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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y03
管理番号 1365140 
審判番号 取消2018-300767 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-10-05 
確定日 2020-07-31 
事件の表示 上記当事者間の登録第4686998号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4686998号商標(以下「本件商標」という。)は、「リアリティ」の片仮名と「REALITY」の欧文字を2段に表してなり、平成14年9月25日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、同15年6月27日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成30年10月22日である。
以下、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(平成27年10月22日ないし同30年10月21日)を「要証期間」という場合がある。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品,せっけん類」についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第3類「化粧品,せっけん類」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれの者によっても使用されていないものである。よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、当該指定商品について取り消されるべきである。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 本件商標について
本件商標は、被請求人が本件審判請求の登録前から販売している「コスメデコルテ」ブランドの「バイタルサイエンス プレミアム」シリーズにおける、当該ブランド商品中の「ファンデーション」のペットネームとして採択、使用しているものである。
2 本件商標の使用の事実及び使用時期について
(1)乙第2号証は、「ファンデーション(レフィル)」(現物)の写真であるが、当該商品のウラ面には、上部に「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス【R】 プレミアム」(審決注:「【R】」は、「○」の中に「R」の記号。以下同じ。)「パウダーファンデーション リアリティ」「301」の記載が認められ、その下部にはペットネームである「リアリティ」がはっきりと記載され、「301/オークル」(色番)が併記されている。
そして、当該商品の包装箱の上面蓋部分には「301/オークル」「パウダーファンデーション リアリティ」の記載が認められ、下面蓋部分には「パウダーファンデーション リアリティ/≪レフィル≫」の記載が認められる。これら上下の蓋部分は商品を重ねて置いた場合には、この面のどちらかが需要者・取引者の視界に入る面となる。加えて、当該商品の包装箱のオモテ面には「COSME DECORTE」「VITAL-SCIENCE/PREMIUM」「POWDER FOUNDATION REALITY」の記載が認められ、ウラ面には「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス/プレミアム」「パウダーファンデーション リアリティ 301」の記載が認められる。
なお、当該商品の包装箱のウラ面下部に記載のバーコードの上部に記載された「JBPF#301」のうち「JBPF」は当該商品の符号を、「301」は色番を表す。そして、当該バーコードの下部に記載された「35472」は当該商品の発注コードを表す。
(2)乙第3号証は、「ファンデーション(レフィル)」(現物)の販売時に包装箱に同封する説明書の写しであるが、当該説明書のオモテ面には邦文の記載が印刷され、ウラ面には英文の記載が印刷されている。当該説明書のオモテ面(邦文)には、「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス【R】/プレミアム」「パウダーファンデーション リアリティ」「≪レフィル≫」の記載が認められ、ウラ面(英文)には「COSME DECORTE」「VITAL-SCIENCE【R】/PREMIUM」「POWDER FOUNDATION REALITY」の記載が認められる。
(3)乙第4号証は、被請求人商品の取扱店に配布する「DECORTE」(審決注:語尾の「E」にはアクサンテギュが付されている。以下同じ。)(「コスメデコルテ」の略称)ブランド商品の「発注コード一覧表(抜粋)」であるが、その表紙には「DECORTE」「発注コード一覧表」「平成29年11月」の文字が表示され、12頁には「コスメデコルテ バイタルサイエンス プレミアム パウダーファンデーション リアリティ」の記載が認められる。なお、当該記載には乙第2号証の包装箱に使用している記号・符号と同じ「301(色番)」「35472(発注コード)」「JBPF301(符号・色番)」が併記されていることから、当該記載が乙第2号証で示す商品と同一商品の取り扱いを示すものであることは明らかである。また、当該記載の下段には「コスメデコルテ バイタルサイエンス プレミアム リキッドファンデーション リアリティ」の記載が認められる。
(4)以上を総合すれば、被請求人の「ファンデーション」は、本件審判請求登録前の平成20年9月に発売が開始されて以来、継続して発売されてきたといい得るものである。
そして、上記商品「ファンデーション」に使用する「REALITY」「リアリティ」の文字よりなる標章は、併記された「POWDER FOUNDATION」「パウダーファンデーション」「リキッドファンデーション」「301」「オークル」「≪レフィル≫」の文字が商品の普通名称、品質又は商品の規格・品番等を表す記号・符号の類にすぎないものであるから、その構成態様も併せ勘案すれば、当該「REALITY」「リアリティ」の文字が独立して自他商品識別標識としての機能を果たすものであって、それが本件商標と社会通念上同一のものであることも明らかである。
3 結論
以上のとおり、取消請求に係る指定商品中の「化粧品(ファンデーション)」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、被請求人により使用されているものである。

第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人提出の乙各号証によれば以下の事実が認められる。
ア 乙第2号証は、商品「ファンデーション(レフィル)」の写真とするものである。
上記商品は、その底面の上部に「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス【R】 プレミアム」「パウダーファンデーション リアリティ」「301」の記載、下部に「株式会社 コーセー 東京都中央区日本橋3-6-2」「リアリティ」「301/オークル」の記載がある。
そして、上記商品の包装箱は、その表面に「COSME DECORTE」「VITAL-SCIENCE」「PREMIUM」「POWDER FOUNDATION REALITY」の記載がある。また、包装箱裏面の上部に「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス【R】 プレミアム」「パウダーファンデーション リアリティ 301」の記載があり、裏面の下部のバーコードには、バーコード上部に「JBPF#301」の記載、バーコード下部に「4971710354720」の記載があり、上記数字の8文字目から12文字目の「35472」は、大きく太く表されている。さらに、上記商品の包装箱は、その上部蓋部分に「301」「オークル」「パウダーファンデーション リアリティ」の記載、下部蓋部分に「パウダーファンデーション リアリティ」「≪レフィル≫」の記載がある。
イ 乙第3号証は、商品「ファンデーション(レフィル)」の包装箱に同封される説明書(写し)の表面と裏面とするものである。
上記説明書は、その表面が日本語、裏面が英語で記載されており、表面の上部に「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス【R】」「プレミアム」「パウダーファンデーション リアリティ」「≪レフィル≫」の記載があり、裏面の上部に「COSME DECORTE」「VITAL-SCIENCE【R】」「PREMIUM」「POWDER FOUNDATION REALITY」「≪Refill≫」の記載、裏面の下部に「KOSE Corporation」「3-6-2 NIHONBASHI,TOKYO JAPAN」「株式会社 コーセー」「東京都中央区日本橋3-6-2」の記載がある。
ウ 乙第4号証は、被請求人の製造に係る商品の取扱店に配布する「DECORTE」ブランド商品の「発注コード一覧表(抜粋)」とするものである。
上記一覧表は、その表紙の上部に「DECORTE」「発注コード一覧表」「平成29年11月」の記載があり、中央の表の「ブランド名」欄に「バイタルサイエンスプレミアム」及び「頁」欄に「12」の記載があり、下部に「・・・お問合せは、コーセーオペレーションセンター宛にお願いいたします。」の記載や「コーセーオペレーションセンター」の文字及び電話番号などの記載がある。また、上記一覧表は、その12ページにおいて、「バイタルサイエンスプレミアム [VSP]」の「ベースメイク」の項の「商品名」欄に「コスメデコルテ バイタル サイエンス プレミアム パウダーファンデーション リアリティ」の記載、「色番」欄に「301」の記載、「発注コード」欄に「35472」の記載、「符号」欄に「JBPF301」の記載、「発売月」欄に「2008/09」の記載がある。
(2)以上によると、乙第2号証ないし乙第4号証は、「コスメデコルテ」「バイタル サイエンス プレミアム」「パウダーファンデーション リアリティ」の記載を共通にするものであり、また、乙第2号証及び乙第4号証は、「JBPF301」「35472」の記載を共通にするものである。
そうすると、乙第3号証及び乙第4号証にある上記の記載は、乙第2号証の商品(以下「本件商品」という。)に関するものといえるものである。
そして、本件商品は、その写真並びに商品及び包装箱の記載から、「パウダーファンデーション」と認められる。
また、乙第2号証及び乙第3号証の「株式会社 コーセー」「東京都中央区日本橋3-6-2」の記載から、本件商品は、上記会社が販売等を行っているものといえる。
さらに、本件商品及びその包装箱に記載された文字等の表示位置や構成態様から、本件商品の底面に記載された「パウダーファンデーション リアリティ」の文字並びに本件商品の包装箱に記載された「POWDER FOUNDATION REALITY」の文字及び「パウダーファンデーション リアリティ」の文字(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)は、いずれも独立して自他商品識別標識と機能を果たし得るものとみるのが相当である。
(3)加えて、乙第4号証の表紙に当該書類の発行月と認められる「平成29年11月」の記載及びその12ページにおいて、「バイタルサイエンスプレミアム [VSP]」の「ベースメイク」の項の「商品名」欄に「コスメデコルテ バイタル サイエンス プレミアム パウダーファンデーション リアリティ」の記載、「発売月」欄に「2008/09」の記載があることから、「東京都中央区日本橋3-6-2」に所在の「株式会社 コーセー」は、2008年(平成20年)9月から平成29年11月頃まで、継続して、商品及びその包装に使用商標を付した「パウダーファンデーション」(以下「使用商品」という。)を販売(譲渡)していたと推認することができる。
2 判断
(1)使用商標
上記1(2)のとおり、使用商標は、「パウダーファンデーション リアリティ」の文字及び「POWDER FOUNDATION REALITY」の文字であるところ、それぞれの構成中、「パウダーファンデーション」の文字及び「POWDER FOUNDATION」の文字は、使用商品の普通名称又は品質を表示したものであるから、使用商標は、その構成中の「リアリティ」及び「REALITY」の文字が、独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、本件商標は、前記第1のとおり、「リアリティ」と「REALITY」の文字を2段に表してなるところ、使用商標である「リアリティ」の文字及び「REALITY」の文字は、包装箱の表面と裏面等,離れた位置に表示されているものの、本件商標とその構成文字を共通にするものであるから、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一と認められる。
(2)使用商品(パウダーファンデーション)について
本件使用商品は「パウダーファンデーション」であり、これは、本件審判の請求に係る指定商品「化粧品,せっけん類」のうち、「化粧品」の範ちゅうに含まれる商品である。
(3)使用者について
乙第2号証と乙第3号証に記載された「株式会社 コーセー」は、その名称及び住所が本件商標の商標権者の名称及び住所と一致することから、商標権者であるといえ、よって、使用商標の使用者は、本件商標権者である。
(4)使用時期について
本件使用商品が販売されていた平成20年9月から平成29年11月頃の期間は、要証期間を含んでいることが明らかである。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品中「パウダーファンデーション」の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを販売したと認められる。
そして,商標権者の上記使用行為は,商標法第2条第3項第2号の「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し・・・する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2020-03-05 
結審通知日 2020-03-09 
審決日 2020-03-23 
出願番号 商願2002-81310(T2002-81310) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 荻野 瑞樹 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 大森 友子
有水 玲子
登録日 2003-06-27 
登録番号 商標登録第4686998号(T4686998) 
商標の称呼 リアリティ 
代理人 松尾 和子 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 藤倉 大作 
代理人 中村 稔 
代理人 松下 友哉 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 井滝 裕敬 

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