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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z09
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z09
管理番号 1021716 
異議申立番号 異議1999-91243 
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-09-22 
確定日 2000-08-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4276756号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4276756号商標の登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4276756号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年1月22日に登録出願され、「LEONARDOD」の文字を書してなり、商品の区分第9類に属する商標原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年5月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の異議理由
(1)「LEONARD」は、申立人の著名な略称であり、申立人の眼鏡や衣類に使用する商標として著名である。
(イ)申立人レオナールファッションは、世界で最も美しいプリントとして世界中の女性から愛され続けているブランド「LEONARD」ー「花のレオナール」のイメージで受けとめられているのファッションメーカーであるが、平成10年(1998年)1月22日の本件商標の出願当時、申立人の略称である「LEONARD」及び申立人の製造、販売、ライセンスに係る眼鏡フレームを含む商品に使用する申立人の商標「LEONARD」は、日本を含め世界的に著名であり、また現に著名である。
(ロ)即ち、申立人の衣類等の商品への展開は、日本においては昭和44年より三共生興株式会社をディストリビューター及びライセンシーとして展開され、三共生興株式会社は広告、宣伝等に務め、その取扱商品である被服、かばん類、袋物、傘等の三共生興株式会社による販売高は、本件商標の出願の数年前、出願の年及びその後は、卸売価格べースで、30億円台から60億円台であり(小売価格のべースではもっと大きくなる)、非常に大きなものである。また「REONARD」ブランドは、世界の一流品を掲載した雑誌にも必ず取り上げられ、新聞等で広く報じられ、また、「家庭画報」、「ミセス」、「ヴァンサンカン」、「クラッシイ」、「ハイファッション」、「ル・クール」等のファッション雑誌等に紹介掲載広告されている。(甲第1ないし98号証。尚、これらは、紹介掲載された記事広告等のごく一部である。)
(ハ)また、申立人の眼鏡フレームなどの商品への展開はライセンシーでありかつ日本の著名な眼鏡メーカーであるHOYA株式会社により1994年2月から行われている。即ち、HOYA株式会社は、申立人のライセンスの下に、1994年2月から、商標「LEONARD」を付した眼鏡フレームの製造販売を開始し、今日もこれを継続している。その売上数量は、本件商標の出願時である1998年1月22日の直前である1997年12月迄に29、735個、1998年度は8、433個、1999年度(12月10日迄)は15、247個である(甲第99号証)。HOYA株式会社の「LEONARD」商品は、小売価格で数10万円の高額品も含むものであり(甲第101、104、105、106、107号証)、この売上数量は極めて大きい。そして、その売上高は、工場出し値ベースで、1998年9月迄が1、116、556、000円、1999年度(12月10日迄)241、618、780円に上る。(小売価格は、はるかに大きくなる。)
また、HOYA株式会社は、日本全国の有名デパート、専門店に、「LEONARD」の眼鏡フレームを納入しており、その店舗数は797店舗に上る(甲第100号証)。HOYA株式会社は、1994年2月の製造販売の開始から、全国の各店舗に「LEONARD」の眼鏡フレームのカタログ、パンフレットを配布し(甲第101、104ないし108号証)、顧客にダイレクトメールを送付し(甲第102、103号証)、「LEONARD」の眼鏡フレームの広告宣伝販促に務め、積極的に展示会を開いた(甲第110、111号証)。HOYA株式会社の「LEONARD」の眼鏡フレームは、雑誌でも紹介されている(甲第109号証)。
(ニ)よって、本件商標の出願時である平成10年1月以前から今日に至る迄、「LEONARD」は、申立人の略称として我国において著名であり、本件商標の指定商品である眼鏡フレームに使用する商標として、著名である。
(2)本件商標は「LEONARD」に類似する。
本件商標は、欧文字「LEONARDOD」を横ー列に配してなり、第9類の眼鏡のフレーム等を指定商品とする。
本件商標は、その構成に照らし、欧文字「LEONARDO」をその要部とする。即ち、「LEONARDO」と「D」との間には間隔があり、また、「LEONARDO」と「D」の結合は何らの必然性もない。従って、本件商標において、「LEONARDO」は要部である。申立人の著名略称商標「LEONARD」と本件商標の要部「LEONARDO」とを対比すると、両者は、僅かに末尾の「O」の有無の相違しかなく、外観において類似する。即ち、本件商標は、その要部「LEONARD」が、申立人の著名商標略称「LEONARD」と外観において類似するから、本件商標は申立人の著名商標略称「LEONARD」と類似する。仮に、本件商標が「LEONARD」と類似しないとしても、本件商標は、「LEONARD」と、少なくとも相紛らわしいものである。即ち、本件商標を付した商品は、申立人の著名商標「LEONARD」を付した商品のラインの別ラインの申立人の製造、販売、ライセンスに係る商品であると誤認させるものである。「LEONARDOD」と「LEONARD」とを対比すると、両者は「LEONARD」を共通にする。加えて、ファッション界においては、あるブランドが著名になると、これと似た標章を当該ブランドの別ラインとして創設することがよく行われる。例えば、「ジョルジオ・アルマー二」と「工ンポリオ・アルマー二」、「ソニア・リキエル」と「アンスクリプション・リキエル」、「ミツソーニ」と「ミツソーニ・スポーツ」、「クロエ」と「ミス・クロエ」、「Y’s」と「Y’s bis」、などがある。
従って、本件商標を付した商品は申立人の著名な商標「LEONARD」を付した商品のライン別ラインの申立人の製造、販売、ライセンスに係る商品であると誤認させるものである。
(3)本件商標は、法4条1項7号に該当する。
既述の如く、本件商標は、日本はもとより世界的に著名なフランスのファッションブランドである申立人の著名な商標略称「LEONARD」と類似し、商標権者は、HOYA株式会社と同業者であり、本件商標は、商標権者において、申立人のブランド「LEONARD」がHOYA株式会社の使用を通じて日本において本件商標の指定商品である眼鏡フレームについて、著名だったことを知り、この著名性に只乗りして不正の利益を得、申立人やHOYA株式会社に損害を加える目的により出願登録されたものであると解すべきものであり、被請求人が、本件商標を使用することは、商標法の維持発展せんとする健全な商標秩序を害し、国際信義に反するものであるから、本件商標は、公序良俗に反し、法第4条1項7号に該当する。よって、本件商標の登録は、取消すべきものである。
(4)本件商標は、法4条1項11号に該当する。
既述の通り、本件商標は、「LEONARD」に類似する。申立人は、旧第23類に、本件商標の指定商品に類似する「眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商標として、「LEONARD」「レオナール」からなる商標を登録している(甲第112号証、出願日昭和51年8月23日、登録日昭和62年10月27日)(以下、「引用商標」という)。
即ち、本件商標は引用商標と類似し、指定商品も類似するから、本件商標は商標法4条1項11号に該当する。よって、本件商標の登録は、取消すべきものである。
(5)本件商標は、法4条1項15号に該当する。
既述の通り、本件商標は「LEONARD」に類似しないとしても、相紛らわしいものである。「LEONARD」は、ライセンシーであるHOYA株式会社による使用により、本件商標の出願時はもとより、今日も、申立人の眼鏡フレームに使用する商標として我国において著名である。従って、本件商標をその指定商品に使用するときは、本件商標を付した商品が申立人の製造販売又はライセンスにかかる商品であるとの誤認を取引者、需要者に生じさせるおそれがある。よって、本件商標は、法4条1項15号に該当する。
本件商標が法4条1項15号に該当することは、「JOHNLEONARD」、「LEONARDO VALETNI」及び、「LEONARD PELLINACCI」が同法4条1項15号に該当すると判断した異議決定(甲第113、114、115号)に照らしても、明白である。
よって、本件商標の登録は、取消すべきものである。

3 当審の取消理由
当審では、申立人の異議理由に基づき、商標権者に対し、本件商標は、「LEONARDOD」の文字を書してなり、平成10年1月22日に登録出願、第9類「コンタクトレンズ,サングラス,水中マスク,水中眼鏡,鼻眼鏡,普通眼鏡,防じん眼鏡,コンタクトレンズ用容器,つる,鼻眼鏡のマウント,鼻眼鏡用鎖,鼻眼鏡用ひも、眼鏡ケース,眼鏡ふき,レンズ,枠」を指定商品として、同11年5月28日に設定登録されたものである。
ところで、申立人である「レオナール ファッシヨン」(以下、「申立人」という。)が提出している甲各号証によれば、申立人は、「LEONARD」の文字よりなる商標(以下、「引用商標」という。)を「衣類、かばん類、袋物、傘、布地」等に使用するファッションメーカーとして世界的に知られていること、そして、我が国においても昭和44年より三共生興株式会社をライセンシーとして商品展開をし、新聞、雑誌等により積極的に広告、宣伝をした結果、引用商標は、本件商標の商標登録出願時に申立人の業務に係る商標として、取引者・需要者の間において広く知られていることを窺い知ることができる。更に、申立人は、眼鏡の分野においても、「LEONARD」の文字と「レオナール」の文字とを二段に左横書きしてなる商標を登録(登録第1995554号)し、1994年2月から、HOYA株式会社を通じて眼鏡フレームの製造販売を開始しているものである。
そうとすれば、我が国の取引者・需要者の間に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されている「LEONARD」の文字を含む本件商標を、申立人の業務に係る前記商品とファッション関連という点において密接な関係を有する本件商標の指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、申立人の使用に係る著名な引用を想起し、該商品が申立人と何らかの関連を有する者の業務に係る商品であるが如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたもである。

4 上記3の当審の取消理由に対して商標権者は何ら意見を述べていない。

5 当審の判断の判断
よって判断するに、申立人である「レオナール ファッシヨン」(以下、「申立人」という。)が提出している甲各号証によれば、申立人は、「LEONARD」の文字よりなる商標(以下、「引用商標」という。)を「衣類、かばん類、袋物、傘、布地」等に使用するファッションメーカーとして世界的に知られていること、そして、我が国においても昭和44年より三共生興株式会社をライセンシーとして商品展開をし、新聞、雑誌等により積極的に広告、宣伝をした結果、引用商標は、本件商標の商標登録出願時に申立人の業務に係る商標として、取引者・需要者の間において広く知られていることを窺い知ることができる。更に、申立人は、眼鏡の分野においても、「LEONARD」の文字と「レオナール」の文字とを二段に左横書きしてなる商標を登録(登録第1995554号)し、1994年2月から、HOYA株式会社を通じて眼鏡フレームの製造販売を開始しているものである。
そうとすれば、本件商標は、我が国の取引者・需要者の間に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されている「LEONARD」の文字を含むものであるから、これを申立人の業務に係る前記商品とファッション関連という点において密接な関係を有する指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、申立人の使用に係る著名な引用を想起し、該商品が申立人と何らかの関連を有する者の業務に係る商品であるが如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたもと認めらるから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-06-26 
出願番号 商願平10-3902 
審決分類 T 1 651・ 22- Z (Z09)
T 1 651・ 271- Z (Z09)
最終処分 取消  
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 江崎 静雄
滝沢 智夫
登録日 1999-05-28 
登録番号 商標登録第4276756号(T4276756) 
権利者 株式会社アジアロイドジャパン
商標の称呼 レオナルドッド、レオナルドデイ、レオナルド、レオナードッド 
代理人 佐藤 雅巳 
代理人 古木 睦美 

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