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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効としない 041
審判 全部無効 商8条先願 無効としない 041
管理番号 1004461 
審判番号 審判1998-35235 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-04-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-05-26 
確定日 1999-10-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第3301006号商標の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 I 本件商標
本件登録第3301006号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示した構成よりなり、第41類「予備校における教授」を指定役務として、平成5年3月3日に登録出願、同9年5月9日に設定登録されたものである。
II 引用商標
請求人の引用する登録第4023461号商標(以下「引用商標」という。)は、「週3日制予備校」の文字を横書きしてなり、第41類「予備校における教授」を指定役務として、平成4年7月30日に登録出願、同9年7月4日に設定登録されたものである。
III 請求人の主張
請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第49号証(枝番を含む。)を提出した。
1.本件商標は商標法第8条第1項に該当する。
(1)本件商標
▲1▼本件商標は、別紙に示したとおり、上半分を白地、下半分を黒地にした二重の楕円からなる輪郭内の上半分に「★週3日制★★システム予備校★」の文字を、下半分に白抜きで「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」の文字を、輪郭の内部には図案化された鳥の図形を表示してなるものである。
一般に図形と文字からなる商標にあっては、これらの間に密接な関連性がなく、構成全体をもって、これを一体のものとして把握しなければならない格別な事情がない以上、文字の部分のみを捉えて取引に資される場合が決して少なくない(甲第3号証ないし甲第7号証)。
そうすると、文字と図形とが一体となって特定の観念を生じるものではない本件商標にあっても、文字部分は、図形部分とは独立して自他役務識別標識としての機能を果たすとするのが相当である。
また、本件商標中の「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」の文字は、一連に称呼するには冗長であり、かつ、いずれの部分をもって分離抽出して称呼し得るものではないことから、本件商標に接する需要者は、上部に位置して読みやすく、観念上強い印象を与える「★週3日制★★システム予備校★」の文字部分に注目して「シュウミッカセイシステムヨビコウ」、「シュウミッカセイシステム」、あるいは単に「シュウミツカセイ」の称呼をもって取引に当たるものである。
▲2▼現に、被請求人は、本件商標を使用する際、頒布する広告・パンフレット等に、「週3日制」あるいは「週3日制システム」の文字を大きく表示しているばかりでなく、本件商標の設定登録前から新聞紙上等において、「週3日制システム」あるいは単に「週3日制」の文字を頻繁に使用し、その周辺に「メイン授業3日、残りの3日も無料補講」あるいはこれに類する表現方法を用いており、「週3日制」あるいは「★週3日制★★システム予備校★」の文字部分を単独で看者の注意を惹かせようとしていることは明らかである(甲第8号証ないし甲第11号証)。
しかも、下記(2)で述べるように、引用商標が独特の授業システムをもって、請求人の一人である「株式会社週三日制予備校連盟」(代表者「矢野宗治」、以下「週三日制予備校連盟」という。)の業務に係る役務を指称するものとして広く認識されるに至っていることから(甲第12号証)、本件商標に接する需要者の間では「週3日制」あるいは「週3日制システム」の語は、単独で自他役務識別機能を発揮し得るものであることは明らかである。
(2)引用商標
▲1▼引用商標は、その出願経過からもわかるように、継続的に長期的に使用した結果、従来の「週に6日、あるいは5日間」教室において指導するという授業システムを採用する予備校とは異なり、「1週間のうち3日間は講師による授業を受け、残りの3日間は講師の指導に基づく自主学習、あるいは希望により補講を受ける」といった授業システムを採用する予備校を指称するものとなっている(甲第12号証)。
▲2▼この授業システムは、その創始者及び引用商標の当初の出願人である奥野光太郎(以下「奥野」という。)が、昭和62年に正式採用したのを皮切りに、これ以後「大阪予備学院」等、数々の予備校に使用させてきた独特の授業システムである(甲第13号証)。
▲3▼その後、奥野から引用商標の商標登録を受ける権利を譲渡された現商標権者の中山鑛次は、矢野宗治(以下「矢野」という。)に引用商標の独占的使用許諾を与えている(甲第14号証)。
▲4▼矢野は、平成3年に兵庫県加古川市で予備校経営をはじめる際に、引用商標の使用を開始し、東京サクセス予備校等、全国各地の予備校にこの授業システムを採用させるとともに、引用商標についての再使用許諾を与えて使用させており、引用商標を使用する予備校が全国的に増加した(甲第15号証ないし同第26号証)。さらに、矢野は、平成6年に自ら引用商標の再使用許諾を与えた「週3日の授業と残りの3日の自主学習」という授業システムを採用するこれら予備校間のネットワークを展開すべく「週三日制予備校連盟」を発足させるに至っている(甲第27号証及び甲第28号証)。
この結果、これらの予備校は従前より行っていた独自の宣伝・広告活動に加えて、引用商標を、「週三日制予備校連盟」の名と共に大々的に宣伝、広告している(甲第25号証及び甲第26号証、甲第29号証ないし甲第32号証)。
▲5▼このように、引用商標は、矢野及び週三日制予備校連盟加盟校による継続的使用の結果、その要部である「週3日制」部分より、「シュウミッカセイ」の称呼が生じるものであり、観念においても、「1週間のうち3日間は講師による授業を受け、残りの3日間は講師の指導に基づく自主学習、あるいは希望により補講を受けるといったシステムを採用する予備校」といった観念を生じさせるに至っているものである。
(3)本件商標と引用商標との類似性
本件商標と引用商標とは、共に「シュウミッカセイ」の称呼を生じ、観念においても「1週間のうち3日間は講師による授業を受け、残りの3日間は講師の指導に基づく自主学習、あるいは希望により補講を受けるといったシステムを採用する予備校」といった観念を生じさせる類似の商標であり、指定役務も同一である。
また、引用商標は、本件商標の先願に係るものである。
2.本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。
上記1.のとおり、引用商標は、本件商標出願時には奥野及び矢野の使用により、既に需要者、取引者の間で広く認識され、周知となっているものである。
そして、本件商標と引用商標とは、共に「シュウミッカセイ」の称呼を生じ、称呼上類似する商標である。
したがって、本件商標は、未登録周知商標と類似であるにもかかわらず登録されたものである。
3.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標中の「★週3日制★★システム予備校★」及び「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」は、自他役務識別機能を果たさない付記的・付随的部分と捉えるものであり、文字部分のみを要部と捉え、本件商標を称呼、観念することはないから、本件商標と引用商標とを混同することはない旨主張する。
しかしながら、乙第1号証ないし乙第6号証の事例は、いずれも当該文字部分が商品の品質、用途等を表示する部分として普通に使用されているか、あるいはこれに類する取引の実情を考慮した上で認定がなされているのに対し、本件商標の「★週3日制★★システム予備校★」の文字部分は、被請求人が自ら株式会社旺文社インタラクティブ発行「98全国予備校ガイドブック」において、「日本初の週三日制システム」を標傍し(甲第33号証)、しかも、被請求人が引用商標の登録を取り消すために異議申立てをした中で、商標「週3日制」ないし「週3日制システム」を使用して需要者の間で広く知られている旨主張するように(甲第34号証)、それ自体単独で自他役務識別標識として使用した経緯が見られ、単に役務の質を表示し、自他役務識別機能を果たさない付記的・付随的部分であるとの主張と矛盾するものである。
また、引用商標が使用により、単に「1週間のうち3日間のみ授業を行う」といった役務の質ではなく、「週3日の授業と残り3日の自主学習」という特異なシステムを採用する請求人の業務に係る役務を表示するものとして、需要者及び予備校関係者の間で周知となっているところからも、本件商標の文字部分は、受験生等にとって最も注意を惹きやすい特別な意味を持つ部分、即ち要部として認識されるものである。
(2)被請求人は、本件商標の要部は、中心部に大きく表された鳥の図形であり、文字部分は、予備校の教授システムをアピールする宣伝文句を表した付記的・付随的部分にすぎない旨主張する。
本件商標の現実の使用態様(甲第8号証及び甲第9号証)、取引の実情(甲第33号証及び甲第34号証)及び引用商標が請求人の業務に係る役務を表示するものとして受験生の間で広く認識され、「週3日制」の文字が要部として認識されるに至っている事実を勘案すれば、本件商標中の「★週3日制★★システム予備校★」の文字部分は、単なる宣伝文句と認められるものではない(甲第35号証ないし甲第44号証)。また、予備校の宣伝広告に擬人化された動物の図形等が採用されるケースは多く見られる(乙第8号証、甲第33号証、甲第45号証及び甲第46号証)が、本件商標は、鳥の図形と文字部分を不可分一体に認識されるものではなく、むしろ「週3日の授業と残り3日の自主学習」という特異な授業システムを採用する特定の予備校が、宣伝広告用に鳥のマークを採用したものといった印象を与えるにすぎないものであって、受験生等が本件商標に対して抱く印象、記憶、連想等は、まさに引用商標と共通するものであり、本件商標と引用商標とを混同することは明らかである。
(3)被請求人は、請求人が提出する証拠はいずれも本件商標の出願日より後に発行されたものか、または発行年月日が不明なものばかりであり、これによっては、引用商標が本件商標の出願時には既にわが国において周知となっていたことを立証することはできないと主張する。
しかしながら、引用商標は、前記したように、奥野が使用して周知となっていたのは予備校業界に携わる第三者にも明らかであり(甲第46号証3頁、甲第48号証ないし甲第50号証)、同人が平成1年に被請求人が経営する予備校を退職した後も「週3日制予備校システム」を採用し、なんば予備校等の予備校経営を継続していることからも、引用商標が本件商標の出願前に受験生等の間で周知となっていたのことは明らかでる。
また、なんば予備校で講師を勤めた矢野(甲第45号証)が、前記したように、週三日制予備校連盟を設立して「週3日制予備校」の全国展開を図って今日に至っていることからも、矢野が兵庫県加古川市で開校する平成3年以前に、既に同人が経営に参画する「週3日制予備校」は、関西少なくとも阪神地区の受験生の間では周知性を獲得していたものである。
そうすると、本件商標出願時に引用商標がその通学圏である阪神地区一円で周知商標となっていることが明らかである。
IV 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1.商標法第8条第1項について
(1)本件商標は、常にその構成部分全体で一体の商標として需要者に捉えられるものであって、その構成中の「★週3日制★★システム予備校★」及び「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」は、需要者が自他役務識別機能を果たさない付記的・付随的部分と捉えるものであるから、文字部分のみを称呼、観念することはなく、本件商標と引用商標との類否を判断する上での商標の要部とはなり得ないものであり、したがって、本件商標と引用商標とを混同することはない。
商標のある構成部分が独立して自他役務の識別標識たりうるか否かは、商標の構成全体の中で、その部分がどのような役割を果たすものとして需要者に捉えられるのかを客観的に考慮し判断すべきである(乙第1号証ないし乙第6号証)。
以下、本件商標の上記文字部分が需要者(主に受験生)にどのように捉えられるのかを検討する。
(2)本件商標は、帯状の縁取りを有する略楕円図形の中心に鳥を擬人化した図形が描かれてなるものである。鳥の図形の左右には、細長い平行四辺形が2つずつ描かれており、上記帯状の縁取りには、上下にそれぞれ「★週3日制★★システム予備校★」及び「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」なる文字が表されている。
本件商標において、鳥の図形は、大きく中心部に表されているものであり、その左右に2つずつ配された平行四辺形により視覚的に強調されているばかりでなく、該図形は、予備校の提供する教授サービスとは本来何の関連性もなく、その特異性も相俟って受験生の注意を強く惹くものであるのに対し、文字部分は、略楕円図形の外縁にごく普通の書体で鳥の図形に比べて小さく表され、それぞれの文字部分は、「週に3日の(授業を行う)システムをとる予備校」および「成功のための週あたり3日(の授業)」といった意味合いで無理なく捉えることができるものである。
そして、予備校の数が増え、生徒獲得の競争がきびしくなっている受験業界においては、独自色を出して受験生を集めるために、各校が様々な教育システムを積極的に採用し、その教育システムを宣伝等においてアピールすることが行われている(乙第7号証及び乙第8号証)状況からすると、本件商標中の鳥の図形が顕著に表されていることも考慮すれば、受験生は、本件商標の文字部分を、予備校の教授システムをアピールする宣伝文句を表した付記的・付随的な構成部分として捉え、自他役務の識別標識とは捉えないといえる。
(3)「週3日制予備校」単独の構成からなる文字商標が登録されているからといって、それが本件商標中の文字部分が自他役務識別機能を発揮するということの直接の根拠にはならない。
即ち、乙第1号証ないし乙第4号証にも見られるように、ある文字がそれ単独で自他役務の識別力を発揮するとして商標登録されている場合でも、それが他の文字や図形と結合され、他の商標の構成部分の一部となった場合には、その表され方により、商標の要部としては需要者に捉えられない場合も多々あるからである。
本件商標に対して需要者が抱く印象、記憶、連想等は、引用商標「週3日制予備校」に対するものとは全く異なるもので、本件商標が上記のような文字部分を含むからといって、需要者が本件商標と引用商標とを混同することはありえない(乙第9号証)。
2.商標法第4条第1項第10号について
本件商標と引用商標とは上記1.で述べたとおり、非類似の商標であるから、引用商標の周知性を問題にするまでもなく、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない。
なお、引用商標の周知性について言及するならば、請求人が提出した証拠は、いずれも本件商標の出願日である平成5年3月3日より後に発行されたものか、または、発行年月日が不明なものばかりである。甲第24号証には「平成三年から『週3日制予備校』は歩き始めた。」という記載があるが、これが当事者たる矢野(甲第27号証)の編によるものである以上、その記載は客観性を欠くものといわざるを得ないし、この証拠によっても引用商標の周知性は何ら立証されるものではない。
したがって、請求人が提出した証拠によっては、本件商標の出願当時すでに、引用商標が請求人の業務に係るものとして、わが国で周知となっていたものとは到底認められないから、この点からしても、本件商標は商標法第4条1項第10号の規定に該当しないものである。
V 当審の判断
1.引用商標について
(1)引用商標は、前記したとおり、「週3日制予備校」の文字よりなるものであるところ、審査段階においては、引用商標は、これを指定役務中の「予備校における教授」について使用しても、役務の質、提供方法を表示するにすぎないものであり、また、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして拒絶されたものであるが、請求人は、指定役務を「予備校における教授」と補正し、審判において審理された結果、「請求人が提出した甲各号証を総合判断すれば、本願商標は、継続して役務『予備校における教授』に使用された結果、現在においては需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものと認め得る」ものとして、原査定を取り消し、設定登録されたものである。
換言すれば、引用商標は、これをその指定役務である「予備校における教授」について使用した場合は、全体として「週3日制を採用した予備校」なる意味合いを理解させるにとどまるものであるから、単に役務の質(内容)、もしくは提供の方法を表示するにすぎないものであり、本来自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきものであったが、使用により識別力を有するに至った商標として設定登録されたものということができ、したがって、引用商標は、使用によって識別力を有するに至った構成態様と同一の構成態様そのものが、全体として自他役務の識別標識として機能を発揮するものというべきである。
そうとすれば、引用商標は、その構成文字に相応した「シュウミッカセイヨビコウ」の称呼のみを生ずるものであって、「週3日制を採用した予備校」なる観念を想起させるものといわなければならない。
(2)次に、引用商標の周知性についてみるに、本件審判において提出された甲第27号証及び甲第28号証(以下、本件審判において提出された証拠については、単に「甲第○号証」、「乙第○号証」という。)によれば、請求人の一人である「週三日制予備校連盟」は、設立のための定款が平成6(1994)年12月21日に作成され、同年12月26日に設立されたことが認められる。また、甲第17号証(1995年3月17日付朝日新聞)によれば、「名古屋や東京、大阪など中小の九予備校が、『週三日制予備校連盟』を結成した」ことに関する記事、甲第18号証(1997年3月21日付神戸新聞)、甲第25号証(1997年3月19日付朝日新聞)、甲第26号証(1997年3月17日付毎日新聞)、甲第29号証(1996年3月11、13、19日、同年4月3、7日付読売新聞)、甲第30号証(1996年3月25日朝日新聞)には、「週3日制予備校」もしくは「週3日制」の表示をもって宣伝、広告したこと、甲第31号証(1996年2月14日付中日新聞)には、静岡「県初の週三日制予備校」が開校したことに関する記事が掲載された事実が認められ、引用商標はその審決時である平成9年5月22日までには、この種役務の分野においては、請求人らの業務に係る「予備校における教授」を表示するためのものとして、需要者間に知られていたことが認められるとしても、甲第19号証ないし甲第24号証として請求人らが提出した予備校のパンフレット類はいずれも製作年月日、発行日等が不明であり、甲第16号証にしても、週三日制予備校連盟の設立の経緯からすれば、平成7年頃に作成したものと推認され、請求人らが提出した証拠からは、引用商標が本件商標の登録出願日である平成5年3月3日当時、請求人らの業務を表示するものとして、広く認識されていたものと認めることはできない。他にこれを認めるに足りる客観的な証左は見当たらない。
2.「週3日制」の授業システムの使用例及び予備校の分野の実情
甲第13号証、甲第16号証、甲第31号証、甲第34号証(証拠として添付された「灘予備校のパンフッレト及び年間スケジュール表)及び請求理由を総合すれば、灘予備校は昭和62年に、「週3日制」の授業システムを導入した予備校であったことが認められる。その後、週三日制予備校連盟が設立されるまでの間、大阪予備学院、なんば予備校などで「週3日制」の授業システムが導入されたことが認められ、(「週3日制」の授業システムの創始者が誰であるかはさておいて)阪神地区においては数校の予備校が「週3日制」の授業システムを導入していたことが窺える。
また、近時、大学受験生を対象とした予備校にあっては、生徒獲得のため、各校の教授システムを受験生にわかりやすく、かつ、他校との差別化を図るために、「完全個別指導+クラス指導」「少人数制」「週休2日制」「9人制」などの語句をキャチフレーズとして普通に使用していることは、甲第25号証、甲第26号証、甲第29号証、甲第30号証、乙第7号証、乙第8号証によっても認め得るところである。
3.そこで、本件商標についてみるに、
本件商標は、別紙に示したとおり、横長の大小2つの楕円状の輪郭を二重になるように配置し、該二重楕円輪郭を上下二分するように、該二重楕円輪郭上の左右中央に、それぞれ2つの横長菱形輪郭を配置し、二分されたうちの上部の楕円輪郭と楕円輪郭の間には「★週3日制★★システム予備校★」を、黒く塗りつぶした下部の楕円輪郭と楕円輪郭の間には「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」を白抜きにして書してなり、さらに、二重楕円輪郭内に図案化した鳥の図形を中央に顕著に描いてなるものである。
そして、本件商標中の上記「週3日制」、「システム予備校」の文字部分は、全体として「週3日制方式の予備校」なる意味合いを、また、同じく「3DAYS A WEEK FOR SUCCESS」の文字部分は、「成功への週3日」なる意味合いを容易に理解させるものであって、加えて予備校の分野における前記実情を併せ考えると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の文字部分について、提供される役務の質、提供の方法を表したと理解し、自他役務の識別標識としては認識し得ないものとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、これをその指定役務に使用した場合は、その構成中、顕著に表され、看者の注意を強く惹く鳥の図形部分が自他役務の識別標識としての機能を果たし得る部分であるといわなければならない。
そして、本件商標中の鳥の図形部分は、かなり図案化されて表現されているところから、これより特定の称呼、観念は生じないものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体からは特定の称呼、観念は生じないものであって、これに接する取引者、需要者は、その構成の特異性をもって、記憶し、役務の取引に当たるとみるべきである。
4.本件商標と引用商標との比較
本件商標は、上記3.で認定したように、全体として特定の称呼、観念は生じないものであるから、引用商標とは、称呼、観念において比較することはできないものであり、また、両商標は、前記したそれぞれの構成よりみて外観上明らかに区別し得るものである。
してみると、本件商標と引用商標は、称呼、観念、外観のいずれの点についても非類似の商標といわなければならない。
5.むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、商標において類似するものでなく、また、引用商標は、本件商標の登録出願当時、請求人らの業務を表示するためのものとして、需要者に広く認識されていたものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第10号の規定に違反してなされたものではないから、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別紙

審理終結日 1999-07-13 
結審通知日 1999-07-30 
審決日 1999-08-09 
出願番号 商願平5-21202 
審決分類 T 1 11・ 4- Y (041 )
T 1 11・ 252- Y (041 )
最終処分 不成立 
前審関与審査官 寺光 幸子小川 きみえ 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 小林 薫
茂木 静代
登録日 1997-05-09 
登録番号 商標登録第3301006号(T3301006) 
商標の称呼 1=シ+ユ-ミ+ツカセイシステムヨビコ- 2=スリ-デイズアウイ-クフ+オ-サクセス 
代理人 畑岸 義夫 
代理人 川崎 実夫 
代理人 稲岡 耕作 
代理人 亀井 弘勝 
代理人 西川 惠清 
代理人 森 厚夫 
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