• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1372951 
異議申立番号 異議2020-900198 
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-05-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-08-11 
確定日 2021-04-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第6252395号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6252395号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6252395号商標(以下「本件商標」という。)は、「i liv」の欧文字を標準文字で表してなり、平成31年2月18日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年3月6日に登録査定、同年5月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する商標(以下、これらを総称して「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)引用商標1
登録第5841125号商標は、「WELIVE」の文字及び「ウィーリブ」の文字を二段に表してなり、平成27年6月19日登録出願、第9類、第36類、第38類、第42類、第43類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年4月15日に設定登録されたものである。
(2)引用商標2
国際登録第1213065号商標は、「WELIVE」の欧文字を表してなり、2014年(平成26年)8月27日に国際商標登録出願(事後指定)、第9類、第36類、第38類、第42類、第43類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同29年3月17日に設定登録され、その後、同31年1月18日に、第9類、第38類、第42類及び第43類の指定商品及び指定役務の一部について、基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了による一部抹消の登録がされたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、引用商標と商標が類似し、かつ、引用商標に係る指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)指定役務の類否について
本件商標及び引用商標は、ともに第36類の指定役務について登録を受けているが、両指定役務は「建物の貸与,建物の売買,土地の売買」といった同一の役務を指定している他、互いに類似している役務を指定している。そのため、本件商標と引用商標に係る指定役務は互いに同一・類似の関係にある。
(2)商標の類否について
商標の類否を判断するにあたっては、対比された商標がその出所につき誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって判断されるべきであるが、本件商標と引用商標を総合的に考慮すると、出所につき誤認混同する商標であるため、以下にその点詳述する。
ア 「i」と「WE」について
本件商標から生じる「アイリブ」という称呼を聴取した場合、需要者は「私は住んでいる」を意味し、我が国において広く認識される「I LIVE」という英語を想起することが一般的である。また、「i」は小文字で表されているが、現代のチャットツールやソーシャルネットワークにおいては、「私」を意味する「I」を、大文字入力をせずに「i」と表すことも多いため、「i」は実質的に「I」と同一の意味を有することを踏まえると、「アイリブ」と称呼した場合の「i」と「ウィーリブ」の「WE」は、「私」と「私たち」という程度の相違となり、近い意味合いを有している。そのため、本件商標の「i」部分と、引用商標の「WE」部分は、観念的に類似している部分であると判断されて然るべきである。
イ 「liv」と「LIVE」について
本件商標と引用商標の構成要素である「liv」と「LIVE」は、「E」のみが相違するものの、双方とも同一の「リブ」という称呼が生じる。「liv」は特に意味を有さない造語であるが、本件商標及び引用商標の「リブ」という称呼は同一であり、また、本件商標を「アイリブ」と称呼した場合には、「リブ」部分は通常「live」が想起されることが一般的である。
上記の点を踏まえると、称呼が同一であることや、称呼を聴取した場合には「live」を想起することが一般的であって、外観や観念上の差異よりも、称呼上類似していることが商標の類否に与える影響が大きい。そのため、本件商標中の「liv」部分と引用商標中の「live」部分は類似すると判断されて然るべきである。
ウ 商標の類否判断
本件商標と引用商標は、全体として外観及び称呼は異なるものの、「i」と「WE」は観念的に「私」と「私たち」との近似する意味を有することから、観念上類似し、また、「liv」と「live」は称呼が同一であり、同部分は類似するものである。この点を考慮して本件商標と引用商標を商標全体として比較すると、需要者が通常有する注意力を以て本件商標「i liv」(アイリブ)を聴取した場合には、「WELIVE」(ウィーリブ)と全体としての称呼は異なるものの、「I」(私)と「WE」(私たち)という人称代名詞が近い意味合いを有していること、及び「リブ」の称呼から一般的には「live」の意味を想起することから、本件商標は「私は住んでいる」、引用商標は「私たちは住んでいる」という意味合いが生じることから、全体としても観念が類似することとなる。そして、商標全体として、外観や称呼が非類似であるとしても、観念上明確に類似している本件商標においては、観念上の類似性が外観・称呼の差異を凌駕しているといえる。
よって、本件商標と引用商標は、その観念を比較した場合には類似する商標であると判断されて然るべきものである。
(3)むすび
上記のとおり、本件商標と引用商標は、互いに出所が混同する程度に類似する商標であって、かつ、同一及び類似の役務について使用するものである。そのため、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるあるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「i liv」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「i」の文字は、欧文字一字であり、大文字で「I」と表記する場合は、「私は、私が」(出典:大修館書店ジーニアス第5版)を意味する英語の代名詞である。また、「liv」の文字は、一般的な英和辞典に載録がなく、特定の意味を有しない造語と判断するのが相当である。
以上よりすると、本件商標は、その構成文字全体から「アイリブ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1は、「WELIVE」の欧文字及び「ウィーリブ」の片仮名を二段に表してなり、引用商標2は、「WELIVE」の欧文字を表してなるところ、当該欧文字は英単語の「WE」及び「LIVE」の文字から構成されるとみるのが自然であって、その構成中「WE」の文字は、「私たちは、我々は」(出典:同上)を意味し、「LIVE」の文字は「住む、住んでいる、居住する」(出典:同上)を意味するものであり、「ウィーリブ」の片仮名はその読みを表したものと理解されるから、引用商標は、いずれも全体として、「私たちは住む」の意味を認識させるものである。
したがって、引用商標は、その構成文字全体から「ウィーリブ」の称呼を生じ、「私たちは住む」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討すると、外観においては、両商標は、その構成文字において、小文字と大文字の差異、語頭の「i」と「WE」の文字の相違、語尾の「E」の有無、また引用商標1は下段に「ウィーリブ」の片仮名があることの差異により、外観上明確に区別することができる。
そして、称呼においては、本件商標から生じる「アイリブ」の称呼と引用商標から生じる「ウィーリブ」の称呼とは、語頭における「アイ」と「ウィー」の相違により、全体として明らかに異なるから、称呼上相紛れるおそれはない。
また、観念においては、本件商標からは特定の観念は生じず、引用商標からは「私たちは住む」の観念を生じるから、観念上比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、明確に相違するものであるから、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の指定役務が引用商標の指定役務と同一又は類似する役務を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

異議決定日 2021-03-30 
出願番号 商願2019-26103(T2019-26103) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W36)
T 1 651・ 262- Y (W36)
T 1 651・ 263- Y (W36)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 綾 郁奈子
板谷 玲子
登録日 2020-05-19 
登録番号 商標登録第6252395号(T6252395) 
権利者 中埜産業株式会社
商標の称呼 アイリブ、リブ、エルアイブイ 
代理人 猿山 純平 
代理人 中村 行孝 
代理人 砂山 麗 
代理人 宮嶋 学 
代理人 柏 延之 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 本宮 照久 
代理人 高田 泰彦 
代理人 朝倉 悟 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ