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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W3541
管理番号 1377949 
審判番号 不服2020-15124 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-30 
確定日 2021-09-02 
事件の表示 商願2018-110421拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「MISS JAPAN」の文字と「ミスジャパン」の文字とを上下二段に横書きしてなり、第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、平成30年9月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「MISS JAPAN」の文字と「ミスジャパン」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の「MISS」「ミス」の文字は、「代表的な美人として選ばれた未婚の女性」の意味を、「JAPAN」「ジャパン」の文字は、我が国の国名の欧文字表記及びその片仮名表記を理解させるから、本願商標は、「MISS」「JAPAN」「ミス」「ジャパン」の各文字を組み合わせたものと容易に看取されるものである。
そして、本願の指定役務の分野において、例えば、「ミス宮古島」「ミスおたる」のように、地域の魅力についての宣伝活動を行う、その地域を代表する女性を「ミス○○」又は「MISS○○」(○○は地域名)と指称し、これらの名称が各地域で使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「日本を代表する女性」に関する役務であることを理解するにすぎず、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を有せず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 当審においてした審尋
当審において、審判長は、請求人に対し、令和3年4月13日付けで、別掲2に示すとおりの事実を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとする旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記3の審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答をしていない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「MISS JAPAN」の欧文字と「ミスジャパン」の片仮名とを上下二段に配してなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであり、また、本願商標の構成中の「MISS」及び「ミス」の文字は「未婚女性の姓または姓名に冠する敬称。お嬢さん。娘さん。代表的な美人として選ばれた未婚の女性」の意味を、「JAPAN」及び「ジャパン」の文字は「英語で、日本を呼ぶ称」の意味をそれぞれ有する一般によく知られた語(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)である。
ところで、別掲2のとおり、各種ミスコンテストにおいて、世界大会に出場する日本代表を指称する語として、「MISS JAPAN」(小文字表記も含む)又は「ミスジャパン」の表記が広く一般に使用されている事実が見受けられることからすると、本願商標は、全体として、各種ミスコンテストの世界大会に出場する日本代表を認識、理解させるにとどまり、役務の出所を表示する標識又は自他役務の識別標識として認識されることはないとみるのが相当である。
そうすると、「MISS JAPAN」及び「ミスジャパン」の文字からなる本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、当該文字を、「各種ミスコンテストの日本代表」を表したものと認識させるにすぎず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「MISS」の語は地名、職業、学校名などと組み合わせて、いわゆる美人コンテストの名称として使用されることから、本願商標は、商標全体で固有のミスコンテストの名称ないしコンテストで選抜された女性の名称と認識されるのが自然であり、また、「MISS JAPAN」ないし「ミスジャパン」の文字が具体的な役務の質や提供の場所を表示するものとして一般に使用されている事実もないことから、本願商標は十分に自他役務の識別力を有する旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、各種ミスコンテストにおいて「MISS JAPAN」(小文字表記も含む)又は「ミスジャパン」の文字が、世界大会に出場する日本代表を指称する語として広く一般に使用されている実情があることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、これを役務の出所を識別するための標識と認識するというよりは、むしろ、各種ミスコンテストの世界大会に出場する日本代表を表すものとして理解、認識するにとどまるものというのが相当である。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
イ 請求人は、本願商標と同様の構成であるとして、「MISS WORLD」、「MISS UNIVERSE」、「ミス・インターナショナル」、「MISS TEEN JAPAN」等の既登録例を挙げつつ、これらの商標が登録された時期と、「ミス○○」に関する取引の実情は、特に大きな変化はなく、ことさら本願商標のみが商標法第3条第1項第6号に該当すると考えるべき合理的な理由は存在しない旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の挙げた商標登録例があるからといって、それらが本件における判断を左右するものではない。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 本願の指定役務
第35類「俳優・歌手・モデル・音楽演奏家・演芸家・芸能家等のあっせん,職業のあっせん,契約に基づき文化人・政治家・学者・評論家・デザイナー並びに芸能人のタレント活動の管理,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,広告業,トレーディングスタンプの発行,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,新聞記事情報の提供,自動販売機の貸与」
第41類「美人コンテストの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳」

別掲2 令和3年4月13日付け審尋をもって請求人に示した事実
各種ミスコンテストの世界大会に出場する日本代表を指称する語としての用例
(1)2007年3月3日付け「東京読売新聞」(夕刊、10ページ)において、「[会いたい]ミス・ユニバース世界第2位・知花くららさん24=YJP」の見出しの下、「昨年7月、米国ロサンゼルスで行われた2006ミス・ユニバース世界大会に日本代表として出場し、第2位になった知花くららさん(24)は、今最も輝いている女性のひとりです。・・・最終のインタビュー審査へ。『最後に残った5人が審査を受け、最後に、私とプエルトリコ代表と残りました。「2位、ミスジャパン」と呼ばれた瞬間、「ああ、楽しかったなあ」と、満足した気持ちでした。・・・』」の記載がある。
(2)「ライブドアニュース」のウェブサイトにおいて、「ミス・ユニバース日本代表、美馬寛子が『ゴメンね』と泣いた日/インタビュー(3) 2008年8月27日」の見出しの下、「2008年のミス・ユニバース日本代表に輝いた美馬寛子は、知花くらら(06年、2位)、森理世(07年、優勝)に続いて世界に挑み、トップ15という成績を収めた。・・・彼女が、ボーイッシュなハイジャンパーから、エレガントなミス・ジャパンに変貌するまでの道のりを語ってくれた。」の記載がある。また、美馬さんの発言として、「トップ15の発表のときに、ミス・ジャパンとコールされたときは嬉しかったです。」「きっと皆さんにミス・ジャパンになれるチャンスはあると思います。・・・私もミス・ジャパンになってから、皆さんが知ってくださるようになったので、元からミスジャパンの美馬寛子だと思われるかも知れませんが、ほんとにビフォア、アフターなので(笑)。」の記載がある。
https://news.livedoor.com/article/detail/3786323/
(3)「Exciteニュース」のウェブサイトにおいて、「知花くららが語る『ミス・ユニバースと社会貢献』 2009年4月24日」の見出しの下、知花さんの発言として、「日本でのミスコン熱は、海外に比べて低いです。例えばアメリカをはじめ、東南アジア、中南米、南米では、ミスコンの影響力がすごく強い。一言ミス・ジャパンだと言えば、ものすごいリアクションが返ってきます。ミス・ユニバースは、その影響力をもってみんなに語りかけることができる、一個人ではできないことを実現できることに意味があるんです。」の記載がある。
https://www.excite.co.jp/news/article/Searchina_20090424059/?p=3
(4)「BS朝日」のウェブサイトにおいて、「世界の美女・中国を行く ?2009 ミス・インターナショナル世界大会in成都? 2010年2月13日(土) 午後1:00?2:25放送」の見出しの下、「世界3大ミスコンテストのひとつに数えられる『ミス・インターナショナル世界大会』。・・・日本代表の中山由香さんは中国メディアが選ぶ『最も親しみやすい女性』に選出されたほか15人のファイナリストにも選ばれました。番組では、ミスジャパンになった福岡県出身の19歳・中山由香さんに大会前から密着。」の記載がある。
https://archives.bs-asahi.co.jp/miss_international/
(5)「沖縄BBtv staffブログ」のウェブサイトにおいて、「2012‐10‐22 ミス・インターナショナルに吉松育美さん (OKINAWA)」の見出しの下、「第52回ミス・インターナショナル世界大会in沖縄2012・・・の決勝大会が21日、那覇市の県立武道館であった。日本代表で佐賀県出身でモデルの吉松育美さん(25)が1位に輝いた。日本人の優勝は初。・・・吉松さんは『日本人は優勝できないと言われていた。ミスジャパンと呼ばれた時は夢のような一瞬』と喜び、『訪問先で沖縄の人に温かく声をかけてもらいありがたかった』と感謝した。」の記載がある。
http://blog.okinawabbtv.com/bbstaff/index.php?itemid=42478
(6)2012年11月17日付け「東京新聞」(朝刊、17ページ)において、「かわらばん 吉松育美、『2度目』感激」の見出しの下、「カンロが・・・その年に最ものどを使って話題になった人を表彰するイベント・・・が東京都内で開かれ、ミス・インターナショナル世界大会で優勝したモデルの吉松育美が選ばれた。背中が大きく開いた黒のロングドレスで登場した吉松は、のどあめがぎっしりと詰まったトロフィーを受け取ると『二度目の大舞台での受賞で、「ミスジャパン」と呼ばれた時の気持ちを思い出しました』と大喜び。」の記載がある。
(7)「琉球新報」のウェブサイトにおいて、「押元さんが日本代表の衣装を担当 『ミス・アジアUSA』へ出展 ハリウッドで着物デザイナーとして活躍 2016年11月7日」の見出しの下、「米国在住のアジア系女性による美の祭典『ミス・アジアUSA2016』が・・・開催される。・・・ハリウッドで着物デザイナーとして活躍する、押元末子さん・・・がデザインする衣装を着用するのはミス・ジャパンで今年の日本代表者は小菅綾子さんと渡辺珠里さんの2人となっている。・・・前回8月13日のファッションショーでは・・・着物をランウェイに出した。モデルはミス・ジャパン、ミス・コリア、ミス・インドネシアなどだった。」の記載がある。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-389867.html
(8)「Miss World Japan」に係るFacebookのページにおいて、2017年11月18日付けの投稿として、「【ミス・ワールド世界大会グランドファイナル速報】 ミス・ジャパン山下晴加トップ40入りました!!#東京ソワール 様のロイヤルブルーのドレスです!」の記載がある。
https://www.facebook.com/143206452520462/posts/878800128961087/
(9)「デイリースポーツ」のウェブサイトにおいて、「現役東大生ミスインタ『相手への気遣いが内面の美しさに』 2017.11.20」の見出しの下、「東大工学部に在籍中で2018ミス・インターナショナル日本代表に選出された杉本雛乃さん(20)が20日、都内で行われた『MARUNOUCHI FASHION WEEK 2017』のオープニングイベントに登場し、2017ミス・ジャパンの筒井菜月さん(24)、2010ミス・インターナションル日本代表で女優の金ヶ江悦子(31)とトークショーを行った。・・・イベントには2017ミス・インターナショナル世界ベスト・・・5位の筒井菜月さん(24)も登場し、華を添えた。」の記載がある。
https://www.daily.co.jp/gossip/2017/11/20/0010749171.shtml
(10)「CAMPFIRE」のウェブサイトにおいて、「平成の美よ世界へとどけ!みんなで『ミス・ジャパン』をプロデュース大作戦!篠田るみ」の見出しの下、「MISS GLOBALCITY2018」「MISS JAPAN」「2018年10月開催の『Miss Global City 2018』で日本人初の優勝を目指しています!・・・皆様の応援をよろしくお願いいたします!」「はじめまして。ミス・ジャパンの篠田るみです。この度、10月に開催されるMiss Global City 2018日本代表に選抜されました。」「今回は、自身の目的や夢が明確な状態で・・・挑戦し、ミスジャパンに選出していただきました。」「このプロジェクトは、2018‐09‐19に募集を開始し・・・2018‐10‐27に募集を終了しました」の記載がある。
https://camp-fire.jp/projects/view/97967
(11)2019年3月18日付け「日刊スポーツ」において、「『ベストオブミス静岡』グランプリは梶麻里子23歳」の見出しの下、「3つのミスコンテストの合同代表選考会『ベストオブミス静岡』が・・・開かれた。11人が出場し、昨年準グランプリで3度目挑戦の梶麻里子(23)がグランプリを受賞。・・・梶は5月のミス・ユニバース・ジャパン合同トレーニングに参加し、日本大会に出場するファイナリストの座を狙う。『自分の意見を持てる女性になり、ミスジャパンになります』と宣言した。」の記載がある。
(12)「Miss Universe Japan Official /ミスユニバースジャパン2019」に係るTwitterのページにおいて、2019年12月2日付けの投稿として、「2019ミスジャパン 加茂あこに投票お願いいたします!!」の記載がある。
https://twitter.com/MissUniverseJP/status/1201454299068284930
(13)「PRTIMES」のウェブサイトにおいて、「日本一ミスジャパン&ミスタージャパンを輩出している団体ベリッシマジャパンから複数の世界大会日本代表者を同時に決める『選抜ドラフト大会』を3月19日に開催! ?『Miss&Mister日本代表ドラフト大会2020』日本橋公会堂にて予定? ベリッシマジャパン 2020年2月17日」の見出しの下、「日本一ミスジャパン&ミスタージャパンを輩出しているベリッシマジャパン株式会社・・・が運営するBellissima Beauty Pageant・・・は、2020年に開催される6つの世界大会に出場する日本代表者を選出する大会『Miss&Mister日本代表ドラフト大会2020』・・・を2020年3月19日(木)に東京都中央区日本橋公会堂にて開催いたします。」の記載がある。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000038380.html
(14)「ビューティーページェントメディア」のウェブサイトにおいて、「投稿日:2021.Feb.14 更新日:2021.Feb.17 ハリウッド女優という生き方、ミスインターナショナル世界一吉松育美インタビュー(前編)」の見出しの下、吉松さんの発言として、「ミスインターナショナル世界大会で優勝した際にもファイナルステージでのスピーチは戦略的に考えました。練習に練習を重ね世界に向けメッセージを発信できたと今振り返って思います。私はミスジャパンの中でも身長が170cmとそこまで大きくもない、体型も他のミスに比べるとグラマラスではないため、自分の強みを探求しました。」の記載がある。
https://beautypageantmedia.jp/?p=26865


審理終結日 2021-06-28 
結審通知日 2021-06-29 
審決日 2021-07-13 
出願番号 商願2018-110421(T2018-110421) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W3541)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川崎 萌未守屋 友宏町田 圭輔 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 大森 友子
石塚 利恵
商標の称呼 ミスジャパン、ミス 
代理人 鈴木 均 

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