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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X14
管理番号 1375962 
審判番号 取消2018-300823 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-10-31 
確定日 2021-06-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5479352号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5479352号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「イルミネーションスター」の片仮名とその下に、該文字より大きく、ややデザイン化し、筆記体風に表された「Illumination Star」の欧文字を二段に書してなり、平成23年10月5日に登録出願、第14類「ダイヤモンド,その他の宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属,キーホルダー,貴金属製宝石箱,身飾品,時計」を指定商品として、同24年3月16日に設定登録され、その後、商標権一部取消し審判により、指定商品中、第14類「キーホルダー,貴金属製宝石箱,時計,カフスボタン」について、取り消すべき旨の審決がされ、令和元年8月30日にその確定審決の登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成30年11月12日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人の調査によれば、本件商標は、登録から3年以上経過しているにもかかわらず、その指定商品、第14類「ダイヤモンド,その他の宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属,キーホルダー,貴金属製宝石箱,身飾品,時計」(以下「本件商品」という。)について、本件商標を、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をした事実が発見できない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、平成30年12月21日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、答弁書にて、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。なお、乙1は乙1の1に、乙4は乙4の1に変更する。)を提出した。
1 理由について
本件商標は、本件商標の商標権者(以下「商標権者」という。)が展開するダイヤモンドジュエリーブランド<DIVANTE>の商品シリーズの一つとして継続的に使用しているものである。
2 証拠について
(1)乙第1号証の1は、平成28年(2016年)1月24日に株式会社大丸松坂屋百貨店の大丸京都店主催で開催された外商顧客向けホテル催事に、商標権者が、本件商標を使用した商品を出展した際の案内状である(乙1の1)。
これは、大丸京都店が作成して、外商顧客へ配布した案内状で、商標権者のジュエリーブランドである<DIVANTE>(ディアヴァンテ)の掲載部分に「イルミネーションスター」と記載されている(乙1の1)。
これは、本件商標「イルミネーションスター/Illumination Star」と社会通念上同一であり、本件商標の使用と認められるものである。
(2)乙第2号証は、本件商標を使用する商品の購入者へ渡す品質保証書である。この品質保証書は、商標権者が、平成28年(2016年)10月7日に株式会社Sへ発注し、同月14日に納品されたものである(乙3)。
この保証書は、現在も使用しているものであり、この保証書面で使用されている「Illumination Star/イルミネーションスター」は、本件商標と社会通念上同一であり、本件商標の使用と認められるものである。
(3)乙第4号証の1は、商標権者が、平成28年(2016年)6月23日から同月26日の4日間、自社サロンにて開催したフェアの案内状である。
乙第4号証の1に使用されている「Illumination Star」は、本件商標と社会通念上同一であり、本件商標の使用と認められるものである。
このフェアは、商標権者が、年2又は3回の頻度で開催するジュエリーなどの販売会で、自社保有顧客に配布したものである。この案内状は、商標権者のウェブサイトにて過去のサロンフェアアーカイブとして掲載している(乙5)。
3 当審における審尋に対する被請求人の回答
当審における、「被請求人が提出した全証拠によっては、商標権者又は、商標権者から本件商標の使用を許諾された専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、本件商標を本件商品に使用したことを証明していない。」旨の審尋に対し、被請求人は、令和元年(2019年)5月7日付け回答書で、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証の2、乙第4号証の2及び乙第6号証を追加で提出した。
(1)「大丸京都店 外商顧客向け催事『美と輝きの饗宴』の案内状」(乙1の1)についての疑義について
商標権者などの宝飾メーカーは、大丸などの百貨店に入っている販売会社に商品の販売の委託を行う販売形態をとっており、自社商品の提案などを販売会社へ行うため、百貨店との直接の取引はない。そして、「大丸京都店 外商顧客向け催事『美と輝きの饗宴』の案内状」(乙1の1)の製作、配布などは大丸百貨店が行っている。
このような取引形態であるから、商標権者が、大丸百貨店に対し、案内状の配布先や配布枚数などの顧客データを要求することは難しく、これらを提出することはできない。
また、この催事での本件商標を使用した商品の販売はないため、取引書類はない。宝飾品は高額で趣味嗜好が強いため、案内状に掲載されたからといって必ず商品が販売できるということはない。
ただし、乙第1号証の1を大丸京都店が作成する時に、該案内状に掲載する商品を撮影するため、販売会社を経由して商品の貸し出しをした委託伝票データが被請求人の商品管理システムの履歴にある(乙1の2)。
乙第1号証の2の委託先に記載された「株式会社S」が、大丸京都店に入る商標権者と取引のある販売会社であり、乙第1号証の2の備考欄に、乙第1号証の1に掲載される商品であることが記載されている。商品は全てこの商品管理システムで商品番号で個別管理されている。乙第1号証の2は、委託伝票の1、2行目にある本件商標を使用した商品の詳細表示画面である。この商品管理システムの「分類」の項目が商品のシリーズを表す項目で「イルミネーションジュエリー」という分類が本件商標を使用した商品の分類である。
(2)「『Jewelist Fair きらめきの星(スター)フェア?星に願いを?』の案内状」(乙4の1)についての疑義について
乙第4号証の1の案内状は、商標権者の保有する顧客リストの中から抽出した356件に郵送している(乙4の2)。
この催事においても、本件商標を使用した商品の販売はないため、商品の販売に関する取引書類はない。

第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)要証期間に、(2)日本国内において、(3)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(4)本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)商標権者は、平成28年(2016年)6月23日から同月26日に、商標権者主催の「Jewelist Fair きらめきの星(スター)フェア?星に願いを?」をタイトルとする催事を開催したところ、その案内状の1頁に、商標権者の略称の英語表示と思われる「DIAVANTE」の記載と共に、商品「ペンダント」及び「リング」の画像が掲載され、そこには、構成中「S」の欧文字の上部の左右に「★」の図形が配された、構成する単語の語頭をややデザイン化し、筆記体風に表された「Illumination Star」の文字(以下「使用商標」という。)が記載されている(乙4の1、乙5)。
(2)商標権者は、平成28年(2016年)6月23日から同月26日に開催した「Jewelist Fair きらめきの星(スター)フェア?星に願いを?」をタイトルとする催事の案内状を、顧客356名に配布した(乙4の2)。
なお、乙第4号証の2においては、当該催事の案内状の発送日の記載はないが、実際の商取引において、商品の展示販売会等の催事を開催する場合、その催事への集客等を目的とするため、その開催を事前に告知することが普通に行われることから、当該催事の案内状の発送は、平成28年(2016年)6月23日よりも前に行われたことが推測できる。
3 判断
上記2で認定した事実等によれば、以下のとおりである。
(1)使用商品について
使用商標が使用された商品「ペンダント」及び「リング」は、本件商品中の「身飾品」に含まれる。
(2)本件商標と使用商標の社会通念上同一性について
本件商標は、別掲のとおり、「イルミネーションスター」の片仮名及びややデザイン化し、筆記体風に表された「Illumination Star」の欧文字を二段に書してなるところ、その構成中の「イルミネーションスター」の片仮名は、ややデザイン化し、筆記体風に表された「Illumination Star」の読みを表すものであることから、本件商標は、「Illumination Star」のみの使用も本件商標の使用と認められる。
そして、本件商標の構成中のややデザイン化し、筆記体風に表された「Illumination Star」と使用商標とは、構成文字及びこれらの文字の書体を同じくするものであり、外観において類似し、「イルミネーションスター」の称呼を共通にするものである。
したがって、本件商標と使用商標は、本件商標が二段に書され、一方、使用商標の構成中の「S」の上部の左右に「★」の図形を配する等、構成全体としては外観上の差異を有しているとしても、両商標は、社会通念上同一の商標というべきである。
(3)使用者について
本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を使用商品に使用した者は、商標権者と認められる。
(4)使用時期について
上記2のとおり、商標権者は、平成28年(2016年)6月23日から同月26日に、「Jewelist Fair きらめきの星(スター)フェア?星に願いを?」をタイトルとする催事を開催し、その案内状において、使用商標を商品「ペンダント,リング」に使用し、当該案内状は、この催事の開催日前に、顧客の356名に配布したことが認められる。
そして、この催事の開催期間である平成28年(2016年)6月23日から同月26日及び当該案内状が発送されたと推測できる日は、要証期間である。
(5)小括
以上(1)ないし(4)のとおり、被請求人の主張及び被請求人の提出した全証拠を総合的に判断すると、商標権者であるディアヴァンテ株式会社は、平成28年(2016年)6月23日から同月26日に、「Jewelist Fair きらめきの星(スター)フェア?星に願いを?」の催事を開催し、その案内状において、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を本件商品中の「身飾品」に含まれる「ペンダント,リング」に使用した。
そして、当該案内状は、この催事の開催前に、商標権者の顧客、356名に配布された。
この行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは領布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が、本件商品中の「身飾品」に含まれる商品「ペンダント,リング」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲(本件商標)




審理終結日 2021-03-29 
結審通知日 2021-04-01 
審決日 2021-04-26 
出願番号 商願2011-71096(T2011-71096) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X14)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邉 潤 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 豊田 純一
小俣 克巳
登録日 2012-03-16 
登録番号 商標登録第5479352号(T5479352) 
商標の称呼 イルミネーションスター、イルミネーション、スター 

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