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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W32 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W32 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W32 |
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管理番号 | 1366219 |
審判番号 | 不服2020-9159 |
総通号数 | 250 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-07-01 |
確定日 | 2020-09-15 |
事件の表示 | 商願2019-123500拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「CRYSTAL IPA」の文字を標準文字で表してなり,第32類「ビール,黒ビール,ビール製造用ホップエキス,ビール製造用麦芽汁,アルコール分を含まない飲料」を指定商品として,令和元年9月19日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4297899号商標(以下「引用商標」という。)は,「CRISTAL」の欧文字を横書きしてなり,昭和57年12月3日に登録出願,第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成11年7月23日に設定登録され,その後,同21年10月7日に指定商品を第32類「ビール」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,上記1のとおり,「CRYSTAL IPA」の文字からなるところ,その構成中「CRYSTAL」の文字と「IPA」の文字との間に,一文字分の空白があるものの,各構成文字は同じ書体,同じ大きさで,外観上まとまりよく一体的に表されているものであり,本願商標の構成全体から生じる「クリスタルアイピーエー」の称呼も,格別冗長というべきものでなく,無理なく一連に称呼し得るものである。 さらに,本願商標は,その構成中「CRYSTAL」の文字部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る事情は見いだせない。 そうすると,本願商標の上記構成及び称呼からすれば,これに接する取引者,需要者は,殊更に「CRYSTAL」の文字部分にのみ着目することなく,本願商標の構成全体をもって,特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し,把握されるというのが自然である。 したがって,本願商標は,その構成文字全体に相応して「クリスタルアイピーエー」の称呼のみを生じ,特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は,上記2のとおり,「CRISTAL」の文字からなるところ,当該文字は,「水晶」等の意味を有するフランス語(「アポロ仏和辞典 第3版」株式会社角川書店)であるものの,我が国おいて一般に馴染みのある語とはいえないことから,この文字に接する取引者,需要者が,直ちに特定の意味合いを理解するとはいい難く,一種の造語として認識するとみるのが自然である。 また,引用商標のように特定の意味を認識させない欧文字からなる商標を称呼するときは,我が国で親しまれている英語の発音に倣って称呼することが多いことから,引用商標からは「クリスタル」の称呼を生じるものといえる。 したがって,引用商標は「クリスタル」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較すると,本願商標は,上記(1)のとおり「CRYSTAL IPA」の欧文字10文字からなるのに対し,引用商標は,上記(2)のとおり「CRISTAL」の欧文字7文字からなるものであって,両者は,2文字目の「Y」と「I」の違い及び「IPA」の文字の有無という構成文字及び文字数における明らかな差異があるから,外観上,判然と区別し得るものである。 次に,称呼においては,本願商標から生じる「クリスタルアイピーエー」の称呼と引用商標から生じる「クリスタル」の称呼とは,後半部における「アイピーエー」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。 さらに,観念においては,両者は,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができないものである。 以上によれば,本願商標と引用商標は,観念において比較することができないとしても,外観においては,判然と区別し得るものであり,称呼においても,明瞭に聴別し得るものであるから,これらが取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標は,その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても,引用商標とは非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2020-08-31 |
出願番号 | 商願2019-123500(T2019-123500) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W32)
T 1 8・ 262- WY (W32) T 1 8・ 261- WY (W32) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 馬場 秀敏、上山 達也 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 須田 亮一 |
商標の称呼 | クリスタルアイピイエイ、クリスタルアイパ、クリスタルイパ、クリスタル、アイピイエイ、アイパ、イパ |
代理人 | 亀卦川 巧 |
代理人 | 木下 洋平 |