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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1001630 
審判番号 審判1993-19190 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-02-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 1993-09-30 
確定日 1999-08-02 
事件の表示 上記当時者間の登録第2486299号商標の登録無効審判事件について、つぎのとおり審決する。 
結論 登録第2486299号商標の登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 本件は、「IZODCLUB」の文字を左横書きしてなり、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品とし、昭和59年8月20日に商標登録出願、平成4年12月25日に設定の登録がなされた登録第2486299号商標(以下「本件商標」という)に係る商標法第46条の規定に基づく登録無効審判請求(以下「本件請求」という)事件である。
第1.請求の趣旨等
本件請求人(以下「請求人」という)は、結論掲記の審決を求め、その理由を要旨つぎのとおり述べ、証拠方法として甲第1号証〜甲第24号証(枝番を含む)を提出する。
また、請求参加人は、請求人と同旨の審決を求め、請求人の理由および証拠方法を援用すると共に丙第1号証〜丙第10号証(枝番を含む)を提出する。
1.本件商標は、商標法第4条第1項第10号または同第15号に該当する。
(1) 商標「IZOD」の周知著名性について
▲1▼ 請求人は、米国のアパレルメーカーであり、「IZOD」は、その紳士用スポーツウェア等の被服製品の商標として米国のみならず世界的にも著名である。
▲2▼ 「IZOD」製品の誕生は、1951年、英国の洋服屋「ジャックアイゾッド」の名の下に米国でラコステシャツ(仏国のラコステ社より商標の使用許諾を受けており、ラコステシャツの「IZOD」は、仏国のラコステシャツに対する米国版)が販売されたことに始まり、米国において販売されるとすぐに米国のスタンダードとなり(甲第4号証)、30年以上の長年にわたる事業の継続により、特に、1970年後半「IZOD」のポロシャツは、米国ファッションのステータス(甲第9号証)及びファッションの専門ブランドの一つ(甲第13号証)としての地位を確固たるものとしている。
▲3▼ 「IZOD」製品事業は、1956年3月にニューヨーク法人「Izod Limited」(以下「アイゾッド社」という)として会社設立され(甲第7号証の3頁)、
1977年5月に「ゼネラル ミルズ インコーポレーテッド」(以下「ゼネラル ミルズ社」という)に吸収合併され、ファッション関係の重要な事業部門(Izod Limited Division)として継続され(甲第20号証)、
1985年11月に請求人が承継し(甲第8号証)、「Izod Division」として米国のみならず世界各国において「IZOD」製品を製造・販売している。
▲4▼ ブラジル、パナマ、ジャマイカ、チリ、フィリピン、中国、香港、インドネシア、マレーシア、タイ、台湾、韓国、スリランカ、シンガポール、サイパン、マリアナ諸島、モーリシャス諸島、ドミニカ、プエルトリコ、ポルトガル、ユーゴスラビア、イタリア、英国においてライセンシーの下に「IZOD」製品を製造・販売している。
▲5▼ 請求人は、「IZOD」に関連する商標について、世界各国で約80もの商標登録を取得している(甲第3号証)。
▲6▼ 本件商標が出願された前後数年間における「IZOD」製品の販売額は、1982年6月〜1983年5月には3.90億ドル、1983年6月〜1984年5月には3.45億ドル、1984年6月〜1985年5月には2.74億ドルであった。
▲7▼ 我が国においても米国での1970年後半の「IZOD」ポロシャツの爆発的流行を受けて(甲第9号証)、1980年頃、新進貿易株式会社が輸入を本格化して以来、定番ポロシャツとして流行し(甲第10号証〜甲第12号証、甲第14号証、甲第15号証)、たびたび雑誌等によって紹介された(甲第9号証〜甲第11号証、甲第13号証〜甲第16号証)。
▲8▼ したがって、本件商標の出願日以前に、我が国の被服およびこれに関連する業界において、「IZOD」が請求人の商標として広く認識されていたことが明らかである。かかる事実は、被請求人が第17類に商標登録出願した「IZOD」の商標に対して請求人が行った過去の登録異議申し立ての決定においても認定されている(甲第17号証)。
(2) 本件商標と商標「IZOD」との類似性について
▲1▼ 本件商標中の「IZOD」は、極めて特異な言葉であり、その語自体に強い識別力を有するものであり、前述のとおり請求人の著名な商標である。
また、本件商標中の「CLUB」は、ある共通の目的物を指向する人々の集まり(倶楽部、愛好会)を意味する語として、また、我が国において商標中に他の語に結合させ「---CLUB」という形で良く使用されている語であり、それ自体、自他商品識別力の弱い語である。
したがって、本件商標は、その構成中「IZOD」の部分が要部として特に需要者、取引者の注意を惹くものである。
▲2▼ 本件商標は、全体としても「請求人のIZOD製品の倶楽部、愛好会」を容易に認識されるものであるから、本件商標の要部が「IZOD」の部分にあること明らかである。
したがって、本件商標からは、「IZOD」の部分より「アイゾッド」のみの称呼も生じるものである。
▲3▼ 本件商標が一体として認識され、「アイゾッドクラブ」と一連に称呼された場合であったとしても、上述の理由から、本件商標を見たまたはその称呼を聞いた取引者、需要者が請求人の「IZOD」製品を想起するおそれが十分にあるので、本件商標が使用された商品は、請求人またはそれに関連あるものの業務に係る商品と誤認されるおそれがある。
▲4▼ 以上のことから、本件商標と請求人の著名商標「IZOD」とは、混同のおそれのある類似商標である。
(3) 商品の出所混同の可能性について
上述したとおり、請求人の商標「IZOD」は請求人の被服について周知・著名であり、しかも本件商標と請求人の商標「IZOD」とは類似するものである。
また、本件商標の指定商品と請求人の商品は相互に抵触または類似する。
したがって、本件商標が、その指定商品に使用されれば、係る商品が請求人の商品あるいは請求人と何らかの関係がある者による商品と混同されるおそれがあることが明白である。
2.本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(1) 「IZOD」は、極めて特異な言葉であり、被請求人が独自に考え出したとはとうてい考えられない。したがって、本件商標は、請求人(「被請求人」としているが誤記と認める)の世界的な著名商標「IZOD」をコピーしたものに違いないと考えられる。
(2) 被請求人は、昭和57年にラコステ偽造品の販売で摘発されているという事実がある(甲第5号証、甲第6号証)。
また、被請求人は、第17類に「IZOD」の商標登録出願(商願昭57-21477号、昭和63年審判第20718号、甲第17号証)もしているが、この出願時期は、上記偽造品の摘発時期にほぼ符号する。
(3) 請求人の「IZOD」がラコステシャツのアメリカ版を指称することは上述したとおりであり、ラコステ商品に特に関心のあった被請求人が請求人の著名商標「IZOD」の信用に便乗しようとして本件商標を商標登録出願したことは、明白である。
(4) 被請求人は、商標「IZOD」の商標登録出願(商願昭57-21477号)に加え本件商標を商標登録出願したのであるから、請求人の著名商標「IZOD」の信用を不正に利用しようとしたこと明らかである。
(5) したがって、被請求人の本件商標の出願・登録行為は、請求人の世界的な著名商標の信用に便乗しようとする不正競争的行為であり、健全な商品流通秩序および競合秩序の保護・形成という我が国商標法の目的に反し、国際信義違反、公正な取引秩序違反など公の秩序に反する行為である。
第2.被請求人の答弁
被請求人は、本件請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨つぎのように述べ、証拠方法として乙第1号証〜乙第4号証を提出する。
1.商標「IZOD」の著名性は、認められない。
(1) 商標「IZOD」の使用に関する事実につき、その使用者がたびたび変化しており、最終的には「クリスタル ブラウンズ インコーボレーテッド」なる名義が使用されている。
(2) 請求人が自ら作成した甲第1号証、甲第2号証の証拠は、請求人が勝手に作成した会社年報等と称する書面であって、全く客観性の無い書面であり、かつ、作成日付け自体も不明なものである。
(3) 甲第4号証の雑誌「TIME」の記事は、「Lacoste」ブランドの関連のものであり、その一態様として「Izod Lacoste」があることを示すに過ぎないものであって、「Lacoste」の著名性を示唆するものであっても「Izod」の著名性を示唆するものではない。
(4) 甲第8号証の書面は、単に一私人(それも秘書補佐なる役職者)の作成した私文書であり、その内容は全く信憑性がない。何故、公証人等の公的文書で作成されないのか極めて不自然である。
(5) 上述の証拠からは、請求人が「ゼネラル ミルズ社」とか「アイゾッド社」とどの様な関係に立つのかは不明である。
(6) 「アイゾッド社(米国ニューヨーク市所在)」なる会社が米国内に存在していた事実は発見できず、また仮に存在するという会社が「IZOD」なる商標を我が国で使用した事実もない。当方の調査によれば、米国内で「アイゾッド社」の存在を裏付ける資料は見当たらない。
(7) 商標法第4条第1項第15号に該当するというのであれば、その他人の商標が単に我が国で認識されているだけでは足らず、周知または著名な商標として認識されている必要がある。
「IZOD」なる商標が、本件商標(「本願」とあるが誤記と認める)の指定商品について上記の「アイゾッド社」の商標であるとして本件商標出願時において周知著名となっていたとの事実も認められない。
(8) 日本国内で「IZOD」なる商標が広く知られているというのであれば、その事実は被請求人が永年にわたり使用した実績によって、その状態が形成されたものと考えるべきであって、その利益は被請求人に帰属すべきものである。
(9) 甲第13号証〜甲第16号証の証拠は、何れも本件商標の出願日以後に発行されたものであって反論するに足らない。
(10) 甲第22号証は、上記事実の認定を誤ってなされた判断であるから、その結論をそのまま本件に適用することはできない。
少なくとも、「IZOD」の商標が日本国内において請求人の商標として著名であった等とは認められないことだけは確かである。
(11) 甲第23号証は、被請求人が関与したものではなく、どの様な証拠であったのかが不明であるため、その結論のみでは反論は不可能であるが、少なくとも上述の主張より甲第23号証の結論は誤っていると考えられる。
2.上記事実を勘案すれば、本件商標が商標法第4条1項第10号および同第15号に該当するとは認められない。
3.商標「IZOD」と本件商標とは類似しない。
(1) 「CLUB」の文字よりなる商標は、それ自体単独で立派に登録商標として存在する事実がある(乙第1号証、乙第2号証)のであるから、「CLUB」の部分に要部がないということはできず、自他商品の識別力を有するものであることは明白である。
(2) 欧文字「CLUB」を欧文字「ART」と一連に結合させた「ARTCLU
B」の商標は、「CLUB」の文字のない「Art」との商標とは相互に非類似である(乙第3号証、乙第4号証)から、商標「IZOD」と本件商標とは非類似である。
4.本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(1) 本件商標の出願は、被請求人が独自に選択したマークを出願したものである。
(2) 甲第5号証、甲第6号証の新聞記事は、本件とは全く関係の無いことであり、また、その事件の真実は単に被請求人が輸入元会社から事件に関する商品を真正商品であると信用して購入しただけである。その意味で被請求人も被害者であった。これらの事実は、その後の調査ではっきりしたことである。
単に、新聞記事の一面だけで、被請求人の悪意を指摘することは甚だ侵害である。
第3.判断
1.商標「IZOD」の著名性について
(1) 商標「IZOD」に関する営業権の推移
▲1▼ 甲第4号証(1986年9月1日の雑誌「TIME」32頁の写し)によれば、1951年に「IZOD LACOSTE」シャツは、英国の有名な洋服屋「ジャック アイゾッド(Jack Izod)」の名の下に米国で最初に販売されたこと、
▲2▼ 甲第7号証(1977年5月23日に署名されたニューヨーク州の事業法人法第907条の下の合併証明書の写し)によれば、1956年3月14日に「アイゾッド社」は設立され、1977年5月25日にゼネラル ミルズ社に合併されたこと、
▲3▼ 甲第8号証(1987年4月28日付けゼネラル ミルズ社作成の事業移転証明書の写し)によれば、1985年11月1日にゼネラル ミルズ社のファッション グループ本部のアイゾッド リミテッド部門は、請求人に移転されたこと、
▲4▼ 丙第1号証の1(1995年1月24日付け営業譲渡契約書)によれば、請求人より参加人に「IZOD」に関する営業権が譲渡されたことが確認できる。
(2) 請求人の営業
▲1▼ 甲第1号証(1986年版請求人会社年鑑)によれば、請求人は、良く知られたブランド(別紙引用A商標、引用B商標、引用C商標およびワニの図形商標を紳士、婦人および子供用のアクションウェア、スポーツウェアに、商標「Ship’n Shore」及び「Haymaker」を女性用のブラウス及びスポーツウェアに、商標「Monet」、「Yves Saint Laurent」及び「Evoke」を装身具に)の下に衣服、装身具等を生産し、工場卸小売店チェーン「Fasbion Flair」を経営する会社であること、
▲2▼ 「Izod」スポーツウェアは、別紙引用C商標の下にカントリークラブ、プロショップ及び百貨店を通じて販売されており、また、「Izod Club」のニットシャツは、注文によってはカントリークラブの記章および図形をつけて作られていること、
▲3▼ 別紙引用A商標、引用B商標、引用C商標が男性用被服(Yシャツ、セーター)に使用されていること、
▲4▼ 別紙引用B商標が子供用衣服に使用されていることが認められる。
(3) 甲第20号証の1〜同35によれば、本件商標の出願日前(1956年〜1983年)の外国における新聞、雑誌、その他の広告物において別紙引用A商標、商標「IZOD」、商標「Izod」及び商標「izod」の使用が認められる。
(4) 甲第9号証〜甲第12号証の1〜同4によれば、本件商標の出願日前(昭和54年〜同57年)の我が国における雑誌、その他の広告物において別紙1商標、商標「IZOD」及び商標「Izod」の使用が認められており、そして、
▲1▼ 昭和54年8月1日 株式会社婦人画報発行「MEN′S CLUB8月号」(甲第9号証)には「アイゾッド製のポロシャツ」、「特にワニ印のアメリカ版 アイゾッド のものは、ステータスにもなっている」及び「アイゾッドのアメリカ製ラコステ」の記載があること、
▲2▼ 昭和55年6月25日 平凡出版株式会社発行 「POPEYE 1980年6月25日号」(甲第10号証)及び昭和56年4月10日発行「同雑誌 1981年4月10日号」(甲第11号証)には「アイゾッドは身頃の長さがバツグンだ」、「アイゾッドはアメリカの会社で、フランスのラコステ社からワニ印を使う権利を買っているのだ。そのアイゾッドが同じ色でも3種類ある。フランスえりのものが2タイプと、イングランドえりのものが1タイプあるわけ。アイゾッドは色が豊富だけど、フランスのラコステ社の作っているポロシャツの色とは少し違うのだ。」、「IZOD LACOSTEの文字とワニの図形」の商標の記載があること、
▲3▼ 昭和57年2月25日〜28日に武蔵野市吉祥寺本町1-12-13 ウィズビル1Fで開催された「パリス・吉祥寺」のブランドディスカウント パリス・吉祥寺オープニングセールの広告チラシ(甲第12号証の3)には「IZODの文字とワニの図形とLACOSTEの文字」の商標とラコステ(アイゾッド・ラコステ)の記載があること、
▲4▼ 昭和57年4月5日〜7日にビル葆光5階で開催されたメンズショップ「イタリ屋」の一流ブランド直輸入品大バーゲンの広告チラシ(甲第12号証の2)及び同年6月7日〜9日に京都染織会館8階で開催された同店の同バーゲンの広告チラシ(甲第12号証の2)には「IZODの文字とワニの図形とLACOSTEの文字」の商標の記載があること、
▲5▼ 昭和57年4月15日〜17日に福井県順化1-3-4 福井人絹会館1Fで開催された一流ブランド製品取扱い専門店「ゲット」のブランドフェアの広告チラシ(甲第12号証の1)には、「IZODの文字とワニの図形とLACOSTEの文字」の商標の記載があることからすると、
この時期には別紙1商標、商標「IZOD」及び商標「Izod」は、我が国において少なくとも「ポロシャツ」に関する商標として「ラコステのアメリカ版」として、取引者は当然、一般需要者間においても知られていたであろうことが認められる。
(5) 服飾等流行を先取りする分野にあっては、それに関連する取引者、デザイナー等は、流行の最先端と言われるフランス、イタリア、米国などの流行をいち早く知り、取り入れ、消費者に紹介するということは、ごく普通に行われていること、及び近時、海外への旅行者の増加、多種多様の発展等に伴い一般消費者自ら海外の流行に直接触れる機会が多いことからすれば、米国等において著名な商標は、日本においてもよく知られているとみて差し支えないといえる。
(6) 以上を総合すれば、別紙引用A商標、引用B商標、引用C商標および「IZOD」は、本件商標の出願日には我が国における取引者・需要者間においてポロシャツの商標として周知・著名であったとするを相当とする。
2.本件商標と上記引用各商標との類似性
本件商標は、「IZODCLUB」の文字を左横書きしてなるところ、特定の事物・事象を表す既成語で無いことは明らかであり、「イゾッドクラブ」或いは「アイゾッドクラブ」と称呼されるのが一義的であるが、「CLUB」の文字は、▲1▼ゴルフやホッケーのクラブのほか、▲2▼政治・社交・スポーツ・趣味など共通の目的によって結合した人々の団体等を意味する英語として我が国においても親しまれ、「…CLUB」のように団体等の名称の末尾にしばしば使用されている語であり、この場合「…」の部分に比べ「CLUB」の部分は識別力が弱いものとなり、識別上機能するのは「…」の部分になりがちであること、上述のとおり「IZOD」の文字がポロシャツの商標として我が国においても周知・著名であること及び「IZOD」の特異性とを考え合わすとき、本件商標に接する取引者・需要者は、「IZOD」の部分に着目し、本件商標を単に「イゾッド」または「アイゾッド」と略称するか或いは本件商標から「IZOD」のシリーズもの等を想起し請求人の商標「IZOD」と何らかの関係のあるものと誤認・混同するおそれがあるものと言える。
請求人が引用する別紙引用A商標、引用B商標および引用C商標は、「I」の文字部分を「糸巻きを模した」ようにデザイン化してなるが、昨今の商標のデザイン化傾向からすれば、この程度のデザイン化においては取引者・需要者は十分読みこなし、むしろ、この外観の特異性をもって愛着を覚え、記憶され易いものと考えられることから、これら引用商標は「IZOD」の綴からなるものと容易に認識され、「イゾッド」或いは「アイゾッド」と称呼されるものとするを相当とする。
してみれば、本件商標と引用各商標とは類似する商標と言わざるを得ない。
3.出所の混同
本件商標の指定商品は、商品区分第17類「被服、その他本類に属する商品」であり、引用各商標が使用されている商品は、被服に含まれる「ポロシャツ」であって、上述のとおり本件商標は、ポロシャツの商標として周知・著名な引用各商標と類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用したときは、それに接する取引者・需要者は、その商品の出所について誤認・混同するおそれが多分にある。
4.公序良俗違反
上述のとおり、引用各商標は、本件商標の出願日には我が国において「ポロシャツ」の商標として周知・著名であったこと、被請求人は請求人と同様に流行には敏感なファッション製品業界の同業者であること、引用各商標が特異性のある商標であること及び被請求人は本件商標の他に「IZOD」の文字からなる商標を商標登録出願していることを考え合わせれば、被請求人は本件商標を独自に案出したとは考え難く、引用各商標の周知・著名性に便乗しようとして本件商標の商標登録を得たとするを相当とする。
してみれば、被請求人が本件商標の商標登録を得、使用することは、取引秩序を乱し、善良な風俗を乱し、かつ、国際信義に反する行為と言わざるを得ない。
5.まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号および同第7号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により無効とする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別紙



審理終結日 1998-11-30 
結審通知日 1998-12-15 
審決日 1999-01-29 
出願番号 商願昭59-90907 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (117 )
最終処分 成立 
前審関与審査官 川津 義人 
特許庁審判長 有阪 正昭
特許庁審判官 水莖 弥
大渕 敏雄
登録日 1992-12-25 
登録番号 商標登録第2486299号(T2486299) 
商標の称呼 1=イゾードクラブ 
代理人 松尾 和子 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 小山 義之 
代理人 加藤 建ニ 
代理人 中村 稔 
代理人 加藤 建二 
代理人 大島 厚 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
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