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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
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管理番号 | 1368394 |
異議申立番号 | 異議2020-900157 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-06-12 |
確定日 | 2020-11-27 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6240458号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6240458号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6240458号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和元年12月26日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,オーツ麦を主原料とした食品,グラノーラ,シリアルバー」を指定商品として、同2年3月12日に登録査定され、同月27日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の4件の登録商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4079601号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:POWERBAR 登録出願日:昭和63年8月18日 設定登録日:平成9年11月7日 書換登録日:平成20年9月3日 指定商品 :第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「コーヒー豆,オート麦を主原料とする穀物の加工品,その他の穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」 (2)登録第4167808号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成6年12月19日 設定登録日:平成10年7月17日 指定商品 :第30類「オート麦を主原料とする加工食品,コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」 (3)国際登録第773281のA号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:POWERBAR 国際登録日:2001年11月8日(優先権主張、2001年5月14日、スイス国) 設定登録日:平成15年5月30日 指定商品 :第5類「Concentrated food supplements made with carbohydrates, particularly in gel form; dietetic drinks and foods for medical use; nutritional and dietetic supplements for medical use; vitamin preparations; mineral food supplements.」、第30類「Cereal preparations and snacks; cereal bars ready for consumption made with cereals and seeds (cereals); cereal preparations, namely cereal energy bars; snacks made with rice; bars and preparations made with wheat and common wheat.」及び第32類「Beers, mineral and table waters and other non-alcoholic beverages, energising drinks containing jelly; isotonic beverages and sport drinks; aloe vera drinks and juices, beverages made with cola, fruit and vegetable juice (beverages); fruit juice concentrates and fruit nectars (beverages); syrups, preparations and essences for preparing non-alcoholic drinks (excluding essential oils); beverages for quenching thirst in liquid, powder or concentrate form (preparations for making beverages); soda water.」 (4)国際登録第901651号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 国際登録日:2006年10月2日(優先権主張、2006年9月19日、スイス国) 設定登録日:平成21年1月30日 指定商品及び指定役務:第5類「Concentrated food supplements made with carbohydrates for medical use, especially in gel form; dietetic drinks and foods for medical use; nutritional and dietetic supplements for medical use; vitamin preparations; mineral food supplements.」、第18類「Leather and imitations of leather, goods made of these materials not included in other classes; trunks, suitcases, bags; umbrellas, parasols and walking sticks; rucksacks, handbags, shopping bags, sports bags.」、第25類「Clothing, footwear, headgear, ski boots, sports shoes, cyclists' clothing.」、第28類「Games, toys; gymnastic and sporting articles not included in other classes; gymnastics apparatus.」、第30類「Preparations made with cereals; cereal products as snacks; ready-to-eat cereal bars made of cereals and grains (cereals); cereal preparations namely cereal energy bars; rice products as snacks, bars and preparations made from wheat.」、第32類「Mineral and table waters and other non-alcoholic beverages; energising drinks containing jelly; isotonic beverages and sport beverages; aloe vera drinks and juices, cola beverages, fruit and vegetable juices (beverages); fruit juice concentrates and fruit nectars (beverages); syrups, preparations and essences for preparing non-alcoholic beverages (with the exception of essential oils); thirst-quenching beverages in liquid, powder or concentrate form (preparations for making beverages); soda water.」及び第36類「Capital investments and guarantees of sporting and cultural activities; financial consultancy; financial evaluation [insurance, banking, real estate]; financial management.」 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。 (1)本件商標と引用商標の類似 ア 本件商標は、不規則な黒塗りの九角形の中に「POW」及び「BAR」の欧文字を横書きに上下二段に書してなるから、「パウバー」の称呼が生じる。 イ 引用商標1及び引用商標3は、「POWERBAR」の欧文字を横書きし、引用商標2は、「POWERBAR」の欧文字と「パワーバー」の片仮名を上下二段に表し、引用商標4は、黄色い平行四辺形の図形の中に「PowerBar」の欧文字を赤色で横書きに表してなるから、それぞれ構成文字に相応して「パワーバー」の称呼が生じる。 ウ(ア)本件商標と引用商標の外観を対比すると、本件商標を構成する「POW」及び「BAR」の欧文字は、全て引用商標に含まれており、特に語頭と語尾の3文字が一致し、共通する文字数が多いため、同じつづりの文字列であると錯覚し、両商標を混同して認識するおそれがある。 つまり、本件商標は、引用商標とは、看者の印象に残り易く目立つ部分である語頭の「POW」の文字と語尾の「BAR」の文字が共通しており、視覚的に近似するから、外観上相紛らわしく類似する。 (イ)本件商標と引用商標の称呼は異なるものの、印象に残り易い「パ」で始まる点で共通し、長音を伴って強く発音される語尾の「バー」の音を共通にするから、全体の語調、語感は近似したものとなる。 したがって、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのある称呼上類似の商標である。 (ウ)本件商標は、その構成中「POW」の欧文字は「捕虜、パンという音を表す擬音語」の意味を有する英語であるが、構成文字全体で特定の観念は生じない。 他方、引用商標は、その構成中「POWER」の欧文字は「力」の意味を、「BAR」の文字は「棒、棒状のもの」の意味を有するが、構成文字全体で特定の観念は生じない。 したがって、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じない造語だから、観念において比較できない。 (2)指定商品の類似 本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する。 (3)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観及び称呼において類似する商標であり、その指定商品も類似する。 (4)取引の実情について 仮に本件商標と引用商標が類似しないとしても、以下で詳述するとおり、両商標は近似した印象のものとして需要者に認識されるおそれがあり、混同を生じるおそれがある。 ア 本件商標は、その構成中「BAR」の文字は意味がよく知られているが、「POW」の文字の意味は我が国の需要者にほとんど知られていない。 他方、引用商標は、その構成中「POWER」の文字の意味は我が国の需要者に非常に良く知られている。 そうすると、我が国の需要者は、本件商標の構成中「POW」の文字から「POWER」の文字を連想する可能性があり、それが引用商標の略称と認識されるなど、引用商標の商標権者と何らかの関連を有する商品であると混同を生じるおそれがある。商標の類否は、時と場所を異にする離隔的観察により判断されるもので、需要者が商標の細部を正確に記憶しているとは限らず、曖昧な記憶や印象に基づいて、商品に付された商標から出所を識別することも少なくないことを考慮すると、本件商標に接する需要者が、引用商標に係る商品との間で出所を混同する可能性がある。 イ 本件商標は、エナジーバーと呼ばれる、少量でエネルギーが得られる栄養補給食品について使用されているところ(甲6)、引用商標も同様の商品に使用されている(甲7?甲11)。 本件商標の使用に係るエナジーバーは、自転車愛好家によく利用されているところ(甲6)、引用商標の商標権者も、商品のプロモーションの一環として自転車競技を行っている個人又はチームを支援する活動を行っており(甲12)、また、スポーツ・フィットネス・健康産業総合展への出展や、大手フィットネスジムにおける販売促進イベントなど、アスリートを対象とした販売促進を積極的に行っている。 つまり、本件商標と引用商標の使用に係る商品は共通しており、需要者層も重なるから、引用商標と相紛れるおそれのある本件商標が、商品「エナジーバー」に使用された場合、出所の混同が生じるおそれは高い。 (5)まとめ 以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標は、別掲1のとおり、外周縁に不規則な複数の突起を有する黒色の枠内に、「POW」及び「BAR」の欧文字を白抜き(「O」の文字の内部は赤色で塗ってなる。)で、上下二段に表してなるところ、その構成文字は、同種文字(欧文字)を同書同大で上下二段にまとまりよく一体的に表しており、構成文字全体より生じる「パウバー」の称呼も比較的簡潔で一連に称呼でき、また、構成文字全体で特定の意味を有さない造語を表してなるものと理解できる。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「パウバー」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。 (2)引用商標1及び3は、上記2(1)及び(3)のとおり、「POWERBAR」の欧文字を表してなり、引用商標2は、別掲2のとおり、「POWERBAR」の欧文字と「パワーバー」の片仮名を上下二段に表してなり、引用商標4は、別掲3のとおり、黄色の四角形状の枠内に「PowerBar」の文字を横線の上に表してなる。 そして、引用商標の構成中「POWERBAR」(PowerBar)の文字部分は、「力。体力。」の意味を有する「POWER」の語と、「横棒。また、棒状のもの。」の意味を有する「BAR」の語(「デジタル大辞泉」小学館)を字間なく横並びに結合させたものであるが、全体で特定の意味を有する成語となるものではなく、各語義を結合した意味も漠然としているから、特定の観念は生じない。 そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「パワーバー」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。 (3)本件商標と引用商標を比較すると、外観については、上記(1)及び(2)の構成よりなるものであるから、明らかに相違する。また、両商標の構成中、欧文字部分を比較しても、構成文字の差異(中間の「er」の文字の有無)から異なる語を表してなるものと容易に理解できるため、互いに相紛れるおそれはなく、判別は容易である。 また、称呼については、語頭と語尾の2音(「パ」及び「バー」)が共通するとしても、その中間音(「ウ」と「ワー」)の差異から、構成音全体の印象や語調、語感は明らかに異なるから、聴別は容易である。 そして、観念については、いずれからも特定の観念は生じず、比較できない。 そうすると、本件商標は、引用商標とは、外観及び称呼において判別が容易だから、観念において比較できないものの、同一又は類似する商品(「エナジーバー」を含む。)について使用されるときであっても、その需要者をして、出所の混同が生じるおそれはないから、非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、引用商標とは同一又は類似の商標ではないから、その指定商品について比較検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標。色彩は原本を参照。) 別掲2(引用商標2) 別掲3(引用商標4。色彩は原本を参照。) |
異議決定日 | 2020-11-17 |
出願番号 | 商願2019-167754(T2019-167754) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W30)
T 1 651・ 263- Y (W30) T 1 651・ 262- Y (W30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松浦 裕紀子 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
阿曾 裕樹 大森 友子 |
登録日 | 2020-03-27 |
登録番号 | 商標登録第6240458号(T6240458) |
権利者 | スコット ジェームズ ノリス スコット 愛 |
商標の称呼 | パウバー、ポーバー、ポウ、ポー、ピイオオダブリュウ、バー、ビイエイアアル |
代理人 | 清水 定信 |
代理人 | 清水 定信 |
代理人 | 山本 龍郎 |
代理人 | 山本 彰司 |
代理人 | 前川 砂織 |
代理人 | 山本 龍郎 |
代理人 | 山崎 和香子 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 山本 彰司 |