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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0330 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0330 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0330 |
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管理番号 | 1365050 |
審判番号 | 不服2020-1388 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-02-03 |
確定日 | 2020-08-07 |
事件の表示 | 商願2019-58575拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第3類,第5類及び第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年6月5日に登録出願された商願2018-074242に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,第3類「口臭用消臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」及び第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,茶,コーヒー,ココア,調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」を指定商品として,平成31年4月24日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の5件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1841122号商標(以下「引用商標1」という。)は,「東洋」の漢字と「TOYO」の欧文字を上下二段に横書きしてなり,昭和58年12月28日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同61年2月28日に設定登録され,その後,平成18年2月1日に指定商品を第1類及び第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされ,さらに,同28年2月23日に第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」を指定商品とする存続期間の更新登録がされたものである。 (2)登録第5131160号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成19年6月29日に登録出願,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料,つけづめ,つけまつ毛」並びに第29類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同20年4月25日に設定登録されたものである。 (3)登録第5578878号商標(以下「引用商標3」という。)は,「TOYO」の欧文字を標準文字で表してなり,平成24年10月29日に登録出願,第30類「穀物の加工品,おむすび,べんとう」並びに第7類,第35類,第37類及び第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として同25年5月2日に設定登録されたものである。 (4)登録第5789472号商標(以下「引用商標4」という。)は,「トーヨー」の片仮名を標準文字で表してなり,平成27年2月10日に登録出願,第35類「せっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,石油系合成洗剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,洗濯せっけんの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ドライクリーニング剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,液状洗剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用合成洗剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,固形洗剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食器用洗剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,風呂用洗剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,アイロン台の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,プレス台やアイロン台の作業面に敷いて用いるプレス掛け用及びアイロン掛け用のマットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として同年8月28日に設定登録されたものである。 (5)登録第5985607号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成29年2月16日に登録出願,第30類「茶,粉状の茶,ティーバック入りの茶,ウーロン茶,紅茶,昆布茶,麦茶,緑茶,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,香辛料,カレー粉,コーヒー豆,パスタソース」を指定商品として同年10月6日に設定登録されたものである。 以下,上記引用商標1ないし引用商標5をまとめていうときは,「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標について ア 本願商標は,別掲1のとおり,左側に,赤色円図形の内部に白抜きでサクランボと思しき図形(以下「本願図形部分」という。)を配し,右側に,赤茶色で「simple.natural.clean.」の欧文字を細字で小さく横書きにし,その下段に,本願図形部分と同じ赤色でデザイン化された「TOYO」の欧文字を書した,図形と文字との結合商標である。 イ 本願商標の構成中,右側の下段の「TOYO」の欧文字は,辞書等に載録されていないものであり,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものといえる。 また,右側の上段部分は,「simple」,「natural」及び「clean」の語が,それぞれ,「単純なさま」「自然であること」及び「清潔なさま」の意味を有する親しまれた英単語である(大辞泉 株式会社小学館)ものの,これらを結合した「simple.natural.clean.」の語は,既成の語ではなく,特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているともいえないものであり,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものといえる。 ウ 本願図形部分と文字部分は,視覚上分離して認識,把握されるものであり,また,本願図形部分は,抽象的な図形であって,直ちに特定の事物を想起させるものではなく,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当であるから,本願図形部分と文字部分とに称呼上及び観念上のつながりも見いだし得ないものである。 そうすると,本願商標は,その図形部分及び文字部分を,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く,本願図形部分と文字部分とがそれぞれ自他商品の識別力を有する要部とみるのが相当である。 エ 本願商標の構成中,右側の文字部分は,上段に赤茶色で「simple.natural.clean.」の欧文字を細字で小さく横書きにし,下段に,本願図形部分と同じ赤色で上段の文字に比して4倍以上の大きさで顕著に「TOYO」のデザイン化された欧文字を書してなるところ,各段の文字部分は,それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであって,同系色ではあるものの,色彩を異にすることに加え,顕著に表された「TOYO」の文字部分が,取引者,需要者に対し,相当程度強い印象を与えるものであり,独立して商品の出所識別標識として機能し得るものと認められるから,本願商標から「TOYO」の文字部分を要部として取り出し,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 オ 以上よりすると,本願商標は,構成中の文字部分に照応して,「シンプルナチュラルクリーントーヨー」が生じるほか,その要部である「TOYO」の文字部分に相応して,「トヨ」又は「トーヨー」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標1について ア 引用商標1は,「東洋」の漢字と「TOYO」の欧文字を上下二段に横書きしてなるものである。 イ 引用商標1の構成中,下段の欧文字は,上段の漢字の読みを表したものと無理なく把握させるものであるから,その構成文字に相応して,「トーヨー」の称呼を生じるものである。 ウ 引用商標1は,その構成中「東洋」の漢字が,「アジア諸国の総称」(大辞泉 株式会社小学館)の意を有するものとして広く一般に親しまれていることから,当該文字に相応して「トーヨー」の称呼及び「アジア諸国の総称」の観念を生じるものである。 (3)引用商標2について ア 引用商標2は,別掲2のとおり,黒い正方形に,木と果実の図形を包含した同じ大きさの菱形図形を重ねて,その中央下部に「TOYO」の文字を書した,図形と文字との結合商標である。 イ 引用商標2の構成中,「TOYO」の文字部分は,図形部分の内側に記載されているものの,引用商標2の中央下部の目立つ位置に,黒色の背景に白抜きの読み取りやすい書体で明瞭に記載されているから,外観上,図形部分と一見して明確に区別して認識できるものであり,「TOYO」の文字部分は,見る者に強い印象を与えるとともに,その注意を強く引くものであると認めるのが相当である。 そうすると,引用商標2の図形部分と「TOYO」の文字部分とが,分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできないから,図形部分と文字部分は,それぞれが独立して出所識別機能を有する要部であるというべきである。 ウ 以上によれば,引用商標2は,「TOYO」の文字部分に相応して,「トヨ」又は「トーヨー」の称呼が生じ,当該文字は,上記(1)イと同様に,辞書等に載録されていないものであり,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものである。 (4)引用商標3について ア 引用商標3は,「TOYO」の欧文字を標準文字で表してなるものである。 イ 引用商標3は,その文字に相応して,「トヨ」又は「トーヨー」の称呼が生じ,当該文字は,上記(1)イと同様に,辞書等に載録されていないものであり,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものである。 (5)引用商標4について ア 引用商標4は,「トーヨー」の片仮名を標準文字で表してなるものである。 イ 引用商標4は,その片仮名に相応して,「トーヨー」の称呼が生じ,当該片仮名は,辞書等に載録されていないものであり,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものである。 (6)引用商標5について ア 引用商標5は,別掲3のとおり,上段に顕著に「TOYO」の文字を書し,下段にやや小さく「RESTAURANT」の文字を二段に書してなる構成よりなる。 イ 引用商標5の構成中,下段の「RESTAURANT」の語は,「洋風の料理店。中華料理の店にもいうことがある。」(大辞泉 株式会社小学館)の意味を有する親しまれた英単語であるものの,引用商標5の指定商品との関係で,その商品の普通名称や品質等を表示するものであるなど,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないと見るべき事情は見当たらない。 ウ 以上によれば,引用商標5は,その構成文字全体が一体不可分のものであって,その構成文字に相応して,「トーヨーレストラン」の一連の称呼のみが生じ,構成中の「TOYO」の文字は,上記(1)イと同様に,辞書等に載録されていないものであり,引用商標5は全体として,一種の造語として認識されるものであるから,特定の観念は生じないものである。 (7)本願商標と引用商標1との類否 ア 本願商標と引用商標1との類否について検討すると,両者は,外観において,それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであって,それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。 イ 称呼においては,本願商標と引用商標1からは,ともに「トーヨー」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者はその称呼を共通にするものである。 ウ 観念においては,本願商標からは特定の観念を生じないものであるところ,引用商標からは「アジア諸国の総称」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は相紛れるおそれはないものである。 エ 以上よりすると,本願商標と引用商標1は,称呼において共通するとしても,外観において明瞭に区別できるものであって,観念において相紛れるおそれのないものであるから,これらの外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。 (8)本願商標と引用商標2,引用商標3との類否 ア 本願商標と引用商標2,引用商標3との類否について検討すると,両者は,外観において,それぞれ上記(1),(3)及び(4)のとおりの構成からなるものであって,それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。 イ 称呼においては,本願商標と引用商標2,引用商標3からは,ともに「トヨ」又は「トーヨー」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者はその称呼を共通にするものである。 ウ 本願商標と引用商標2,引用商標3は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。 エ 以上よりすると,本願商標と引用商標2,引用商標3は,観念において比較することはできず,「トヨ」又は「トーヨー」の称呼において共通する場合があるとしても,外観においては明確に区別できるものであるから,これらの外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。 (9)本願商標と引用商標4との類否 ア 本願商標と引用商標4との類否について検討すると,両者は,外観において,それぞれ上記(1)及び(5)のとおりの構成からなるものであって,それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。 イ 称呼においては,本願商標と引用商標4からは,ともに「トーヨー」の称呼を生じるものであるから,称呼上,両者はその称呼を共通にするものである。 ウ 本願商標と引用商標4は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。 エ 以上よりすると,本願商標と引用商標4は,観念において比較することはできず,「トーヨー」の称呼において共通する場合があるとしても,外観においては明確に区別できるものであるから,これらの外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。 (10)本願商標と引用商標5との類否 ア 本願商標と引用商標5との類否について検討すると,両者は,外観において,それぞれ上記(1)及び(6)のとおりの構成からなるものであって,それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから,視覚的な印象が相違し,外観上,両者は相紛れるおそれのないものである。 イ 称呼においては,本願商標から生じる「トーヨー」の称呼と引用商標5から生じる「トーヨーレストラン」の称呼とを比較すると,両者は,語尾において「レストラン」の有無という明らかな差異を有し,さらに,それぞれの音構成及び構成音数が相違することから,称呼上,明らかに聴別され得るものである。 ウ 本願商標と引用商標5は,共に特定の観念を生じないものであるから,観念において比較することはできない。 エ 以上よりすると,本願商標と引用商標5は,観念において比較することはできないとしても,外観及び称呼において明瞭に区別できるものであるから,これらの外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。 (11)まとめ 以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,商品の類否について判断するまでもなく,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。) 別掲2 登録第5131160号商標 別掲3 登録第5985607号商標 |
審決日 | 2020-07-22 |
出願番号 | 商願2019-58575(T2019-58575) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(W0330)
T 1 8・ 263- WY (W0330) T 1 8・ 261- WY (W0330) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 清川 恵子 |
特許庁審判長 |
齋藤 貴博 |
特許庁審判官 |
小松 里美 山根 まり子 |
商標の称呼 | シンプルナチュラルクリーントーヨー、シンプルナチュラルクリーン、シンプルナチュラル、シンプル、ナチュラル、トーヨー、トヨ |
代理人 | 古関 宏 |