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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W35
管理番号 1376846 
審判番号 取消2020-300002 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-12-27 
確定日 2021-07-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第5536432号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5536432号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成24年4月16日に登録出願、第35類の「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年11月16日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年1月22日である。
なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年1月22日ないし令和2年1月21日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標は、その指定役務中、第35類「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る役務」という。)について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した(以下、証拠は「甲1」のように表記する場合がある。)。
1 請求の理由
本件商標は、その請求に係る役務について、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 令和3年3月3日付け審判事件弁駁書の要旨
(1)乙第11号証(ダイコク橿原店ウェブページ)
乙第11号証には、フランチャイズ店としている平越本家株式会社(以下「平越本家社」という場合がある。)が記載されているところ、平越本家社が、「ダイコク橿原店」を屋号として創業したのが平成16年8月20日である。
一方、本件商標の設定登録日は平成24年11月16日であるから、平越本家社とフランチャイズ契約の日には、本件商標権者は、本件商標権を有していない。
そして、商標権者自身が登録商標を使用している場合とは異なり、使用権者が登録商標を使用している場合は、まず使用権の存在を立証する必要があるところ、本件商標の登録事項記載書類(甲1)には、通常使用権の設定登録はされていない。
乙第11号証における本件商標の使用の主体である平越本家社について、本件商標の使用権の存在を立証する必要があるが、それが証明されていない。
したがって、乙第11号証は、本件審判請求登録時における、本件商標の使用の事実が証明されていないものである。
(2)乙第14号証の3(セールチラシ)
乙第14号証の3には、「ダイコク橿原店」の店舗の写真があるが、フランチャイズ店であるにも関わらず、店舗の看板には、本件商標(大黒天のシルエットの中に「現金問屋」の文字、その横に「ダイコク」の文字との構成である。)を使用せず、四角枠の中に「現金問屋」の文字、その横に「ダイコク」との構成である別の商標を使用している。
(3)まとめ
以上のとおり、請求人は、被請求人の答弁書添付の証拠をすべて総合して勘案したとしても、本件商標の使用の事実が立証されていない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(枝番号を含む。)を提出した(以下、証拠は「乙1」のように表記する場合がある。)。
1 審判事件答弁書の要旨
本件商標の商標権者は、要証期間に我が国において、その請求に係る指定役務中「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標を使用している。
(1)被請求人が経営する店舗における本件商標の使用の事実
ア 被請求人は、木材、新建材、住宅機器を中心に建築に関連する商品全般の小売業を行っている会社であり、現在、直営店が10店舗、フランチャイズ店が40店舗の合計50の店舗を運営している(乙1)。そして、被請求人は、本件商標を上記小売店舗の屋号として、自社のホームページをはじめ、各店舗の看板、値札、のぼり、チラシ等に使用している。
イ 乙第2号証は、被請求人の直営店の一つである宮崎店(以下「ダイコク宮崎店」という。)の写真であるが、その写真をみると壁の看板に本件商標が表されていることがわかる。
ウ(ア)乙第3号証の1及び乙第3号証の2は、被請求人がダイレクトメールとして顧客に郵送したダイコク宮崎店のチラシである。これらのチラシの表面左上部には本件商標が記載され、その右側に店舗名である「宮崎店」とその住所の記載があり、これは被請求人のホームページに記載されたダイコク宮崎店の住所と一致する(乙1)。
(イ)上記チラシのうちの乙第3号証の1は、2018年(平成30年)のサマーセールのチラシであり、そのチラシの表面にはセール期間である「平成30年6月25日(月)から7月7日(土)」の記載、裏面の中央下部の位置には「除草剤」の写真とともに「除草剤(950g)1,350円」の記載がある。
(ウ)上記チラシのうちの乙第3号証の2は、同店舗における2019年のサマーセールのチラシであり、そのチラシの表面にはセール期間である「2019年6月24日(月)から7月6日(土)」の記載、裏面の右側やや下部の位置には「除草剤」の写真とともに「除草剤(950g)1,250円」の記載がある。
エ(ア)乙第4号証の1及び乙第4号証の2は、上記チラシの作成及び郵送費用として、松井印刷株式会社(以下「松井印刷社」という。)からダイコク宮崎店宛に発行された請求書である。
(イ)乙第4号証の1は、乙第3号証の1のチラシの作成及び郵送費用として、2018年6月21日付で発行された請求書であり、その品目には「サマーセールDMチラシ 1510部」、「郵便料金 1510通」とあることから、被請求人は、当該チラシ1510部の作成及び郵送を松井印刷社に依頼した結果、遅くとも2018年6月21日までに配送手配がなされ、その後顧客のもとに郵送されたことが分かる。
(ウ)乙第4号証の2は、乙第3号証の2のチラシの作成及び郵送費用として、2019年6月21日付で発行された請求書であり、その品目には「得々サマーセールDMチラシ 1473部」、「郵便料金 1473通」とあることから、被請求人は、当該チラシ1473部の作成及び郵送を松井印刷社に依頼した結果、遅くとも2019年6月21日までに配送手配がなされ、その後顧客のもとに郵送されたことが分かる。
オ 以上より、被請求人が要証期間において、「除草剤」を含む各種商品の小売を目的とする広告に本件商標を付して頒布していることは明白であって、このことにより少なくとも同期間中において本件商標が被請求人の小売店舗の屋号として看板、のぼり等に使用されていたことも容易に理解できる。
そして、被請求人の上記行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して展示若しくは頒布する行為」に該当するものと認められる。
(2)ダイコク宮崎店における「除草剤」の販売実績
ア ダイコク宮崎店において販売された商品
被請求人は、東京都江東区新木場に所在のジャパン建材株式会社(以下「ジャパン建材社」という。)がプライベートブランド商品として「Bulls」の名称で製造、販売している品番「BJZ-G-950」の「除草剤」(乙5)をジャパン建材社から仕入れ、ダイコク宮崎店で販売している。
イ 「除草剤」の販売実績について
被請求人がダイコク宮崎店で除草剤を販売していた事実は以下の証拠によって立証できる。
(ア)請求書
a 乙第6号証は、ジャパン建材社から被請求人宛に再発行された平成28年9月度の請求書のうち、上記除草剤が記載されている部分を抜粋したものである。
b 被請求人とジャパン建材社との取り決めでは、ダイコク宮崎店を含む直営店の仕入商品については、被請求人の管理部に一括して請求されることとなっているが、本除草剤については誤ってFC課に請求されたため、乙第6号証の1では、2016年9月16日付でFC課にダイコク宮崎店分として売上処理がなされた後、同年9月30日付でFC課にマイナス処理されており、乙第6号証の2では同年9月30日付で管理課に売上処理がなされている。
c そして、上記請求書には、商品名として「ブルズ除草剤 粒剤タイプ 950g 20本/ケース」が記載されているとともに「宮崎店分」との記載があることから、ダイコク宮崎店にて販売された除草剤は、2016年9月16日付でジャパン建材社から被請求人に対してダイコク宮崎店分として1ケース(20本)が納入され、その後在庫となっていたものと理解できる。
(イ)売上伝票
a 被請求人の経営する店舗では、本件商標に「現金問屋」の文字が記載されていることからも分かるように、その場で購入した商品の代金を現金で支払い、購入者が商品を持ち帰るという業態をとっており、そのため売上伝票の発行日が販売日と同日となる。
b 乙第7号証の1ないし乙第7号証の6は、ダイコク宮崎店における「除草剤」の売上伝票であって、2017年7月22日から2018年9月14日に至るまでに少なくとも6回販売された実績を表すものである。
これらの売上伝票には、いずれも商品名として「Bulls除草剤 950g粒剤タイプ」、品番として「BJZG950」が記載されており、該品番はジャパン建材社のカタログにおける同商品の品番である「BJZ-G-950」とはハイフンの有無による差異はあるものの、同一のものと認識できる。なお、上記売上伝票の仕入単価はいずれも乙第6号証の1及び乙第6号証の2におけるジャパン建材社からの被請求人宛の請求書における同商品の単価と同一である。
c 乙第7号証の4及び乙第7号証の5は、乙第3号証の1のチラシで示されているサマーセール期間中(平成30年6月25日から7月7日まで)の2018年6月27日と7月4日に上記除草剤が販売された結果、発行されたものである。
このことは、売上伝票の発行日とともに、乙第3号証の1のチラシに記載された除草剤の写真がジャパン建材社のカタログにおける「除草剤」の写真(乙5)と同一のものと認識でき、かつ売上伝票における商品の内容量及び単価が950g入で1,350円と当該チラシにおける内容量及び単価と共通している点からも容易に理解できる。
d 上述のとおり、乙第3号証の1における2018年のサマーセールのチラシには本件商標が使用されており、遅くとも当該セールの開始日である2018年6月25日までにはダイコク宮崎店において本願商標が看板やのれんに使用されていた事実が認められることからすると、被請求人は要証期間にダイコク宮崎店内において本件商標を小売等役務の提供に使用し、「除草剤」を販売した事実があることは明白であり、その行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当するものと認められる。
(3)小括
以上より、被請求人がダイコク宮崎店において、要証期間に「除草剤」を含む各種商品の小売を目的とした広告に本件商標を付して頒布した事実及びダイコク宮崎店にて本件商標を小売等役務の提供に使用し「除草剤」を販売した事実があることは明白である。
そして、「除草剤」は、請求に係る役務中、「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」における「薬剤」の範ちゅうに属する商品である。
したがって、被請求人が、要証期間に、我が国において、その請求に係る役務中、「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標を使用している事実があることは明らかであり、請求人の主張は何ら理由のないものというべきである。
2 令和2年12月15日付け回答書の要旨
合議体は、被請求人が提出した証拠のうち、広告用チラシの一部を複写したものとされた乙第3号証の1及び乙第3号証の2が、一部の情報が欠けているため、全体を確認することができず、広告用チラシであると認めることができないこと、及び、それらの広告用チラシに関する請求書とされた乙第4号証の1及び乙第4号証の2からは、広告用チラシの頒布事実を把握することができないことから、被請求人が提出した証拠からは、要証期間に、本件商標権者が,その請求に係る役務中、「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)が使用されたことを認めることができない旨の審尋を行ったところ、被請求人は以下のとおり回答した。
(1)本件商標権者による使用事実について
ア 被請求人は、乙第3号証の1の広告チラシの全体を確認するものとして、乙第8号証を提出する。乙第8号証は、ダイコク宮崎店が2018年6月21日に松井印刷社を通じて、顧客に頒布した広告用チラシの原本であって、表面には本件商標及びセール期間(平成30年6月25日(月)?7月7日(土))が表示され、裏面には「除草剤」の商品の掲載があることが認められる。
被請求人は、従前より直営店のセール用の広告チラシの制作及び頒布を松井印刷社に依頼しており、松井印刷社は、被請求人からの依頼を受け、被請求人の直営店の広告チラシを印刷し、これを被請求人の顧客に郵送により頒布している。
イ 乙第4号証の1は、被請求人の直営店の一つであるダイコク宮崎店が松井印刷社に依頼した乙第8号証に係る広告チラシの制作及び顧客への頒布に対する請求書である。
ウ 乙第9号証は、松井印刷社がダイコク宮崎店の店長に対して、依頼された広告チラシを郵便局から発送したことを示すために送った領収書の写しであり、その領収書によれば、2018年6月21日に1510通の郵便物(ゆうメール便)を守口郵便局から1510世帯の顧客に発送した事実が確認できる。そして、この領収書における日付、発送された郵便物の数及びその郵送料金は、乙第4号証の1における請求書の日付、サマーセールDMチラシの数量及び郵便料金と一致する。
エ したがって、ダイコク宮崎店が、松井印刷社に依頼して、要証期間の2018年6月21日に、顧客に対して乙第8号証にかかる広告チラシ1510通を郵便により頒布したことは明白であり、このことは上記広告チラシの制作、郵便による発送を行った松井印刷社の代表取締役がその事実に誤りがない旨宣誓していることからも裏付けられる(乙10)。
オ してみれば、被請求人が要証期間に、その請求に係る役務中、「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属する「除草剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する広告に本件商標を付したものを頒布したことは事実であり、被請求人の行為は、商標法第2条第3項第8号の商標の使用に該当するものといえる。
(2)通常使用権者による使用事実について
被請求人は、その通常使用権者の使用を示す事実を示す証拠として乙第11号証ないし乙第14号証の3を提出し、その具体的内容について以下に述べる。
ア 被請求人は「現金問屋ダイコク」のフランチャイズ展開をしており、フランチャイズ店として現在、40店舗が加盟している(乙1)。
イ 上記フランチャイズ店の一つであるダイコク橿原店は、フランチャイジーである平越本家社(奈良県橿原市)によって運営がなされている店舗であって(乙11、乙12)、当該店舗では、営業活動の一環としてFacebook等のソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用した情報発信も行っている。
ウ 乙第13号証は、Facebookにある「ダイコク橿原店」のページにおける2017年5月20日の配信記事部分の写しであり、それには同店舗にて開催されるセールのチラシの画像が添付されている。
エ 乙第14号証の1ないし乙第14号証の3は、上記配信記事に添付されたチラシ画像の部分を拡大したものであって、乙第14号証の1及び乙第14号証の2はそれぞれチラシの表面、裏面の拡大画像、乙第14号証の3は裏面の下半分をさらに拡大させた画像の写しである。
オ 乙14号証の1のチラシ表面の画像からも理解できるように、本チラシは2017年5月1日(月)から6月30日(火)の間にダイコク橿原店にて開催される「初夏のBIGSALE!」に関するものであり、乙第14号証の2及び乙第14号証の3の裏面画像には「除草剤 粒剤タイプ ¥1,450」が掲載されているとともに、その右下部には本件商標が付されている。
カ 以上の事実に鑑みれば、上記行為は、被請求人のフランチャイズ店の一つである「ダイコク橿原店」を運営する本件商標の通常使用権者である平越本家社が、要証期間に「除草剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する広告を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供する行為であるといえ、商標法第2条第3項第8号の商標の使用に該当するものである。
(3)小括
以上より、商標権者たる被請求人及びその使用権者が、要証期間に我が国において、その請求に係る役務中、「薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属する「除草剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標を使用している事実があることは明らかになったものといえる。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及びその提出に係る乙各号証によれば、以下の事実のとおりである。
(1)商標権者について
商標権者は、大阪府堺市に本社が所在する木材、新建材、住宅機器等の卸売・小売業を行っている会社であり、宮崎県宮崎市に所在する宮崎店などの直営店を10店舗、フランチャイズ店を40店舗、合計50店舗を展開している(乙1)。
(2)乙第8号証について
ア 乙第8号証は、「ひと足早い!!!サマーセール!!」と称するチラシであり、表面の左上に、別掲2のとおり、左側に、六角形をモチーフとしデザイン化した青色図形を配し、その内側に白抜きで「現金」及び「問屋」の各漢字をゴシック体風の書体にて上下二段に横書きしてなり、右側に「ダイコク 宮崎店」の片仮名をゴシック体風の書体にて青色で横書きしてなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。
イ 同チラシ表面の上部には、使用商標の表示のほか、「地元の大工さん リフォーム店さん 工務店さんのためのプロショップ」、「セール期間 平成30年6月25日(月)?7月7日(土)」、「ダイコク/宮崎店」(審決注:「/」は改行を表す。以下同じ。)の各文字及び同店の郵便番号、住所、電話番号、地図等が掲載され、表面の中段から裏面にかけて、取り扱う各種商品を1番から38番の項目に分け、各番号の枠内に、商品の品目、特徴、価格、商品の写真等の掲載がある。
ウ 同チラシ裏面の36番の「除草剤」の項目に、「Bulls/除草剤」及び「粒剤」の各文字が表示された白色と緑色の円筒形状の包装容器の商品の写真が掲載あるとともに、「950g入/個」及び「1,350円」の記載がある。
エ 商標権者は、商標権者の直営店の一つであるダイコク宮崎店が、松井印刷社に依頼して、要証期間の平成30年6月21日に、顧客に対して乙第8号証にかかる広告チラシ1510通を郵便により頒布した(被請求人の主張)。
(3)乙第4号証の1について
乙第4号証の1は、松井印刷社からダイコク宮崎店宛に発行された請求書の写しであり、「2018年6月21日」の日付、「下記の通り、ご請求申し上げます。」、「(品番・品名)サマーセールDMチラシ (数量 単位)1,510部 (単価)119 (金額)179,690」、「(品番・品名)消費税 (数量 単位)1式 (金額)14,375」、「(品番・品名)郵便料金 (数量 単位)1,510通 (単価)70 (金額)105,700」及び「合計 (金額)299,765」等の記載がある。
(4)乙第9号証について
乙第9号証は、日本郵便株式会社から松井印刷社宛に発行された郵便物引受郵便料金の領収書であり、「[別納引受]/ゆうメール特別 @70 1510通 ¥105,700」、「取扱日時:2018年6月21日 13:28」、「連絡先:守口郵便局/TEL:06-6993-1159」等の記載がある。また、領収書の写しの左側には、手書きにて、「ダイコク宮崎店/永田店長様/DM本日発送/致しました。」及び「松井印刷/川平」等の記載がある。
(5)小括
以上を総合すれば、平成30年6月25日(月)から同年7月7日(土)までの期間を対象とする、ダイコク宮崎店のサマーセールのチラシ(乙8。以下「本件チラシ」という。)において、「除草剤」の商品が、その容量、価格とともに掲載されたことが確認できる。
本件チラシの対象期間が開始する4日前の、平成30年(2018年)6月21日に、松井印刷社が、日本郵便株式会社の「ゆうメール」を利用して、単価70円において、1510通を105,700円で郵送した領収書の写し(乙9)があり、同日に、松井印刷社からダイコク宮崎店宛に、サマーセールDMチラシの1510部の郵便料金が、単価70円であって、その合計金額が105,700円であった旨の請求書の写し(乙4の1)があることが確認できる。
そして、両者の日付(平成30年(2018年)6月21日)が一致し、実際のサマーセールの開始4日前と不自然な日付ではないこと、金額(105,700円)と部数(1510部)が一致し、その部数が決して少ないものではないことから、ダイコク宮崎店の担当者が、松井印刷社に依頼して、平成30年(2018年)6月21日に、本件チラシ1510通が、郵便の手段により、顧客に対して頒布されたとみて差し支えない。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり、左側に、六角形をモチーフとしデザイン化された黒色図形を配し、その内側に白抜きで「現金」及び「問屋」の各漢字をゴシック体風の書体にて上下二段に横書きしてなり、右側に「ダイコク」の片仮名をゴシック体風の書体にて黒色で横書きしてなるものである。
これに対し、使用商標は、別掲2のとおり、左側に、六角形をモチーフとしデザイン化された青色図形を配し、その内側に白抜きで「現金」及び「問屋」の各漢字をゴシック体風の書体にて上下二段に横書きしてなり、右側に「ダイコク 宮崎店」の片仮名をゴシック体風の書体にて青色で横書きしてなるものである。
そして、使用商標の構成中の「宮崎店」の文字部分は、宮崎県宮崎市にある店舗の意味合いを有し、単に、役務の提供の場所を表示するものと認識され、役務の出所識別標識としての機能があるものとはいえないことからすると、使用商標の構成中、左側の「現金」及び「問屋」の各文字を白抜きした図形部分及び「ダイコク」の文字部分が、役務の出所識別標識としての機能を有するものと認められ、要部に相当するものである。
そこで、本件商標と使用商標の要部とを対比すると、両者は、左側に、六角形をモチーフとしデザイン化された図形及びその内側に白抜きで「現金」及び「問屋」の各漢字をゴシック体風の書体にて上下二段に横書きし、右側に「ダイコク」の片仮名をゴシック体風の書体にて横書きしてなるものであって、色彩について、黒色か青色かの差があるものの、構成を同じくし、その配置においても相違は認められず、外観において同視されるものである。
また、いずれの商標もその文字部分は「現金」、「問屋」及び「ダイコク」からなるものであり、上記各文字部分は、同一の称呼「ゲンキンドンヤダイコク」を生じるものであって、観念においても異なるものではない。
そうすると、使用商標は、本件商標との比較において、外観において同視される図形並びに称呼において同一及び観念において異なるものではない文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というのが相当である。
(2)使用役務について
上記1の認定事実から、商標権者は、木材、新建材、住宅機器等の卸売・小売業を行っている会社であり、その直営店の一つである宮崎店の「ひと足早い!!!サマーセール!!」と称する本件チラシ(乙8)において、除草剤などの各種取扱商品について、その商品の品目、特徴、そのチラシの対象期間における価格などの各種情報を、顧客に対し、与えるものであるということができる。
そうすると、本件チラシは、「除草剤の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務」という。)に関する広告ということができ、使用役務は、請求に係る役務中「薬剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属する役務と認められる。
(3)使用時期について
上記1(1)の認定事実から、ダイコク宮崎店は、除草剤などの各種取扱商品について宣伝広告を本件チラシ(乙8)によってしたものである。
そして、当該チラシは、平成30年6月25日(月)から7月7日(土)の期間を対象とするものであって、同年6月21日頃に、郵便の手段により、顧客に頒布されたと推認できるものであるところ、当該期間は、要証期間と認められる。
そうすると、商標権者は、使用役務に関する広告に、使用商標を付して、要証期間に、頒布したということができる。
(4)小括
以上によれば、商標権者が、要証期間に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務中、第35類「薬剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる使用役務に関する広告に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して、頒布したと認めることができる。
そして、この行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、乙第11号証の商標権者のフランチャイズ店を運営する平越本家社が、本件商標の登録事項記載書類(甲1)に、通常使用権者として登録されておらず、本件商標の使用権を有していることが確認できないこと、及び、乙第14号証の3の店舗写真において、同フランチャイズ店(橿原店)の看板に、本件商標と異なる態様の商標が使用され、本件商標が使用されていないことから、本件商標の使用の事実が証明されていない旨主張する。
しかしながら、上記2のとおり、フランチャイズ店(橿原店)以外の商標権者の直営店(ダイコク宮崎店)によって、本件商標については、要証期間に日本国内において、商標権者によって、その請求に係る指定役務に含まれる役務について、本件商標の使用をしていることを証明したものと認められるから、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲
別掲1 本件商標


別掲2 使用商標(色彩は原本参照)



審理終結日 2021-04-30 
結審通知日 2021-05-10 
審決日 2021-06-03 
出願番号 商願2012-30033(T2012-30033) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W35)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 小俣 克巳
山根 まり子
登録日 2012-11-16 
登録番号 商標登録第5536432号(T5536432) 
商標の称呼 ゲンキンドンヤダイコク、ゲンキンドンヤ、ダイコク 
代理人 宮崎 伊章 
代理人 特許業務法人藤本パートナーズ 
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