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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服202016803 審決 商標
異議2021900137 審決 商標
無効2019890040 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W08
審判 全部申立て  登録を維持 W08
審判 全部申立て  登録を維持 W08
管理番号 1375199 
異議申立番号 異議2020-900241 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-09-23 
確定日 2021-06-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第6267785号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6267785号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6267785号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、令和元年9月4日に登録出願され、第8類「はさみ類,刀剣,手動工具,スプーン,フォーク」を指定商品として、同2年6月4日に登録査定、同年7月9日に設定登録されたものである。

第2 引用標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由として引用する標章は、「BOND GIRL」の欧文字(以下「引用標章1」という。)を横書きした構成からなるもの及び「ホンドガール」の片仮名(以下「引用標章2」という。)を横書きした構成からなるものであり、いずれも映画作品007シリーズに登場する女性キャラクターたちの名称として使用されているものである。
以下、上記の引用標章1及び引用標章2を、まとめていうときは、「引用標章」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に該当し、同法第43条の2第1号により、その登録が取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第79号証を提出した。
1 具体的理由
(1)申立人
申立人は、米国のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー社(MGM)と共に映画作品007シリーズ(以下「007シリーズ」という)の著作権を共同所有しており、この映画に関する世界的な商品化権を管理している企業である。
(2)007シリーズ
「007」は、スパイ小説家のイアン・フレミングによる長編「カジノ・ロワイヤル」のなかで生み出されたイギリス秘密情報部員ジェームズ・ボンドのコード名であり、このジェームズ・ボンドを主人公とした小説はシリーズ化され多数の作品が出版されている。また、当該小説シリーズが1962年に映画化されたのを契機として、ジェームズ・ボンドを主人公とした映画がこの58年の間に25作品が制作されている。これらの映画シリーズは世界中で公開され人気を博し、それらすべての作品が極めて高い興行成績を残しており、これらの一連の映画作品は、もっとも成功した映画シリーズであるということができる(甲2?甲4)。
さらに、007シリーズ第25作目である最新作「007/No Time To Die」が2021年公開予定であることから、今後007シリーズ、ジェームズ・ボンド、ボンドガールに対する関心はますます高まるものと考えられる(甲5)。
(3)BOND GIRL(ボンドガール)
「BOND GIRL(ボンドガール)」は、007シリーズに登場するボンドの相手役となる女性キャラクター(以下「女性キャラクター」という)、あるいはその女性キャラクターを演じる女優たちを呼称するために創作された造語である。女性キャラクターたちはボンドの敵となり得るし、また、ボンドと行動を共にすることもある。
ボンドガールはボンドとともに、あるいは単独で、雑誌をはじめとする様々なメディア、映画の試写会、関連イベントなどに登場することが多く、その容姿、キャラクターなどの圧倒的な魅力から、ボンドと同等あるいはそれ以上に注目を浴びている。
(4)ボンドガールの紹介記事等
007シリーズの新作が公開される度に、多くの雑誌で007特集が組まれ、ボンドガールについても様々な雑誌で取り上げられている。ボンドガール関連記事は非常に多いため、2003年「007/ダイ・アナザー・デイ」以降の記事の一部を紹介する。
ア 007/ダイ・アナザー・デイ(2002年)
(ア)フラウ 2003年1月14日号(甲7)の表紙には「今こそ、すべての女性は、ボンドガールを目指すべし!」といったタイトルがある。
同誌には「歴代ボンドガール大図鑑 ボンドを愛した女たち」というタイトルで、60年代、70年代、80年代及び90年代を彩った19名のボンドガールが紹介されている。また、同誌には「ボンドガールの歴史を統括した史上最強のボンドガール、ハル・ベリーという女神」というタイトルで、ヒロインのハル・ベリーが紹介されている。
(イ)SCREEN 2003年4月号(甲8)では、「007/Special」という特集が組まれ、「『ダイ・アナザー・デイ』のボンドガール来日」として、ハリー・ベリーとロザムンド・パイクの来日やインタビューが紹介されている。
また、特集の中では「強いボンドガールを演じられて気分は“女性版007”よ!」及び「ハリー・ベリー来日」というタイトルで、ハリー・ベリーのインタビュー記事が掲載されている。ハリー・ベリーについては「“ボンドを超えるボンドガール”という形容こそふさわしい彼女に早速インタビュー!」とある。
さらに、同誌には「セクシーさを競う/歴代ボンドガールズ」というタイトルで、「ジャマイカのクラブ・アイランドの海岸で、ウルスラ・アンドレス扮するハニー・ライダーがビキニ姿で海中から現れた時、“ボンドガール”という神話は幕を開けた。1962年のことだ。以後40年にも渡って数多くの美女たちがこの称号で呼ばれ、スクリーンの中でそのセクシーさを競ってきた。(以下、省略)」及び「もちろん女優たちにとってはボンドガールは憧れの座だった。“ボンドガールは女優として大成しない”などと陰口をたたかれた事もあったが、今なおこの称号は輝きを失わない。そして時代は21世紀。ボンドガールも新たな時代に移りつつある。(中略)常に時代の空気を反映しながら、007シリーズに鮮やかな彩りを加えてきたボンドガールたち。彼女たちもまた、さらなる進化を続けているのだ。」とある。
イ 007/カジノ・ロワイヤル(2006年)
(ア)キネマ旬報 2006年12月上旬特別号(甲9)には、エヴァ・グリーンのインタビューが掲載されている。
また、同誌で、映画評論家A氏は、「Aのボンドガール論<決定版>」及び「“007と寝る”と見せかけて“時代と寝る”女たち」で、各作品のボンドガールについて触れ、「・・・、時代は変わる。ボンドも変わる。ボンドガールも当然変わる。その時代の女性像の合わせ鏡として、たとえディフォルメした形でも反映してきたのだ。下世話な表現をすれば、ボンドガールは、“007と寝て”いる、と見せかけて、ちゃんと“時代と寝て”いたのである。」と述べている。
(イ)日経エンタテインメント 2006年12月号(甲10)では、ボンドガールのエヴァ・グリーンを紹介している。「カジノ・ロワイヤル」において「ボンドは原作に近い生身の人間として描かれ、時代とともに『お色気路線』から『戦う強い女』へと変化してきたボンドガールも、初めて等身大の存在になった。」とある。
(ウ)2006年12月11日に発行された映画パンフレット(甲11)には、ボンドガール、ヴェスパー・リンドを演じた、エヴァ・グリーンのインタビューが掲載されている。
ウ 007/慰めの報酬(2009年)
(ア)SCREEN 2009年1月号(甲12)には、「007/慰めの報酬 マルチ大特集」の中で「非情の世界を生きる主人公たち」として、オルガ・キュリレンコ扮する「カミーユ」が紹介されている。同誌にはオルガ・キュリレンコのインタビュー、ジャパンプレミアでファンに手を振るオルガ・キュリレンコとダニエル・クレイグの写真が掲載されている。
(イ)キネマ旬報 2009年1月下旬号(甲13)には、「今までとは少し違うボンド・ガール」というタイトルで、オルガ・キュリレンコのインタビューが掲載されている。
(ウ)SCREEN 2009年3月号の付録である「007/慰めの報酬&ジェームズ・ボンド大百科」(甲14)には、「強靭な意志を持った新時代のボンドガール」としてオルガ・キュリレンコの紹介がされている。
また、同付録の中の「映画は“女優”で見る!」「Aの」「ボンドガール・ベスト10」では、「007といえばやっぱりボンドガール。僕なんぞはこれが楽しみでこのシリーズをずっと見ているようなもんだ。ボンドガールは実は時代の合わせ鏡なのである。初期のボンドガールは彩り、お飾り、ときには足手まとい。(中略)しかし、時代とともにボンドガールは007と同等あるいはそれ以上の職能女性として描かれることが多くなった。」と述べている。
(エ)Pen 2009年1月15日号(甲15)の「007 ジェームズ・ボンドのすべて。」では、「相棒か敵か戯れか?ボンドガールたちの系譜。」というタイトルで、「鮮烈な存在感で007映画をより刺激的にしてくれるボンドガール。果たしてボンドと作品にとって、女たちは何をもたらしてくれるのだろうか?」というサブタイトルで、代表的なボンドガールが紹介され、時代の変遷とともに“ガール”たちのキャラクターが多種多様になっていることをあげられ、いくつかの系譜に分けてボンドガールが紹介されている。
(オ)ぴあ 2009年2月5日号(甲16)には、オルガが演じるカミーユについて「同じ“復讐”という言葉でボンドとは結ばれ行動をともに。ボンドガールだが、そういうセクシャルな関わりはナシ!」と紹介されている。
エ 007/スカイフォール(2012年)
(ア)週刊文春 2012年11月1日号(甲17)では、「美女と車と/アクションの50年/私たちが愛した/007」という特集が組まれ、「魅惑のボンドガール/BOND GIRL Collection」として、ボンドガールたちが紹介されている。
(イ)SCREEN 2012年11月号(甲18)では、「007 伝説のスパイジェームズ・ボンドが駆け抜けた半世紀」というタイトルで、歴代のジェームズ・ボンドが紹介されている。「1990年代?」の欄には、「上司が女性になり、ボンドガールも大物が演じるように」とあり、「ゴールデンアイ」でジェームズ・ボンドの上司Mが女性(ジュディー・デンチ)に変わったこと、18作目「トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997年)では、ボンドガールのミシェール・ヨーがボンド以上に過激なアクションを披露して、決して添え物ではない点が新鮮だったこと、19作目「ワールド・イズ・ノット・イナフ」(1999年)では、人気女優ソフィー・マルソーが登場し、大物女優でもボンドガールになる価値を感じ出したこと、「2000年代?」の欄には、「ダイ・アナザー・デイ」(2002年)では、ボンドガールがシリーズ初のオスカー女優ハリー・ベリーであったことが紹介されている。
(ウ)Newsweek(ニューズウィーク日本版) 2012年11月14日号(甲19)では、「50/ジェームズ・ボンド50年の軌跡」という特集が組まれ、「美女と殺しと爆破の半世紀」というタイトルで、007シリーズの歴史が年表風に紹介されている。
(エ)エコノミスト 2012年11月27日号(甲20)では、「50周年/007の魅力」という特集が組まれた。その中には「時代、スポンサーとともに変わる女性、クルマ、小道具」というコラムがあり、007の魅力を語るとき、忘れてはならないもののひとつとして、魅惑的なボンドガールが挙げられている。また、「当初のボンドガールは映画の“華”にすぎなかったが、やがてボンドのパートナー、ライバル、敵などへと役の重みが増していった。」ことなどが述べられている。
(オ)SCREEN 2013年1月号(甲21)には、「シリーズ誕生50周年記念作/007/スカイフォール」と大きき書かれた文字とともにボンドとふたりのボンドガールの写真が掲載されている。
また、同誌にはボンドガールの欄があり、「男くさい『007』シリーズに華を添える存在として、なくてはならないボンドガール」とある。
(カ)2013年1月10日に発行された「MAGAZINE HOUSE MOOK/007 COMPLETE GUIDE」(甲22)では、「ボンドガールは永遠に!」という特集が組まれている。
映画評論家のK氏は、007シリーズに欠かせないのがボンドガールというものの、添え物的なニュアンスで語られることも多いボンドガールについて、「真の007ファンは『ボンドガール』の称号を崇拝する。」と述べ、いくつかの作品の女性キャラクターたちを紹介し、「最後にひとつだけいいたい。スターダムの登竜門といわれながら、実はその後出世した女優は少ないことをよくやゆされるが、一度でもボンドガールの歴史に名を連ねただけで、彼女たちは映画ファンから愛を獲得している。もう『永遠の命』を得ているのだ!」と締めくくっている。
(キ)GQ JAPAN 2012年12月号(甲23)では、「ボンドガールは2度美味しい」というタイトルで、今作は2人の美女がボンドを窮地に陥れる、とある。
同誌には、GQ UKが行った、ボンドガール、ベレニス・マーロウのインタビューが掲載されている。
(ク)MEN’S CLUB 2013年2月号(甲24)では、「ジェームズ・ボンドに学ぶ」及び「“熟男(うれだん)”007の流儀」というタイトルで、ボンドガールを演じたベレニス・マーロウを直撃したという記事が掲載されている。
オ 007/スペクター(2015年)
(ア)キネマ旬報 2015年12月上旬号(甲25)のS氏とM氏の対談では、ボンドガールについて、当初のお人好しで、プレイメイト的なボンドガールから、強くて、賢くて、若さに頼らないボンドガールになったこと、この20年の間にボンドガールはがらりと変わり、フェミニズム寄りになったというようなことが語られている。
(イ)Pen 2015年12月15日号(甲26)には、「元ボンド・ガールが語る、物語を彩る女たち。」というタイトルで、「新作を含めて通算24作のフィルモグラフィーを誇る007シリーズを語る上で避けて通れないのがボンドガールの存在だ。」とある。「リビング・デイライツ」でボンドガールを演じたマリアム・ダボは、ボンドガールについて、「女性の社会進出など各時代の社会的気運を背景に、その役柄設定も進化を続けている」と語っている。
また、「セックスシンボルから、女性のロールモデルヘ。」というタイトルで「歴代のプロデューサーたちは、刻々と変化する時代のトレンドに敏感で、それを各時代の作品に取り入れてきた。ボンド・ガールのキャスティングはその最たる例。1960年代に代表されるセックスシンボル的存在から、ボンドと肩を並べるプロフェッショナルな女性へと存在感を増していったの」とある。
(ウ)キネマ旬報 2015年12月下旬号(甲27)には、「007/スペクター」で、007史上初の50歳の熟女ボンドガールを演じたモニカ・ベルッチのインタビューが掲載されている。彼女は「ボンド・ガールって呼ばれたくないわ、ボンド・レディにして」と述べている。
(エ)GQ JAPAN 2015年12月号(甲28)では、「ボンド・ガールからボンド・ウーマンヘ」というタイトルで、「ボンドの世界に欠かせないのがボンド・ガールの存在だ。ボンドを愛し、翻弄し、命をも狙ってきた彼女たちはいつもその時代の女性像を象徴している。」とある。また、ボンドの長い歴史におけるボンド・ガールの移り変わりを、S氏が「ボンドの世界を彩るボンド・ガールたち」として考察し、ボンドガールたちを年表風に紹介している。
また、同誌には、BOND GIRL#1として、レア・セドゥのインタビュー、BOND GIRL#2として、モニカ・ベルッチのインタビューが掲載されている。
(オ)SCREEN 2016年1月号(甲29)には、3名のボンドガール、ナオミ・ハリス、レア・セドゥー、モニカ・ベルッチのインタビューが掲載されている。
以上によれば、ボンドガールは007シリーズの象徴として同シリーズに鮮やかな彩りを与え、時代の空気を反映し、時代と共に進化し続けてきたことから007ファンには常に新鮮であり、007シリーズという、稀にみる成功を収めた映画シリーズにおいて欠くべからざる存在であり、シリーズ成功の功労者であったといっても過言ではない。
(5)ボンドガールの各種イベントへの参加、関連イベントの開催
新作映画の宜伝のため、ボンドガールはプレミア試写会をはじめとする各種イベントに参加している。また、新作映画公開時には、様々なボンドガール関連イベントも開催されている。
以下、その一部を紹介する。
ア 2008年10月29日、「慰めの報酬」のロイヤルプレミアが聖地オデオン・レスター・スクエアで開催された。同試写会については「女王陛下のために開催する、ロンドンの祝祭」という記事が、Pen 2009年1月15日号(甲15)に掲載されている。同誌にはボンドガール役のオルガ・キュリレンコが極寒のロンドンで見事なドレス姿を見せてくれたことが紹介されている。
イ 2008年11月23日、オメガの「オメガ シーマスタープラネットオーシャン007限定モデル」発売のイベントが東京青山のオメガブティックで開催され、「007/慰めの報酬」でボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコが参加した(甲30)。
ウ 「007/慰めの報酬」公開イベントとして、2009年1月12日から2月15日まで、「Trial To 007」が開催されることがソニー企業株式会社の2008年12月5日付プレスリリースで公表された(甲31)。イベントの一環として、銀座ソニービルの外壁にはボンド(ダニエル・クレイグ)とボンドガール(オルガ・キュリレンコ)の大きな垂れ幕が掲げられた(甲32)。
エ 「007/スカイフォール」のロイヤルプレミア(ロンドン)が2013年10月23日に、パリプレミアが10月25日に、ローマプレミアが10月26日に、それぞれ開催された。ボンドガール役のベレニス・マーロウがボンドとともにプレミア試写会に参加した。プレミア試写会については、MOVIE 2013年1月号(甲33)、SCREEN 2013年1月号(甲21)及び同2月号(甲34)で紹介されている。
オ 映画「007/スカイフォール」のオフィシャル・パートナーに選出された「GLOBE-TROTTER(グローフ・トロッター)」による、同作品の劇中衣装を展示する特別展「A Taste of 007 style」が、11月14日から12月16日までヴァルカナイズ・ロンドン青山店で開催されることが、オンラインの情報サイト(Fashionsnap.com)(甲35)や、MEN’S Ex 2013年1月号(甲36)で紹介されている。
カ 阪急メンズ東京が007シリーズ最新作「007/スカイフォール」の公開に合わせて「ウインターダンディズム?007WEEK?」を開催すること(2012年11月19日?12月7日まで)、ボンドガール、ベレニス・マーロウの来日イベントが11月19日(月)17時半からに決定したことが、オンラインの情報サイト(Fashionsnap.com)(甲35)や、メールマガジン(Web Magazine OPENER)(甲37)で紹介されている。
なお、ベレニス・マーロウの来日イベントについては、「NEWS LOUNGE」というサイトでも紹介されている(甲38)。
キ 「『八光自動車工業(株)』×『007 スカイフォール』×『アストンマーチン』コラボイベント?セレッソ大阪のボンドガールになってボンドカーと記念撮影?」というイベント開催(イベントは12月1日(土)川崎フロンターレ戦試合の前に開催予定)のため、ボンドガールの募集が行われた(甲39)。
ク 映画「007/スペクター」の公開を記念して、2015年11月16日、六本木ヒルズで「TOKYO BOND GIRL COLLECTION」が開催された。同イベントには、ボンドとボンドガールに扮した有田哲平と道端ジェシカが登場した(甲40)。
ケ 2015年11月、「現在、銀座線や日比谷線をはじめとする東京メトロでは、ハーパース×007のコラボポスターが全車両ジャック中です。」という記事がハーパーズバザーのサイトに掲載された。車内をジャックしたポスターには、ボンドとボンドガールの写真とともに「“ボンドガール”美しき永遠のアイコン」、「今月号の『ハーパーズバザー』はボンドガールが主役」というキャッチコピーがある(甲41)。
コ 阪急メンズ東京(東京・有楽町)が「007 Winter Special Week」を、2015年11月21日(土)から12月4日(金)まで開催すること、11月30日には、OMEGAの招聘によりマネーペニー役のナオミ・ハリスが来店予定であることが、GQ JAPAN 2015年12月号(甲28)に掲載されている。
(6)最新作007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
007シリーズ第25作の制作が決まり、謎に包まれた最新作の新情報が明らかとなるローンチイベントが007シリーズのゆかりの地のひとつであり、記念すべきシリーズ第一作目の「007/ドクター・ノオ」のロケ地、ジャマイカで開かれ、2019年4月25日(木)21時10分頃(日本時間)から全世界同時にライブストリーミングされ大きな話題を呼んだ。
さらに、最新作はダニエル・クレイグ最後の作品であり、6代目ジェームズ・ボンドの集大成であること、日系アメリカ人のキャリー・フクナガが監督を務めること、「ボヘミアン・ラプソディ」のフレディ・マーキュリー役でアカデミー賞主演男優賞を獲得したラミ・マレックがキャスティングされたことも話題となっている(甲42)。
最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が公開されることもあり、雑誌では007シリーズの特集記事や紹介記事が掲載されている。その一部を紹介する。
ア SCREEN 2020年5月号(甲43)
今作では、ボンドのビジネスを救いサポートするパロマ(アナ)、00のコードネームを持つ女性エージェント、ノーミ(ラシャーナ)、かつての恋人マドレーヌ(レア)が登場することが紹介されている。また、同誌では、00エージェント、ラシャーナ・リンチ、アナ・デ・アルマスやナオミ・ハリスといった強い女性キャラクターの登場や、バーバラ(007シリーズのブロデューサー、バーバラ・ブロッコリ)がフェミニストとして発言力を持っていることなども触れつつ、それでもボンドはあくまでもボンドであることなどを引き合いに出し、「いま流行のムーブメント(MeToo)を意識しているような、やはり「007」は「007」と思えるようなコメントは、映画を見る楽しみを倍増してくれる。」と最新作の魅力を紹介している。
イ MOVIESTAR 2020年5月号(甲44)
映画の見どころのコラムでラシャーナ・リンチ、アナ・デ・アルマス、ナオミ・ハリス、レア・セドウが紹介されている。「ダニエル・クレイグ、最新作『007/ノータイム・トゥ・ダイ』を語る」の中で、「#Me Too運動の課題や問題を避けるつもりはない」ということで、ノーミ役のラシャーナ・リンチ、パロマ役のアナ・デ・アルマスが紹介されている。同誌には、2019年4月の製作会見の写真が掲載されている。ボンドは4人の女性キャラクターに囲まれている。
ウ SCREEN 2020年12月号(甲45)
「次に見るべき映画&配信作品最新ガイド」では「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のプレ特集が組まれている。同誌では、マドレーヌ(レア・セドゥー)が001、パノーミ(ラシャーナ・リンチ)が002、パロマ(アナ・デ・アルマス)が004として、それぞれ紹介されている。
(7)007シリーズの二次利用
流通メディアの発達に伴い、映画・映像作品については、映画館で上映されるだけでなく、DVDやテレビ等の様々なメディアを通して二次利用されるのが通例になっているが、007シリーズもその例外ではなく、映画館で上映後、DVDの制作(甲46)や、テレビ放送、すなわち、2010年3月からWOWOWで全22作品を一挙放送(甲47)、2015年1月から2016年6月まで、BSジャパンの金曜名画座で22作品放送(甲48)、2020年には新作が公開される予定であったことから、BS-TBS、映画専門チャンネル「ムービープラス」が24作品及び番外編2作品(甲49、甲50)を、テレビ東京が20作品(甲51)をそれぞれ放送するなど、作品の二次利用が行われている。これら映画以外の媒体を通じて、007シリーズ及びその華たる「ボンドガール」がお茶の間にも広くかつ深く浸透していることはいうまでもない。
(8)小括
以上のとおり、「BOND GIRL(ボンドガール)」は、1962年の映画公開時より50年余りの間007シリーズの華としてスクリーンに登場し、ボンドとともに活躍してきた。ボンドガールについては雑誌等のメディアで多数取り上げられており、新作映画公開時の各種イベントヘの登場により、「BOND GIRL」及び「ボンドガール」の名称・標章は、遅くとも本件商標の登録出願時(令和元年(2019年)9月4日)において、これらの名称・標章に接する者に、007シリーズの登場人物である女性キャラクターたちをただちに想起させる程に著名なものとなっていたこと、さらに、その著名性は2015年の「007/スペクター」の公開及び2021年公開予定の最新作「007/No Time To Die」に関するプロモーション活動などを通じて、今日に至るまで引き続き維持されていることは疑う余地がない。
(9)ボンドガールについてのライセンス
一般に周知・著名な映画やテレビやその登場人物については、正当権利者の許諾の下に各種商品化が行われることは珍しくない。人気のあるキャラクターを自己の商品に利用することで、その購買力を著しく高められるからである。ボンドガールは有名な映画シリーズの人気キャラクターであることから、その名称・標章及び肖像の使用についてのライセンスが多くの会社に許諾されている。
例えば、申立人は、以下のブランドに「BOND GIRL(ボンドガール)」についてのライセンスを許諾している。
ア O・P・I
ネイル製品トップメーカーであるO・P・I(アメリカ合衆国カリフォルニア州)は、映画「007/スカイフォール」(2012年)のタイアップキャンペーンとして、映画界で印象に残る美しい女性たち、ボンドガールをイメージした「ボンドガールズ バイ オーピーアイ」という商品を発売した(甲52、甲53)。
商品及び商品の箱には「BOND GIRL」の文字及びボンドガールの肖像が使用されている(甲54)。
イ AVON(エイボン)
エイボン化粧品(アメリカ合衆国ニューヨーク州)は、007シリーズと提携し、「BOND GIRL 007」という名前の香水及びシャワージェルを発売し、商品のイメージキャラクターとして、「007/慰めの報酬」でボンドガールを演じる英国人女優ジェマ・アータートンを起用した(甲55、甲56)。
なお、映画.comニュースによれば、今回の提携についてエイボン社側は「ボンドガールは007シリーズの象徴の一つ。力強く、女性らしく、魅力的なそのエッセンスを我が社の商品に注入できるなんて、喜ばしいこと」とコメントし、007の制作サイドも、宣伝効果が得られる上、上品なブランドのイメージも植えつけることが出来るため、提携を喜んでいるようだ、とのことである。
商品及び商品の箱には「BOND GIRL」の文字が使用されている(甲57)。
また、エイボンは「007/慰めの報酬」の公開に合わせ、オーデパルファム スプレイを購入した顧客に対し、抽選で50名に「007/慰めの報酬」のDVDをプレゼントするというキャンペーンを行った(甲58)。
ウ Mattel(マテル)
バービー人形で有名なマテル(アメリカ合衆国カリフォルニア州)は、申立人よりライセンスを許諾され、2010年に「ドクター・ノオ」、「ゴールドフィンガー」、「死ぬのは奴らだ」、「オクトパシー」及び「ダイ・アナザー・デイ」などのボンドガールのバービー人形を発売した(甲59)。ボンドガールのバービー人形はオンラインストア楽天で購入可能である。(甲60)。
エ Cartamundi(カルタムンディ)
カードメーカーのカルタムンディ(ベルギー)は、ボンドガールのトランプを発売した。トランプのパッケージには「BOND GIRLS」の文字が表示され、カードにはボンドガールたちの肖像が使用されている(甲61)。歴代55人のボンドガールを集めた50周年記念スペシャルトランプはトランプ・カジノ専門店「モンテカルロ」のオンラインストアで購入可能である(甲62)。
オ Rittenhouse(リッテンハウス)
トレーディングカードのメーカーであるリッテンハウス(アメリカ合衆国ペンシルバニア州)は、ボンドガールたちのトレーディングカードを発行した。トレーディングカードには「BOND GIRLS」の文字が表示され、ボンドガールたちの肖像が使用されている(甲63)。ボンドガールのトレーディングカードは、海外ショッピングサイト「セカイモン」で購入が可能である(甲64)。
カ Te Neues(テヌース)
写真集などアート系の本を出版するテヌース(ドイツ)は、ボンドガールのカレンダーを発行した。カレンダーの表紙には「BOND GIRLS」の文字が表示され、カレンダーにはボンドガールたちの肖像が使用されている(甲65)。ボンドガールのカレンダーはアマゾン(amazon)で購入可能である(甲66)。
キ Revlon(レブロン)
レブロンが、その専属モデル、ハル・ベリーが演じる魅惑のボンドガール「ジンクス」のクール&セクシーなイメージをふんだんに取り入れた「007レブロン カラーコレクション」を限定品として、2003年3月7日に発売予定であることがフラウ 2003年1月14日号(甲7)で紹介されている。
(10)プロダクト・プレイスメント
ア 007シリーズとプロダクト・プレイスメント
近年の映画製作においては映画に商品を提供してその付加価値を高める、いわゆる「プロダクト・プレイスメント」といわれる広告手法が採用されることが多い。映画作品の中で企業の商品が映し出されば企業側にとっては良い宜伝となる。一方、映画製作者側にとっても映画製作費用を調達することができるというメリットがある。また、映画作品のタイトルや登場人物、関連する標章等とともに商品の宣伝・販売を行えば、それらの顧客吸引力を利用して高い宣伝効果・経済効果を得ることも期待できる。007シリーズは、その広告効果の高さから、多くのスポンサーにとって商品を提供したい「夢の作品」と言われている(GQ JAPAN 2015年12月号(甲28))。
GQ JAPAN 2015年12月号には、「プロダクト・プレイスメントにみる/ボンドの巨大スポンサービジネス」というタイトルで、「ジェームズ・ボンドに“選ばれたい”と思うのはなにも女性だけではない。007シリーズは、今一番企業が商品を提供したい映画なのである。世界を駆け巡る男は、ビジネススケールも大きい。」とある。同誌にはボンドが身につけるもの、ボンドが飲むもの、ボンドが乗るものなどが紹介されている(甲28)。
また、日刊スポーツのオンライン記事(2015年11月10日)にも、「今度のボンドはどの商品を使う?『007』広告効果」という記事が掲載されている(甲67)。一流のスパイが使用するものは世界最高級の証といわれるだけに、007シリーズには厳選された企業の商品が毎回選ばれているとのことである。007シリーズは作品が公開されるたびに登場する商品が話題となり、大規模なタイアップキャンペーンなども行われるだけに、その広告効果もかなり大きいようである。
イ ボンドガールとプロダクト・プレイスメント
007シリーズにおいて、ボンドガールにもタイアップが行われている。例えば、「007/スカイフォール」でボンドガールを演じたベレニス・マーロウは劇中で「デ・ヴィル プレステージ」を着用した(甲24)。
また、「007/慰めの報酬」でボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコや、ベレニス・マーロウは、来日イベントで、オメガの時計を身につけ登場し、作品とともに作品の公式ウオッチであるOMEGAのPRもした(甲38)。
ジュエリーメーカーのスワロフスキーも、007シリーズとタイアップを行っており、ボンドガールを演ずる女優にスワロフスキーのジュエリーを提供した。同社は、スカイフォール公開時、007シリーズ50周年を記念したコレクションを、世界1000店のショップで販売した(甲68、甲69)。「O.P.I.」、「エイボン」及び「レブロン」も007シリーズとタイアップしていたこと、限定商品を販売したことは前述したとおりである。最新作「007/No Time To Die」では、スイスの高級時計及び宝飾品のブランドであるショバールがオフィシャルパートナーとなっている。この作品で「ボンドガール」としてパロマ役を演じるアナ・デ・アルマスが、同メゾンのハイジェリー「グリーンカーペットコレクション」から3つの作品をまとい、スクリーンに登場するということである。また、今回のコラボにより「ハッピーハート-ゴールデンハート」と称されたユニークなジュエリーコレクションも発表されることになっている(甲70)。最新作でもオメガは007シリーズとタイアップしている。マネー・ベニーを演じたナオミ・ハリス及びノーミを演じたラシャーナ・リンチはオメガの時計を身につけてスクリーンに登場するということであり、オメガの時計をプロモートするための活動も行っている(甲71、甲72)。
なお、映画「007シリーズ」は、58年間に24作品が公開されている(2021年に公開される最新作を含めれば25作品となる)。その間新作が公開されるたびに様々な企業とのタイアップキャンペーンが長期間にわたり実施され、幅広い範囲の商品化が行われてきた。「ボンドガール」とのタイアップは単なる単発の映画のタイアップと比較し、各段に大きな宣伝効果・経済効果がある。上述した名称・標章及び肖像のライセンスや映画作品におけるタイアップを通じて、「BOND GIRL」及び「ボンドガール」の名称・標章は、強い顧客吸引力を獲得した商業的価値の高いものとなっていることは疑う余地がない。
(11)商標の登録
申立人は莫大な費用と時間を投じて「BOND GIRL」含む商標「BOND GIRL 007」を日本を含む39カ国で、「BOND GIRL」と女性のシルエットの結合商標を欧州で、「BOND GIRL」及び「ボンドガール」を二段に併記した商標を日本で、それぞれ登録し、「BOND GIRL(ボンドガール)」に表象された業務上の信用の維持に努めている(甲73)。
2 本件商標と引用標章
(1)本件商標と引用標章の類比
本件商標は、「BOND」及び「GIRL」の欧文字に丸みを帯びた黒色の太文字の特徴的な書体で左側に二段に、「BG」の欧文字を縁取り文字で右側に書してなる(甲1)。本件商標を構成する「BOND」及び「GIRL」からなる部分と「BG」の部分は、「BOND」及び「GIRL」の欧文字を二段にした高さと「BG」の高さが同じであることなど、その構成態様を著しく異にするものであり、容易に分離され得るものである。
そして、「BOND」及び「GIRL」からなる部分の各文字は同一、同書、同大であることから、全体としてまとまりが良く、当該部分からは「ボンドガール」という一連の称呼、007シリーズの女性キャラクターたちの名称である「ボンドガール」の観念が生ずる。
引用標章1は、「BOND GIRL」の欧文字、引用標章2は「ボンドガール」の片仮名よりなる。引用標章からは「ボンドガール」という一連の称呼と007シリーズの女性キャラクターの名称である「ボンドガール」の観念が生ずる。
本件商標と引用標章1は、ともに「BOND」及び「GIRL」の欧文字からなり、両商標は同一文字より構成され、外観において近似する。両商標からは「ボンドガール」という一連の称呼と007シリーズの女性キャラクターたちの名称である「ボンドガール」の親念が生ずるので、両商標は称呼及び観念が同一である。
したがって、本件商標と引用標章1は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても同一又は近似する商標といえる。
本件商標と引用標章2は、外観は相違するものの、両商標からは「ボンドガール」という一連の称呼と007シリーズの女性キャラクターたちの名称である「ボンドガール」の観念が生ずるので、両商標は称呼及び観念が同一である。
したがって、本件商標と引用標章2は、称呼及び観念が同一であるから、類似する商標である。
(2)本件商標の指定商品と申立人との関係
本件商標の指定商品は、第8類「はさみ類,刀剣,手動工具,スプーン,フォーク」である。ボンドガール中には「ボンドを超えるボンドガール」(甲8)やボンド以上の過激なアクションを披露する者(甲18)もおり、刀剣等については、彼女らが身につけ、携行することについても想像に難くない。
3 商標法第4条第1項第7号が適用されるべき点について
上述したとおり、本件商標は007シリーズの女性キャラクターたちの名称として著名である「BOND GIRL」を容易に認識させるものである。商標権者のグループ会社であるサイバーダイン社(甲74)は、2019年11月25日付プレスリリースで、同社が、ボンドガール「BOND GIRL」の登録商標を使って、ポケット工具アクセサリー・アパレル・婦人靴などの商品リリースを開始することを発表している(甲75)。また、同社の通販サイトで本件商標を使用し「ボンドガールシリーズ第一弾」と称して、16機能を搭載したコンパクトマルチツール「BGスパイスギア」を販売している。同サイトでは、「世界で最も有名なスパイにしてタフガイのシンボル、英国情報部MI-6のジェームズ・ボンド。その小説や映画に登場するボンドガールは、敵の女スパイやボンド支援者となるタフな女性。そのリスペクトと共に、彼らが身につけ携行しそうな機能的かつスタイリッシュなグッズを提案します。」と、ジェームズ・ボンドとボンドガールのストリーを語っている(甲76)。このように、本件商標はボンドガール及び007シリーズを強く意識した上で、採択されたものである。
申立人は、ネイル製品、化粧品をはじめ、人形、カード及びカレンダー等を取り扱うメーカーに、引用標章に係るライセンスを許諾していたことからすれば、「BOND GIRL」の語が一定の顧客吸引力を獲得しており、高い商業価値を有していたことは明らかである。
そして、申立人は、我が国を含む世界各国において引用標章に係る商標を登録し、メーカーに対してはライセンス契約によりその使用を許諾するなど、その商業的な価値の維持管理にも努めてきた。
このような状況の中で、申立人と関わりのない第三者が、最先の登録出願を行った結果、特定の指定商品との関係で当該商標を独占的に使用できるようになり、申立人による使用を排除できる結果となることは、商標登録の更新が容易に認められており、その権利を半永久的に継続することも可能であることなどを考慮すると、公正な取引秩序の維持の観点からみても相当とはいい難い。
商標権者は、引用標章の世界的な知名度、顧客吸引力及び商業的価値の維持に何ら関わってきたものではないから、本件商標の指定商品との関係においてではあっても「BOND」及び「GIRL」の語を含む商標の使用の独占を許すことは相当ではなく、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義にも反するものといわざるを得ず、本件商標は公序良俗を害するおそれがある商標に該当すると判断すべきものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものである。
さらに、サイバーダイン社のウェブサイトでは、同社が開催した「東京国際サメ映画祭」へのリンクが張られている(甲77)。「東京国際」と「サメ映画祭」の文字の間にサメが口を開けて吠えているようなロゴがある。一方で、MGMでは、ライオンが吠えているマーク(ライオンロゴ)を2002年公開の「007/ダイ・アナザー・デイ」から007シリーズに使用している。ライオンロゴは、007シリーズのDVD、ビデオゲーム、映画の宣伝などにも使用されており、MGMが提供するサービス及び商品に使用するロゴとして周知である(甲78)。サイバーダイン社のロゴは、ライオンがサメに代わっただけであり、そのコンセプトはMGMのライオンロゴに酷似するものである。同社のロゴの使用は、商標権者がボンドガールのみならず007シリーズの製作者であるMGMをも強く意識していることの証左である。かかる使用からも商標権者等の不正の目的は容易に推認できるものである。
4 商標法第4条第1項第15号が適用されるべき点について
先に述べたとおり、本件商標は、007シリーズの女性キャラクターとして著名である「BOND GIRL」あるいは「ボンドガール」を想起させるものである。
本件商標が「ボンドガールシリーズ第一弾」などと称されて、ジェームズ・ボンドとボンドガールのストリーとともにその指定商品に使用されれば、これに接する取引者・需要者は、当該商品が申立人の業務に係る商品、又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係がある者(ライセンシー、映画製作のスポンサーなど)の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同する蓋然性が極めて高い。
「BOND GIRL」あるいは「ボンドガール」の名称・標章は、現在のみならず、本件商標が登録出願された時点においても広く知られていた。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
5 商標法第4条第1項第19号が適用されるべき点について
本件商標は007シリーズの主人公であるボンドの相手役である女性キャラクターたちの名称として我が国をはじめ世界中で著名である引用標章「BOND GIRL」あるいは「ボンドガール」と近似あるいは類似する商標である「BOND/GIRL」を含むものである。前述したとおり、商標権者が引用標章の存在を強く意識した上で本件商標を採択しており、本件商標は、引用標章に化体した名声、信用、顧客吸引力にただ乗りして、不正の利益を得る目的、すなわち、不正の目的をもって登録出願されたとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
6 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取消されるべきものである。

第4 当審の判断
1 引用標章の周知・著名性について
申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)申立人について
申立人は、小説家イアン・フレミングの作品の中で生み出されたイギリス秘密情報部員ジェームズ・ボンドを主人公とする映画作品「007シリーズ」に関する商標権及び商品化権についての正当な権利者であり、米国のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)グループの一員として同グループに属する様々な企業と「007シリーズ」についての著作権を共同所有している。
また、申立人は、「BOND GIRL」含む商標「BOND GIRL 007」を日本を含む39カ国で、また、「BOND GIRL」及び「ボンドガール」を二段に併記した商標を日本で、それぞれ登録を受けている(甲73)。
(2)引用標章について
ア 映画「007シリーズ」
スパイ小説家イアン・フレミングの作品の中で生み出されたイギリス秘密情報部員ジェームズ・ボンドを主人公とする映画作品は、昭和37年(1962年)から現在まで25作品が制作され、高い興行成績を残しており、第25作目の最新作は、令和3年(2021年)に公開予定である(甲5)。
そして、ボンドガール(BOND GIRL)は、007シリーズに登場するボンドの相手役となる女性キャラクター、あるいはその女性キャラクターを演じる女優たちを呼称するために創作された造語である。
イ 「ボンドガール(BOND GIRL)」に関する記事(平成15年以降)
ボンドガールについては、「フラウ 平成15年1月14日号」、「SCREEN 2003年(平成15年)4月号」、「キネマ旬報 2006年(平成18年)12月上旬特別号」、「日経エンタテインメント 2006年(平成18年)12月号」、「2006年(平成18年)12月1日に発行された映画パンフレット」、「SCREEN 2009年(平成21年)1月号」、「キネマ旬報 2009年(平成21年)1月下旬号」、「SCREEN 2009年(平成21年)3月号」の付録である「007/慰めの報酬&ジェームズ・ボンド大百科」、「Pen 2009年(平成21年)1月15日号」、「ぴあ 2009年(平成21年)2月5日号」、「週刊文春 2012年(平成24年)11月1日号」、「SCREEN 2012年(平成24年)11月号」、「NewsWeek(ニューズウィーク日本版) 2012年(平成24年)11月14日号」、「エコノミスト 2012年(平成24年)11月27日号」、「SCREEN 2013年(平成25年)1月号」、2013年(平成25年)1月10日に発行された「MAGAZINE HOUSE MOOK/007 COMPLETE GUIDE」、「GQ JAPAN 2012年(平成24年)12月号」、「MEN’S CLUB 2013年(平成25年)2月号」、「キネマ旬報 2015年(平成27年)12月上旬号」、「Pen 2015年(平成27年)12月15日号」、「キネマ旬報 2015年(平成27年)12月下旬号」、「GQ JAPAN 2015年(平成27年)12月号」及び「SCREEN 2016年(平成28年)1月号」等の専門誌や雑誌に、ボンドガールを演じた女優のインタビューや写真とともに、ボンドガール及びその変遷や存在感などについての紹介記事が掲載されている(甲7?甲29)。
ウ 「ボンドガール(BOND GIRL)」に関するイベント
2008年(平成20年)10月29日、「慰めの報酬」のロイヤルプレミアが聖地オデオン・レスター・スクエアで開催、同年11月23日、オメガの「オメガ シーマスタープラネットオーシャン007限定モデル」発売のイベントが東京青山のオメガブティックで開催、「007/慰めの報酬」公開イベントとして、2009年(平成21年)1月12日から2月15日まで、「TRIAL TO 007」が開催、「007/スカイフォール」のロイヤルプレミア(ロンドン)が2013年(平成25年)10月23日に、パリプレミアが同年10月25日に、ローマプレミアが同月26日に、それぞれ開催、映画「007/スカイフォール」のオフィシャル・パートナーに選出された「GLOBE-TROTTER(グローフ・トロッター)」による、同作品の劇中衣装を展示する特別展「A Taste of 007 style」が、同年11月14日から12月16日までヴァルカナイズ・ロンドン青山店で開催、阪急メンズ東京が007シリーズ最新作「007/スカイフォール」の公開に合わせて「ウインターダンディズム?007WEEK?」を開催(2012年(平成24年)11月19日から12月7日まで)、映画「007/スペクター」の公開を記念して、2015年(平成27)年11月16日、六本木ヒルズで「TOKYO BOND GIRL COLLECTION」が開催され、各イベントには、ボンドガールを演じた女優らが登場するなどした(甲15、甲30?甲40)。
エ 映画「007シリーズ」の二次利用
「007シリーズ」は、映画館で上映後、DVDの制作や、テレビ放送(平成22年3月及び平成27年1月から同28年6月まで全22作品)など、作品の二次利用が行われている(甲46?甲51)。
オ 「ボンドガール(BOND GIRL)」に関するライセンス許諾
申立人は、ネイル製品、化粧品、人形、トランプ、トレーディングカードなどのメーカー及び出版社等に、ボンドガールに係るライセンスを許諾しており、各メーカーは、ボンドガールをイメージした商品の販売、ボンドガールの肖像や「BOND GIRL」の文字の使用、イメージキャラクターとしてのボンドガールを演じた女優の起用等、許諾されたライセンスを活用している(甲52?甲66)。
カ 「ボンドガール(BOND GIRL)」に関するプロダクト・プレイスメント
ボンドガールに対するタイアップは、例えば、時計(甲24、甲38)、ジュエリーなどと行われ、限定商品を販売した。
(3)引用標章の著名性について
上記認定事実からすれば、映画「007シリーズ」は、1962年(昭和37年)以降、24作品が制作され、我が国を含め世界各国において公開され、いずれも高い興行成績を残していることから、世界中に広く知られた映画作品であるということができる。
そして、作品中の主人公ジェームズ・ボンドの相手役となる女性キャラクターは、「ボンドガール(BOND GIRL)」として、各種雑誌に紹介され、各作品の公開時期に合わせた宣伝を兼ねたイベントにおいても注目されていることが認められる。
また、請求人は、ネイル製品、化粧品をはじめ、人形、カード及びカレンダー等を取り扱うメーカーに、引用標章に係るライセンスを許諾しており、各メーカーは、「ボンドガール(BOND GIRL)」の顧客吸引力を商品の販売促進に活用していることがうかがわれる。
そうすると、引用標章は、映画「007シリーズ」に登場する女性キャラクターの名称として、世界的な知名度を有するに至っているものであり、「007シリーズ」は、永年にわたり、途切れることなく制作されていることからすれば、その知名度は、現在も継続しているといえる。
2 本件商標と引用標章との類似性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、左側に太文字で上段に「BOND」の文字、下段に「GIRL」の文字を上下二段書きにし(以下「二段書き文字部分」という。)、その二段書き文字部分のものとほぼ同じ高さの白抜き文字で「BG」と書してなるところ、二段書き文字部分と右側の「BG」の文字は、両者の書体が異なり、「BG」の文字は白抜きの文字であり、左側は二段書きであることから、その構成態様を著しく異にするものであり、視覚上、両者は分断して看取されるのが自然である。
そうすると、二段書き文字部分は、全体でまとまりよく書されているから、当該文字より「ボンドガール」の称呼を生じ、当該文字は、辞書に載録されている語ではないから、一種の造語として認識されるから特定の観念を生じないものである。
(2)引用標章
引用標章1は、前記第2のとおり、「BOND GIRL」の文字を横書きしてなるところ、その構成より「ボンドガール」の称呼を生じ、上記(1)と同様に、一種の造語として認識され特定の観念を生じないものである。
引用標章2は、前記第2のとおり、「ボンドガール」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字より「ボンドガール」の称呼を生じ、当該文字は、辞書に載録されている語ではないから、一種の造語として認識され特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用標章との類否について
本件商標と引用標章1との類否を比較すると、まず、外観においては、本件商標と引用標章1とは、同じ文字種であり、つづりも同一であるから外観上、近似した印象を与えるものであり、称呼においては、称呼上、同一であって、観念においては、互いに特定の観念は生じないが、つづりが同一であるから、観念上、非類似であるということはできない。
そうすると、本件商標と引用標章1とは、外観が近似しており、称呼が同一で観念が非類似であるということはできないから、これらを総合的に考慮すれば、類似の商標と認められる。
そして、本件商標と引用標章2との類否を比較すると、まず、外観においては、本件商標と引用標章2とは、異なる文字種であるから外観上、明確に区別できるものである。
また、称呼においては、両商標から「ボンドガール」の称呼を生じるから、称呼上、同一である。
さらに、観念においては、互いに同一の称呼を生じるから、観念上、非類似であるということはできない。
そうすると、本件商標と引用標章2とは、外観が明確に区別できるとしても、称呼が同一で観念が非類似であるということはできないから、これらを総合的に考慮すれば、類似の商標と認められる。
したがって、本件商標と引用標章とは、類似性の高いものである。
(4)本件商標の指定商品と引用標章の使用商品及び役務について
本件商標の指定商品は、第8類「はさみ類,刀剣,手動工具,スプーン,フォーク」であり、引用標章の使用商品は、申立人がライセンスを許諾した化粧品、人形、トランプ及びカレンダー等の商品であり、さらに、映画に登場する女性キャラクターたちの名称として使用されているものである。
そうすると、本件商標の指定商品と引用標章の使用商品及び女性キャラクターたちの名称とは、そもそも異なる商品等であり、本件商標の指定商品との関連性はきわめて低いものであり、その需要者も一致するところがない。
3 商標法第4条第1項第15号及び同第19号の該当性
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、007シリーズの女性キャラクターとして著名な引用標章と同一又は類似するものであるとしても、引用標章は、請求人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして使用する商標ではなく、請求人が本件商標の指定商品を自己の業務として提供している事情もない。
してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品について使用をしても、需要者をして、その商品が他人(請求人)又は同人と経済的、組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同するおそれはないものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、007シリーズの女性キャラクターとして著名な引用標章と同一又は類似するものであるとしても、引用標章は、請求人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして使用する商標ではない。
してみれば、本件商標は、他人(請求人)の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標ということはできないから、本号が適用される要件を欠くものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第7号該当性
(1)商標法は、同法第4条第1項第7号「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する商標について、商標登録を受けることができないと規定しているところ、これに該当する商標は、「(a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(c)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである。」と判示されているところである(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号 平成18年9月20日判決参照)。
以下、これについて検討する。
(2)本件商標は、前記第1のとおり、別掲に示すとおりの構成態様からなるから、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様のものではなく、その指定商品について使用することが、社会の一般的道徳観念に反するものや、法律により禁止されているもの又は国際信義に反するものでもないことは明らかである。
また、申立人が提出した証拠及び主張からは、引用標章が、映画「007シリーズ」に登場する女性キャラクターの名称として世界的な知名度を有するに至っているとしても、引用標章は、請求人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして使用する商標ではなく、請求人が本件商標の指定商品を自己の業務として提供している事情もない。
そして、申立人は、商標権者の関連会社が2019年(令和元年)11月25日付けでボンドガールの商標を使ってポケット工具等の商品リリースを開始するための支援募集を開始する旨を発表したこと(甲75)や本件商標が表示され、「ボンドガールシリーズ第一弾/16機能を搭載したコンパクトマルチツール『BGスパイギア』」及び「世界で最も有名なスパイにしてタフガイのシンボル、英国情報部MI-6のジェームズ・ボンド。その小説や映画に登場するボンドガールは、敵の女スパイやボンド支援者となるタフな女性。そのリスペクトと共に、彼らが身につけ携行しそうな機能的かつスタイリッシュなグッズを提案します。」などが記載された日付や作成者が不明の書面(甲76)のみを証拠として、本件商標はボンドガール及び007シリーズを強く意識した上で、採択されたものであると主張しているものであって、具体的に、商標権者が申立人の事業の遂行を妨害や阻止しようとしているとか、本件商標の登録出願が剽窃に当たることなどを裏付ける証拠をあげているとまではいうことができない。
また、申立人は、本件商標がその登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合等に該当することを示す具体的な事実ないし商標権者が不正の目的をもって本件商標を登録出願したことを示す証拠を提出してはいない。
そうすると、本件商標は、商標権者が申立人との商取引上の信義則に反し、これが我が国で登録出願されていないことを奇貨として、これらに無断で登録出願をしたことなど、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあるといえる事情は認められない。
加えて、申立人は、商標権者の関連会社のウェブサイトでは、同社が開催した「東京国際サメ映画祭」へのリンクが張られており、そこで使用するロゴはMGMのライオンロゴに酷似するものであるから、商標権者がボンドガールのみならず007シリーズの製作者であるMGMをも強く意識していることの証左であって、かかる使用からも商標権者の不正の目的は容易に推認できるものであると主張して甲第77号証及び甲第78号証を提出している。
しかしながら、甲第78号証に示されたMGMのライオンロゴが我が国において周知となっていることを示す証拠は提出されていないし、商標権者の関連会社のウェブサイトに掲載されたロゴが、商標権者がボンドガールやMGMを強く意識していることの証左であるとの主張にしても、その主張を立証する証拠の提出はないことから、申立人による現時点での推測にとどまるものといわざるを得ず、申立人の商標権者の不正の目的は容易に推認できるといった主張は、採択することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第第7号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲(本件商標)



異議決定日 2021-06-03 
出願番号 商願2019-122392(T2019-122392) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W08)
T 1 651・ 271- Y (W08)
T 1 651・ 22- Y (W08)
最終処分 維持  
前審関与審査官 谷村 浩幸 
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 榎本 政実
豊田 純一
登録日 2020-07-09 
登録番号 商標登録第6267785号(T6267785) 
権利者 トランスメディア株式会社
商標の称呼 ボンドガールビイジイ、ボンドガール、ボンド、ガール、ビイジイ 
代理人 山崎 行造 
代理人 熊谷 美和子 

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