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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
審判 一部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1376988 
異議申立番号 異議2020-900242 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-09-25 
確定日 2021-08-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第6266486号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6266486号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6266486号商標(以下「本件商標」という。)は、「WEST MOUNTAIN」の欧文字を標準文字で表してなり、令和元年7月19日に登録出願、第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,レザークロス,皮革,皮革製包装用容器,ペット用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」、第21類「化粧用具,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),清掃用具及び洗濯用具,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,ろうそく消し,ろうそく立て,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,小鳥かご,小鳥用水盤,ペット用食器,ペット用ブラシ,洋服ブラシ,貯金箱,紙タオル取り出し用金属製箱,せっけん用ディスペンサー,観賞魚用水槽及びその附属品,花瓶,水盤,香炉,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,コッフェル」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製トイレットシートカバー,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,ビリヤードクロス,スリーピングバッグ」及び第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,つま先保護具,靴用滑り止め具,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、同2年6月2日に登録査定、同年7月6日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議の申立てにおいて引用する登録第4351883号商標(以下「引用商標」という。)は、「BEST MOUNTAIN」の欧文字を横書きしてなり、平成8年4月19日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,帽子,その他の被服(「和服」を除く。),履物(「げた,草履類」を除く。)」を指定商品として、同12年1月14日に設定登録されたものであり、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第25類「被服(「和服」を除く。),履物(「げた,草履類」を除く。),つま先保護具,靴用滑り止め具」(以下「申立商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである、と申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは枝番号を省略する。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の称呼の対比
本件商標は、その構成から「ウエストマウンテン」の称呼が生じる。また、本件商標の称呼の語頭音「ウ」は、第2音の「エ」と二重母音を構成し、「ウ」「エ」と1音ずつ明確に発音されるというよりは、「ウ」の音は「エ」の音に吸収され「エ」の音が強く発音される。「ウ」の音は明確に聴取されず、本件商標の称呼の語頭音の母音は「エ」として聴取される。
一方、引用商標は、その構成から「ベストマウンテン」の称呼が生じ、当該称呼の語頭音「べ」の母音は「エ」である。
両商標の称呼を比較すると、語頭音のみの差異しかなく、その唯一の差異音は母音を共通にする。また、上述のとおり、「ウ」の音は「エ」の音に吸収され、「ウエ」の音は1音とみなされるから、本件商標は引用商標と音数を同じくするものである。
本件商標は「エ」に、引用商標は「べ」にアクセントが置かれ、両商標とも共通する「マウンテン」の部分が、前半部分に比べゆっくりと明確に発音されるから、全体の語調・語感が非常に近似する。
よって、本件商標と引用商標は互いに聞き誤るおそれがあるから、称呼において類似する。
また、「WE」の文字はドイツ語で「べ」と発音されることから、本件商標から「ベストマウンテン」の称呼が生じ得る。本件商標から生じ得る「ベストマウンテン」の称呼は、引用商標から生じる称呼と同一である。
なお、「WE」の文字に対し「べ」の振り仮名が付されている商標(甲3)及び「独立行政法人工業所有権情報・研修館」のウェブサイト「特許情報プラットフォーム」の「商標出願・登録情報」における「参考情報」において、「WE」の文字が「べ」として発音されている例を挙げる(甲4)。
(2)本件商標と引用商標の外観の対比
本件商標は、「WEST MOUNTAIN」の欧文字を標準文字で表したものであり、引用商標は、「BEST MOUNTAIN」の欧文字からなるものである。
本件商標と引用商標は、最初の「W」と「B」の一文字の差異のみしかなく、文字数も同じである。
よって、本件商標と引用商標は外観において紛らわしく、混同を生じるおそれがある。
(3)申立商品と引用商標の指定商品の対比
申立商品は、引用商標の指定商品「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,帽子,その他の被服(「和服」を除く。),履物(「げた,草履類」を除く。)」と同一又は類似するものである。
なお、申立商品中、「つま先保護具,靴用滑り止め具」に付与されている類似群コード「22A02」は、国際分類第6版において、引用商標の指定商品「履物」について付与された類似群コードである。
(4)小括
上述のとおり、本件商標と引用商標は、称呼、外観において相紛らわしく、混同を生ずるおそれのある類似の商標である。また、指定商品においても同一又は類似するものである。
2 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「WEST MOUNTAIN」の欧文字を標準文字で表してなり、「WEST」の欧文字と「MOUNTAIN」の欧文字の間に1字分のスペースを空けてまとまりよく一体的に書したものであるところ、構成全体で特定の意味を有する既成の語ではないものの、その構成各語の文字のつづりによれば、我が国において慣れ親しまれた平易な英単語である「西の」の意味を有する「WEST」及び「山」の意味を有する「MOUNTAIN」の2つの語(ベーシックジーニアス英和辞典第2版(株式会社大修館書店))を組み合わせてなるものと容易に看取、理解されるといえるから、その構成文字全体から、「ウエストマウンテン」の称呼を生じ、「西の山」程の意味合いを想起させるものである。
そうすると、本件商標は、まとまりよく一体的に書されており、また、その構成文字全体から生じる「ウエストマウンテン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、殊更に当該2語のそれぞれが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせないから、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であり、その構成文字に相応して、「ウエストマウンテン」の称呼を生じ、「西の山」程の意味合いを想起させるものである。
なお、申立人は、本件商標の構成中、「WE」の欧文字はドイツ語で「べ」と発音されることから、本件商標は「ベストマウンテン」の称呼が生じ得るものであり、当該称呼は引用商標から生じる称呼と同一である旨を主張するとともに、「WE」の欧文字に対し「べ」の振り仮名が付されている登録商標(甲3)の存在及び「独立行政法人工業所有権情報・研修館」のウェブサイト「特許情報プラットフォーム」の「商標出願・登録情報」における「参考情報」において、「WE」の文字が「べ」として発音されている例(甲4)を挙げている。
しかしながら、「WEST」と「MOUNTAIN」の欧文字は、平易な英単語であって、我が国において広く知られていることからすれば、たとえ、ドイツ語で「west」の欧文字から「ベスト」の称呼が生じ得るとしても、当該称呼は我が国において一般に親しまれているとはいい得ないものであって、本件商標の構成中、「WEST」の文字部分のみドイツ語読みによる称呼が生じ、「MOUNTAIN」の文字部分は英語読みによる称呼が生じるものとする特段の事情が見当たらない。たとえ、「WE」の欧文字に対し「べ」の振り仮名が付された態様の登録商標が存し、また、「独立行政法人工業所有権情報・研修館」のウェブサイト「特許情報プラットフォーム」の「商標出願・登録情報」における「参考情報」において、「WE」の欧文字が「べ」として発音されている例が存するとしても、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記登録例は、商標の具体的構成等において本件商標とは事案を異にするものであり、本件商標については,上記においてした判断のとおりであるから,当該登録例をもってその判断が左右されることはない。また、上記参考情報は上記ウェブサイト上での検索のための参考情報にすぎないから、当該情報の存在によって、上記判断が左右されるものでもない。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。
(2)引用商標について
引用商標は、「BEST MOUNTAIN」の欧文字を横書きしてなり、「BEST」と「MOUNTAIN」の欧文字の間に半角1字程度のスペースを空けてまとまりよく一体的に書したものと認められるところ、構成全体で特定の意味を有する既成の語ではないが、その構成各語の文字のつづりによれば、我が国において慣れ親しまれた平易な英単語である「最高の」の意味を有する「BEST」及び「山」の意味を有する「MOUNTAIN」の2つの語(前掲書)を組み合わせてなるものと容易に看取、理解されるといえるから、その構成文字全体から、「ベストマウンテン」の称呼を生じ、「最高の山」程の意味合いを想起させるものである。
そうすると、引用商標は、まとまりよく一体的に書されており、また、その構成文字全体から生じる「ベストマウンテン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、殊更に当該2語のそれぞれが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせないから、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当であり、その構成文字に相応して、「ベストマウンテン」の称呼を生じ、「最高の山」程の意味合いを想起させるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観
本件商標と引用商標の外観を比較すると、両者は、いずれも2つの英単語の間に1字ないし半角1字程度のスペースを空けて一体的に表してなるものである。
そして、両者は、後半の英単語「MOUNTAIN」を共通にするものの、前半の英単語が「WEST」と「BEST」とで異なる単語である上、特に印象に残りやすい語頭の文字が明らかに相違するものであるから、両商標は、外観上、十分に区別し得るものである。
イ 称呼
本件商標から生じる「ウエストマウンテン」の称呼と引用商標から生じる「ベストマウンテン」の称呼を比較すると、両者は、9音と8音という構成音数の差異を有する上、最も印象に残りやすい語頭の音において明らかに異なるものであり、当該差異が、さほど冗長とはいえない音構成からなる両商標の称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼しても、明瞭に聴別し得るものである。
ウ 観念
本件商標及び引用商標は、それぞれ「西の山」、「最高の山」程の意味合いを生じるものであるから、観念において、相紛れるおそれはない。
エ そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合して判断すれば、両者は非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)小括
本件商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、申立商品と引用商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品中、申立商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2021-08-04 
出願番号 商願2019-98782(T2019-98782) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W25)
T 1 652・ 263- Y (W25)
T 1 652・ 261- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 光本 隆福田 洋子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 庄司 美和
馬場 秀敏
登録日 2020-07-06 
登録番号 商標登録第6266486号(T6266486) 
権利者 株式会社日之出出版
商標の称呼 ウエストマウンテン、ウエスト、マウンテン 
代理人 特許業務法人きさ特許商標事務所 

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