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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W25 審判 査定不服 外観類似 登録しない W25 審判 査定不服 観念類似 登録しない W25 |
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管理番号 | 1367120 |
審判番号 | 不服2018-12760 |
総通号数 | 251 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-11-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-09-26 |
確定日 | 2020-10-01 |
事件の表示 | 商願2017-79190拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第25類「ハイソックス」を指定商品として、平成29年6月15日に登録出願されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5905585号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成28年7月6日に登録出願、第18類及び「被服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年12月16日に設定登録され、現在も有効に存続するものである。 第3 当審においてした審尋及び請求人の回答 審判長は、請求人に対し、令和2年4月28日付け審尋において、原審が平成30年6月18日付け拒絶査定の理由(商標法第4条第1項第11号)において引用した登録第5905585号商標と本願商標とは、類似する商標であって、互いの指定商品も同一又は類似するものであるとの暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人からは、何ら応答がなかった。 第4 当審の判断 1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、「ATTIVO HIGH SOCKS」の欧文字と、「アティーボ・ハイソックス」の片仮名を、左右の両端をそろえ、上下二段に横書きしてなるところ、下段の片仮名部分は上段の欧文字部分の読み仮名を表してなるものと容易に認識できるため、本願商標からは、その構成文字に相応して、「アティーボハイソックス」の称呼が生じる。 また、本願商標の構成中、「HIGH SOCKS」の欧文字部分及び「ハイソックス」の片仮名部分は、本願の指定商品「ハイソックス」それ自体を指称する語であるから、同部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないと認められる。 一方、「ATTIVO」及び「アティーボ」の文字部分は、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。 そうすると、本願商標において、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は、「ATTIVO」及び「アティーボ」の文字部分であるということができ、これらを要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許される。 したがって、本願商標は、構成全体から生じる「アティーボハイソックス」の称呼のほかに、要部である「ATTIVO」及び「アティーボ」の文字部分に相応した「アティーボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 2 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり幾何図形(以下「図形部分」という。)を上段に、「Attivo」の欧文字(以下「文字部分」という。)を下段に表してなるものである。 引用商標の図形部分と文字部分とは、互いに接することなく、視覚的に明確に分離して認識できるところ、図形部分は、その構成から、特定の称呼や観念が想起されるとは認め難いものである。そして、引用商標の文字部分である「Attivo」の文字部分は、その構成文字に相応し、「アティーボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そして、引用商標の文字部分と図形部分とが、観念的に密接な関連性を有しているとは考え難いし、一連一体となった何かしらの称呼が生じるともいえない。また、文字部分及び図形部分は、指定商品との関係で、当該商品の品質等を表すものともいえない上、このほかに各部分が単独では出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見当たらない。 これらの事情を総合すると、引用商標は、文字部分と図形部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできないから、当該文字部分と図形部分は、それぞれも独立して出所識別機能を有する要部であるというべきである。 したがって、引用商標は、文字部分の構成文字に相応して、「アティーボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 3 本願商標と引用商標の類否 本願商標の要部である「ATTIVO」及び「アティーボ」の文字部分と、引用商標の要部である「Attivo」の文字部分の類否について、以下検討する。 本願商標の要部である「ATTIVO」及び「アティーボ」の文字部分と引用商標の要部である「Attivo」の文字部分を比較すると、両者は全体としては片仮名の有無等により相違しているが、欧文字同士の比較においては、書体の差異はあるものの、「ATTIVO(Attivo)」の綴りを共通にし、一般的な書体で表されている点を共通にするため、外観上、近似した印象を与える。 両者とも、称呼においては、「アティーボ」の称呼を共通にする。 両者は、共に観念を生じないから、比較し得ない。 以上からすると、本願商標と引用商標とは、観念は比較し得ないとしても、共に観念を生じないから観念上相違することはないし、外観上、近似した印象を与えるものであり、両者は称呼を共通にするものであるから、両商標について、上記の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似のものと判断するのが相当である。 4 本願商標の指定商品は「ハイソックス」は、引用商標の指定商品中、「被服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」に含まれる商品又は類似する商品であるといえるから、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 5 小括 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 6 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標) |
審理終結日 | 2020-07-22 |
結審通知日 | 2020-07-28 |
審決日 | 2020-08-17 |
出願番号 | 商願2017-79190(T2017-79190) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W25)
T 1 8・ 262- Z (W25) T 1 8・ 261- Z (W25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄、深田 彩紀子 |
特許庁審判長 |
中束 としえ |
特許庁審判官 |
庄司 美和 山田 啓之 |
商標の称呼 | アティーボハイソックス、アッティーボハイソックス、アティーボ、アッティーボ |
代理人 | 特許業務法人共生国際特許事務所 |