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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W29
管理番号 1375064 
審判番号 不服2020-8571 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-19 
確定日 2021-06-16 
事件の表示 商願2018-135672拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成30年10月31日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における令和元年12月11日受付並びに当審における同2年6月19日受付及び同年8月31日受付の手続補正書により、第29類「豆腐」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「神戸・住吉」及び「山口とうふ」の文字を上下二段に毛筆体で横書きしてなるところ、毛筆体は、書体のひとつとして広く知られており、食品を取り扱う業界において一般的に使用されている書体であるため、本願商標は、一般的に使用される構成態様の域を出ないものとみるのが相当である。
そして、本願商標の構成中の「山口」の文字は、ありふれた氏として知られるものであり、「神戸」の文字は「兵庫県の南東部、大阪湾に面する市」の意味を、「住吉」の文字は「兵庫県神戸市東灘区の一地区」の意味を、「とうふ」の文字は「豆腐」の平仮名表記であることからすると、本願商標は、全体として、「ありふれた氏である山口氏の取り扱いに係る兵庫県神戸市東灘区産の豆腐」ほどの意味合いを生じさせるものである。
また、提出された証拠によれば、出願人が、本願商標又はこれに類似する商標を使用しており、本願商標が出願人の業務に係る商品を認識させる商標として、兵庫県や大阪府を中心に一定程度認知されている事実は認められるものの、本願商標を使用した指定商品についての具体的な生産量や販売量を裏付ける証拠の提出はなく、本願商標をその指定商品について使用した場合、出願人の業務に係る商品を認識させる商標として、取引者、需要者に対して、広く認識されていると認めることはできない。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ありふれた氏である山口氏の取り扱いに係る兵庫県神戸市東灘区産の豆腐」ないしは「ありふれた氏である山口氏の取り扱いに係る兵庫県神戸市東灘区産の豆腐を使用した商品」であることを認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たしえず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、大きく表した「山口とうふ」の文字と、その上部に小さく表した「神戸・住吉」の文字とを二段に配してなるところ、上段と下段の文字は、文字の大きさにおいて違いがあるものの、筆文字風の特徴がある同じ書体で書されていることに加え、近接してバランス良く配置されていることから、構成全体としてまとまりよく、一体に表されたものといえる。
そして、たとえ、その構成中「神戸」及び「住吉」の文字が、それぞれ「兵庫県南東部、大阪湾に面する市」(広辞苑 第七版)及び「神戸市東灘区、六甲山地の南斜面から大阪湾に臨む住宅地」(コンサイス日本地名事典)といった地名であり、「山口」の文字がありふれた氏の一つである「山口」であり、「とうふ」の文字が本願の指定商品である「豆腐」に通じるものであったとしても、本願商標は、その構成からすれば、看者をして原審説示の意味合いを認識させるというよりは、むしろ、「神戸市の住吉地区に所在する『山口とうふ』という店」と認識させるものとみるのが自然である。
また、原審ないし当審を通じて、請求人が提出する物件1ないし物件26によれば、請求人店舗は、「神戸の住吉にある『山口とうふ』といえば、豆腐好きなら一度は耳にしたことがあると思う。創業は明治。」(物件1)、「朝から夕方まで行列がとぎれない神戸・住吉にある『山口とうふ』」(物件5)、「神戸・住吉 山口とうふのゆばとうふ」(物件10)、「明治29年創業の老舗『神戸市住吉・山口とうふ』」(物件25)のように、新聞、雑誌等において「神戸市の住吉地区に所在する『山口とうふ』」として、紹介されていることが認められる。
さらに、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の者が「神戸・住吉 山口とうふ」の文字を使用している事実を発見することはできなかった。
加えて、本願商標を構成する文字が、筆文字風の特徴がある同じ書体であることも考慮すると、本願商標の構成全体として、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、取引上一般に使用されているものとは認められず、本願の指定商品の取引者、需要者が該文字を自他商品の識別標識とは認識しないというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、「神戸市の住吉地区に所在する『山口とうふ』という店」と認識させるものであるから、十分に自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標



審決日 2021-06-01 
出願番号 商願2018-135672(T2018-135672) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (W29)
最終処分 成立  
前審関与審査官 斉藤 康平吉野 晃弘 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 大森 友子
石塚 利恵
商標の称呼 コーベスミヨシヤマグチトウフ、コーベスミヨシヤマグチトーフ、ヤマグチトーフ、ヤマグチ、コーベトーフ、スミヨシトーフ 
代理人 特許業務法人グローバル知財 

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