。)



甲第22号証掲載の商標(「BURTON」の文字と甲第22号商標図形の併用された全体図)

審理終結日 2000-08-29 
結審通知日 2000-09-08 
審決日 2000-09-21 
出願番号 商願平7-113185 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (018)
最終処分 成立 
前審関与審査官 岩内 三夫 
特許庁審判長 板垣 健輔
特許庁審判官 上村 勉
八木橋 正雄
登録日 1998-02-27 
登録番号 商標登録第4118725号(T4118725) 
商標の称呼 バトンクラブ、ビュートンクラブ 
代理人 青木 博通 
代理人 足立 泉 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ