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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W21
審判 一部申立て  登録を維持 W21
審判 一部申立て  登録を維持 W21
管理番号 1379011 
異議申立番号 異議2020-900336 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-12-17 
確定日 2021-10-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第6297943号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6297943号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6297943号商標(以下「本件商標」という。)は、「DWK」の欧文字を書してなり、令和元年12月4日に登録出願、第21類「ボウル,台所用まな板,調理用なべ,ガラス製アンプル型瓶,磁器,ティーセット,台所用・清掃用バケツ,魔法瓶,歯ブラシ,化粧用具」を指定商品として、同2年8月7日に登録査定、同年9月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する国際登録第1392186号商標(以下「引用商標」という。)は、「DWK LIFE SCIENCES」の欧文字を書してなり、2017年(平成29年)12月19日に国際商標登録出願、第9類、第21類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年7月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品中、第21類「ガラス製アンプル型瓶」(以下「申立商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の構成
本件商標は「DWK」の英文字を、引用商標は「DWK LIFE SCIENCES」の英文字を横書きに書してなるものである。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標と引用商標から生じる称呼
本件商標からは、その文字に呼応して「デイダブリュウケイ」の称呼が生じ、引用商標からは、「DWK LIFE SCIENCES」の文字に呼応して「デイダブリュウケイライフサイエンシズ」「デイダブリュウケイ」の称呼が生じる。
引用商標は比較的長い称呼を有する商標であること、「LIFE SCIENCES」が「生命科学」を意味する英語であることから、引用商標の指定商品の分野においては識別力が弱く、「DWK」が引用商標の要部となり得るため、引用商標からは、「デイダブリュウケイ」の称呼も生じる。
上記より、本件商標と引用商標は「デイダブリュウケイ」の称呼を共通にする類似の商標である。
イ 本件商標と引用商標の外観
本件商標は「DWK」の英文字を、引用商標は「DWK LIFE SCIENCES」の英文字を横書きに書してなるところ、両商標は標準文字ではないものの、字体には特段の特徴はなく、「DWK」の文字を共通にしていることから、外観上類似する商標である。
ウ 本件商標と引用商標から生じる観念
「DWK」が本件商標の指定商品の分野において何らかの意味を有する語として使用されている事実はなく、本件商標は特定の観念を生じない造語として理解・認識されるものである。
引用商標の構成中、「LIFE SCIENCES」は「生命科学」を意味する英語であるものの、「DWK」は何らかの意味を有する語ではないため、「DWK LIFE SCIENCES」は特定の観念を生じない造語として認識される。
よって、本件商標と引用商標は、ともに特定の観念を生じない造語として認識されるものであり、観念において対比することのできない商標である。
エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品
本件商標の指定商品中、「ガラス製アンプル型瓶」は、引用商標の指定商品中の第21類の商品と類似する。
「ガラス製アンプル型瓶」と引用商標の指定商品中の第21類「Unworked and semi-worked glass (except glass used in building); semi-finished goods of special glass.(日本語訳:未加工及び半加工のガラス(建築用のものを除く。),特殊ガラス製の半加工品)」はともにガラス製品であり、生産者・原材料・用途・需要者の範囲が一致するため、同一又は類似の商標が使用された場合には出所の混同を生ずるおそれのある類似の商品である。
また、「アンプル」は固体や液体、気体のサンプルを封入して保存するために使用される小さな密閉されたバイアル(小瓶)であり、主として空気に触れされてはならない医薬品や試薬、化学物質を保管するために使用されていることから、「ガラス製アンプル型瓶」は引用商標の指定商品中の第9類「laboratory glassware.(日本語訳:実験用ガラス器具)」にも類似する。
ともに実験室で使用される商品であり、ガラス製であることから生産者・原材料・用途・需要者の範囲が一致すると考えられるためである。
オ 上記より、本件商標と引用商標は外観及び称呼において類似する商標であり、指定商品も類似するから、本件商標は引用商標との関係で商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「DWK」の欧文字を書してしてなるところ、当該文字に相応して「デイダブリュウケイ」の称呼を生じるものであり、また、当該文字は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「DWK LIFE SCIENCES」の欧文字を書してなるところ、その構成文字は同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、いずれかの文字部分が、殊更、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとはいい難い。
また、構成文字全体から生じる「デイダブリュウケイライフサイエンシズ」の称呼も、やや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標を構成する、「LIFE SCIENCES」の文字は、「生命科学」の意味(「ベーシックジーニアス英和辞典」大修館書店)を有する英語であるとしても、当該文字が、引用商標の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を直接的又は具体的に表示するものとして、取引上普通に使用されている事実は見いだせず、当該文字部分を捨象し、「DWK」の文字部分のみをもって取引に当たるというべき事情も見いだせない。
そうすると、引用商標は、その構成全体をもって特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとみるのが相当であるから、その構成文字全体に相応して、「デイダブリュウケイライフサイエンシズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、引用商標は、その構成中に「LIFE SCIENCES」の文字を有するものであって、本件商標とは、その構成文字において明白な差異を有するものであるから、外観上、明らかに区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「デイダブリュウケイ」の称呼と、引用商標から生じる「デイダブリュウケイライフサイエンシズ」の称呼とを比較すると、「ライフサイエンシズ」の音の有無により、その音構成及び音数において明白な差異を有するものであるから、両商標は、称呼上、明確に聴別できるものである。
また、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはないから、これらを総合的に勘案すると、両者は、非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)小括
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、申立商品と引用商標の指定商品及び指定役務を比較するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

異議決定日 2021-09-24 
出願番号 商願2019-152219(T2019-152219) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W21)
T 1 652・ 261- Y (W21)
T 1 652・ 262- Y (W21)
最終処分 維持  
前審関与審査官 菊池 夏未福田 洋子 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 杉本 克治
黒磯 裕子
登録日 2020-09-29 
登録番号 商標登録第6297943号(T6297943) 
権利者 ベイジン・ヂゥオクゥー・デイリー・ネセシティーズ・カンパニー・リミテッド
商標の称呼 デイダブリュウケイ 
代理人 森田 拓 
代理人 山崎 和香子 
代理人 前川 純一 
代理人 松永 章吾 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 前川 砂織 

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