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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 117 |
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管理番号 | 1015176 |
審判番号 | 審判1992-22529 |
総通号数 | 11 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-11-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1992-11-27 |
確定日 | 2000-01-05 |
事件の表示 | 平成3年商標登録願第34386号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「Polo Team」の文字を横書きしてなり、第17類「被服その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年4月5日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定は、「本願商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っていた『Polo』の文字を含んでなるものであるので、このような商標をその指定商品について使用するときは、その商品が上記他人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張 本願商標は、「Polo」と「Team」の文字間に半字分の間隔を有するとしても、外観上まとまりよく一体的に表示されていて、しかも、これより生ずる全体の称呼である「ポロチーム」にしても淀みなく一連に称呼し得るものであって、ポロ競技チームという熟語的意味合いを容易に理解し、認識させるものである。そして、本願商標は、その構成中の「Polo」の文字部分のみに着目し、これより生ずる称呼、観念を殊更に抽出しなければならない特段の事情を有するものとはいい難いところである。してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、これより直ちにアメリカのデザイナーであるラルフ・ローレンのデザインに係る商品を想起することはないといえるものであって、本願商標をその指定商品に使用したとしても、ラルフ・ローレンと関係がある商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 4 当審の判断 (1) (株)講談社昭和53年発行7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。 アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。 そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「プァッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。 他に、これを覆すに足りる証拠はない。 なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。 (2) 本願商標は、前記構成からなるものであるところ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものとはいい難いばかりでなく、「Polo」及び「Team」の文字がそれぞれ意味を有する既成語であることから、これら2つの語よりなる商標とみるのが相当といえる。 そうすると、本願商標は、構成中の「Polo」の文字を有するものと容易に認識、理解されるものであるから、本願の指定商品である「被服等」に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Polo」の文字に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る「Polo」標章を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。 なお、請求人は当庁における審査例を挙げて種々主張するところがあるも、それらは事案を異にするものであるから、請求人の主張は採用することができない。 (3) 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-05-27 |
結審通知日 | 1999-06-08 |
審決日 | 1999-06-15 |
出願番号 | 商願平3-34386 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(117 )
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 佐藤 正雄、大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
沖 亘 |
特許庁審判官 |
箕輪 秀人 滝沢 智夫 |
商標の称呼 | 1=ポロチ-ム 2=チ-ム |
代理人 | 高田 修治 |