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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1370249 
異議申立番号 異議2020-900047 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-02-19 
確定日 2020-12-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第6202587号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6202587号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6202587号商標(以下「本件商標」という。)は,「COCOMIST」の文字を標準文字で表してなり,平成31年1月7日に登録出願,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として,令和元年11月13日に登録査定,同月29日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において,引用する登録商標(以下,まとめていうときは「引用商標」という。)は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2704127号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「COCO」
登録出願日:昭和61年11月27日
設定登録日:平成7年2月28日
書換登録日:平成17年6月8日
指定商品:第3類「化粧品,香料類」
(2)登録第520006号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲のとおり
登録出願日:昭和31年3月21日
設定登録日:昭和33年5月13日
書換登録日:平成20年11月26日
指定商品:第3類「化粧品(化粧用染料及び化粧用顔料を除く。),香料類(薫料,香精,天然じゃ香,芳香油を除く。)」
(3)登録第4492799号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「COCO MADEMOISELLE」(標準文字)
登録出願日:平成12年7月21日
設定登録日:平成13年7月19日
指定商品:第3類「化粧品,せっけん類,香料類,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電用防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」
(4)国際登録第1108062号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「COCO NOIR」
国際登録日:2012年1月13日(優先権主張:2011年7月13日 Switzerland)
設定登録日:平成24年12月21日
指定商品:第3類「Preparations the care of the skin, scalp, hair or nails; preparations for application on the skin, scalp, hair or nails; soap, perfumery, essential oils, cosmetics; non-medicated preparations for toiletry use.」

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第219号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)「COCO」の著名性について
申立人は,著名なデザイナーである「Gabrielle COCO CHANEL」により創設され,香水等の化粧品の他,高級婦人服,ハンドバッグ,ベルト,靴,時計,アクセサリー等の宝飾品などのデザイン・企画並びにこれらの商品の製造販売を業とするトータルファッションメーカーである。
申立人の業務に係る商品は,申立人の長年の継続的な努力によって,世界の超一流品としての極めて高い信用が日本においても形成され,著名性を獲得しているというべきものである。
引用商標1及び引用商標2に係る「COCO」又は「COCO/ココ」は申立人の創設者の愛称又は通称に由来するものであり,申立人は,引用商標1及び引用商標2を,申立人の商品「香水,化粧品」等に使用している(甲6?甲10,甲13?甲132,甲151,甲153,甲206?甲210,甲212?甲219)。
申立人の業務に係る香水「COCO」又は「ココ」(以下「申立人商品」という場合がある。)は,1984年7月23日にフランスにおいて発表され(甲38,甲123),ヨーロッパにおいては,同年9月に発売され(甲32),日本においては,1985年9月20日に発売されたものである(甲47?甲94)。
申立人商品は,1985年の日本での発売と前後して極めて多数の新聞,雑誌によって報道紹介され,また各種雑誌に広告記事が掲載されている(甲28?甲103)。
申立人商品の日本における発売開始年である1985年9月から12月末日までの約3か月間だけでも,2億5千万円余の販売実績を達成している。
また,申立人は日本において,発売開始後も現在に至るまで約35年近くにわたり,申立人商品や化粧品について,1992年度には9億円以上,その後も毎年約4億円,2017年には7億円近く,2018年には10億円に達する広告費をかけ(甲211),現在に至るまで,継続的に雑誌やテレビCM等による広告・宣伝を行っており,また,申立人商品や「COCO」を使用した口紅が雑誌等において多数掲載,紹介されている(甲104?甲131,甲152?甲160,甲162?甲164,甲171?甲180,甲188?甲202,甲206?甲210,甲212?甲219)。
なお,リサーチ会社「INFOPLAN」による香水の著名度に関する調査においても,著名な香水のトップ3にはすべて申立人商品がランクされており,申立人商品は,香水を使用する人の78%,香水を使用しない人でも60%,トータルで68%の人が知っており,申立人の信用の維持のための継続した努力の結果が現れているものである(甲132)。
その他にも,ファッションのオンライン雑誌「ELLE ONLINE」にて読者が「人生を変えたフレグランス」として申立人商品が選ばれる等(甲153),申立人商品は,1985年に日本で発売されて以降現在に至るまで日本の需要者の間で愛されて続けている香水である。
申立人は,申立人商品の1984年の発売後,その時代に合わせた「COCO」シリーズを展開している。
例えば,2001年には,引用商標3に係る「COCO MADEMOISELLE」(ココマドモワゼル)を,2012年には,引用商標4に係る「COCO NOIR」(ココヌワール)を発売した。
いずれも,大ヒット商品となり,申立人商品と並んで,申立人の香水の人気商品のひとつとなっている(甲12,甲16?甲20,甲151,甲152,甲154?甲164)。
このように,申立人は,引用商標に係る「COCO」ブランドにつき,1984年の発売から現在に至るまで,「COCO」に化体した信用,評判名声等が損なわれぬよう,「COCO」の広告宣伝方法から「COCO」の新シリーズの発売等,不断の努力をし続けている。
さらに,申立人は,「COCO」につき,「香水」のほかにも,口紅においても「COCO ROUGE」(ココルージュ)を販売し人気を博している(甲181?甲187)。
以上のことから,本件商標の出願時である2019年にはすでに,引用商標に係る「COCO」又は「ココ」は,申立人の創設者であり著名なデザイナーである「Gabrielle COCO CHANEL」の愛称又は通称として広く知られており,また申立人が商品「香水,化粧品」等に使用する商標として,広く知られ著名性を獲得するに至っていたというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標の構成中「MIST」は,化粧品の品質や種類等と表す「ミスト(霧状のもの)」の意味を認識し使用されている実情がある(甲144?甲146)から,自他商品の識別力がない。また「COCO」は,上記(1)のとおり,著名なデザイナーである「Gabrielle COCO CHANEL」の愛称又は通称として広く知られ,また「香水,化粧品」に使用される商標として著名である「COCO」を想起させる。
そうすると,本件商標に接する取引者,需要者にとっては,「COCO」の部分が強く記憶に残り,要部として認識されるから,「ココ」の称呼を生じる。
一方,引用商標1及び引用商標2は「COCO」の文字部分から「ココ」の称呼が生ずる。
また,引用商標3の構成中「MADEMOISELLE」は,フランス語で「未婚女性の敬称」等を意味することから「女性用」といった意味合いを想起させ,引用商標4の構成中「NOIR」は,フランス語で「黒色」を意味する言葉であって,これらの語は,化粧品の分野においては,識別力が弱いというべきである。よって,引用商標3及び引用商標4から,「ココ」の称呼を生じる。
そうすると,本件商標及び引用商標は,「Gabrielle COCO CHANEL」の愛称又は通称として広く知られた「COCO」の観念及び「ココ」の称呼を共通にし,その指定商品がともに「化粧品」を含むことから,類似する商標である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は,上記(1)のとおり,著名性を有しており,また「Gabrielle COCO CHANEL」の愛称又は通称に由来するものであるから,創造標章である。
また,本件商標と引用商標の指定商品は共に「化粧品」を含むものであるから,商品の用途又は目的が同一であり,その取引者・需要者は共通である。
そうすると,著名な引用商標と類似する本件商標が,引用商標の指定商品と同一又は類似するその指定商品に使用された場合,引用商標の有する著名性及び本件商標と引用商標の指定商品が重複することを考慮すると,本件商標に接する取引者,需要者は,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標は,その登録出願前から申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名となっている引用商標の「COCO」がその要部であり,引用商標と類似する商標である。また,本件商標の指定商品は,引用商標が著名性を獲得した「化粧品」と極めて密接な商品であるから,商標権者が偶然に本件商標を出願したとは考えにくく,本件商標は,不正の目的をもって使用するものと推認される。
したがって,商標権者は,申立人の引用商標の著名性に便乗して不当の利益を得,その顧客吸引力及び識別力を希釈し又は申立人の業務を妨害することを目的として出願したものであって,不正の目的をもって使用するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の主張及び提出した証拠によれば,以下のとおりである。
申立人の提出した甲各号証を総合すると,「COCO」又は「ココ」の文字(これらを以下「申立人商標」という場合がある。)は,申立人の創設者である「ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)」の愛称に由来する(甲23?甲26,甲113?甲121)。
申立人は,「COCO」の欧文字を瓶に付した香水(申立人商品)を,1984年(昭和59年)7月にフランスで,同年9月には,ヨーロッパで発売し(甲32,甲38),その発売は,我が国の新聞やファッション雑誌等で紹介された。
申立人商品は,我が国では,翌年の1985年(昭和60年)9月に発売が開始されたところ,その発売開始の前後を通して,申立人商品の発売に関する記事が,多数の新聞やファッション雑誌,書籍等に掲載された(甲30?甲37,甲39?甲94,甲105,甲106,甲190ほか)。
その後,申立人は,申立人商品のシリーズ商品として,2001年(平成13年)に「COCO MADEMOISELLE」の欧文字よりなる商標を付した香水(甲16,甲209の17)を,2012年(平成24年)には,「COCO NOIR」の欧文字よりなる商標を付した香水(甲152,甲163,甲164)を,それぞれ発売した。
また,申立人は,「ルージュ ココ(Rougr Coco)」とする口紅も販売し,当該口紅は,ファッション雑誌等に掲載又は広告されている(甲170,甲179?甲186,甲206の4・10?63ほか)。
イ 以上によれば,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人商標に係る「COCO」又は「ココ」の文字は,申立人商品を表示するものとして,「香水」の分野の取引者,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできるとしても,「口紅」を含めて「香水」以外の商品については取引者,需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る証拠は見当たらない。
そうすると,申立人商標の周知性は,「香水」の範囲にとどまるものというのが相当である。
また,「COCO」並びに「Co Co」及び「ココ」の文字からなる引用商標1及び引用商標2も,申立人商標と同様に,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「香水」(以下「申立人の業務に係る商品」という場合がある。)の分野における需要者の間に,広く知られていたと認められる。
他方,「COCO MADEMOISELLE」及び「COCO NOIR」の文字からなる引用商標3及び引用商標4を付した「香水」等が発売されたことはうかがえるものの,申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られていたと認めるに足る証拠の提出はないから,引用商標3及び引用商標4は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く知られていたとは認められない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は,前記1のとおり,「COCOMIST」の欧文字を同書,同大,同間隔でまとまりよく一連に表してなるものであって,その構成中,「MIST」の文字が「霧,霧状のもの」の意味を有するとしても,上記一体的に表示されている構成からは,全体の文字に相応した「ココミスト」の称呼を生じるとするのが相当であり,当該文字は,辞書等に載録が認められないから,特定の観念は生じないというべきである。
なお,申立人は,化粧品等の取引業界において,「ミスト化粧水」といったように一般的に認識されている語(甲144の2?4)であるから,「MIST」の文字が自他商品を識別する機能は有しない旨主張している。
しかしながら,上記のとおり,まとまりよく一体的に表されてなる本件商標をその指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,これを「COCO」の文字と品質を表した「MIST」の文字の組み合わせとして認識するというよりは,むしろ,その構成全体をもって特定の意味合いを想起することのない一体不可分の一種の造語からなるものとして認識するとみるのが自然である。
イ 引用商標1及び引用商標2は,前記2のとおり,「COCO」並びに「Co Co」及び「ココ」の文字からなるものであるから,該文字に相応して,「ココ」の称呼を生じ,上記(1)のとおり,申立人の業務に係る「香水」の分野における需要者の間に,広く知られていたと認められるから,「(申立人のブランドとしての)COCO」の観念を生じるというべきである。
また,引用商標3は,「COCO MADEMOISELLE」の欧文字,引用商標4は,「COCO NOIR」の欧文字からなり,それぞれの構成文字に相応して「ココマドモアゼル」,「ココノアール」の称呼を生じるところ,「MADEMOISELLE」の文字が「未婚女性の敬称」を「NOIR」の文字が「黒色」の意味を有するフランス語であるとしても,引用商標3及び引用商標4は,構成全体としては辞書等に採録のないものであるから,特定の観念は生じないものと判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標1及び引用商標2との類否について検討するに,本件商標は,上記アのとおり,一体に表された「COCOMIST」の欧文字からなるのに対し,引用商標1及び引用商標2は,「COCO」並びに「Co Co」及び「ココ」の文字からなるものであるから,両商標は,構成文字数及び構成態様が異なり,外観上,相紛れるおそれはないものである。
そして,称呼においては,本件商標から生じる「ココミスト」の称呼と引用商標1及び引用商標2から生じる「ココ」の称呼とは,その構成音及び構成音数において明らかな差異を有するものであるから,明確に聴別できるものである。
また,観念においては,本件商標は,特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標1及び引用商標2からは,「(申立人のブランドとしての)COCO」の観念を生じるから,観念において相紛れるおそれはない。
さらに,本件商標と引用商標3及び引用商標4とは,構成文字及び文字数の相違により,外観上,区別できるものであって,該構成文字から生じる「ココミスト」と「ココマドモアゼル」及び「ココノアール」とは,その構成音及び構成音数の相違により,明確に聴別できるものというべきである。
また,本件商標と引用商標3及び引用商標4は,いずれも特定の観念を生じるものとはいえないから,観念において比較できないものである。
そうすると,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても,相紛れない非類似のものである。
また,本件商標と引用商標3及び引用商標4とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において相違するものであるから非類似のものである。
したがって,本件商標は,引用商標とは非類似であるから,その指定商品の類否を判断するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
上記(1)のとおり,引用商標1及び引用商標2は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る「香水」の分野における需要者の間に,広く知られていたと認められる。
そして,引用商標3及び引用商標4は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く知られていたとは認められない。
イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について
本件商標は,上記(2)のとおり,引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,本件商標と別異の商標であるというべきである。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記のとおり,引用商標1及び引用商標2が,申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていると認められるとしても,本件商標は引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり,別異の商標である。
また,引用商標3及び引用商標4は,需要者の間に広く知られているとは認められない。
そうすると,本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用をした場合,これに接する需要者が,引用商標を連想,想起し,申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であると誤認し,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
その他,本件商標が他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標1及び引用商標2は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,広く認識されているものと認められるものの,上記(2)のとおり,本件商標は,引用商標と非類似の商標であって別異の商標というべきであるから,本件商標に接する取引者,需要者が引用商標を連想又は想起させるものではない。
そうすると,本件商標は,引用商標の著名性に便乗して不当の利益を得,その顧客吸引力及び識別力を希釈し又は申立人の業務を妨害することを目的として出願したものであるとは認められず,その他,本件商標が不正の目的をもって使用をするものと認めるに足る事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。

別掲
別掲(引用商標2)


異議決定日 2020-11-11 
出願番号 商願2019-817(T2019-817) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 222- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 岩崎 安子
大森 友子
登録日 2019-11-29 
登録番号 商標登録第6202587号(T6202587) 
権利者 196plus株式会社
商標の称呼 ココミスト、ココ、ミスト 
復代理人 佐藤 俊司 
代理人 稲葉 良幸 
復代理人 池田 万美 
代理人 田中 克郎 

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