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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W09284142
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W09284142
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W09284142
管理番号 1375118 
審判番号 不服2020-6010 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-01 
確定日 2021-06-28 
事件の表示 商願2018-109929拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ファンタジアン」の片仮名と「FANTASIAN」の欧文字を二段に表してなり、第9類、第16類、第28類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年8月31日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定商品及び指定役務については、原審における令和元年9月9日付け手続補正書及び当審における令和3年3月29日付け手続補正書により、最終的に、第9類「携帯端末による通信を通じてダウンロード可能な音楽,ダウンロード可能な音楽,液晶画面ゲームおもちゃ用プログラムを記憶させたROMカートリッジ・その他の記憶媒体」、第28類「遊戯用器具,液晶画面ゲームおもちゃ,カードゲームおもちゃ,その他のおもちゃ,人形,遊戯カード」、第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲーム・電子書籍・画像・音楽・映像等の提供,セミナー・シンポジウムの企画・運営,コンテストの企画・運営,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,インターネットを通じたゲームの提供,インターネットによる画像の提供,インターネットを利用した映像の提供,インターネットを利用した音楽の提供,オンラインによる電子書籍・電子雑誌の提供」及び第42類「電子計算機用プログラムの設計・作成または保守,テレビゲーム機のゲームプログラムの設計・作成または保守,パーソナルコンピューターを利用したゲームのプログラムの設計・作成または保守,デザインの考案(広告に関するものを除く),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第505532号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ファンタジア」の片仮名を表してなり、昭和31年9月13日に登録出願され、第69類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同32年7月16日に設定登録され、その後、同52年11月8日、同62年9月18日、平成9年8月12日、同19年7月31日及び同29年4月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。また、同21年1月21日に指定商品を第7類、第9類、第10類、第11類、第12類及び第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第505533号商標(以下「引用商標2」という。)は、「FANTASIA」の欧文字を表してなり、昭和31年9月13日に登録出願され、第69類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同32年7月16日に設定登録され、その後、同52年11月8日、同62年9月18日、平成9年8月12日、同19年7月31日及び同29年4月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。また、同21年1月21日に指定商品を第7類、第9類、第10類、第11類、第12類及び第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第4177821号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ファンタジア」の片仮名を表してなり、平成8年8月6日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年8月14日に設定登録され、その後、同20年8月19日及び同30年4月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)登録第4645866号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ファンタジア」の片仮名及び「FANTASIA」の欧文字を二段に表してなり、平成14年4月4日に登録出願され、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同15年2月21日に設定登録され、その後、同25年1月22日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(5)登録第5101811号商標(以下「引用商標5」という。)は、「Fantasia」の欧文字を表してなり、平成19年7月11日に登録出願され、第2類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同19年12月28日に設定登録され、その後、同29年12月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(6)登録第5683850号商標(以下「引用商標6」という。)は、「Funtasia」の欧文字を表してなり、平成25年1月30日に登録出願され、第9類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同26年7月4日に設定登録されたものである。
以下、上記(1)ないし(6)をまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「ファンタジアン」の片仮名と「FANTASIAN」の欧文字を二段に表してなるところ、上段の片仮名は下段の欧文字の読みを表したものと認められるから、本願商標からは、その構成文字に応じて、「ファンタジアン」の称呼が生じるものである。
また、本願商標を構成する「ファンタジアン」の語及び「FANTASIAN」の語は、いずれも辞書等に載録のない造語であり、これより特定の観念を生じるものではない。
したがって、本願商標からは、「ファンタジアン」の称呼が生じ、特定の観念が生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1及び引用商標3は、「ファンタジア」の片仮名を、引用商標2は、「FANTASIA」の欧文字を、引用商標5は、「Fantasia」の欧文字を表してなるところ、それぞれの文字に応じて「ファンタジア」の称呼が生じるものである。そして、「fantasia」の語及びその読みを表したものと認識される「ファンタジア」の語は、辞書に「幻想曲」(出典:ジーニアス英和辞典 第5版)の意味を有するものとして掲載されているものの、我が国において、その意味合いが親しまれたものであるとはいい難く、特定の意味合いを認識するとはいえないから、これらの文字からは特定の観念は生じないというのが相当である。
イ 引用商標4は、「ファンタジア」の片仮名及び「FANTASIA」の欧文字を二段に表してなるところ、上段の片仮名は下段の欧文字の読みを表したものと認められるから、本願商標からは、その構成文字に応じて、「ファンタジア」の称呼が生じ、前記アと同様、特定の観念は生じないというのが相当である。
ウ 引用商標6は、「Funtasia」の欧文字を表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録のない造語であり、これより特定の観念が生じるものではない。そして、特定の意味を有しない欧文字にあっては、ローマ字又は英語風の読みに倣って発音されるというのが一般的であり、例えば、英単語の「fun」が「ファン」と発音されることに徴すれば、引用商標6からは、その構成文字に相応して「ファンタジア」の称呼が生じるとみるのが自然である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1ないし引用商標5の指定商品と同一又は類似の商品はすべて削除されたと認められるものである。
その結果、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標1ないし引用商標5の指定商品と類似しない商品及び役務になったと認められる。
そこで、本願商標と引用商標6を比較すると、本願商標は、前記1のとおり、「ファンタジアン」の片仮名と「FANTASIAN」の欧文字を二段に表してなるものであり、引用商標6は、「Funtasia」の欧文字を表してなるものであるところ、両商標は、外観上、二段書きと一段書きの相違、欧文字に関しては、大文字と小文字の相違、2文字目に「A」と「u」の相違、末尾に「N」の有無の相違があるから、明確に区別し得るものである。
称呼については、本願商標から「ファンタジアン」の称呼が生じ、引用商標からは「ファンタジア」の称呼が生じ、語尾の「ン」の音の有無に差異を有するものの、「ン」の音はそれ自体響きの弱い鼻音であって、前音の「ア」に吸収され易い音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置することから、当該「ン」の音の有無が称呼全体に及ぼす影響は、決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合は、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがある類似するものである。
観念については、本願商標からも引用商標からも、特定の観念が生じないものである。
そうすると、本願商標と引用商標6は、称呼において類似するものの、観念において比較できず、外観において明確に区別し得るものであるから、これらを総合して考察すれば、両者は非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標1ないし引用商標5の指定商品は類似しないものとなったから、商標の類否について言及するまでもなく、本願商標は、引用商標1ないし引用商標5との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
また、本願商標と引用商標6とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務の類否について言及するまでもなく、本願商標は、引用商標6との関係においても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲
審決日 2021-06-10 
出願番号 商願2018-109929(T2018-109929) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W09284142)
T 1 8・ 261- WY (W09284142)
T 1 8・ 263- WY (W09284142)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大島 勉 
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 綾 郁奈子
板谷 玲子
商標の称呼 ファンタジアン 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 

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