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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W3233
管理番号 1366306 
異議申立番号 異議2019-900324 
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-11-05 
確定日 2020-08-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第6170720号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6170720号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6170720号商標(以下「本件商標」という。)は、「LUCKY HORSE」の欧文字と「ラッキーホース」の片仮名とを二段に表してなり、平成30年9月3日に登録出願、第32類「ビール,ビール風味を有する麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,アルコール分を含まない飲料」及び第33類「日本酒,泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒,米を原料とする酒,アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として、令和元年7月12日に登録査定され、同年8月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2698500号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「RED HORSE」の欧文字を横書きしてなるもの
登録出願日 昭和57年8月24日
設定登録日 平成6年10月31日
書換登録日 平成18年3月29日
指定商品 第32類「ビール」及び第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(2)登録第4011005号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「RED HORSE」の欧文字を横書きしてなるもの
登録出願日 平成7年6月22日
設定登録日 平成9年6月13日
指定商品 第32類「ビール,ビール製造用ホップエキス」
(3)登録第4148401号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
登録出願日 平成8年8月16日
設定登録日 平成10年5月22日
指定商品 第32類「ビール,ビール製造用ホップエキス」
(4)登録第4259036号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成 「RED」及び「HORSE」の欧文字を二段書きしてなるもの
登録出願日 平成8年12月12日
設定登録日 平成11年4月9日
指定商品 第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」
(5)登録第5088086号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
登録出願日 平成19年2月8日
設定登録日 平成19年11月2日
指定商品 第32類「ビール風味の麦芽発泡酒,ビール,ビール風味の清涼飲料」

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、上段に「LUCKY HORSE」の欧文字を、下段に「ラッキーホース」の片仮名を横書きしてなるものであり、片仮名は欧文字の読み方を特定したものと理解されるから、本件商標は「ラッキーホース」の称呼をもって取引に供されるものである。
他方、引用商標中の「BEER」は商品「ビール」に通じる普通名称であり、「EXTRA STRONG」はアルコール度数が高いことを示すにとどまるから、引用商標においても自他識別機能を発揮する要部は「RED HORSE」の部分であり、「レッドホース」の称呼で取引に供されるものである。
「ラッキーホース」と「レッドホース」を比較した場合には、前半部分で差異がある。しかしながら、ビールの商標で「ホース(HORSE)」を含むものは希有であることと、引用商標が申立人のビールを表示するものとして広く知られていることに鑑みれば、本件商標が「ビール,ビール風味を有する麦芽発泡酒,ビール製造用ホップエキス,ビール風味のアルコール分を含まない飲料」に使用された場合には、あたかも当該商品が申立人の「RED HORSE」ビ-ルの姉妹商品であるかのごとく誤認され、商品の出所について混同されるおそれがある。
(2)ア 申立人は、フィリピンの代表的な企業である「San Miguel Corporation」(以下「サンミゲル社」という。)傘下でビールや清涼飲料事業を展開する「San Miguel Brewery Inc.」(以下「サンミゲルビール社」という。)の海外部門を担当する企業であって、サンミゲルビール社の製造販売に係るビールはフィリピン国内で90%という圧倒的なシェアを誇り、フィリピンはもとより、日本や東南アジア諸国で広く知られている(甲7)。
「San Miguel」商標を付したビールは1890年から製造販売されているが、よりアルコール度の高いビールの市場を開拓すべく、1982年に「RED HORSE」ブランドを立ち上げ、フィリピン及び日本を含む海外市場において積極的な販売活動を展開している(甲8)。主な販売国は、日本・中国を含むアジア諸国、米国、豪州、中東諸国、アフリカ諸国などである。日本にもいくつかの貿易会社が輸入しており(甲9、甲10)、多数の店舗で販売されている(甲11、甲12)。
イ 引用商標を付したビールは、1983年に金賞を受賞した「モンドセレクション」のほか、国際的な品評会でも長年にわたって受賞し続けている(甲13)。
また、世界5大ビール審査会の一つとされている「オーストラリアン・インターナショナル・ビア・アワード」においても、2012年から繰り返し受賞している(甲13の2)。
ウ 引用商標を付したビールが冠スポンサーとなった音楽コンサートが開催され、製品の巨大模型を設置、ポスターを頒布、ビルに大きな看板を設置するなど、積極的な販促活動により、「RED HORSE」の知名度アップが図られている(甲14)。
エ 世界的な販売活動に対応して、商標「RED HORSE」も多数の国で登録されている(甲15?甲18)。
(3)以上のように、引用商標は、申立人のビールを表示するものとして、世界的に広く知られていることは明らかである。このような事情のもとで、本件商標がビールやビール風味を有する麦芽発泡酒、ビール製造用ホップエキス、ビール風味のアルコール分を含まない飲料に使用された場合には、ビール市場において「○○ HORSE」なる商標が珍しいことと相まって、当該商品が申立人の「RED HORSE」の姉妹品であるなど、出所について混同を生じるおそれは小さくないと見るべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人、サンミゲル社及びサンミゲルビール社(以下、これらをまとめて「申立人等」という。)は、ビール、清涼飲料などの製造販売を行っているフィリピンの会社であること(甲7)、申立人等の製造販売するビール(以下「申立人等商品」という。)の瓶や缶、段ボールカートンに引用商標5が付されていること(甲9、甲12の11など)、申立人等商品は世界60か国以上に輸出されていること(甲7)、及び我が国に向けて「RED HORSE」ビールが少なくとも2015年(平成27年)ないし2017年(平成29年)の期間に輸出されたこと(甲10)が認められる。
しかしながら、申立人等商品の我が国における販売状況を示すとされる写真(甲11)については、これら写真の撮影日、撮影場所、撮影者等が明らかでない。また、申立人等商品の販売促進活動を示すとされる写真(甲14)についても、これら写真の撮影日、撮影場所、撮影者等が明らかでないものの、撮影された人物や背景等から、諸外国における販売促進活動を示すものと見受けられる。そして、申立人等商品の我が国における売上高、シェアなどの販売実績、広告宣伝活動に関する主張、立証はなされていない。
そうすると、申立人等商品に使用されている引用商標5は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また、引用商標1ないし引用商標4は、その使用に係る証拠が提出されていないから、これらの商標についても、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
イ 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標は、前記1のとおり、「LUCKY HORSE」の欧文字と「ラッキーホース」の片仮名とを二段に表してなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであるから、その構成文字に相応して「ラッキーホース」の称呼を生じ、「幸運な馬」ほどの観念を生じるものである。
(イ)前記2のとおり、引用商標1及び引用商標2は「RED HORSE」の欧文字を横書きしてなり、引用商標4は「RED」及び「HORSE」の欧文字を二段書きしてなるものである。
また、引用商標3及び引用商標5は、馬やてい鉄等から構成される図形と「RED」「HORSE」「BEER」「EXTRA STRONG」の欧文字とを組み合わせた結合商標であるところ、外観上、図形部分と文字部分とは、それぞれが独立したものであるとの印象を与え、文字部分に着目すると、その構成態様から、中央又は上部に大きく表された「RED」及び「HORSE」の欧文字が看者に強く支配的な印象を与えるものといえる。また、「BEER」及び「EXTRA STRONG」の文字は、引用商標3及び引用商標5の指定商品である「ビール」等との関係において、それぞれ「ビール」及び「アルコール度数が高い」ことを表すことから、商品名及び商品の品質と把握され、出所識別標識としての機能を発揮し得ないものである。そうすると、引用商標3及び引用商標5から、「RED」及び「HORSE」の欧文字を分離抽出して、他人の商標と比較することが許されるというのが相当である。
したがって、引用商標は、それぞれ「レッドホース」の称呼を生じ、「赤い馬」ほどの観念を生じるものである。
(ウ)本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、その外観、称呼及び観念は、構成態様、語調語感及び観念が明らかに異なるから、両者は紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
また、他に本件商標と引用商標が相紛れるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標は、非類似の商標であって、別異の商標といわなければならない。
ウ 出所混同のおそれ
上記アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記イのとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であって別異の商標である。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、いずれもビールを含むものであり、その需要者、取引者において共通性があるものの、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
(引用商標3)


別掲2
(引用商標5。色彩については原本参照)



異議決定日 2020-08-11 
出願番号 商願2018-110689(T2018-110689) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W3233)
最終処分 維持 
前審関与審査官 平野 美和 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
石塚 利恵
登録日 2019-08-09 
登録番号 商標登録第6170720号(T6170720) 
権利者 黄桜株式会社
商標の称呼 ラッキーホース、ラッキー、ホース 
代理人 一色国際特許業務法人 
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