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審決分類 審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 122
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 122
審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 122
管理番号 1029274 
審判番号 審判1991-17222 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1991-08-27 
確定日 2000-11-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第1880128号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成10年 5月11日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成10(行ケ)年第202号、平成11年4月13日判決言渡)がなされ、同判決が最高裁判所の判決(平成年(行ツ)第223号、平成11年11月9日判決言渡)により確定したので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第1880128号の指定商品中「はき物」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
理由 1.本件登録第1880128号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、昭和59年3月5日に登録出願、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として登録され、現に有効に存続しているものである。

2.請求人は、「本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、本件商標は商標法第4条第1項第15号、同第7号及び同第8号に違反して登録されたものであると主張し、証拠方法として甲1第号証乃至同第29号証(枝番を含む。)を提出している。

3.被請求人は、「審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、本件商標は上記各法条等に該当するものでない旨主張し、証拠方法として乙第1号証乃至同第21号証を提出している。

4.よって判断するに、当審において提出された証拠及び確定した前記東京高等裁判所の判決によれば、
(1)商標法第4条第1項第15号について、
「旧株式会社ヴァンヂャケットの閉鎖登記簿(破産終了日)」(甲第25号証)、「旧株式会社ヴァンヂャケットの閉鎖登記簿(旧株式会社ヴァンヂャケット)」(甲第26号証)、「MEN’CLUB ’65 12月」(甲第10号証)、「VANクラフィティ」(甲第7号証)、「City Boy Graffiti」(甲第8号証)、「Hot Dog PRESS」(甲第9号証)及び「日本製靴株式会社の歩み『STEPS』」(甲第27号証)の各号証よりすれば、旧株式会社ヴァンヂャケットは、昭和30年代後半にアイビールックの流行をひき起こし、「アイビーのVAN」などと呼ばれて若者に非常に人気があり、昭和49年乃至51年頃には300億円以上の売り上げがあり、その商品である商品ジャケット、トレーナー、シャツ等の多くには、別紙(3)〜(6)の構成よりなる(以下、「使用商標」という。)商標や「VAN/・JAC・」商標を付されていたことが認められる。そして、旧社と日本製靴株式会社と提携して、「VAN/・JAC・」商標の下に「REGAL」商標を付した靴が販売され、昭和40年頃には爆発的な売れ行きを示したことが認められる。
そして、使用商標は、その大きな部分を占める「VAN/・JAC・」商標が極めて人目を引くものであることを総合すると、昭和51年頃には、旧社の商標として、ファツション関係の取引者、需要者の間で非常に著名なものであったことが認められる。そして、甲第25号証、甲第7号証、商標権等の譲渡に関する覚え書きの写し(甲第11号証)、破産管財人が東京地方裁判所に提出した商標権等譲渡許可申請書(甲第12号証の1)、商標権等譲渡契約書(甲第12号証の2)、旧破産管財人作成の証明書(甲第28号証)、昭和56年当時の請求人の登記簿謄本(甲第3号証)の各号証によれば、旧社の使用商標や「VAN/・JAC・」商標は、請求人に譲り渡されたことが認められる。
しかして、「Hot Dog PRESS」(甲第9号証)によれば、「倒産の翌年の79年1月には、青山通りにヤタラとVANの袋を持った連中が出現していたのだ。」、「…組合の力で、…在庫処分というスタイルでVANの商品を売り始めた」、「3月には組合の母胎となって生まれたヴァン・カンパニーがケント・ショップをオープン。…その後もヴァン・カンパニー系列の店は次々と増え…現在は全国で堂々8店が開業するまでにもなった。そして、ご存知のとおり、遂にヴァン・ヂャケットも再建された…ヴアン・カンパニーや全国のメンズ・ショップに新生VANの商品が並ぶ日も近いようだ。この原宿ヴァン・ショップは、…店内には、・旧VANの商品があふれている。」として「VAN/・JAC・」商標を使用した商品であるシャツやファッション雑貨の写真が掲載され、更に「上記以外のヴァン&ケントショップ 札幌、仙台、静岡、名古屋、大阪、福岡」の記載が認められる。
「請求人の売上高一覧表」(甲第19号証)によれば、昭和58年8月1日から昭和59年7月31日までは約11億5000万円を越える売上があったことが認められる。そして、「特約店舗契約書の写し」(甲第17号証の1、3、5及び6)並びに「預り保証金の内訳の写し」(甲第18号証の1乃至5)によれば、旧社の「VAN/・JAC・」商標と同様の顧客吸引力を期待して、請求人との間に請求人の製造する「VAN/・JAC・」商標を付した商品の特約小売店舗契約をする小売業者も少なくなく、昭和58年7月31日には日本各地に数十業者にのぼり、これらの業者が特約料として請求人に預託していた金額は1億5000万円であったことが認められる。
上記事実によれば、旧社破産後も、「VAN/・JAC・」商標は、なお旧社の商標として著名であり、これを付した商品は強い顧客吸引力を有しており、請求人がこれを前記譲渡契約によって譲り受けて使用したことによって、一般の取引者、需要者は、請求人を旧社を承継する会社と認識し、請求人の製造する「VAN/・JAC・」商標を付した商品について、最も買いたいブランドと考える需要者が多数現れ、また、「VAN/・JAC・」商標を付した商品の顧客吸引力に期待して特約小売店舗となる業者が数十業者にのぼるなどの状況であったことが認められる
してみると、「VAN/・JAC・」商標は、本件商標の出願時には、請求人の商標として著名であったものと認められるものである。
そして、「VAN/・JAC・」商標と本件商標についてみるに、甲第10号証、甲第7号証、甲第8号証、甲第9号証、「MEN’S CLUB 別冊・アイビー」(甲第13号証)、「All Right 創刊2号」(甲第15号証)及び甲第28号証の各号証によれば、「VAN/・JAC・」商標は、ローマ字等を二段に書してなるものであるところ、上段の「VAN」と下段の「・JAC・」との大きさの比率は、その使用態様によって若干の差はあるものの、いずれも使用商標における「VAN」と「・JAC・」との大きさの比率と同じ程度のものである。
しかして、「VAN/・JAC・」商標においては、「VAN」が「・JAC・」に比して相当に大きいものであり、「VAN」と「・JAC・」の間には、これを続けて読まなければならない必然性も認められないから、「VAN/・JAC・」商標からは、「バン」ないし「ヴァン」の称呼が生ずるものである。更に、「VAN/・JAC・」商標は、甲第27号証によれば、「VAN/・JAC・」商標の下に「REGAL」商標を付した商標を「VAN‐REGAL」と呼ぶことが認められるから、取引の実情においても「VAN」と観念され、「バン」ないし「ヴァン」と称呼されることがあるものと認められる。
一方、本件商標は、別紙(1)に示したとおりの構成よりなるところ、本件商標の「VAN」の文字には、「VAN/・JAC・」商標中の「VAN」の文字と同じ箇所に切れ目が入っているものであるから、「VAN」の観念と「バン」ないし「ヴァン」の称呼が生ずるものである。
次いで、指定商品についてみるに、本件商標の指定商品のうち、はき物は、ファッションの一部として扱われることが多いことがあるから、これとジャケット、トレーナー、シャツ等の衣料品とは関係の深い商品といえる。また、旧社と日本製靴株式会社が提携して、「VAN/・JAC・」商標の下に「REGAL」商標を付した靴が販売されて昭和40年頃に爆発的売れ行きを示したことがあることも前記したとおりである。
そうしてみれば、「VAN/・JAC・」商標との関係においては、本件商標の出願時において、本件商標は、これをその指定商品のうち、はき物に使用するときは、一般の取引者、需要者は、請求人ないし関連会社等請求人と何等かの関係のある者の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあったものと認められ、また、甲第17号証の2、4、7、8及び甲第18号証の4、5によれば、本件商標の登録査定時においても、本件商標をその指定商品のうち、はき物に使用するときは、一般の取引者、需要者は、請求人ないし関連会社等請求人と何等かの関係のある者の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあったものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「はき物」については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
ところで、本件商標の指定商品のうち「はき物」と「かさ、つえ」とは、商品の用途、用法を異にし、生産者をも異にするから、これらは互いに非類似の商品と認められ、そして、「かさ、つえ」は、請求人の製造販売に係るジャケット、トレーナー、シャツ等の衣料品と非類似の商品であるから、「VAN/・JAC・」商標がジャケット、トレーナー、シャツ等に使用される著名商標であるとしても、本件商標の指定商品のうち「はき物」以外の指定商品については、商品の出所の混同を生じさせるおそれはないものと認められる。また、請求人が「かさ、つえ」等の商品について「VAN/・JAC・」商標を使用している証拠も発見できない。
(2)商標法第4条第1項第7号について、
同号は、商標自体が矯激な文字や卑わいな図形等公の秩序又は善良な風俗をみだすおそれのある文字、図形等から構成されている場合及び商標自体がこのようなものでなくても、これを商品に商標として使用することが、社会公共の利益に反し、又は、社会の一般的道徳観念に反する場合にその登録を拒絶すべきことを定めたものと解するのが相当である。
しかして、本件商標は、別紙(1)に表示したとおり、切れ文字の英文字を「VAN」と書してなるところ、これが上記のように、公の秩序を又は善良な風俗をみだすおそれのある文字ということはできず、社会の一般的道徳観念に反するものとはいい難いものである。
してみれば、本件商標は、その指定商品に使用しても公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとは認められない。
(3)商標法第4条第1項第8号について、
甲第7号証乃至同第10号証、甲第13号証、「MEN’S CLUB 付録」(甲第14号証)、甲第15号証、「男の定番辞典」(甲第16号証)及び甲第27号証の各号証をみるに、「VAN」の文字及び「ヴァン」の文字がみられるところ、雑誌等に掲載される名称等は、一般に名称を特定できる範囲で略して掲載されること少なくないから、上記雑誌等に表された「VAN」の文字及び「ヴァン」の文字は紙面上の制約によって掲載されたものとみられるものである。
してみると、これらの証拠によっては、「VAN」の文字及び「ヴァン」の文字が請求人の名称の著名な略称を表してなるものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「はき物」について商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであって、上記商品については、同法第46条第1項の規定により登録を無効とし、商標法第4条第1項第7号及び商標法第4条第1項第8号については、これに違反して登録されたものということができないから、この点についての請求は成り立たないというべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 1998-04-08 
結審通知日 1998-04-28 
審決日 1998-05-11 
出願番号 商願昭59-20923 
審決分類 T 1 11・ 271- ZC (122)
T 1 11・ 22- ZC (122)
T 1 11・ 23- ZC (122)
最終処分 一部成立 
前審関与審査官 広石 辰男 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 寺島 義則
江崎 静雄
滝沢 智夫
大島 護
登録日 1986-08-28 
登録番号 商標登録第1880128号(T1880128) 
商標の称呼 バン 
代理人 鳥居 和久 
代理人 金本 哲男 
代理人 藤沢 則昭 
代理人 東尾 正博 
代理人 藤沢 正則 
代理人 鎌田 文二 
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