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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W03
審判 一部申立て  登録を維持 W03
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審判 一部申立て  登録を維持 W03
審判 一部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1366308 
異議申立番号 異議2019-900287 
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-10-07 
確定日 2020-08-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6161620号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6161620号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6161620号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり「オキシシャイニー」の片仮名と「OXI SHINY」の欧文字を上下二段に横書きしてなり,平成30年11月7日に登録出願,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤を除く。),せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として,令和元年6月4日に登録査定,同年7月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標及び標章
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第5780186号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成25年1月8日に登録出願,第3類「染み抜き剤,洗濯せっけん,家庭用洗剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤を除く。),食器用洗剤,浴室用洗浄剤、即ちシャワー・浴槽・タイル用洗浄剤,トイレ用洗剤,洗浄剤を浸み込ませた使い捨ての洗浄用ティッシュ」を指定商品として,同27年7月24日に設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。
(2)申立人が登録異議の申立ての理由において,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する標章は,別掲3のとおりの標章(以下「使用標章1」という。),別掲4のとおりの標章(以下「使用標章2A」という。)及び別掲5のとおりの標章(以下「使用標章2B」という。なお,使用標章2Aと使用標章2Bをまとめて,「使用標章2」といい,使用標章1と使用標章2をまとめて,「使用標章」ということがある。)であり,1997年(平成9年)から商品「酸素系漂白剤」に使用し,当該商品を表示する標章として需要者の間に広く認識されていると主張するものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は,本件商標は,その指定商品中,第3類「洗濯用漂白剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤を除く。),せっけん類」について,商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第327号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 申立人商品の周知性について
(ア)引用商標に係る商品は,米国の法人Orange Glo International社が,外国及び我が国で1997年に使用を開始し,その後,申立人が事業を引き継ぎ(2006年),申立人の業務に係る「酸素系漂白剤」(以下「申立人商品」という。)として20年以上にわたり使用されている。
(イ)申立人商品は,我が国において,テレビ通販番組による広告で実演販売されており(甲22?甲25),2016年から現在までの広告費は年間2500万円から4000万円にのぼる。
(ウ)申立人商品は,ホームセンターやオンライン通販等によっても販売されており(甲23,甲26?甲30),その売上高は2017年に14億円,2018年には22億円を超えるものである。
(エ)「Oxi Clean」の語は,オンライン辞書において,申立人商品を表す語として掲載されている(甲41)。
(オ)申立人商品は,オンラインショッピングサイトにおける評価も高く(甲44?甲51),SNSにおける投稿数も膨大である(甲59?甲64)。
(カ)申立人商品は,雑誌やインターネットのランキングでも上位や賞を獲得,受賞し,特集記事で頻繁に紹介されている(甲67?甲72,甲122,甲145,甲148,甲151,甲152,甲156,甲172?甲175,甲214,甲244,甲252,甲253,甲275)。
(キ)以上より,申立人商品は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において我が国で周知であった。
イ 「OXI」及び「オキシ」の文字が申立人商品を表す表示として周知であることについて
2015年初旬より,需要者において,引用商標の語頭部分「OXI」又は「オキシ」が着目されて,申立人商品が「オキシ」と呼ばれている(甲79)。
また,申立人商品の販売開始時より20年間「OXI(オキシ)」を冠した商品は他には販売されていない。
そうすると,「OXI(オキシ)」の文字には,極めて高い独創性が認められる。
そして,申立人は「オキシ」の文字を申立人商品の広告,宣伝等で使用しており(甲80?甲90),SNSや雑誌等でも「オキシ」の文字は,需要者において「#オキシ漬け」等,「○○オキシ○○」のように投稿又は掲載されている(甲79,甲87,甲91?甲94,甲97?甲280)。
そして「オキシ」の文字は,申立人商品を示すものとして需要者に認識されている(甲96)。
上記のとおり,「オキシ」の文字は,申立人商品を表示する語として広く使用されており,2019年3月には「オキシ漬けの日」及び「オキシクリーンの日」が3月14日を記念日として登録され,オンラインニュースサイトにおいても周知された(甲247,甲280?甲312)。
以上より,「OXI」及び「オキシ」の独創性は極めて高く,当該文字は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,需要者の間で,申立人商品を意味するものとして広く知られていた。
ウ 引用商標は,「OXI」及び「オキシ」と,「きれいな,清潔な,洗い立ての」程の意味合いを生じるとして我が国で広く知られている外来語である「CLEAN」及び「クリーン」(甲6,甲7)との結合商標であると容易に理解できるところ,「CLEAN」及び「クリーン」は引用商標の指定商品との関係では出所識別標識としての称呼,観念を生じないことからすれば,引用商標の構成中,「OXI」及び「オキシ」の文字部分から「オキシ」の称呼及び申立人商品が想起されるものである。
エ 本件商標は,その「OXI」及び「オキシ」と,「光り輝く,磨いた」程の意味合いを生じるとして我が国で広く知られている外来語であって,色の名称や掃除,洗濯の分野において使用されている「SHINY」及び「シャイニー」(甲4,甲5)との結合商標であると容易に理解できるところ,「SHINY」及び「シャイニー」は本件商標の指定商品との関係では識別力が極めて弱いことからすれば,本件商標のうち,造語であり独創性が高く,申立人商品を想起する「OXI」及び「オキシ」の部分が,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることが明らかである。
オ そうすると,本件商標から「OXI」及び「オキシ」の部分が抽出されて類否判断がされるべきであり,その結果,本件商標は引用商標と称呼及び観念において相紛らわしく類似する。さらに,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
使用標章は,上記(1)ア及びイのとおり,本件商標の登録出願日前から,酸素系漂白剤の分野において申立人の商標として周知・著名となっており,また,申立人商品は,本件商標の登録出願以前より,需要者において,「オキシ」と呼ばれており,登録査定時においても継続している。
本件商標は,その「OXI」及び「オキシ」と,識別力が極めて弱い「SHINY」及び「シャイニー」との結合商標であることからすれば,本件商標のうち「OXI」及び「オキシ」の部分が,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることが明らかであって,本件商標から「OXI」及び「オキシ」の部分が抽出されて類否判断がされるべきであり,その結果,本件商標は使用標章と類似する。さらに,本件商標の指定商品は,使用標章が周知・著名である「酸素系漂白剤」と同一又は類似する(甲10,甲135,甲316,甲317)。
そうすると,本件商標と使用標章とは,称呼及び観念において相紛らわしく,互いに類似する商標であり,本件商標の登録出願時及び登録査定時における使用標章の周知・著名性及び「オキシ」が使用標章を示すものとして周知・著名であることに鑑みれば,本件商標がその指定商品について使用された場合には,当該商品は,取引者・需要者において,容易に使用標章を想起させるものであり,また,その指定商品も類似するものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
使用標章は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願日前から,酸素系漂白剤の分野において申立人の商標として周知・著名となっており,また,申立人商品は,本件商標の登録出願以前より,需要者において,「オキシ」と呼ばれており,登録査定時においても継続している。
本件商標は,その登録出願時及び登録査定時には,使用標章及び申立人商品を指すものとして周知・著名な「OXI」及び「オキシ」をその語頭部分に有し,その指定商品と使用標章に係る「酸素系漂白剤」とは一致するから,需要者も当然に一致し,互いに極めて強い関連性を有する。また,本件商標の指定商品の市場においては,造語「オキシ」又は「OXI」を語頭に有する商標が20年もの間,申立人に係る使用標章以外に存在していなかった事実に鑑みると,使用標章の独創性は極めて高い。
さらに,本件商標は,市場において,使用標章に係る商品と極めて近似した態様で使用され(甲326,甲327),商品説明にも「オキシ」と表示している。そうすると,本件商標をその指定商品に使用するときは,申立人の業務による周知著名な使用標章の商品と混同・誤認されるおそれがある。
そうすると,本件商標は,20年以上にわたる申立人の営業努力により蓄積した使用標章との混同を生じさせるおそれがあり,また使用標章に化体した業務上の信用にただ乗りし,これを希釈化するおそれもあるものであるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)使用標章の周知性について
ア 申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(ア)申立人商品は,1997年(平成9年)に販売が開始され(甲11),我が国においても,同年にテレビ通販番組により紹介され販売されたことが推認できる(甲22)
(イ)「PR TIMES」のウェブサイトにおいて,申立人商品の,2016年(平成28年)7月ないし2017年(平成29年)6月末の売上高は,前年比270%,年間の出荷量は3600万本を超える旨の記載が見受けられる(甲34)ものの,当該記事における売上高及び出荷量は,販売地域(国)や販売商品に関する詳細な記載がなく,当該記事によっては,我が国における申立人商品の売上高及び市場規模等を確認することができない。
また,我が国における,申立人商品の売上高及び市場規模等に加え,広告費に関する申立人の主張についても,それを証する客観的な証拠の提出はされていない。
(ウ)「オキシクリーン」の片仮名は,我が国において,少なくとも2003年(平成15年)頃から,ウェブサイトにおいて掲載され(甲23),申立人商品は,SNSにおいても,「#オキシクリーン」の下,紹介されているところ,当該SNSの「#酸素系漂白剤」等の下においては,申立人商品の他にも,他の洗剤も紹介されている(甲55?甲66)。
また,申立人商品は,2016年(平成28年)ないし2019年(平成31年,令和元年)において,インターネット通販サイトの売れ筋ランキング等のランキングページ,インターネット記事及び雑誌等に取り上げられている(甲44?甲51,甲67?甲78,甲81?甲87)。
(エ)2016年(平成28年)ないし2019年(平成31年,令和元年)には,雑誌,インターネット通販サイト,ウェブサイト記事,SNS等において,申立人商品を使用した漬け置き洗い等の洗濯,洗浄方法を「オキシ漬け」「オキシ拭き」,「オキシパック」,「オキシ煮」,「待ち伏せオキシ」等と呼び,同商品を湯水に溶かした溶液を「オキシ液」や「オキシ溶液」等と呼んでいることが掲載されている(甲90?甲95,甲97?甲118,甲120?甲189,甲191?甲264,甲266?甲301,甲303)。
また,申立人商品の販促用品及び申立人商品のウェブサイトにも「オキシ漬け」の文字が表示されている(甲79,甲88,甲89)。
(オ)新聞記事,インターネット記事において「オキシ漬けの日」及び「オキシクリーンの日」が2019年(平成31年)より3月14日を記念日として登録されたことが掲載されている(甲246,甲247,甲281?甲312)。
イ 上記アの事実によれば,使用標章は,申立人商品に使用されており,申立人商品は,我が国においても,1997年(平成9年)から販売されていることが推認でき,テレビ通販番組,インターネット通販サイト,雑誌,SNS等を通じて紹介されたことから,洗濯又は清掃に関心の高い需要者の間である程度知られているということができる。
しかしながら,我が国における,申立人商品の広告費,売上高等を定量的に確認できる客観的な資料は提出されていないことから,申立人商品の周知性の程度を推し量ることはできない。
その他に,申立人商品が広く知られていると認め得る事情は見当たらない。
したがって,提出された証拠によっては,申立人商品に使用されている使用標章が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認められない。
ウ なお,申立人は,使用標章中の「オキシ」の文字が申立人商品の広告,宣伝等で使用され,また申立人商品を使用した漬け置き洗い等の洗濯,洗浄方法を示す文字として「オキシ漬け」等の文字がSNS等に掲載されていることから,「オキシ」の文字が申立人商品を示すものとして需要者に認識されている旨主張する。
しかしながら,「オキシ」の文字が単独で申立人商品に使用されてはいないこと,申立人商品の広告,宣伝等を定量的に確認できる資料は提出されていないことなどからすれば,「オキシ」の文字の周知性の程度を推し量ることはできない。
また,SNS等に掲載されている,例えば「オキシ漬け」の文字は,申立人商品を使用した漬けおき(洗い)を指称する文字として使用されているにすぎず,この使用をもって「オキシ」の文字が単独で申立人商品に使用されて需要者の間に広く認識されていると認めるに足る事情はない。
したがって,申立人の主張は採用できない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,「オキシシャイニー」の片仮名と「OXI SHINY」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ,下段の「OXI SHINY」の欧文字については,「OXI」と「SHINY」の間に一文字程度の空白があるとしても,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表され,かつ,上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解できるものであって,本件商標の構成文字全体から生ずる「オキシシャイニー」の称呼も,格別冗長なものではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。
そして,本件商標の構成中の「SHINY(シャイニー)」の文字が,「光る,磨いた」等の意味を有する親しまれた英語であるとしても,本件商標の指定商品を取り扱う業界において,自他商品の識別機能を果たし得ないとはいえず,また,「オキシ」の文字部分は,辞書等に載録のない造語であるところ,上記(1)ウのとおり,当該文字が申立人商品を示す文字として広く知られていたとは認め得る事情はなく,さらに,本件商標の構成中のいずれかの文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということはできない。
そうすると,本件商標は,その構成全体をもって一体不可分のものというのが相当であるから,その構成文字全体に相応して「オキシシャイニー」の称呼を生じ,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,右上がりに「OXI」「CLEAN」を太字で大きく二段に表し,その下部に「オキシクリーン」の文字を小さく表した構成よりなるところ,「OXI」及び「CLEAN」の文字部分は,同じ書体,同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表され,かつ,下段の片仮名は,上段及び中段の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解できるものであって,引用商標の構成文字全体から生ずる「オキシクリーン」の称呼も,格別冗長なものではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。
そして,引用商標の構成中の「CLEAN(クリーン)」の文字が,「きれいなさま,清潔なさま」等の意味を有する親しまれた英語であるとしても,引用商標の指定商品を取り扱う業界において,自他商品の識別機能を果たし得ないとまではいえず,また,「オキシ」の文字部分は,辞書等に載録のない造語であるところ,上記(1)ウのとおり,当該文字が申立人商品を示す文字として広く知られていたとは認め得る事情はなく,さらに,本件商標の構成中のいずれかの文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということはできない。
そうすると,引用商標は,その構成全体をもって一体不可分のものというのが相当であるから,その構成文字に相応して「オキシクリーン」の称呼を生じ,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との比較
(ア)外観について
本件商標と引用商標とは,二段又は三段により構成されている点,また,「SHINY」及び「シャイニー」と「CLEAN」及び「クリーン」の文字の有無といった点に差異を有するものであるから,外観上明らかに相違するものである。
(イ)称呼について
本件商標から生じる「オキシシャイニー」の称呼と引用商標から生じる「オキシクリーン」の称呼とは,称呼全体の語調語感が明らかに異なり,称呼上相紛れるおそれはない。
(ウ)観念について
本件商標及び引用商標は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することができない。
(エ)小括
以上によれば,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから,その外観,称呼及び観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して考慮すれば,両商標は,非類似の商標というべきである。
その他,本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
したがって,本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから,両商標の指定商品が同一又は類似のものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 使用標章の周知性について
上記(1)のとおり,使用標章は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。
イ 本件商標と使用標章との類否について
本件商標は,上記(2)アのとおり,「オキシシャイニー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
使用標章は,引用商標と色彩は異なるものの,使用標章1は,引用商標の欧文字部分の構成と同じ文字構成からなり,使用標章2は,引用商標と構成を同じくするものである。
そうすると,使用標章は,引用商標と同じ理由により「オキシクリーン」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
してみれば,本件商標と使用標章とは,上記(2)と同様に,非類似の商標というべきである。
ウ 以上よりすれば,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その商品又はこれに類似する商品について使用をするものということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 使用標章の周知性について
使用標章は,上記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表すものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
イ 本件商標と使用標章の類似性の程度について
本件商標と使用標章とは上記(3)イのとおり,非類似の商標であって別異の商標である。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記ア及びイからすれば,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,本件商標権者が,本件商標をその指定商品について使用をしたときには,これに接する取引者,需要者が,使用標章を連想,想起することはないというべきであり,本件商標は,その取引者,需要者をして,当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
その他,本件商標が他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく,その登録は,同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。

別掲
別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)


別掲3(使用標章1 色彩は甲第3号証を参照。)


別掲4(使用標章2A 色彩は甲第3号証を参照。)


別掲5(使用標章2B 色彩は甲第3号証を参照。)



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異議決定日 2020-08-04 
出願番号 商願2018-138319(T2018-138319) 
審決分類 T 1 652・ 255- Y (W03)
T 1 652・ 271- Y (W03)
T 1 652・ 251- Y (W03)
T 1 652・ 262- Y (W03)
T 1 652・ 263- Y (W03)
T 1 652・ 253- Y (W03)
T 1 652・ 261- Y (W03)
T 1 652・ 252- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 平澤 芳行
大森 友子
登録日 2019-07-12 
登録番号 商標登録第6161620号(T6161620) 
権利者 ライオンケミカル株式会社
商標の称呼 オキシシャイニー、オクシシャイニー、オキシ、オクシ、オオエックスアイ、シャイニー 
代理人 中山 真理子 
代理人 達野 大輔 
代理人 森 治 
代理人 松澤 由香 
代理人 竹中 陽輔 

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