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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0941 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0941 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0941 |
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管理番号 | 1368257 |
審判番号 | 不服2020-2191 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-02-18 |
確定日 | 2020-11-10 |
事件の表示 | 商願2019-89949拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類「電子出版物」及び第41類「ゲーム大会の興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定商品及び指定役務とし,平成30年8月20日に登録出願された商願2018-104952号商標に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,令和元年6月27日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。 なお,以下の登録商標をまとめて,「引用商標」という場合がある。 (1)登録第5591614号商標(以下「引用商標1」という。) ・商標の構成:「WACCA」の文字と「ワッカ」の文字を上下2段に横書きしてなる ・登録出願日:平成24年12月13日 ・設定登録日:平成25年6月21日 ・指定役務:第41類「パーティー・記念イベントの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽・文化に関するイベントの企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を含む第41類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 (2)登録第5737699号商標(以下「引用商標2」という。) ・商標の構成:別掲2のとおり ・登録出願日:平成26年9月3日 ・設定登録日:平成27年1月30日 ・指定商品:第16類「印刷物」を含む第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 3 当審の判断 (1)本願商標 ア 本願商標は,別掲1のとおり,左から順に,(ア)白線の割り込みを介して白線の左側を赤色,右側を黒色とし,大きな逆三角形状の図とその右側の「V」状の図の一部分とを重ねたような図形,(イ)黒色の「Λ」状の図形,(ウ)右の一部が切れた円状の黒色の図形(内側中央にその形状に沿った黄色の細い線を有する),(エ)右の一部が切れた上記(ウ)と同一の形状の黒色の図形(内側中央にその形状に沿った青色の細い線を有する),(オ)白線の割り込みを介して白線の左側を黒色,右側を青色とし,下部に三角形状の切り込みを有する三角形状の図形,(カ)上記(エ)の図形の内側から線の切れた部分にかけて,やや右に傾斜したゴシック体に属する書体をもって小さく横書きした「ワッカ」の文字,及び(キ)上記(イ)ないし(エ)の上下に配置された,それぞれ赤色と黄色の2つの円弧状の曲線からなる結合商標である。 そして,上記(キ)の2つの円弧状の曲線は,上下で色彩は異なるものの,同一の太さ,同一の形状からなるため,本願商標を構成全体として見たときには,上記(イ)ないし(エ)の背景に1つの大きな「円」を表したような印象を与えるものであること,本願商標の構成中,上記(ア)ないし(オ)の図形部分のうち黒色の部分は,上下がそろい高さが同一であること,赤色,黄色,青色の3つの色彩が構成全体にバランス良く配置されていること,上記(カ)の「ワッカ」の文字は,相当に小さく書してなり,上記(エ)の図形の内側から線の切れた部分にかけて上下から挟み込まれるように配置されているために,あまり目立たず,しかも,当該文字は,そのうち「カ」の文字の右側が上記(オ)の図形の左の辺と平行するようにやや右に傾斜して表されているために,上記(ア)ないし(オ)の図形部分と一体化し,その中に埋没しているような印象も否定し難いところであり,強く支配的な印象を与えるものではないことが認められ,これらを考慮すると,本願商標は,構成全体として,視覚的にまとまりよく一体的な印象を強く与えるものであり,かつ,その外観は,構成全体として,顕著な特徴を備えたものであるというのが相当である。 イ 本願商標の構成中,上記アの(ア)ないし(オ)の図形部分は,いずれも,直ちに特定の文字をレタリングして表したものと認識することが困難なほどに図案化されており,当該図形部分からは,特定の称呼を生じないものというのが相当であるから,本願商標は,その構成中,唯一の文字部分である「ワッカ」の文字に相応して,「ワッカ」の称呼を生じるものである。 ウ 本願商標の構成中,上記(カ)の「ワッカ」の文字は,その平仮名表記「わっか」が,「輪」の意味を有する語であるものの,「ワッカ」の文字自体は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の観念を生じるものとはいえない。 一方で,その構成中,中央に配置された上記(キ)の円弧状の曲線は,上記アのとおり,1つの大きな「円」を表したような印象を与えるものであって,上記(ウ)及び(エ)も,「円」の形状に近いものであることから,当該(ウ),(エ)及び(キ)の図形部分は,「円」の形状,すなわち「輪」の形状を表したものとの印象を与えるものである。 そうすると,本願商標は,特定の観念が生じるものとはいえないものの,上記(ウ),(エ)及び(キ)の図形部分と上記(カ)の「ワッカ」の文字部分とが相まって,本願商標全体として,「輪」ほどの漠然とした観念上の印象を与えるものである。 エ 上記アないしウによれば,本願商標は,外観上,構成全体として顕著な特徴を備え,視覚的にまとまりよく一体的な印象を強く与えるものであって,観念上も,「ワッカ」の文字部分と他の図形部分とは,関係性を有するものということができ,さらに,「ワッカ」の文字が,構成上,視覚的に強く支配的な印象を与えるものではない。 そうすると,本願商標は,その構成全体が常に一体不可分のものとしてのみ認識されるというのが相当である。 オ したがって,本願商標は,その構成文字に相応して「ワッカ」の称呼を生じ,特定の観念が生じるものではないものの,「輪」ほどの漠然とした観念上の印象を与えるものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1は,上記2のとおり,「WACCA」の文字と「ワッカ」の文字をゴシック体に属する標準的な書体で上下2段に横書きしてなるところ,その構成からして,下段の「ワッカ」の文字は,上段に横書きされた「WACCA」の欧文字の読みを示したものと理解するのが自然である。 また,「WACCA」及び「ワッカ」の各文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。 したがって,引用商標1は,その構成文字に相応して,「ワッカ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標2は,別掲2のとおり,やや丸みを帯びた書体で「wacca」の文字を横書きしてなるところ,「wacca」の文字は,辞書類に載録された既成語とは認められない欧文字であるから,特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものであり,また,造語として理解される欧文字は,我が国で親しまれた英語又はローマ字の読みに倣って称呼されるものであるから,「wacca」の文字は,英語の読みに倣って「ワッカ」の称呼を生じるものである。 したがって,引用商標2は,その構成文字に相応して,「ワッカ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否 ア 本願商標と,引用商標1及び引用商標2との類否について検討するに,外観においては,本願商標が,図形や色彩を有する顕著な特徴を備えたものであるのに対して,引用商標1及び引用商標2はいずれも,大きく目を引く特徴を備えているものとはいえないから,両者は,外観において,著しく異なる。 イ 称呼においては,本願商標と,引用商標1及び引用商標2とは,ともに「ワッカ」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一である。 ウ 観念においては,本願商標は,「輪」ほどの漠然とした観念上の印象を与えるものであるのに対して,引用商標1及び引用商標2は,いずれも特定の観念を生じるものではないから,両者は,観念上,類似するとはいえない。 エ 上記アないしウによれば,本願商標と引用商標1及び引用商標2とは,称呼を共通にするものであるとしても,外観上,著しく異なるものであって,観念上も,類似するとはいえないものであるから,これらを総合して全体的に考察すれば,両者は,商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について判断するまでもなく,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩については,原本を参照。) 別掲2 引用商標2 |
審決日 | 2020-10-14 |
出願番号 | 商願2019-89949(T2019-89949) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W0941)
T 1 8・ 261- WY (W0941) T 1 8・ 262- WY (W0941) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 安達 輝幸 |
特許庁審判長 |
齋藤 貴博 |
特許庁審判官 |
渡邉 あおい 小俣 克巳 |
商標の称呼 | ワッカ |
代理人 | 江部 武史 |