ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W09 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W09 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W09 |
---|---|
管理番号 | 1378013 |
審判番号 | 不服2020-650047 |
総通号数 | 262 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-10-07 |
確定日 | 2021-06-15 |
事件の表示 | 国際登録第1433042号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,日本国を指定する国際登録において指定された第9類に属する商品を指定商品として,2018年4月9日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,2018年(平成30年)10月8日に国際商標登録出願され,その後,指定商品については,原審における令和2年2月21日付けの手続補正書により第9類「Computer software for management of medical data.」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第5673803号商標(以下「引用商標」という。)は,「VIO-Links」の文字を標準文字で表してなり,平成26年1月16日に商標登録出願,別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年5月30日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,別掲1のとおり,「BIO-LINK」の欧文字と記号を横書きしてなるところ,その構成は,同じ大きさで等間隔に表されているものであり,外観上まとまりよく一体的に表されているものであって,その構成全体から生じる「バイオリンク」の称呼も,格別冗長なものではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。 そして,本願商標の構成中,「BIO」の文字は,「生。生命。」等の意味を有する英語の接頭語であり,「LINK」の文字は,「(鎖を構成する)輪。」等の意味を有する英語である(いずれも「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館)ものの,これらを「-」(ハイフン)で結合した本願商標全体としては,辞書等に掲載がなく,特定の意味合いを想起させることのない,一種の造語として理解されるとみるのが相当である。 そうすると,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標の構成及び称呼から,その構成全体をもって,一体不可分のものとして認識し,把握するとみるのが相当である。 したがって,本願商標は,その構成文字全体に相応して「バイオリンク」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は,上記2のとおり,「VIO-Links」の文字と記号からなるところ,その構成は,同じ大きさで等間隔に表されているものであり,外観上まとまりよく一体的に表されているものである。 そして,引用商標の構成中,「Links」の文字は,「なだらかな砂地」等の意味を有する英語(同掲書),又は「(鎖を構成する)輪。」等の意味を有する英語である「Link」の複数形であるものの,「VIO」の文字は,辞書等に掲載がなく,一種の造語として理解されるものであり,これらを「-」(ハイフン)を介して結合した引用商標全体としても,辞書等に掲載がなく,特定の意味合いを想起させることのないものであって,一種の造語として理解されるものである。 また,「VIO」の文字は,造語であるものの,我が国において広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえ,例えば「バイオリン」の意味を有する英語「Violin」を「バイオリン」,「スミレ」の意味を有する英語「Violet」を「バイオレット」と発音するのにならい,「バイオ」の称呼を生ずるものと認められるから,引用商標は,その構成文字全体に相応した,「バイオリンクス」の称呼を生じるものであるところ,その称呼は格別冗長なものではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。 そうすると,引用商標に接する取引者,需要者は,上記構成及び称呼から,その構成全体をもって,一体不可分のものとして認識し,把握するとみるのが相当である。 したがって,引用商標は,その構成文字全体に相応して「バイオリンクス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較すると,外観においては,本願商標は,上記(1)のとおり「BIO-LINK」の7文字及び記号からなるのに対し,引用商標は,上記(2)のとおり「VIO-Links」の8文字及び記号からなるものであって,両者は,最も目立つ語頭の文字が「B」と「V」とで相違すること,語尾における「s」の文字の有無の差異を有することに加え,本願商標の欧文字はすべて大文字からなるものであるのに対し,引用商標の欧文字は大文字と小文字の組み合わせからなるものであるという差異があることからすれば,両者は,その印象が著しく相違するものである。 そうすると,本願商標と引用商標とは,外観上,判然と区別し得るものである。 次に,称呼においては,本願商標から生じる「バイオリンク」の称呼と,引用商標から生じる「バイオリンクス」の称呼とを比較すると,両称呼は,語尾における「ス」の音の有無に差異を有するところ,両称呼は6音又は7音という比較的短い音構成であることを踏まえれば,該差異が,称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを一連に称呼するときは,全体の語調,語感が相違し,十分に聴別し得るものである。 そして,観念においては,両者は,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができないものである。 そうすると,本願商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観においては,その印象が著しく相違し,判然と区別し得るものであり,称呼においても,十分に聴別し得るものであるから,これらが取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して考察すれば,本願商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,両商標の指定役務の類否について判断するまでもなく,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別記】 別掲2 引用商標の指定商品 第9類「製造業における生産性向上を支援するための自動制御用自動調節機械器具,生産工程の計測・監視・制御のための自動制御用自動調節機械器具及び遠隔監視装置,測定機械器具,電気通信機械器具,製造業における製品開発・生産性向上を支援するための電子計算機用プログラム,その他の電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」 第42類「機械・装置もしくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,製造業における製品開発・生産性向上を支援するための電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,その他の電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機及び電子計算機用プログラムの遠隔監視,電子計算機システムの動作の確認検証,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,情報処理技術及び通信技術の調査・研究・開発に関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの操作マニュアルの作成,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,コンピューターサーバーの記憶領域の貸与,電子計算機用プログラムの提供」 |
審理終結日 | 2021-05-25 |
結審通知日 | 2021-05-27 |
審決日 | 2021-06-08 |
国際登録番号 | 1433042 |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W09)
T 1 8・ 262- WY (W09) T 1 8・ 261- WY (W09) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小田 明 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
須田 亮一 大森 友子 |
商標の称呼 | バイオリンク、ビオリンク |
代理人 | 特許業務法人有古特許事務所 |