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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W03051420212430
審判 一部申立て  登録を維持 W03051420212430
審判 一部申立て  登録を維持 W03051420212430
審判 一部申立て  登録を維持 W03051420212430
管理番号 1380118 
異議申立番号 異議2021-900127 
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-04-02 
確定日 2021-10-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6339087号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6339087号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6339087号商標(以下「本件商標」という。)は、「ANIMAL CROSSING」の文字を標準文字で表してなり、令和元年12月17日に登録出願、第5類「ビタミン剤,制汗剤,医療用せっけん,医療用ペット用シャンプー,医療用ヘアーローション,医療用入浴剤,医療用化粧品、せっけん類及び歯磨き,医薬用シロップ,医薬用トローチ,殺虫用の動物用シャンプー,目薬,防虫剤,消毒薬,殺菌剤,殺虫剤,中味の入っている救急箱,衛生マスク,ばんそうこう,包帯,脱脂綿,薬剤用カプセル,乳児用おむつ,ペット用おむつ,乳児用粉ミルク,栄養補助食品,食餌療法用食品,乳児用食品,動物用サプリメント(薬剤に属するものを除く。)」並びに第3類、第14類、第20類、第21類、第24類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同2年12月7日に登録査定、同3年1月12日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、現に有効に存続している。
1 登録第5522078号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成23年12月19日
設定登録日:平成24年9月14日
指定商品:第29類「アミノ酸・ビタミン・ミネラル・プロテイン等を主原料とする粉状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・液状・棒状の加工食品」
2 登録第5888963号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成28年4月26日
設定登録日:平成28年10月14日
指定商品:第5類「栄養補強剤,栄養補助サプリメント,粉末状の飲料のもとの性質を有する栄養補助サプリメント,サプリメント」

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品中、第5類「ビタミン剤,制汗剤,医療用せっけん,医療用ペット用シャンプー,医療用ヘアーローション,医療用入浴剤,医療用化粧品、せっけん類及び歯磨き,医薬用シロップ,医薬用トローチ,殺虫用の動物用シャンプー,目薬,防虫剤,消毒薬,殺菌剤,殺虫剤,中味の入っている救急箱,衛生マスク,ばんそうこう,包帯,脱脂綿,薬剤用カプセル,乳児用おむつ,ペット用おむつ,乳児用粉ミルク,栄養補助食品,食餌療法用食品,乳児用食品,動物用サプリメント(薬剤に属するものを除く。)」(以下「申立てに係る商品」という。)について商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、「ANIMAL CROSSING」の標準文字よりなるが、単語間にスペースがある構成からも「ANIMAL」と「CROSSING」の語の組合せとして認識されるものである。そして、前半の「ANIMAL」は、「動物」を意味する平易な英単語として理解される一方、後半の「CROSSING」は、にわかには特定の意味内容をとらえ難い語である。
「ANIMAL CROSSING」の全体についても、既存のフレーズではないため、必ずしもひとまとまりのフレーズとして認識されるものではない。本件商標は、一般に馴染みのある英単語「ANIMAL」がまず印象に残り、「CROSSING」は、付記的な印象を与えるにとどまるため、より目立つ「ANIMAL」が独立した識別標識として機能する場合もあるといえる。
すると、本件商標は、「ANIMAL」の部分から「アニマル」の単独の称呼が生じ、またここから「動物」の観念が生じるものといえる。
他方、「A」をデザイン化したような図形部分と、「Animal」の文字の組合せよりなる引用商標1は、後者より「アニマル」の称呼が生じ、「動物」の観念が生ずる。また、引用商標2も「ANIMAL」の文字と図形を一体的に組み合わせた態様よりなるが、「ANIMAL」は十分に読むことができる態様であるので、これより「アニマル」の称呼が生じ、「動物」の観念が生ずる。
加えて、申立てに係る商品には、引用商標の指定商品と類似するものが包含されている。
したがって、称呼及び観念において引用商標と共通する本件商標は、上記指定商品において引用商標と類似し、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の業務に係る「ANIMAL(アニマル)」というブランドのサプリメント(以下「申立人商品」という。)は、特に筋肉を鍛える際にとる「サプリメント」として有名なものであり、長年の幅広い販売実績により、この分野の需要者らには、「ANIMAL」あるいは「ANIMAL」シリーズとして申立人商品は定着している。
申立人商品は、1984年から引用商標のもと、全世界で広く販売されてきたものであり、申立人商品のシリーズの中でも、とりわけ歴史を有するのが「アニマルパック」である。当該「アニマルパック」や他の商品も「ANIMAL(アニマル)」として紹介されることがあり、「アニマル☆バルクアップ 最強の肉体改造」等として「アニマル」を強調したかたちで紹介され、需要者らの間における申立人商品の代名詞は、「ANIMAL(アニマル)」である(甲4?甲15)。
このように、申立人商品のシリーズ及び引用商標は、申立人のサプリメントを示す表示として需要者らの間に広く浸透しており、その背景として長年の歴史と高い売上がある。
サプリメントにつき、「ANIMAL(アニマル)」という周知著名な表示が既に存在する一方、これと同種の商品、例えば「栄養補助食品」、「ビタミン剤」などの第5類の指定商品について本件商標が使用された場合、申立人の業務に係る商品との間で混同を生ずること必至である。
本件商標の構成中「CROSSING」は、前述のとおり、付記的印象を与える表示であるから、本件商標と引用商標は、紛らわしい。「CROSSING」が何を表すかは不明確であるものの、「CROSS」の語は、別の言葉の前後について、「相互間○○」「○○を交差させたもの」「○○の組合せ」等の意味を表すことが多い(甲16)。そして、申立人商品のシリーズには、「ANIMAL○○」「アニマル○○」というブランドが多数存在(甲13、甲14)するから、本件商標からは、「複数種を組み合わせたアニマル」「アニマルの組合せ」のような意味合いが想起され、申立人商品のシリーズの一種であるかのような誤解を需要者に与えることで出所の混同を生じる。
本件商標が「サプリメント」に近しい商品に使用された場合には、長年申立人商品のシリーズや引用商標に親しんできた需要者らに対しては、これが申立人との関連を有する商品であるかのような誤解を生じさせる。
したがって、「ANIMAL」を中心的な特徴として有する本件商標は、申立人商品のシリーズや「ANIMAL」の表示及び引用商標を通じて長年培ってきた申立人商品との間で混同を生じ、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上記第1のとおり、「ANIMAL CROSSING」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「ANIMAL」と「CROSSING」との間に1文字分の空白があるとしても、同じ書体及び大きさをもって表され、視覚上、まとまりある一体的なものとして看取される外観を有しており、その構成全体から生じる「アニマルクロッシング」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中の「ANIMAL」の文字が「動物」の意味を、「CROSSING」の文字が「横切ること、横断、交差点」等の意味を有する(小学館ランダムハウス英和大辞典)としても、本件商標の指定商品との関係においては、「CROSSING」の文字が商品の品質を表す等の格別な事情は見当たらないことから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとはいえず、本件商標は、「ANIMAL CROSSING」の文字全体として、一体不可分の造語として認識されるものである。
そうすると、本件商標は、「アニマルクロッシング」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものとして看取、把握されるとみるのが相当である。
他方、引用商標1は、別掲1のとおり、「A」をモチーフにした図形の下に「Animal.」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成態様から、図形部分と文字部分とが視覚的に分離して看取されるものであり、また、引用商標2は、別掲2のとおり、縦長のゴシック体の「ANIMAL」の欧文字と図形とを一体的に組み合わせた態様よりなるところ、文字部分がはっきり表されているものである。そうすると、引用商標は、それぞれの文字部分から、「アニマル」の称呼及び「動物」の観念が生じるといえる。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、構成態様及び構成文字数が明らかに相違するため、外観上、明確に区別できるものであり、全体の構成音及び音数が明らかに異なるため、称呼上、聴別し得るものであり、特定の観念が生じない本件商標と「動物」の観念が生じる引用商標とは、観念上、類似するとはいえない。
以上より、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても区別できるものであり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するとしても、本件商標は、引用商標と類似するとはいえないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人の営業表示は、「Universal Nutrition Inc」である(甲15)。
イ 2016年2月25日出力のウェブサイトには、以下のとおりの記載がある。
(ア)「アニマル☆バクルアップ 最強の肉体改造」のウェブサイトにおいて、「2008年02月26日 アニマルパック(筋肉増強マルチビタミン)」の見出しの下、「1984年より現在まで20年以上も全世界中でトップセラーとなっているボディビルダー用サプリメントです。」といった記載があるほか、「アニマル パック」と称する商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示があるものの、当該商品が、申立人商品であることを確認できる記載はない(甲4)。
(イ)「MX JAPAN」のウェブサイトにおいて、「アニマル パック 44パック」の見出しの下、「アスリート用マルチビタミン・サプリメント」といった記載があるほか、引用商標1(黒い正方形内に白抜きで引用商標1を表したもの。)の表示や、「アニマル パック 44パック」と称する商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示があるものの、当該商品が、申立人商品であることを確認できる記載はない(甲5)。
(ウ)「1PROTEIN.COM」のウェブサイトにおいて、「ANIMAL PAK w T-SHIRT,50/50 Cttn/Plystr,HN」の見出しの下、「アニマルパック30周年アニバーサリーの特別パックです。」といった記載があるほか、「30周年記念パック」と称する商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示があり、引用商標1が申立人の営業表示とともに掲載されている(甲6)。
(エ)「CORE japan」のウェブサイトにおいて、「ユニバーサル・アニマルパック(44パック入り)」の見出しの下、「各パックの11種のタブレットには・・・最新のサプリメントです。ユニバーサル・ニュートリションは常にアニマルパックに改良を加え・・・ています。」、「ユニバーサル社のアニマルパックは17年間にわたって世界中でナンバーワン売上のトレーニングパックです。」といった記載があるほか、「ユニバーサル・アニマルパック(44パック入り)」と称する商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示がある(甲12)。
(オ)「Muscle Elite」のウェブサイトにおいて、「Universal Nutrition/ユニバーサルニュートリション」の見出しの下、「Universal Nutrition(ユニバーサルニュートリション)はスポーツサプリメントのトップブランドへと成長しています。・・・世界のトップブランドとして成長したアニマルシリーズは、高機能性を兼ね備えながらもコストパフォーマンスに優れており、世界中の多くのユーザーに愛されています。」といった記載があるほか、「商品一覧」に掲載されている「アニマルパック」等と称する商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示がある(甲13)。
ウ 2021年6月29日出力の「舶来品セレクション」のウェブサイトにおいて、「マルチトール&ラクチトール配合チョコレート味で、甘いけど甘くないアメリカンデザート『スモア(S’more)』をフレーバーにしたシュガーフリー・プロテインダイエットバー!老舗プロテインメーカー『ユニバーサル・ニュートリション(Universal Nutrition)』より。 2017/08/11作成」の見出しの下、「ユニバーサル・ニュートリション(Universal Nutrition)は、世界のボディービル界で最も知られているスポーツ栄養補助食品メーカーです。」といった記載があるほか、「アニマルパックシリーズ」と称する商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示がある(甲7)が、他の同日出力のウェブサイトにおいては、記事の掲載日を確認することができない(甲8、甲9、甲14)。
(2)上記(1)からすれば、「アニマルパック」と称するサプリメントが、1984年から製造販売されており、当該商品の包装容器に、引用商標2の一部と思しき表示があるほか、当該商品を紹介するウェブサイトにおいて、多くの場合は申立人の営業表示が記載され、引用商標1を表示する記事も散見される。
しかしながら、引用商標に係る商品に関する売上高、販売数、市場シェア等の販売実績や、宣伝広告の頒布範囲、回数、方法等を示す主張、証左は見いだせない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標が、申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、国内外の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
また、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、相紛れるおそれのない商標といい得るから、本件商標と引用商標との類似性の程度は低いというべきである。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれを申立てに係る商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、申立てに係る商品について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(引用商標1)


別掲2(引用商標2)



異議決定日 2021-10-12 
出願番号 商願2019-158449(T2019-158449) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W03051420212430)
T 1 652・ 271- Y (W03051420212430)
T 1 652・ 261- Y (W03051420212430)
T 1 652・ 263- Y (W03051420212430)
最終処分 維持  
前審関与審査官 古橋 貴之 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 石塚 利恵
大森 友子
登録日 2021-01-12 
登録番号 商標登録第6339087号(T6339087) 
権利者 任天堂株式会社
商標の称呼 アニマルクロッシング、アニマル、クロッシング 
代理人 特許業務法人不二商標綜合事務所 

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