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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W0307
管理番号 1367126 
審判番号 不服2020-6086 
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-07 
確定日 2020-10-02 
事件の表示 商願2018-126354拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「簡単ワンタッチ洗浄」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成30年10月9日に登録出願されたものである。
その後、原審における令和元年11月10日付けの手続補正書により、その指定商品は、第3類「入れ歯洗浄剤」及び第7類「家庭用超音波洗浄器」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「簡単ワンタッチ洗浄」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「ワンタッチ」の文字は「一つの操作。また、機器などの操作が極度に簡単であること。」を意味する語として一般に知られていることから、全体として「簡単に一つの操作で洗浄できる」ほどの意味合いを理解させる。
そして、本願商標の指定商品との関係において、簡単に洗浄できること、ワンタッチ(一つの操作)で洗浄できることが、需要者の購買意欲を高める訴求力となっている実情があり、これを表すために「簡単」及び「ワンタッチ」の語が使用されている。
そうすると、本願商標は、全体として「簡単に一つの操作で洗浄できる」商品であるとの意味を容易に理解でき、その指定商品に係る取引者及び需要者をして、商品の品質を表示したものと認識させるにとどまる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断
(1)本願商標について
ア 本願商標は、「簡単ワンタッチ洗浄」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「簡単」の文字は「てがるなこと。手間がかからないこと。」(「広辞苑 第7版」岩波書店)の意味を、「ワンタッチ」の文字は「一つの操作。また、機器などの操作が極度に簡単であること。」(前掲書)の意味を、「洗浄」の文字は「あらいきよめること」(前掲書)の意味を有する語として、いずれも我が国で親しまれている意味の理解が容易な語であるから、構成文字全体をして「簡単にワンタッチ(一つの操作)で洗浄する」程度の意味を容易に認識させる。
イ そして、洗浄機能を備える商品の取引と関連して、別掲のとおり、例えば「ワンタッチで簡単操作」、「ワンタッチスイッチ」、「ワンタッチ洗浄」、「ワンタッチ洗浄機能」などと機能紹介されるような、簡単に「ワンタッチ」で洗浄する機能を備えた商品が広く製造、販売されている実情がある。
ウ そうすると、本願商標は、「簡単にワンタッチ(一つの操作)で洗浄する」程度の意味を容易に認識させるもので、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、商品の品質(機能)又は使用の方法を表示するものと認識されるにすぎないというべきである。
(2)請求人の主張に対し
請求人の主張は、以下に詳述するとおり、いずれも採択できない。
ア 請求人は、本願商標は、全体から特定の一つの意味合いを直感的に想起させるものではなく、「極めて容易に洗浄」の暗示的な漠とした意味合いを想起させる一種の造語であり、原審が掲げる事例も本願商標の構成文字の一部がその指定商品の一部に使用されているにすぎず、一連の文字が単独で使用されているものではない旨を主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)アのとおり、意味の理解が極めて容易な文字より構成されるもので、全体として「簡単にワンタッチ(一つの操作)で洗浄する」程度の意味を容易に認識させる記述的な表現にすぎないばかりか、上記(1)イのとおり、洗浄機能を備える商品と関連して、簡単に「ワンタッチ」で洗浄する機能を備えた商品が広く製造、販売されている実情があることを踏まえると、本願商標に接する需要者及び取引者をして、商品の品質(機能)を具体的に表示するものと認識、理解されるというべきである。
イ 請求人は、過去の登録例を掲げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張する。
しかしながら、商標登録出願された商標の登録適格性は、個別の商標や取引の実情を踏まえた上で判断すべきであるから、請求人の援用する過去の登録例は、本願商標の登録適格性に係る判断に影響しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商品の品質(機能)又は使用の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

別掲 簡単に「ワンタッチ」で洗浄する機能を備えた商品の事例
(1)「GREEN FUNDING」のウェブサイトにおいて、「超音波洗浄機『ULTRA SONIC』」の商品紹介の項に、「ワンタッチで簡単操作」、「より便利に!ボタンをひとつ押すだけ。特に難しい設定は不要で、あらゆる物をボタンひとつで洗浄開始。」の記載がある。
https://greenfunding.jp/lab/projects/2866
(2)「Amazon」のウェブサイトにおいて、「Finether」の商品紹介の項に、「ワンタッチスイッチ」、「【操作簡単設計】ボタンを押すだけで、5分間のデフォルト洗浄開始します。」の記載がある。
https://www.amazon.co.jp/Finether-%E8%B6%85%E9%9F%B3%E6%B3%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC-2000%E5%9B%9E%E6%8C%AF%E5%8B%95%E6%B4%97%E6%B5%84-%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81-MK-181/dp/B07GZBGWCR
(3)「株式会社岡常歯車製作所」のウェブサイトに掲載された「部品洗浄機」の「MODEL IPC-2」のカタログにおいて、「簡単な操作性」、「スイッチONでワンタッチ洗浄」の記載がある。
http://www.okatsune.com/catalog/pdf/ipc2.pdf
(4)「富士電機」のウェブサイトに掲載された富士電機技報(2012 VOL.85 no.5)において、「多品種対応 清涼飲料ディスペンサ」の商品紹介の項に、「ワンタッチ洗浄機能」、「ノズル洗浄機能・・・ワンタッチで誰でも簡単に,洗浄できる機能を追加した。」の記載がある。
https://www.fujielectric.co.jp/about/company/gihou_2012/pdf/85-05/FEJ-85-05-365-2012.pdf
(5)「エース技研株式会社」のウェブサイトにおいて、「サックバックバルブ」の「BP-105D-X」の商品紹介の項に、「ワンタッチ洗浄が可能な袋ナット式モデル。」の記載がある。
http://www.ace-giken.co.jp/products/product-01/product-01-c/


審理終結日 2020-08-04 
結審通知日 2020-08-05 
審決日 2020-08-18 
出願番号 商願2018-126354(T2018-126354) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W0307)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清川 恵子 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
阿曾 裕樹
商標の称呼 カンタンワンタッチセンジョー、カンタンワンタッチ、ワンタッチセンジョー 
代理人 高梨 範夫 

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