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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
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審判199930761 審決 商標
取消2012300362 審決 商標
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審判199930251 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 132
管理番号 1029057 
審判番号 審判1999-31324 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1999-09-20 
確定日 2000-10-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第2142342号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2142342号商標の指定商品中「穀物の加工品,ごまどうふ」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第2142342号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和62年4月11日登録出願、平成1年5月30日設定登録、その後、同11年5月18日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2.請求人の主張の要旨
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁の要旨を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

(1)本件商標の指定商品中の「穀物の加工品,ごまどうふ」については、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標「南朝」を使用していない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消されるべきである。

(2)被請求人は、請求人に請求人適格がないと主張するが、これは現行商標法下では何人にも商標法第50条に規定する審判の請求適格を認めていることからまったく理由がないものである。また、被請求人は、答弁書中において、本件商標の使用許諾の交渉について述べ、交渉不成立の日から極めて早い時期の審判請求が権利の濫用であると主張しているが、本審判の請求のために交渉を行う必要もないことに鑑みてもかかる主張は意味のないものである。

(3)被請求人は、本件商標「南朝」を昭和49年から使用しているとして、乙第1号証及び同第2号証を提出しているが、以下に述べる2つの点から誤りである。
(a)乙第1号証及び同第2号証は、「“山鳩湯” 中村」という温泉旅館或いは民宿等において「南朝鍋」と称する鍋料理を提供していることを示す資料に過ぎず、本件審判の請求に係る指定商品である「穀物の加工品,ごまどうふ」について使用しているものではないので、被請求人の提出した資料からは、本件審判請求に係る指定商品である「穀物の加工品,ごまどうふ」に、登録商標「南朝」を使用していることを立証できる事実はない。

(b)被請求人は、『サービスマークが認められない時期の出願に係る登録商標であるから、鍋料理の提供に「南朝鍋」を使用することは、法上の使用と認めるべきである。』と主張するが、かかる主張は以下のような理由によって、まったくの誤りである。
すなわち、サービスマークの登録制度が開始された平成4年には、その時点で使用しているサービスマークの商標登録に特例措置が認められている。この特例措置は、サービスマークの登録制度の開始時において、すでに使用しているサービスマークに化体している業務上の信用を優先的に保護すべきことをその目的の1つとしていた。かかる特例措置を使用せずに、従来からの便法として使われていた手法である食品材料としての登録のまま漫然と使用を係属していたことによる不利益は甘んじて受けるべきである。

3.被請求人の答弁の要旨
被請求人は、「審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると主張し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証(平成11年12月13日差出の答弁書に添付された登録商標の使用説明書に付された丸数字1及び2を乙第1号証及び同第2号証として取り扱った。以下、同じ。)を提出している。

(1)本件請求人は、平成11年9月に被請求人に対し、本件商標について使用許諾を申し入れたところ、近接した住所地で同時に本件商標を使用することは、需要者をして商品の出所混同を生ずるとの理由から断ったものである。
これに対し、請求人は、前記使用許諾の交渉不成立の日より極めて早い時期である平成11年9月20日に審判請求に及んだものであり、権利の濫用であって請求人適格を欠く不当な申し立てであり、本件審判請求は却下されるべきものである。

(2)本件商標は、乙第1号証及び同第2号証で示すように、被請求人が、「名物料理 南朝鍋」の食材として、指定商品中の「加工食料品」に含まれる「(手作り)豆腐、うどんのめん」について、昭和49年から使用を開始し現在まで継続して使用しているものである。
また、本件商標の使用については、サービスマークが認められていない本件商標の出願時に、旧第32類に属する料理用食材を指定商品として登録を受け、且つ「南朝鍋」に使用することで法上の使用とみなすべきである。
以下、乙第1号証及び同第2号証によって、現在も使用していることが明らかに証明される。
(ア)乙第1号証は、昭和48年5月当時の山鳩湯(入之波温泉)のパンフレットである。
(イ)乙第2号証は、新郵便番号制定後(平成10年2月以降)の山鳩湯(入之波温泉)のパンフレットである。

(3)したがって、本件商標の登録は取り消されるべきものではなく、本件審判の請求は成り立たない。

4.当審の判断
(1)被請求人は、請求人の請求適格について、その請求適格を欠く旨を主張しているが、平成8年改正商標法(平成8年法律第68号)第50条に規定する商標登録の取消審判は、何人も指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるものであることは、同条第1項の規定より明らかであって、他に請求人が本件審判を請求することについての阻害要因も認められないから、この点についての被請求人の主張は採用することができない。

(2)次に、本案について検討すると、被請求人が提出した乙第1号証及び同第2号証は、旅館等のパンフレットと認められるものであって、そのパンフレット中には、「“山鳩湯” 中村」(奈良県吉野郡川上村入之波)とともに、「南朝鍋」の文字の記載は認められるが、これは、本件商標「南朝」と社会通念上同一の商標の使用とはいえないものである。
また、乙第1号証及び同第2号証においては、「“山鳩湯” 中村」が「南朝鍋」と称する鍋料理、及び手作り豆腐等の一品料理を提供していることが認められるけれども、本件審判の請求に係る指定商品である「穀物の加工品,ごまどうふ」についての使用の事実は認められない。
そして、「“山鳩湯” 中村」と被請求人との関係についても、乙第1号証及び同第2号証より、具体的にどのような関係にあるのかが明らかでない。

(3)以上のことを総合勘案すると、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、我が国において、被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その請求に係る指定商品中の「穀物の加工品,ごまどうふ」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標



審理終結日 2000-07-27 
結審通知日 2000-08-08 
審決日 2000-08-29 
出願番号 商願昭62-40515 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (132)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小松 英世 
特許庁審判長 小野寺 強
特許庁審判官 久我 敬史
寺光 幸子
登録日 1989-05-30 
登録番号 商標登録第2142342号(T2142342) 
商標の称呼 ナンチョウ 
代理人 大西 孝治 
代理人 大西 正夫 
代理人 築山 正由 

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