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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W31
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W31
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W31
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W31
管理番号 1363265 
審判番号 不服2020-2171 
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-18 
確定日 2020-06-29 
事件の表示 商願2019-42185拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「スリムケール」の文字を標準文字で表してなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成31年3月25日に登録出願されたものである。
その後、当審における令和2年2月18日受付の手続補正書により、その指定商品は第31類「ケール」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)本願商標は、その構成中に「ケール」の文字を含んでいるため、その指定商品中「ケール」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第729859号の2商標は、「スリム」の文字を表してなり、昭和40年9月10日登録出願、同42年1月16日に設定登録された登録第729859号商標の商標権の分割に係るものであって、第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年5月28日に商標権の分割移転の登録がされ、同19年6月27日に指定商品の書換登録がされた結果、その指定商品は第31類「野菜(「茶の葉」を除く。)」となったもので、現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本願商標は、上記1のとおり、その指定商品が補正された結果、本願商標を補正後の指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはなくなった。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標について
(ア)本願商標は、「スリムケール」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ大きさ及び書体で、字間なく横一列に配置されているため、構成上まとまりのよい印象を与えるもので、いずれかの文字部分だけが独立して見る者の注意を引くようなものではない。
(イ)また、本願商標の構成中、「スリム」の文字は「細いさま」(「広辞苑 第7版」岩波書店)の意味を有する外来語であり、「ケール」の文字は「キャベツの変種。若葉はサラダなどに用いるほか、薬用の青汁の原料。」(前掲書)を指称する語であるところ、両語を結合した「スリムケール」の文字が、特定の意味を有する成語となるものではないが、その指定商品との関係においては各語の語義の理解は容易であるため、全体として「細いケール(野菜)」程度の意味合いを連想、暗示させるもので、両語を一連に発音した「スリムケール」の称呼も語呂がよく、冗長なものではない。
(ウ)加えて、本願商標の構成中、「ケール」の文字部分は、その指定商品との関係においては商品の普通名称を表すもので、自他商品の識別標識としての機能が著しく弱い語であるものの、「スリム」の文字部分は、語尾に配置された文字を修飾して結合語を構成することも多い語であって、構成全体をして上記(イ)のような意味合いを連想、暗示させることもあるから、本願商標のような構成において、「ケール」の語より生じる称呼及び観念が省略されて取引されるものとは考え難い。
そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、「ケール」の文字部分より生じる称呼、観念を捨象して、「スリム」の文字部分を本願商標の要部として抽出して取引されるというよりは、通常は、構成全体より生じる称呼及び観念をもって取引されるというべきである。
(エ)以上を踏まえると、本願商標は、「スリム」及び「ケール」の文字を組み合わせた結合商標であるものの、両文字部分の構成、観念及び称呼における一体性等を鑑みると、いずれかの文字部分が自他商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものでもなく、出所識別標識としての称呼及び観念が生じないというものではないから、特定の文字部分のみを要部として抽出するのではなく、構成文字全体を対比して商標の類否を検討すべきである。
そうすると、本願商標は、構成文字全体に相応して、「スリムケール」の称呼を生じ、特定の観念までは生じないが、「細いケール(野菜)」程の意味合いを暗示させる。
イ 引用商標について
引用商標は、「スリム」の文字を表してなるところ、その構成文字に相応して「スリム」の称呼が生じ、「細いさま」程度の観念が生じる。
ウ 本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標を比較すると、外観においては、構成文字の差異(語尾の「ケール」の文字の有無)から、互いの印象は異なるものになる。また、称呼においては、構成音の差異(語尾の「ケール」の音の有無)があるため、互いに聴別は容易である。さらに、観念においては、本願商標が暗示する漠然とした意味合いと引用商標から生じる観念は相違するため、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標は、引用商標とは、構成文字全体から生じる外観、称呼及び観念の比較においては、いずれも相紛れるおそれはないため、両商標は非類似の商標というべきである。
エ 以上のとおり、本願商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定商品について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当しないから、これらに該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


別掲

審決日 2020-06-09 
出願番号 商願2019-42185(T2019-42185) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W31)
T 1 8・ 261- WY (W31)
T 1 8・ 272- WY (W31)
T 1 8・ 263- WY (W31)
最終処分 成立  
前審関与審査官 太野垣 卓古橋 貴之 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 阿曾 裕樹
大森 友子
商標の称呼 スリムケール、スリム 
代理人 田中 尚文 

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